東京ヤクルトスワローズvs読売ジャイアンツ 4回戦 観戦レポート 2021.4.27
【試合結果】
巨 人 311 100 206 14
ヤクルト 042 000 203 11
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ヤクⓅ田口、今野、近藤、清水、坂本、マクガフ、石山、梅野=中村
巨人Ⓟ畠、大江、野上、鍵谷、高梨、中川、ビエイラ=大城、炭谷
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{勝}中川2勝1敗
{敗}石山0勝1敗8S
{S}
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{本}大城4号、 ウィーラー2号 、 梶谷4号 、 岡本和4号(以上巨人)、村上9号、10号、山田9号(以上ヤクルト)
【試合経過/巨人サイドからの考察】
☆1回表☆
{経過}
Ⓟ田口、梶谷は一ゴロ⇒坂本は左安⇒丸は右安⇒岡本は中安(得点1)⇒スモークは右安⇒テームズは空三振⇒若林は三失(得点2)、G3-S0⇒大城は右安⇒畠は空三振。
{考察}
田口の立ち上がりはストレートが走っていたいなかったので、巨人打線が勝負球の変化球を難なく合わせていた。
巨人側にとって大きかったのは村上のエラーで、あれがなければ「各駅停車」の巨人打線は1点のみで終わってしまうところだった。
それにしてもスモークの脚力は。。。苦笑
★1回裏★
{経過}
Ⓟ畠、山崎を遊ゴロ⇒中村を中飛⇒山田を見三振⇒
{考察}
先頭打者の山崎にはフルカウントから粘られたが、ここで粘りきって討ち取れた事がこの回を無失点で切り抜けた最大の要因だった。
但し、立ち上がりの畠は体が重そうな印象で、全体的にボールの走り・キレがイマイチだった。
☆2回表☆
{経過}
Ⓟ田口、梶谷は右安⇒坂本は中飛⇒丸は中越二⇒岡本は中犠飛(得点1)、G4-S0⇒スモークは遊ゴロ。
{考察}
この回もボールのキレを感じない田口に対して攻め込んだが、岡本の犠飛による1点のみで攻撃を終える。
正直言って、もっと加点して欲しかった。
★2回裏★
{経過}
Ⓟ畠、村上は中本(失点1)、G4-S1)⇒オスナを三ゴロ⇒青木は三安⇒サンタナは四球⇒バッテリーエラーで二三塁へそれぞれ進塁⇒元山は右適三(高くバウンドして梶谷が後逸、失点2)、G4-S3⇒田口は投手前にスクイズ成功(失点1)、G4-S4⇒山崎を二飛。
{考察}
畠は村上に一発を浴びたことよりも、サンタナへの四球が痛かった。
これでリードしているにも関わらず精神的に追い込まれてしまった。
この後、バッテリーエラーと梶谷の拙守で1点差になり、田口にも初球にスクイズを決められ同点にされてしまう。
☆3回表☆
{経過}
Ⓟ田口、テームズは空三振⇒若林は中飛⇒大城は左本(得点1)、G5-S4⇒畠は見三振。
{考察}
二死から大城が一発を放ち、再びリードする。
カウント3-0から積極的に甘い球を強振した一発だった。
★3回裏★
{経過}
Ⓟ畠、中村は左安⇒山田は四球、投手交代、Ⓟ大江、村上を二飛⇒オスナは左適安(テームズが後逸、負傷退場)、G5-S5⇒青木は中犠飛(失点1)、G5-S6⇒サンタナは四球⇒元山を空三振。
{考察}
味方が再びリードを奪っても畠はピリッとしない。
中村にはボール先行でストライクを取りに行った変化球を捉えられ左安、山田には逃げの投球で四球を与え、ここで原監督は交代を決断する。
二番手の大江は村上を討ち取るが、オスナにタイムリーを浴び、テームズの拙い守備で同点を許してしまう。
更に青木に犠飛を打たれて勝ち越しを許す。
☆4回表☆
{経過}
Ⓟ田口、梶谷は左中二⇒バッテリーエラーで梶谷は三進⇒坂本は空三振⇒丸は空三振⇒岡本は右線適二(得点1)、G6-S6⇒スモークは遊ゴロ。
{考察}
先頭の梶谷の二塁打とバッテリーエラーで無死三塁の同点のチャンスを作り、坂本と丸は三振に倒れるが、岡本が同点タイムリーを放つ。
試合の流れの上では非常に大きい得点だが、この試合の荒れ具合を考えると、まだまだこの先の展開が読めない。
★4回裏★
{経過}
Ⓟ野上、代打古賀は遊飛⇒山崎は中飛⇒中村は中飛。
{考察}
二番手の野上は危なげなく三者凡退で討ち取る。
☆5回表☆
