読売ジャイアンツvs千葉ロッテマリーンズ 練習試合レポート 2022.2.17
【ジャイアンツオーダー/攻撃内容/野手短評】
1番(二⇒三)廣岡大志
➀カウント0-1から内角高めのストレートに差し込まれて二ゴロ、一死。
➂カウント0-1から真ん中カーブを捉えて右安、一死一二塁。
➄カウント2-2から真ん中高めのストレートをバットの先で左飛、チェンジ。
➆カウント1-2から内角ストレートを見三振、二死一塁。
➈カウント0-2から外角カットボールを空三振、試合終了。
<短評>
第二打席のヒットは内容が良かったが、他の打席は体が早く開いてしまい、脆さを感じるバッティングだった。
一方、守備では雨でグランドコンディションが悪い中でも堅実に打球を処理していた。
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2番(右⇒左)八百板卓丸
➀カウント2-1から外角ストレートをバットの先で二ゴロ、二死。
➂カウント1-2から真ん中高めのスライダーに合わせただけの中飛、二死一二塁。
➅カウント2-2から真ん中ストレートを捉えて左安、無死一塁。
➆二塁走者が牽制死、チェンジ。
➇初球の外角ストレートを引っかけてセカンドゴロ。
<短評>
第三打席でヒットを放つが、他の打席は同じような内容で打ち足られていた。
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3番(一)北村拓己
➀カウント1-1から内角低めのチェンジアップを捉えるが左飛、チェンジ。
➂フルカウントから真ん中低めのストレートを空三振、チェンジ。
➅カウント2-0から外角ストレートをバットの先で中飛、一死一塁。
➇カウント1-2から真ん中低めのフォークを捉えて左安、一死一塁。
<短評>
ようやく第四打席でヒットを放つが、四番としてはかなり物足りなさを感じる内容だった。
追い込まれたらボール球を振らされ、バッティングカウントでは簡単にミスショットしてしまう。
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4番(指)大城卓三
➁カウント1-2から内角低めのカーブを空三振、一死。
➃初球の外角ストレートを引っかけて一ゴロ、一死。
➅カウント0-1から外角チェンジアップを引っかけて二失(一死一二塁)
➇バッテリーエラーで二進、カウント1-0から真ん中ストレートを打ち損じて中飛(二塁走者は三進)、二死三塁
<短評>
良くなりかけた打線の流れを、北村と共に遮断してしまっていた。
あれだけチャンスボールをミスショットしているようでは厳しい。
勿論、彼の評価はこの程度では揺るがないが、凡打の内容が良くないのは気がかり。
5番(捕)岸田行倫
➁カウント1-0から外角ストレートに合わせるが二ゴロ(相手の好守)
➃フルカウントから内角ストレートを空三振、二死。
➅カウント0-2からワンバウンドのフォークを空三振、二死一二塁。
<短評>
バッティングに関しては最悪の内容で、原監督に言わせれば「論ずるに値しない」レベルだった。
なかなか結果が出ない「焦り」は分るが、構えの段階からあれだけガチガチに力んでしまっていたら打てる筈がない。
もう少し打席の中で落ち着きが欲しい。
⇒⇒(捕)山瀬慎之助
➇カウント2-2から外角ストレートを捉えて右適安(得点1)、二死一塁。
<短評>
キャッチャーらしい非常に読みの良いバッティングだった。
「内角のボールは仕方がない」と割り切って外目のボールに目付を置いていた。
ぶっちゃけ、現状のバッティング技術では、外角のボールをライト方向に打つことしかヒットにならないが「己を知ってるバッティング」という意味でも高く評価したい。
これにもっと技術が備わってくれば打てる捕手になる可能性もあるだろう。
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6番(中)秋広優人
➁カウント3-1から真ん中高めのストレートを弾き返して中安、二死一塁。
➃初球の内角ストレートを上手く捉えて右安、二死一塁。
➅カウント1-1から真ん中ストレートを捉えて左適安(得点1、送球の間に二三塁)、二死二三塁。
➇カウント0-2から内角高めのストレートを技ありの右安、二死一三塁。
<短評>
四打数四安打の結果は文句なし。
外寄りのボールは逆らわずに逆方向に弾き返し、内角に来たボールは上手く腕を畳んで高度な技を駆使してライト線に運んでいた。
ぶっちゃけ、狙い球がビタっと一致しただけの「タマタマ感」は否定できないが、それでも彼のバッティングの特色である「懐の深さ」は十分に感じさせてくれた。
これから更に相手投手のレベルが上がって、去年と同様に苦しめられることも増えるとは思うが、今後も積極性を忘れずにガンガンと自分のバッティングをしてもらいたい。
「挑戦して失敗しないと大きな成功はない」
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7番(左)石川慎吾
➁カウント1-1から内角低めのストレートを捉えるが三ゴロ、チェンジ。
➃カウント1-1から真ん中ストレートを捉えるが二ゴロ(相手二塁の好守)、チェンジ。
<短評>
いずれも芯近くで捉えたが野手の正面に打球が飛んでしまっていた。
⇒⇒代打(右)松原聖弥
➅カウント3-0から真ん中ストレートをバットの先で遊ゴロ、チェンジ。
➇バッテリーエラーで一塁走者が二進⇒カウント2-2から空三振、チェンジ。
<短評>
いずれの打席も失望を禁じえない内容。
第一打席はバッティングカウントのストレートをバットのド先っぽで当てた遊ゴロ。
第二打席は相手の術中に簡単にハマってしまって空三振。
残念ながら野球脳を感じないだけではなく、巨人のレギュラーとしてはあまりにも情けない内容のバッティングだった。
