東京ヤクルトスワローズvs読売ジャイアンツ 5回戦 観戦レポート 2021.4.28
【試合結果】
巨 人 211 201 000 7
ヤクルト 101 010 000 3
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ヤクⓅスアレス、大下、杉山=中村
巨人Ⓟ高橋、高梨、桜井、中川=大城、炭谷
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{勝}高橋5勝0敗
{敗}スアレス1勝2敗
{S}
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{本}スモーク1号、岡本5号、丸1号(以上巨人)、山田10号(以上ヤクルト)
【試合経過/巨人サイドからの考察】
☆1回表☆
{経過}
Ⓟスアレス、梶谷は四球⇒坂本は中安⇒丸は右適安(得点1)⇒岡本は二ゴロ(山田がファンブル、得点1)⇒スモークは見三振⇒ウィーラーは左中二⇒吉川は左飛。
{考察}
巨人は立ち上がりのスアレスを捕まえた。
梶谷の四球を皮切りに坂本と丸の連打で先制点を奪い、更に岡本の内野ゴロの間に1点を追加する。
但し、スアレスのボールをしっかり芯で捉えたのは丸のみで、他の打者はラッキーヒット言っても良い内容なので、この後も予断は許されない。
★1回裏★
{経過}
Ⓟ高橋、山崎は二安⇒中村は左線適二(失点1)、G2-S1⇒山田を四球⇒村上を遊直⇒オスナを二飛⇒
{考察}
立ち上がりの高橋はアンラッキーな内野安打でスタートし、中村の左線二は難しい処理ではあったが岡本に何とかして欲しかったのが正直なところ。
慎重過ぎるくらい慎重な投球で低めを丁寧に突き、最少失点で何とか切り抜けた。
☆2回表☆
{経過}
Ⓟスアレス、大城は右安⇒高橋は犠打失敗三振⇒梶谷は右安⇒坂本は右適二(得点1)、G3-S1⇒丸は空三振⇒岡本は二ゴロ。
{考察}
坂本の二塁打は普通の外野手なら処理出来る打球だった。
記録上は二塁打だが、サンタナのエラーと言っても過言ではない。
但し、巨人サイドとしても更なる追加点を奪えなかった事は悔いが残る。
★2回裏★
{経過}
Ⓟ高橋、サンタナを空三振⇒西浦は二安⇒スアレスは投犠打成功⇒山崎は四球⇒中村を中飛。
{考察}
高橋はピリッとしない。
この回も四球絡みの二死一二塁のピンチを招いてしまう。
しかし、何とか中村を討ち取ってここは凌ぐ。
☆3回表☆
{経過}
Ⓟスアレス、スモークが右本(得点1)、G4-S1⇒ウィーラーは左中二⇒吉川は左飛⇒大城は見三振。
{考察}
先頭のスモークが初球の高めに浮いたチェンジアップを完璧に捉え、更にリードを拡げる。
続くウィーラーにも長打が生まれ、一気に畳みかけそうな勢いだったが、後続が倒れてしまう。
★3回裏★
{経過}
Ⓟ高橋、山田は中本(失点1)、G4-S2⇒村上を空三振⇒オスナは四球⇒青木を一併打。
{考察}
この回の高橋は先頭の山田に対していきなり一発を浴び、再び2点差に詰め寄られてしまう。
但し、この後の一死一塁の場面では青木を併殺打に打ち取り、追加点は許さなかった。
尚、この併殺打の時にスモークの坂本への送球がワンバウンドになったが、坂本が見事に処理して併殺打を完成させる。
☆4回表☆
{経過}
Ⓟスアレス、梶谷は右安⇒坂本は右飛⇒丸は一ゴロ⇒岡本は左中本(得点2)、G6-S2⇒スモークは右安⇒ウィーラーは右線二⇒吉川は中飛。
{考察}
先頭の梶谷がヒットで出塁するが坂本と丸が倒れてチャンスが潰えたかに見えた。
しかし、ここで岡本が完璧なバッティングで2ランを放つ。
この2点は試合の流れ的にも非常に大きい。
続いてスモークとウィーラーの連打で、更なる追加点のチャンスを作るが吉川は倒れる。
★4回裏★
{経過}
