読売ジャイアンツ vs阪神タイガース 24回戦 観戦レポート 2021.10.13
【試合結果】
阪神 010 100 000 2
巨人 110 000 000 2
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巨人Ⓟ菅野⇒中川⇒ビエイラ、大城
阪神Ⓟ西⇒伊藤将⇒アルカンタラ⇒スアレス、坂本
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{勝}
{敗}
{S}
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{本}坂本 1号(4回表ソロ)
【試合経過/巨人サイドからの考察】
☆1回表☆
{経過}
Ⓟ菅野。島田を二ゴロ⇒中野を見三振⇒近本は中安⇒マルテを左飛。
{考察}
菅野は非常に慎重な立ち上がりで、打者の外角低めに丁寧に変化球を集めていた。
★1回裏★
{経過}
Ⓟ西、松原は右線二⇒坂本は中飛⇒丸は四球⇒岡本は中犠飛(得点1)、G1-T0⇒中田は遊失⇒大城は中飛。
{考察}
立ち上がりから西は本調子には程遠かった。
全体的にツ2シームが抜け気味で、スライダーやチェンジアップなどの変化球も制御出来ているようには感じなかった。
出来れば初回から一気に畳みかけたかったが、主軸の二人(坂本と岡本)が打ち損じて、最低限の仕事しか出来ずに1点で終わってしまう。
☆2回表☆
{経過}
Ⓟ菅野、糸原は中安⇒ロハスを空三振⇒木浪は右安(ランエンドヒットで一三塁)⇒坂本は左適安(失点1)、G1-T1⇒西は捕邪飛(犠打失敗)⇒島田を一ゴロ(中田好プレー)
{考察}
ここまで菅野は対左打者への配球に苦労していた。
何とか2シームやフォークで誘いをかけているが、なかなか相手が乗ってこない。
どうやら菅野自身がストレート(4シーム)の走り、精度がイマイチなことを理解しているようで、ここまでは力勝負を避けている印象が強い。
★2回裏★
{経過}
Ⓟ西、ウィーラーは四球⇒若林は左安⇒菅野は一ゴロ(犠打成功)⇒松原は二ゴロ(得点1)、G2-T1、投手交代Ⓟ馬場、坂本は三ゴロ。
{考察}
西は明らかにおかしかった。
先頭ウィーラーに対しては「らしくない四球」で簡単に出塁を許してしまう。
下位打線の攻撃ではあったが、巨人は意外にもアッサリとリードを奪う。
尚、西は松原への投球後に体の異変を訴えて交代する。
☆3回表☆
{経過}
Ⓟ菅野、中野を空三振⇒近本は中安⇒二浪成功⇒マルテを遊ゴロ⇒糸原を二ゴロ(若林の好プレー)
{考察}
一廻り目を見る限り、かなり厳しい状態と言わざるを得なかった菅野だったが、そこは流石に百戦錬磨の強者だった。
二廻り目となったこの回は、要所でカーブを上手く使い、投球に緩急を混ぜてきた。
それでもまだ全体的に制球がイマイチで、なかなか簡単には打者を討ち取れていなかったが、2回表に続き、ここでも要所で味方の好守に助けられる。
★3回裏★
{経過}
Ⓟ馬場、丸は二ゴロ⇒岡本は空三振⇒中田は三ゴロ。
{考察}
二番手の馬場に巨人の各打者はここまで完璧に抑え込まれてしまう。
流れは阪神側に傾き始めた印象。。。
☆4回表☆
{経過}
Ⓟ菅野、ロハスを遊ゴロ⇒木浪を中飛⇒坂本は左中本(失点1)、G2-T2⇒代打佐藤を一ゴロ。
{考察}
菅野は簡単に二死を奪うが、坂本にまさかの同点弾を許してしまう。
平行カウントから外角を狙った4シームがシュート回転で甘くなってしまったが、やや慎重さに欠いた配球と言わざるをえない。
★4回裏★
{経過}
Ⓟ伊藤将、大城は中飛⇒ウィーラーは遊ゴロ⇒若林は二飛。
{考察}
三番手の伊藤に対して、下位打線が三者凡退。
