読売ジャイアンツvs阪神タイガース 5回戦 観戦レポート 2021.4.21
【試合結果】
阪神 200 000 000 2
巨人 010 101 00X 3
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巨人Ⓟ畠、鍵谷、高梨、中川、ビエイラ=大城
阪神Ⓟ青柳、小林、馬場=梅野
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{勝}畠 2勝1敗
{敗}青柳 2勝1敗
{S}ビエイラ 1S
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{本}近本2号、マルテ6号(以上阪神)、岡本2号、3号(以上巨人)
【試合経過/巨人サイドからの考察】
☆1回表☆
{経過}
Ⓟ畠、近本は右本(失点1)⇒糸原は空三振⇒マルテは左本(失点1)⇒大山は左線二⇒サンズ
{考察}
立ち上がりの畠はハッキリ言って良くなかった。
特に前回良かったカットボールが殆ど抜けてしまっていたので、攻め方がやや単調になってしまった。
そんな畠に対して阪神打線は容赦なく襲い掛かり、巨人側にとっては出端を挫かれる2失点となった。
★1回裏★
{経過}
Ⓟ青柳、松原は空三振⇒坂本は中安⇒梶谷は二ゴロ⇒一塁走者の梶谷が飛び出す形で二盗失敗。
{考察}
一死から坂本が出塁するが梶谷の凡打と走塁ミスで無得点。
☆2回表☆
{経過}
Ⓟ畠、梅野は四球⇒中野は右飛(梶谷のスーパープレー)⇒青柳は投犠打⇒近本は右飛。
{考察}
この回の畠は腕が全く振れていなかった。
先頭の梅野に対してコースを過度に意識して置きに行くような投球で、後続の打者に対してもストレートが本来の走りではなかった。
それでも無失点で凌げたのは、何と言っても梶谷のスーパープレーがあったからこそである。
★2回裏★
{経過}
Ⓟ青柳、岡本は左本(得点1)、G1-T2⇒香月は遊飛⇒重信は三ゴロ⇒大城は左中二⇒吉川は中飛。
{考察}
先頭の岡本が低めのボール気味のツーシームを完璧に捉えて一発を放つ。
そして二死から大城が二塁打を放つが吉川が倒れて1点止まり。
但し、ここまで巨人の左打者は青柳に対してタイミングにズレを感じないので、畠がこの後の守りで踏ん張れれば十分に勝負出来そうな手応えは感じた。
☆3回表☆
{経過}
Ⓟ畠、糸原は左線三(梶谷がダイビングするも届かず)⇒マルテを三ゴロ⇒大山を三ゴロ⇒サンズを空三振。
{考察}
先頭の糸原にいきなり三塁打を打たれた畠は、打たれた直後の表情が明らかに変化していた。
筆者には「なにくそ!」というような開き直った表情に見えた。
そして迎えたマルテには最後はやや甘いボールではあったが、初球にインハイに突っ込んだからからこそ三ゴロに討ち取り、続く大山に対しても同じくインハイに連続して突っ込んだからこそ、最後の甘いストレートを相手が打ち損じたと見る。
★3回裏★
{経過}
Ⓟ青柳、畠は一ゴロ⇒松原は大きな左飛⇒坂本は二ゴロ。
{考察}
この回の巨人打線は三者凡退で攻撃を終える。
☆4回表☆
{経過}
Ⓟ畠、佐藤は空三振⇒梅野を空三振⇒中野を空三振。
{考察}
明らかにテンポアップした畠は、投球も攻めの姿勢が出て、腕の振りも別人のように良くなっていた。
この回は三者連続三振で抑える。
★4回裏★
{経過}
Ⓟ青柳、梶谷は空三振⇒岡本は左本(得点1)、G2-T2⇒香月は四球⇒重信は右安⇒大城は見三振⇒吉川は右飛。
{考察}
岡本の連発で一気に畳みかけたかった巨人打線だったが、大城と吉川が倒れて同点止まり。
☆5回表☆
{経過}
Ⓟ畠、青柳を二ゴロ⇒近本を一ゴロ⇒糸原を二直。
{考察}
明らかに立ち直った畠は、変化球が低めに集まり、投球に安定感が出てきた。
★5回裏★
{経過}
Ⓟ青柳、畠は二ゴロ⇒松原は遊邪飛⇒坂本は中安⇒梶谷は遊ゴロ。
{考察}
二死から坂本が出塁するが梶谷が倒れて無得点。
☆6回表☆
{経過}
Ⓟ畠、マルテ右安⇒大山を三ゴロ⇒サンズを空三振⇒佐藤は二ゴロ(吉川のスーパープレー)
{考察}
この回の畠はややストレートが真ん中付近に集まっていたが、非常に気持ちが入った投球をしていた。
最後の佐藤へ投じたカーブは危ないボールだったが、吉川のスーパープレーが生まれる。
★6回裏★
{経過}
Ⓟ青柳、岡本は二安⇒香月は捕犠打⇒重信は二安⇒大城は投ゴロ(三塁走者は憤死)⇒吉川は左適安(得点1)、G3-T2⇒代打立岡は二ゴロ。
{考察}
岡本と重信の内野安打は、正直言って守備が上手い投手なら両方とも処理されていた打球だったので、巨人側にとってはラッキーだった。
そして大城の投ゴロで三塁走者が本塁憤死し、これで流れ的にチャンスが潰えたかにみえたが、ここで吉川が値千金のタイムリーを放つ。
☆7回表☆
{経過}
Ⓟ鍵谷、梅野を二ゴロ⇒中野を空三振、投手交代、Ⓟ高梨、糸井は死球⇒一塁走者が二盗成功⇒近本は四球⇒糸原を二ゴロ。
{考察}