{経過}
Ⓟ今野、ウィーラーは中安⇒若林は空三振⇒大城は空三振⇒野上は見三振。
{考察}
二番手の今野に対して先頭のウィーラーが出塁するが後続が続かず無得点。
★5回裏★
{経過}
Ⓟ野上、山田を三飛⇒村上を四球⇒村上が二盗成功⇒オスナを左飛⇒青木を四球⇒サンタナを空三振。
{考察}
野上は二死一二塁のピンチを背負うが、最後はサンタナを何とか三振に討ち取って凌ぎ切る。
尚、野上はこれで通算1500イニングを達成する。
☆6回表☆
{経過}
Ⓟ近藤、梶谷は空三振⇒坂本は三ゴロ⇒丸は空三振。
{考察}
三番手の近藤に対して、1番から始まった巨人の攻撃は三者凡退。
★6回裏★
{経過}
Ⓟ野上、元山を中飛⇒代打松本友は中飛⇒山崎を空三振。
{考察}
この回も野上は粘りの投球でヤクルト打線を三人で片づける。
☆7回表☆
{経過}
Ⓟ清水、岡本は左安⇒スモークは右越安(代走重信)⇒重信が二盗成功⇒ウィーラーは右適安(得点2)、G8-S6、投手交代、Ⓟ坂本、若林は見三振⇒大城は空三振⇒中島は右飛。
{考察}
岡本が追い込まれた後にしぶとく左安を放ち、初の左打席となったスモークがしっかりとボールをセレクトしてバッティングカウントを作り、最後は甘くなったフォークを捉えてチャンスを拡げた。
そして、今季ここまで勝負強い打撃を見せているウィーラーが見事なタイムリーを放つ。
この段階でまだ無死だったので、試合の主導権を完全に握るには更なる加点が必要だったが、後続から快音は聴かれなかった。
★7回裏★
{経過}
Ⓟ鍵谷、中村は右安⇒山田は左本(失点2)、G8-S8、投手交代、Ⓟ高梨、村上は左安⇒オスナを三併打⇒青木を二ゴロ。
{考察}
四番手の鍵谷は良くなかった。
全体的にボールが抜けていたし、球威も感じなかった。
山田の一発でアッサリと同点にされたが、ある意味、これは良かったかもしれない。
仮に山田にヒットで繋げられてしまうと、いくら左とは言え、高梨は走者を背負った状態で強打の村上を迎える事になり、巨人側にとっては「逆転される」という最悪のシナリオになっていた可能性が高い。
☆8回表☆
{経過}
Ⓟマクガフ、梶谷は空三振⇒坂本は四球(代走増田大)⇒丸は右線二⇒岡本は空三振⇒重信は中飛。
{考察}
巨人は直ぐに勝ち越しのチャンスを作るが、4番の岡本が三振に倒れ、重信も中飛に倒れて勝ち越せず。
★8回裏★
{経過}
Ⓟ中川、サンタナは右安(代走塩見)⇒塩見が二盗成功⇒元山は犠打失敗三振⇒代打川端は捕飛⇒山崎は見三振。
{考察}
六番手の中川は先頭のサンタナにヒットを許し、代走の塩見に二盗を決められ、無死二塁の大ピンチを迎えてしまう。
しかし、元山の犠打で落ち着きを取り戻した中川は、川端と山崎を討ち取ってピンチを凌いだ。
☆9回表☆
{経過}
Ⓟ石山、ウィーラーは中本(得点1)、G9-S8⇒若林は一安(ファーストの送球ミスの間に二進)⇒大城は一犠打成功⇒代打亀井は四球(代走松原)、ここで投手交代、Ⓟ梅野、松原は二盗成功⇒梶谷は右中本(得点3)、G12-S8⇒増田は中飛⇒丸は中安⇒岡本は右本(得点2)、G14-S8⇒重信は四球⇒ウィーラーは左安(代走吉川)⇒若林は空三振。
{考察}
8回の大ピンチを中川が凌いだことで何かあるとは予想していた。。。
そして、なんと先頭のウィーラーがいきなり相手の守護神から一発を放った事で、試合の流れは大きく変わる。
それでも、ここで更に加点出来ないと巨人のリリーフ陣も苦しいので全く安心できない。
そんな多くのGファンの期待に応えてくれたのが梶谷だった。
相手のミスと大城の送りバントでチャンスを拡げ、亀井が四球で歩いて、守護神をマウンドから引きずり下ろし、代わって登場した梅野からものの見事に一発を放つ。
更に攻撃の手を緩めず、若大将にも2ランが生まれて試合を決めた。
★9回裏★
{経過}
Ⓟビエイラ、中村は左安⇒山田を右飛⇒村上は左中本(失点2)、G14-S10⇒オスナを二飛⇒青木は四球⇒塩見は三襲適二(失点1)、G14-S11⇒元山は左飛、ゲームセット。
{考察}
ビエイラも厳しいか。。。
ストレートを狙われている状況で、全く落ちないフォークを簡単に捉えられる安定感の無さ。。。
う~~ん。。村上にストレートを完璧に捉えられた事でフォークを多投したんだろうけど、このバッテリーの選択も疑問を感じざるをえない。