西が降板して以降、ここまで完璧に抑え込まれて得点の雰囲気がなくなる。
☆5回表☆
{経過}
Ⓟ菅野、島田は空三振⇒中野を二ゴロ⇒近本は二ゴロ(強烈な打球を中田が弾くが若林がフォロー)
{考察}
三廻り目のこの回は、更にカウント球でカーブを多投して打者の目先を変えてきた。
しかし、島田と中野には通じたが、近本にはキッチリ捉えられていた。
★5回裏★
{経過}
Ⓟ伊藤、菅野は中安⇒松原は空三振⇒坂本は中飛⇒丸は見三振。
{考察}
先頭の菅野がヒットで出塁するが、後続でチャンスを拡げられず無得点。
流れ的には松原の三振が痛い。
☆6回表☆
{経過}
Ⓟ菅野、マルテを空三振⇒糸原を遊ゴロ⇒ロハスは中安⇒木浪を空三振。
{考察}
菅野は相変わらず右打者の外角、左打者の内角を狙った4シームの精度がイマイチだが、何とか色んな変化球を駆使し、ベース盤を広く使いつつ、緩急も織り交ぜて何とか凌いでいる。
★6回裏★
{経過}
Ⓟ伊藤、岡本は三ゴロ⇒中田は投直⇒大城は四球⇒ウィーラーは遊飛。
{考察}
二死から大城が四球で出塁するが、ウィーラーが倒れて無得点。
☆7回表☆
{経過}
Ⓟ菅野、坂本を中飛⇒代打板山を二ゴロ⇒島田は中安⇒中野を投ゴロ。
{考察}
二死から島田にヒットを打たれるが、中野を討ち取り無失点。
島田の二盗を警戒しつつ、中野をキッチリ討ち取るあたりは流石の投球だった。
★7回裏★
{経過}
Ⓟアルカンタラ、若林は左飛⇒代打吉川は遊ゴロ⇒松原は左飛。
{考察}
四番手のアルカンタラに対しても巨人打線は勝ち越し点を奪いそうな雰囲気を感じない。
中堅の左打者三人が、ほぼ完璧に抑え込まれてしまう。
☆8回表☆
{経過}
Ⓟ中川、近本は左安⇒マルテを三ゴロ併殺⇒糸原を遊ゴロ。
{考察}
二番手の中川は、いきなり近本にヒットを打たれるが、マルテを併殺に討ち取って事なきを得る。
中川のデキはまずまず良かったが、近本の状態の良さが際立っていた。
★8回裏★
{経過}
Ⓟアルカンタラ、坂本は空三振⇒丸は四球(代走増田大)⇒岡本は二邪飛⇒中田は見三振。
{考察}
この回もアルカンタラに対して丸の四球のみで封じられてしまう。
上位打線のこの回で何とか勝ち越したいところだったが、坂本・岡本の調子がなかなか上がってこない。
☆9回表☆
{経過}
Ⓟビエイラ、ロハスを左飛⇒木浪を二ゴロ⇒坂本を三ゴロ。
{考察}
抑えのビエイラは、ロハスと木浪を簡単に討ち取るが、坂本には3ボールになりヒヤッとさせる。
仮に出塁を許すと、代走のスペシャリストである植田が控えていただけに、二死ではあるがなかなか厳しい展開が予想された。
しかし、意外にも坂本はカウント3-1からアッサリと手を出してくれた。
★9回裏★
{経過}
Ⓟスアレス、大城は右飛⇒ウィーラーは中越二(代走重信)⇒代打中島は遊安(一三塁、代走廣岡)⇒廣岡は二盗成功⇒吉川は空三振⇒松原も空三振
{考察}
先頭の大城は、初球のストライクを取りに来た4シームを捉えるが、ライトの守備範囲に飛んでしまう。
続くウィーラーはカウント3-1からド真ん中の2シームを捉えて二塁打を放つ。
一死二塁、このチャンスで中島はカウント0-1から内角2シームを無理に逆方向に打とうとはせずに、レフト方向に振り抜いて内野安打を放ち、一三塁とチャンスを更に拡げる。
チャンスメイクしたウィーラーと中島は、フォーク系を振らされるなら仕方がないと割り切り、狙い球をストレート系に絞って、遅れないように前目にポイントを置いてコンパクトに振り抜く見事なバッティングアプローチだった。