鍵谷がすんなり2アウトを奪い、巨人ベンチとしては予定通りの継投で代打糸井に対して高梨を投入するが、ここから想定外のピンチを招いてしまう。
しかし、高梨は糸原を何とか討ち取ってリードを守った。
★7回裏★
{経過}
Ⓟ小林、松原は中安⇒坂本は右飛⇒梶谷は投失⇒岡本は遊併打。
{考察}
一死一二塁のチャンスで岡本を迎えたが、強い打球の遊ゴロ併殺打。
岡本にとっては悪くないバッティングだったが、相手投手が投じたコースと高さに間違いはなかった。
☆8回表☆
{経過}
Ⓟ中川、マルテを遊ゴロ⇒大山を中飛⇒サンズを空三振。
{考察}
四番手の中川は大山に対して甘いボールを投じてヒヤリとさせたが、阪神のクリーンナップを三人で片づけた。
★8回裏★
{経過}
Ⓟ馬場、香月は二ゴロ⇒重信は中安⇒大城は右安(エンドランだったが一塁走者の重信の判断ミスで三塁進塁出来ず)⇒吉川は四球⇒代打亀井は一ゴロ⇒松原は空三振。
{考察}
何とかダメ押し点が奪いたかった巨人ベンチは、中川の続投を諦めて代打亀井という勝負手を打つが、結局阪神バッテリーに抑えられてしまう。
☆9回表☆
{経過}
Ⓟビエイラ、佐藤を空三振⇒梅野を二ゴロ⇒中野を中飛、ゲームセット
{考察}
巨人ファンの多くはヒヤヒヤしていたと思う。
しかし、阪神の先頭打者が「振ってくれる佐藤」であった事が巨人側にはラッキーだった。
確かに一発が怖いが、近本や糸原のようなコンタクトヒッターの方がビエイラのような速球派は嫌だったと思う。
そしてビエイラも非常に集中していた。
決して投げ急がずに、一球一球、魂を込めた投球で最後を締めた。
【勝負を分けたポイント】
8回の「阪神クリーンナップ対中川皓太」が全てだったと思う。
前の7回に高梨がピンチを招いた事で、逆に当たってる近本と糸原との対戦を終えることになり、8回にマウンドに立った中川が、この回をすんなり三人で終える事が出来れば、まだまだ不安なビエイラが登板する最終回は、相手下位打線との勝負になる状況だった。
そして、この三者凡退は9回に登板したビエイラに勇気を与えた。
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【選手雑感】
☆岡本和真☆
ようやく爆発してくれた。
弊ブログでは間違いなく状態が上がっていることを数日前から指摘していたが、それがようやく形になって表れて本当に良かった。
技術的には何度も指摘しているように、相手のボールに対して下半身を先にぶつけていくようなスイングの形が出てきたので、トップの形から振り始めで、来たボールに対して微妙に長くボールを見れる「間」が生まれ、この僅かな「間」によってボールとバットのほどよい距離感が生まれたことが最大の要因と見ている。
まだインハイのボールは難しいと思うが、インローならバットとボールの距離感が取れやすいので、あの連続ホームランが生まれた。
☆畠世周☆
序盤の内容は多くの巨人ファンが落胆したと思う。
桑田コーチがマウンドに行った際も、表情が青白く、周囲の声掛けにも生返事状態で、好調阪神打線に序盤から完全に飲み込まれてしまっていた。
しかし、潮目が変わったのは3回表の無死三塁のピンチを無失点で切り抜けたこと。
恐らく、あそこで開き直れたんだろうと推察するが、4回以降は別人のように腕を振り、コースに拘らず自分のストレートの球威を信じて打者と真っ向勝負していた。
まあ、正直言って、まだまだローテの柱としては物足りないマウンド捌きだが、好調阪神打線を何とか2点で凌ぎ、勝ち投手になったという結果を自分で勝手に過小評価せずに、大いに自信に繋げて欲しい。
少なくともストレート系に強いサンズに対して、そのストレートで空振り三振を奪った内容は素晴らしかった。
【総評】
ふう・・・。
ゲームセットの瞬間、日本中のジャイアンツファンが安堵したと思う。
正直言って、昨日の序盤から一方的な試合展開だったので、今日は序盤でコラムを書く気力を失いかけたが、若大将の一発で何とか思いとどまった。
恐らく、これは筆者や他の巨人ファンだけではなく、巨人ベンチも同じだったと思う。
そしてその若大将による連弾で同点になり、これでようやく落ち着いた心境(冷静な判断)で試合観戦出来るようになった。
つまり、若大将・岡本和真の一発は、ここまで結果だけではなく、ゲーム内容も完全に阪神に押されてしまっていた状態を、ここでようやく押し返して五分に戻したことになる。
前にも言ったが、これは今の巨人は岡本和真が中心軸として動き始めている事を意味していると思う。
坂本がいくら打っても、劣勢を覆せなかった状態を、岡本の1本のホームランで試合の空気感をガラリと一変させた。
時代は坂本から岡本へ。。。
だが。。ホント・・今年の阪神は間違いなく強い。。。
それは率直に認めねばならない。。。
しかし、巨人がその強い阪神の上を行くには、カジサカマル、外国人勢の活躍以上に、岡本和真の獅子奮迅の大活躍が必要だろう。
以上 敬称略
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