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2016 巨人キャンプレポート 2月22日

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今日の巨人は沖縄セルラースタジアム那覇で練習を行った。
また明日は韓国起亜と、明後日は中日と練習試合を行い、沖縄での2次キャンプ全日程を終了する。
そして今週末の土曜日から本格的にオープン戦が始まる。

巨人沖縄春季キャンプ 2月22日

【天候】 くもり 19℃ 風速6m (正午)

【練習メニュー】

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午前中は完全非公開のサインプレーの練習が行われた
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【外野陣による本塁への送球練習】

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上の写真はレフトからバックホーム送球を行っているギャレット。
彼のスローイングについては、モーションが大きめで地肩はプロの平均よりやや落ちる。
これまでの外国人と比較して説明すると、アンダーソンやG時代のラミレスよりも地肩は上で、ボウカーと同じくらいのレベルか、モーションが少し大きい分だけ落ちる印象。
左投げでレフトを守る場合は逆モーションになるので、特にレフト線寄りに打球が飛んだ場合は、積極的に2塁を狙われると思う。

個人的な意見としては外野での起用は賛成出来ない。

【ランチ特打雑感】

村田と阿部がランチ特打を行った。
じっくり観察したが、阿部については特に気になる部分はなかった。
一方で、やはり村田は良くなかった。

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村田のバッティングを見て気になるポイントは2つ
①構えが固い
②トップを作るのが遅い

解説者が村田のバッティングを見て、必ず指摘するのは②である。
つまり、トップを作るのが遅いので、スイングの始動が遅れてしまい、タイミング的に差し込まれるようなバッティングが多くなる。
昨日のオープン戦を見ても、直球系に対して振り遅れて詰まる打球が目についた。

では、何故トップを作る行程が遅れてしまうのか?
筆者の見立てでは①が最大の要因と考えている。

打者心理で考えると、構えを早く決めてしまえば、トップを作るまでの行程が遅れないと考えがちになる。
平たく言えば「早めに準備しておけば安心」という心理の元で構えを早く作ろうとする。
これは理論上では正しい。

一般社会の中でも、事前準備が出来ていれば仕事は円滑に運んでいく。
一方で事前準備という作業は、これから起こりうる様々な場面を想定していなければ本番では役に立たない。
単純に形式だけに拘っていたら、それは自己満足の準備であり、本番で役に立たないケースが多い。
バッティングという仕事(作業)にも、同じことが言える。

村田の場合は前者(形だけの準備)で、彼の構えは「バッティングの型」に拘っているように感じる。
つまり「早く型を作ってしまいたい」という心理が優先して、ガチガチに構えが固定してしまっている。

そして構えの段階で生まれた「固さは」は、トップを作る行程で遅れを生んでいる(ポイント②)
つまり、トップまでの過程で重要になる「バックスイング」を作る時間が無くなってしまうからである。

バックスイングがなければ、バッティングの「間」は生まれない。
極端に言えば「間」が無ければ、構えからそのままバットを出すイメージになり「打つ・叩く」という動作(スイング)ではなく「当てる」という動作になる。

これでは打球に力強さが出ないので、彼自身も何とか無理矢理バックスイングを作ってはいるが、これが悪循環となってタイミング的には致命的な遅れを生じている。
その結果、直球に対しては差し込まれ、その打開策としてポイントを前に置こうと意識すると、今度は変化球に対して泳がされてしまう。
今の状態では変化球にヤマを張っていなければ、ヒット性の打球は生まれない。
しかし、それは必ず相手バッテリーに見透かされてしまう。
直球中心で攻められて簡単に討ち取られるのが関の山である。

ただ、構えの段階で型を作りたがるのは彼に限った話ではなく、長距離打者の特徴と言えるし、特に上体が強い外国人打者に多く見られる。
それでも短期的にHRを量産するかもしれないが、相手に研究されると成績が急降下してしまう。

日本の代表的なスラッガーである中田翔も、以前は構えの段階で力みまくっていたが、現在はリラックスした状態で構えている。
又、中村剛、筒香なども同様で構えが自然体であり、過去のレジェンドクラス(王・松井秀・田渕・掛布など)も同じである。

振り返れば、今キャンプ初期の彼のバッティングは構えに力みがなく、自然な流れでトップを作っていたので期待感が高かった。
しかし、日を追う毎に上体が力んでしまい、フリーバッティングを見ても直球には差し込まれ気味となり、変化球には上体が流れてしまうスイングに変わってしまった。

土曜のDeNA戦と日曜の広島戦のG各打者は、村田と同じように直球に対して差し込まれる打者が多かった。
しかし、他の選手以上に目に見えて形が崩れていたので、今回はあえて彼のバッティングについて考えてみた。

【フリーバッティング雑感】

★坂本勇人
腰の疲れで週末のオープン戦には出場しなかったが、今日は元気な姿を見せていた。

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★ギャレット

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ここ最近のバッティングで気になるのは、村田と同じで始動が遅れている事。
但し、彼の場合は「始動するタイミングを掴めていない事」が最大の要因と見ている。

原因は2つ考えられる。

①タイミングを計る動作(右足を上げる)が上手く取れない。
②日本の投手の「球持ちが長い投球フォーム」に戸惑っている。

①と②はリンクしているので、合わせて説明していきたい。
MLB在籍時の彼は、右足を高く上げてタイミングを計っていた。
しかし、これは彼の欠点である「体重移動からインパクトの瞬間に体が前に突っ込む」という副作用を生んでしまっていた。
これは本人も自覚していたようで、日本の野球は変化球が多いという事もあって、来日当初から意識的に修正していた。
その答えが「右足を高く上げずに左足に長く重心を置く」というスタイルだった。

但し、これにも副作用があった。
右足を高く上げてタイミングを計っていたが、それを抑えてしまったので、タイミングを計る術を失ってしまった。
同じことは坂本にも言えることで、ここ数年、彼がちょくちょくフォームを弄るのは同じ悩みを持っているからである。

つまり現在のギャレットは「タイミングを計る」という打者にとっては最も重要なポイントを模索している最中で、その答えの一つとして「早めに構える」意識で打席に立っている。

しかし、ここで更に新たな壁として立ちはだかるのが、日本の投手の特徴である「球持ちが長い投球フォーム」である。
外国人投手の多くは、下半身の粘りをあまり利用せずに上体の力でボールを投げるので、フォームと投球のスピード感は比例するが、日本人投手の場合、先に下半身が動いて最後にボールが投げられるイメージ(球持ちが長い)なので、フォームと投球のスピード感が必ずしも比例しない。
ここが彼のタイミングが遅れてしまう最大の要因になっているし、これに加えて変化球も多彩なので益々面喰らっている。
現在のギャレットはそんな心境だと思う。

正直言えば、開幕から結果を残すのはなかなか難しいと見るのが妥当だと思う。
だが、ここで悩み続けてしまうと、活躍するキッカケさえも無くなってしまう。
個人的には3億円払って呼んだ選手なので、交流戦が終わるまではなるべく多くの打席を経験させて、夏場に爆発するイメージで使って欲しい。
その為には、コーチの技術的なアドバイスだけではなく、スタッフの精神的なケアも必要になる。
非常に真面目で練習熱心な選手なので、何とか日本で成功して欲しいと願うばかりである。

今年のG打線は彼の活躍無くして得点力は上がらない。

以上 敬称略

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