Ⓟ高橋、サンタナは見三振⇒西浦は右越二⇒代打西田を遊ゴロ⇒山崎を投ゴロ。
{考察}
この回の高橋は、一死後に西浦に長打を浴びるが、後続をしっかり抑えてピンチを凌いだ。
☆5回表☆
{経過}
Ⓟ大下、大城は遊ゴロ⇒高橋も遊ゴロ⇒梶谷は中飛。
{考察}
二番手の大下に対して下位打線から始まったこの回は三者凡退。
★5回裏★
{経過}
Ⓟ高橋、中村を四球⇒山田を四球⇒村上を二ゴロ⇒オスナを二ゴロ(失点1)、G6-S3⇒青木を二ゴロ。
{考察}
高橋はなかなか波に乗れない。
連続四球で自らチャンスを招いてしまい、オサスナの二ゴロで1点を返される。
しかし、巨人サイドにとって幸運なのは青木が不調な事。
ここまでは彼のところで打線が切れている。
☆6回表☆
{経過}
Ⓟ大下、坂本は中飛⇒丸は中本(得点1)、G7-S3⇒岡本は空三振⇒スモークは左中二(代走ウレーニャ)⇒ウィーラーは申告敬遠⇒吉川は空三振。
{考察}
再び1点返された巨人は、丸の一発ですぐさま取り返す。
更に二死一二塁のチャンスを作るが吉川が倒れる。
★6回裏★
{経過}
Ⓟ高橋、サンタナを三ゴロ⇒西浦を二飛⇒代打荒木を空三振。
{考察}
ようやく高橋はこの試合では初めて三者凡退で抑える。
☆7回表☆
{経過}
Ⓟ杉山、大城は二ゴロ⇒高橋は見三振⇒梶谷は二ゴロ。
{考察}
プロ初登板の杉山に対して巨人打線は三人で攻撃を終える。
★7回裏★
{経過}
Ⓟ高橋、山崎を二ゴロ⇒中村を中飛⇒山田を一邪飛。
{考察}
ようやくリズムに乗った高橋は、ストライク先行で1番から始まったヤクルト打線を三人で片づける。
☆8回表☆
{経過}
Ⓟ杉山、坂本は中飛⇒丸は四球(代走増田大)⇒増田は二盗失敗⇒岡本は一邪飛。
{考察}
一死後に丸が四球で出塁して代走増田大が送られる。
その増田は二盗を狙うが失敗。
★8回裏★
{経過}
Ⓟ高梨、村上を遊ゴロ⇒オスナは左中二⇒青木は四球、投手交代、Ⓟ桜井、サンタナを三ゴロ⇒西浦を中飛。
{考察}
二番手に高梨は球威・制球ともにイマイチだった。
一死一二塁のピンチを招いたところで三番手の桜井にスイッチする。
その桜井は審判の厳しい判定にも動じず、後続をキッチリと討ち取ってピンチを凌いだ。
昨日からリリーフ投手の不甲斐ない投球が続いていただけに、桜井のナイスリリーフが際立っていた。
☆9回表☆
{経過}
Ⓟ杉山、ウレーニャは二ゴロ⇒ウィーラーは中飛⇒吉川は左安⇒松原は見三振。
{考察}
二死から吉川にヒットが生まれ、これで先発野手全員安打を達成。
★9回裏★
{経過}
Ⓟ中川、古賀を二ゴロ⇒塩見を遊ゴロ⇒中村も遊ゴロ、試合終了。
{考察}
最後に登場した中川は危なげなくゴロアウト三つでゲームセット。
【勝負を分けたポイント】
6回表に丸の一発で再びリードを4点に拡げたことが大きかった。
これで明らかにヤクルトベンチの士気は下がり、6回裏以降は淡白な攻撃になっていた。
前日の乱打戦で勝ちパターンの投手を投入出来る状況でなかったことも士気を下げた要因だろう。
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【選手雑感】
☆坂本勇人☆
多くの読者からベースからかなり離れて打席に立っていることの意味を問われるので、筆者なりの考えをあらためて説明したい。
恐らく、坂本はここ数年の間にバットのやや先でも、ヒットゾーン(野手の間)に打球を飛ばすコツを掴んだので、外角に逃げていくボールのジャッジだけ間違わなければ、外角球は対応できると考えていると思う。
そのコツは右足に長く重心を置いて、バットを内から外に出す意識を徹底すれば「外角一杯」は厳しくても、ボール1個でも甘く入れば拾える感覚を掴んだということ。
去年辺りから、坂本のバットの先で捉えた打球がセンター前に落ちるケースが増えたのは、まさにそういう狙いがあった上での結果だと思う。