さて、サヨナラ勝ちするにはこれ以上ない展開、しかも打者は併殺の可能性が少ない吉川、三塁走者はこちらも俊足の重信で、巨人サイドは間違いなくゴロゴーの策をとる筈なので、阪神バッテリーがここを乗り越えるには、ポップフライか三振を奪うしかない状況となった(もしくはゴロが内野手の正面に飛ぶしかない)
この状況で阪神バッテリーは「全力で三振を奪いに行く」ことは明白だった。
よって、巨人サイドの吉川も狙い球を絞りやすい状況だった。
一死二三塁、一塁が空いている状況で三振を奪いに行くという事は「初球からストライクを取りにくりことは考えずらい」ということ。
つまり、ストレートではなく、カウント球はチェンジアップ系を投じてくる確率はかなり高い。
筆者が吉川の立場なら、この場面のバッティングアプローチは「3ストライクの意識を捨てて、一つのストライクを一発で仕留めること」
普通なら、追い込まれるまではストレート系に絞り、追い込まれたら全ての球種を頭に置いて何とか対応することを心がけるが、スアレスはそんな中途半端な対応で勝負出来るレベルの投手ではない。
どちからに大ヤマを張って勝負しつつ、それを一発で仕留めないとなかなか打てない。
しかし、初見(この日の初対戦という意味)で、チェンジアップに的を絞りことは難しいので、ストレートにタイミングを合わせることは妥当だったと思う。
よって、初球の空振り(低めのチェンジアップ)は仕方がない。
しかし、この空振りによって、少なくともチェンジアップの球筋や間合いを感じる事は出来た筈なので、2球目の甘いチェンジアップは絶対に捉えたいボール、いや捉えねばならないボールだった。
そして、このボールをファールにしてしまったところで「勝負あり」だった。
最後は目一杯の力で投げ込んできた160キロ超えのストレートを空振りしてしまう。
続く松原も、チェンジアップを見逃し、ストレートをファールにしてしまい、最後はボール気味のストレートに手を出して空振り三振。
彼については最後まで狙い球が見えずに、ただ漠然と打席に立っているようにしか感じなかった。
勿論、スアレスの本気度に大きな差はあるが、チャンスメイクしたウィーラー・中島と、その走者を得点に結びつけられなかった吉川・松原には「打席での集中力」「一発で仕留めるという意識」に大きな違いを感じた。
【選手雑感】
☆菅野智之☆
調子自体は本格的に復帰して以降では、最も良くなかったと思う。
特に配球の軸となる右打者の外角、左打者の内角ストレートの精度が悪く、シュート回転で甘くなるケースが多かったので、終始苦しい投球が続いていた。
それでも何とか形にしたあたりは流石で、左打者に対しては内角の出し入れを封印し、狙い球を絞られないようにベース盤を広く、そして上手くカーブを使って緩急も織り交ぜていた。
やはり、戸郷、髙橋、メルセデスあたりと比べると、悪いなりの投球、引き出しの多さが全然違う。
三人はこの日の菅野の投球を見て何かを感じ、そして学んでほしい。
【総評】
今日は引き分けに終わったが、両チームともに「しょっぱさ」を感じざるをえない試合だった。
まあ、巨人サイドで良かったのは、好守備で菅野を盛り立てていたことくらいで、相変わらず打線は2点しか奪えず、詰めの甘さがこの試合でも露呈していた。
特に坂本・岡本に元気が無く、バッティング内容もイマイチなのでなかなかチームの士気も上がってこない。
ぶっちゃけ、ファンが想像する以上に両選手ともに疲労困憊であるとは思うが、何とかもうひと踏ん張りして、坂本はCSに向けて調子を上げて欲しいし、岡本は二冠を何としてでも死守して欲しい。
もうそれくらいしか巨人ファンの楽しみはないのだから。。。
以上 敬称略
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