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巨人春季キャンプレポート2022.2.12

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巨人春季キャンプレポート2022.2.12

☆巨人春季キャンプトピックス
※キャンプ最終日
午後1時頃に練習メニューを終えて、岡本和真の挨拶と三本締めで宮崎キャンプを終了する。
尚、今キャンプで個人的に目についた選手は、野手では中山礼都、打者では堀田賢慎。



☆前日の紅白戦中継終了後の7回以降の雑感
今日の中継で7回以降の映像を確認できたので、特に印象に残った選手、プレーをピックアップしていく。
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➀7回表、中山礼都がセンター前ヒット
桜井との対決で、カウント1-0から内角にストレートを見せられた直後の外角低めのツーシームをバットの先でセンター前に運んだ。
中日の福留孝介のような懐の深いバッティングで非常にレベルの高い内容。
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➁桜井俊貴、1回1安打、失点0
ストレートがシュート回転せず、カットボール、ツーシームとともにしっかりライン出しが出来ていた。
この内容なら合格点を与えられる。
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➂鍬原拓也、1回1安打、失点0
良かったのは最初の打者だけで、外角にストレートとスライダーを出し入れ出来ていたが、大城と秋広にはストレート、スライダーともに抜け球になっていた。
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➃木下幹也、1回2安打、失点0
ストレートの推定速度は140キロ台中盤
変化球は緩いカーブ、スライダー、チェンジアップ系
ストレートの質に関しては、この試合投げた中では堀田賢慎の次に良かった。
打者にストレート狙いのスイングをされても、ファールを奪うことが出来ていた。
最後までこのストレートを捉えれることなく打者を押し込むことが出来た。
ハートの強さとダイナミックな投球フォームは非常にポテンシャルを感じさせる。
これからの実戦次第では早々に支配下登録される可能性は十分にある。
一方で課題はやはり変化球になる。
どうしても変化球でカウントを整えられずボール先行になってしまうケースが多く、一流打者相手にはこのストレートを狙われて仕留められる確率が上がってしまう。
スライダーは一軍で通用するレベルだが、チェンジアップ系の落ちるボールと緩いカーブはまだまだ厳しいレベル。
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➄山﨑友輔、1回0安打、失点0
ストレートの推定速度は140キロ超
変化球はカットボール、スライダー、チェンジアップ
まだまだボールのバラツキが激しく、二つの四球を与えてしまう。
微妙に動くストレートは威力を感じるが、こちらも変化球に課題を残している。
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➅笠島直樹、1回2安打、失点0
ストレートの推定速度は140キロ前後
変化球はカットボール、スライダー、ツーシーム
全体的にボールがバラついていた。
ライン出しという観点ではまだまだ。
まずは右打者の外角低めにストレートとスライダー系を高い確率で集めるようになること。
そして次の段階はそこの出し入れができるようになること。
最終的には打者の懐に突っ込んでいける胆力と技術を身につけ、ベース盤を広く使える投手になって欲しい。
先頭打者の山瀬への投球は非常に良かった。
目指す完成形は阪神の西勇揮か?
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➆山本一輝、1回1安打、失点0
ストレートの推定速度は140キロ弱
変化球はカットボール、スライダー、カーブ
四球3つが絡んだ押し出しによる失点があるなど、大きく制球を乱してしまった。
それほどストレート系が速い訳ではないので、細かい制球力で勝負するタイプの投手だが、アピール成功とはいかなかった。



☆髙橋優貴「プロ一年目に見せた可能性と課題」
筆者が彼の投球を初めて見たのは東海大菅生高三年夏の西東京大会のテレビ放送で、、まだまだ細身の小さい体ながらも、体全体を使って思い切って腕を振る投球が非常に印象的だった。
又、140キロ前後のストレートと緩いカーブを軸に、非常に小気味よく感じる投球も素晴らしかった。
残念ながら甲子園出場は叶わなかったが、卒業後は八戸大学に進学する。
筆者は大学在籍時の投球については見た事がなかったが、ドラフト後に東北にいる友人に聞いたところ、ストレートでガンガン押し込んでいく投球が魅力で、大学では通算奪三振記録を更新するなど、東北球界では注目されている投手ということだった。
さて、巨人入団後、キャンプ・オープン戦で首脳陣の一定の評価を勝ち取り、開幕ローテ入りする。
そして開幕6戦目の対阪神戦に先発登板して6回1失点、見事に初登板初勝利を達成する。
その後もまずまずの投球内容で4月を終えるが、5月以降は徐々にプロの壁を感じ始める。
6月に入ると抹消、登録を繰り返すようになり、シーズン終盤の8月中旬以降は何とか先発ローテにしがみつき、結局この年は18試合(全て先発)5勝7敗、防御率3.19という結果を残した。
そして、この年のセイバーメトリクスから浮かび出た課題は制球力不足だった(BB%が対左10.8、対右13.0)
比較対象として似たタイプの投手の同年数値を紹介する(数値は低い方が優秀)
今村信貴(対左6.0、対右8.4)
田口麗斗(対左4.8、対右8.5)
メルセデス(対左4.9、対右5.8)
ちなみにこの年は不調で11勝止まりだった菅野智之(対左5.6、対右5.5)のおよそ倍の数値で制球が極端に悪い事が実感できる。
特に球数が80球近くなる打順が三廻り目に入ると、ボール先行になるケースが非常に多かった。
技術不足は勿論だが、スタミナ不足も露呈してしまっていた。
又、開幕当初は相手が髙橋優貴を知らないので通用していた部分も大きかったが、対戦を繰り返していくうちに慣れが生まれて簡単に討ち取れなくなってしまった。
一方で、長所としてはスクリューボールで空振りを奪えること。
このボールは非常に抜けが良く、腕の振りと反比例しているので、打者目線では厄介極まりないボール。
決め球は持っているので、このボールを活かすも殺すもストレートの質を上げる事、そしてストライク先行の形を作るべく、カウント球のスライダー系やカーブ系の精度アップが重要になる。