逆に、上記の理由から打席の中での目付を外角に置くようになると、やはりどうしても今まで打てた内角の厳しいボールに差し込まれてしまうので、それをなるべく回避する意味でベースから離れて立つようになり、これによって相手が内角のストライクゾーンに投げてくれば今まで通り対応出来るし、逆にそれ以上厳しいボールを投げてくればボールとして見送れば良いと割り切っていると思う。
☆丸佳浩☆
ようやく彼らしいセンターから左方向にライナー性の打球を飛ばした。
この打球がこれから多く見られるようになれば、それは技術的に言うと右ひざの割れを抑えつつ、インパクトで踵体重になっていない事を意味しているので、好調の証という事になる。
☆岡本和真☆
今日も一発を放ち、前後の打者も好調なので精神的にはかなり余裕が出ていると思う。
技術的にはずっと苦しんでいた左肩でロックする癖は消えつつあるが、今度は逆に左肩の開きがやや早くなっているので、ボールの見極めが変わらず良くない。
但し、左肩がロックしてなかなかバットが出てこない状態よりも、多少は左肩が早く開いた方がバットは出てくるので、そこまで悲観していない。
☆スモーク☆
やはり左打席は素晴らしい。
力感なくゆったりと構え、トップまでの作業で全く無駄な動きが無いので、バッテリー目線では相当の威圧感だと思う。
しかも、追い込まれるまでは狙ったボールや、際どいコースのボールを無理に手を出そうとしない。
相手バッテリーからすれば、誘い球の反応で次のボールを選択したいところだが、それがないので手探り状態で攻めるしかない。
しかも、最終打席のように左中間方向にも打球を運ぶ「バッティングの柔軟性」もあるので非常に厄介だろう。
まあ、これから徐々に各球団にデータを集められ、その上で攻め方も定まってくるとは思うが、巨人ファンにとっては久しぶりに期待出来る外国人スラッガーであることは間違いない。
☆高橋優貴☆
審判の一定しないジャッジに苦労していた事を差し引いても四球が多すぎる。
しかも先頭打者を簡単に歩かすケースが多いので、そこはこれから絶対に改善しないといけない。
但し、それでも投手には気の毒な強風の神宮でのマウンドで、7回を3失点という内容は評価すべきだろう。
これで5連勝となり、チームの勝ち頭を独走している。
【総評】
まず初めに、この試合の主審に苦言を呈しておきたい。
ストライクゾーンがバラバラで話にならん!!
明らかなボールをストライク判定したかと思えば、同じコースの、それ以上にストライク寄りのボールを平気でボール判定していた。
ホント両軍の選手が気の毒だった。
さて、本題に戻ると、個人的に試合前の段階では巨人の苦戦を予想していた。
正直言って、前回の高橋の投球内容を考えると、当たってるヤクルト打線を封じ込めるのは至難の業と見ていたし、一方で好調のスアレスを巨人打線が仮に打ち崩したとしても、中盤で2~3点がいいところという予想をしていた。
しかし、筆者の計算外だったのは、青木が予想以上に調子が良くなかったこと、そして巨人打線(特に上位打線)が意外とアッサリ打ち崩した事。
筆者の想像以上に今の巨人打線の状態が上がっているという事なのかもしれない。
まあ、しかし。。。それ以上に風の強い神宮球場の戦い方を、ホームのヤクルトよりもビジターの巨人の方が上手にプレーしていたということかもしれない。
その違い(差)が最も表れていたのは外野手の守備力だった。
特にヤクルトはライトのサンタナの守備がかなり怪しいので、センターの山崎が常にライト方向の処理を意識していたフシを感じる場面が特に序盤で何度か見かけた(その影響で左中間方向の打球が簡単にヒットになっていた)
その辺りでチームとしてのバランスを崩してしまったのかもしれない。
以上 敬称略
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