まあ、大差のリードでビエイラもスイッチが入っていなかったのかもしれないが、ちょっと打たれ過ぎかな。。。
【勝負を分けたポイント】
9回の梶谷の一発が非常に大きかった。
1点差で今のビエイラでは逃げ切るのは至難の業なので、どうしても更なる追加点が必要だった。
恐らく、それは巨人首脳陣、選手たちも理解していた筈で、だからこそ、あの回はとことん相手バッテリーを攻め立て、セーフティーリードと呼べる6点差まで拡げたと思う。
神宮での終盤の1点差は、あってないようなモノである。
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【選手雑感】
☆スモーク☆
左右の打席でヒットを放ったが、かねてから弊コラムでは指摘しているように左打席の彼のバッティングは非常に見どころがある。
右打席はボールを待ちきれずに迎えに行くようなスイングになっているが、左打席はドッシリ感があって、逆にボールを呼び込んでいる。
スイング軌道も右打席はやや右肩が入るのが早く、ドアスイング気味だが、左打席はインサイドアウトの軌道で、バットのしなりを感じる。
但し、故障したテームズのように、彼のベースランニングを見ていると、同じように下半身の故障はさけられそうにないのが心配の種。。。
怪我さえなければかなり期待出来るんだが。。。。
☆ウィーラー☆
テームズの離脱で急遽出場したが、凄まじい活躍でチームを勝利に導いてくれた。
何と4打数4安打、そして勝ち越しホームラン。。。
技術的には相変わらず左足を上げないすり足打法だが、それでもテイクバックをしっかり取り、トップの形が浅くなっていないのでスイングが鋭い。
スイング軌道もインサイドアウトを徹底しているので、ヒットを打つ確率も上がっている。
☆丸佳浩☆
技術的に見ると、まだまだ本調子には見えないが、この4安打で打率もグッと上がったので、明日からの試合は精神的な余裕が生まれてドンドン調子が上がってくるかもしれない。
彼の本来の姿は左中間方向にライナー性を飛ばしている時だが、まだその姿は見ていない。
☆若林晃弘☆
ストレートが来ると確信している状況で、そのストレートに完全に差し込まれ、しかも簡単に空振りするようでは話にならない。
二軍戦はそのストレートを捉える事が出来ていたが、一軍復帰後は明らかに苦戦している。
やはり、二軍と一軍の投手はレベル差が大きいということだろう。。。
今年はライバルの吉川を押しのけてポジションを掴みかけたが、度重なる不運(怪我と新型コロナウイルス感染)で、再び去年の若林に戻ってしまったか。。。。
頑張れ若様!!
☆野上亮磨☆
イケイケドンドンになっていたスワローズ打線の勢いを止めたのは彼の投球だった。
やや危うい場面もあったが、他のG投手と比べると、常に前向きで攻めの姿勢で投球していた。
【総評】
試合前のtwitterで予想した通りの神宮花火大会になった。
テームズに関しては気の毒の一言しかない。
拙守ではあったが、怪我までして何とかしようとしてくれた選手に対して、これ以上の鞭を打つような発言は控えたい。
さて、そのテームズに代わって出場したウィーラーが巨人打線に火をつけてくれたことは間違いない。
序盤は得点をそれなりに重ねていったが、何というか「もっと得点出来るだろ!」という印象を拭えなかった。
それは各選手のベースランニングの判断ミスや消極的な姿勢、そして脚力、それに加えて三塁コーチの判断が大きく影響しているが、これらもあって7回が終わった段階では明らかに巨人側が守勢になっていた。
それを劇的に変えてくれたのはウィーラーの攻撃的な姿勢だった。
7回に一度は勝ち越しとなるタイムリーを彼は放ったが、これだけでは試合の流れ、ベンチのムードを大きく変えるところまではいかなかったが、9回の一発で明らかにベンチはお祭り騒ぎで後続打者のモチベーションを爆上げしてくれた。
まあ、ハッキリ言って、前回指摘した巨人リリーフ陣のコマ不足という問題点は更に浮き彫りになってしまったので、手放しで喜べる勝利ではないが、それは今後の原マジックに期待しつつ、どのように整備していくかを見定めていきたい。
以上 敬称略
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