☆「プロ二年目の挫折」
オフに結婚して気持ちも新たに高いモチベーションでプロ二年目を迎えたと思う。
又、首脳陣、ファンの期待は非常に大きく、左のエース格として成長することを望まれていた。
そして怪我無く順調にキャンプのメニューを消化し、ここからの大いなる飛躍を予感させていたがオープン戦に入ると課題の制球に苦しんで、簡単に追い込んでもフルカウントにしてしまうケースが多く、結果的に無失点で抑えることは出来ても、内容的にはそこまで高評価を得るまでには至らなかった。
投手コーチの宮本は彼の投げ込み不足を指摘し、自身もそれを感じていたようで、3月に入ってからかなり投げ込んでいたようだが、これが裏目に出てしまった。
3月11日の日本ハムとのオープン戦で先発し、2回無安打無失点の好投後に左肘痛でリタイアしてしまう。
結局、この年は10月に一軍のマウンドに復帰したが、8試合(先発4)で1勝という不本意な結果で終わる。
この年の投球内容の印象は、ストレートがイマイチ走っておらず、際どいコースのボールを簡単に打者に見極められていたように感じた。
つまり、ボールのキレが落ちていたということ。
これが肘痛の影響なのかは分からないが、プロ入り二年目にして早くもピンチを迎える事となる。
本人もかなりの危機感を抱いてオフを迎えたと思う。



☆「プロ三年目の飛躍と課題」
当初は先発ローテ入りが微妙な立場だったが、オープン戦で結果を残して開幕ローテ入りを何とか勝ち取った。
前半戦は戸郷翔征とともに先発陣を牽引する活躍を見せ、特にシーズン序盤の3月4月は5勝負けなしの大活躍で初の月間MVPを獲得する。
その後もまずまずの結果を残して8月には自身初となる二けた勝利を達成するが、その後は不振が続いてしまい、最終的には11勝9敗、防御率3.39という結果で終える。
昨シーズンの内容を細かく見ていくと、課題の制球力に関してはシーズン終盤のガス欠状態もあってBB%がトータルで10.2、相変わらず制球難は改善できなかった。
また、好投しているケースでもほぼ6回でマウンドを降りており、相変わらずスタミナ面の課題も解消されていないし、それに関してはシーズン終盤の不振にも表れてしまっている。
更にチーム別の得手不得手も如実に表れており、対阪神(防御率1.45)中日(2.15)には好成績だが、対DeNA、広島、ヤクルトには防御率4.70以上で打ち込まれている。
又、甲子園(防御率0.72)やナゴヤドーム(防御率0.53)などの広い球場で好結果を残すケースが多く、本拠地の東京ドームでは防御率が5.20というお世辞でも褒められる数字ではなく、この辺りが今後の飛躍への最大の課題でもある。
まあ、これらの数字を踏まえて彼の投球内容を想像すると、少々の制球ミスでも長打にならない広い球場では大胆な投球が出来て、投球の幅が拡がって持ち味のスクリューボールが活かせる投球になっているが、狭い東京ドームでは一発の怖さからどうしても厳しいコースを過剰に狙ってボール先行にしてしまうケースが多く、最後はストライクを取りに行かざるを得ない状況となって甘いボールを痛打されるパターンに陥っているということだろう。



☆「勝負のプロ四年目」
この悪循環を繰り返さない為には、内角ストレートの精度をもっと上げていく必要がある。
特に彼のように150キロ超のストレートを持っていない左投手が結果を残すには、右打者の内角球はボールにするケースと、ストライク気味に大胆に突っ込んで行くケースを使い分ける高度な制球力が必要になるが、これが出来ないと彼の決め球のスクリューボールの威力は半減してしまう。
去年の投球内容を見ると、意外と左打者相手には内角ストレート系の出し入れが出来ているが、右打者相手ではショート回転して甘くなるケースが多い。
そこを痛打されて被本塁打18という決して少なくない数字が生まれていると思う。
右打者内角の出し入れは強い精神力と高い技術が求められるが、これを何としてでも自分のモノにしていかないと二桁勝利の常連にはなれない。
桑田コーチも恐らく同じ課題を彼に与えている筈で、今キャンプは彼も必死にこれらの課題克服のために努力していると思う。
是非とも今シーズンは更に一皮むけた姿を我々ファンに見せて欲しい。
いつまでも菅野智之に頼るのではなく、戸郷と共に投手陣を引っ張る存在になって欲しい。
東京ドームで初完投する姿を今年こそ見せて欲しい。
期待してます!!

以上 敬称略
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