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8番(遊)中山礼都
➂カウント1-1から真ん中低めのカーブを引っかけて二ゴロ、一死。
➄フルカウントから真ん中高めのストレートを捉えて左安、無死一塁。
➆フルカウントから内角ストレートに差し込まれながらも左安、無死一塁。
➈初球に内角ストレートに詰まって左飛、一死。
<短評>
今日も攻守で結果も内容も合格点。
守備では難しいバウンドのゴロに対して臆することなく果敢に処理していたし、バッティングも相変わらず秀逸なバットコントロールで二安打を放った。
対左投手に対して右肩の壁が簡単に壊れない点も高評価を与えられるポイントだった。
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9番(三)勝俣翔貴
➂カウント3-1から真ん中高めのスライダーを見送って四球、一死一塁。
➄二盗失敗⇒カウント2-0から外角低めのストレートを引っかけて一ゴロ、二死。
<短評>
こちらは中山とは対照的に、対左投手では体の開きが早くなるのでスイングの軌道が遠回りになる。
⇒⇒代打(二)吉川尚輝
➆初球の内角高めのストレートに差し込まれて一ゴロ(二塁封殺)、一死一塁。
➈カウント1-2から外角チェンジアップを合わせただけの左飛、二死。
<短評>
ややストレート系に差し込まれるケースが多かった。
【ジャイアンツ登板投手/雑感】
☆髙橋優貴
ストレート系の平均球速は140キロ超
変化球はスライダー、スクリュー
<雑感>
初回、先頭の池田は左安(左中間を破るが二塁進塁途中で転んで一塁戻る)⇒和田を右飛⇒岡は中越適二(失点1)⇒山口は四球⇒安田を遊飛⇒西川を遊ゴロ。
右打者の内角を狙ったストレートが逆球で甘くなり、そのボールをキッチリ捉えられていた。
かなり右打者内角へのストレートとスライダーの出し入れに拘った投球だったが、初回の内容を見る限りまだまだ調整が必要。
二回、先頭の福田光を右飛⇒松川は右安⇒二盗失敗、小川は四球⇒池田は右飛。
この回も追い込んだ後の決めに行くボールの制球に苦しんでいた。
コースを狙ったストレートが際どく外れ、スライダー・スクリューともに打者が振りそうなゾーンに投げ切れずに見切られてしまっていた。
目的意識を感じた初登板ではあったが、今日の内容は去年11勝した投手とは思えない残念な投球だった。
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☆山崎伊織
ストレート系の平均球速は140キロ超、最速で144キロ
変化球はカットボール、ツーシーム、スライダー、カーブ
<雑感>
三回、先頭の和田に中安⇒岡を二ゴロ(廣岡の好プレーで二封)⇒山口を投ゴロ(ピッチャーが返しのライナーをグラブで叩き落とす、二進)⇒二塁走者が牽制死。
ストレートは綺麗な球質ではなくややカット気味に投げている
しかもツーシームも投げるので、ほぼストレート系は微妙に変化させている。
しかし、この回はそのストレート系が抜け球になって、そこを痛打されてしまっていた。
結局、二つの好守と相手の走塁ミスで失点は免れたが、もう少しカウント球を低めに集める必要がある。
四回、先頭の安田を四球⇒西川を空三振⇒福田光は一失(北村の二塁送球ミス)⇒松川は右飛⇒小川を投ゴロ。
この回も先頭の安田をストレートの四球で歩かせるなど制球に苦しんでいた。
また、相手に捉えられた打球も多く、無失点で抑えてはいたが内容的には結果オーライ。
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☆堀田賢慎
ストレート系の平均球速は150キロ弱、最速で153キロ
変化球はチェンジアップ、カットボール
<雑感>
先頭の池田は中安⇒和田は右安⇒高部を左飛(二三塁に進塁)⇒山口は四球⇒安田を空三振⇒西川を見三振。
五回、一死満塁からの投球は圧巻だった。
相手がストレートを狙っていてもファールでカウントを稼ぎ、追い込んだ後には更にギアを上げ、150キロオーバー連発のフォーシームで連続三振を奪い取った。
カウント球で有効なカットボールに関しては、抜けて逆球になるような球質には感じなかったので、本人もある程度は制球に自信を持っているようだ。
一方で、チェンジアップ系の落ちるボールの精度はお世辞でも高いとは言えない。
今日の内容を見る限りは明らかにリリーフタイプの投球スタイルにはなっているが、先発として首脳陣は期待している筈なので、もう少し楽に討ち取れる変化球をマスターしないと長続きしない。
それにしてもピンチを作っても弱気になる姿を微塵も見せず、野手目線ではマウンド上で全く隙を感じない投手という印象。
こういう投手は間違いなく大物になる。
そして、あのストレートの質は藤川球児を彷彿させる。
☆大江竜聖
ストレート系の平均球速は140キロ弱
変化球はスライダー、チェンジアップ
<雑感>
六回、先頭の福田光を投ゴロ⇒松川を二飛⇒茶谷は四球⇒池田は左中適二(失点1)⇒和田を空三振。
左打者の外角、右打者の内角へのストレートとスライダーの出し入れは合格点。
打者の反応を見ると、かなり打ちづらそうにしていた。
又、今年は対右打者への投球を意識してキャンプに取り込んできたが、外に逃げていくチェンジアップ(シンカー系)の精度アップが課題となる。
このボールが決まってこないと、最後はどうしても内角ストレート系で勝負せせざるをえなくなる。
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☆今村信貴
ストレート系の平均球速は140キロ超
変化球はシュート、スライダー、カーブ、フォーク
<雑感>
七回、高部を見三振⇒山口は四球⇒安田を空三振⇒山本大斗を空三振。
課題は対右打者になる。
左打者には内角ショートでゾーンを広く使えるので多彩な変化球とストレートのコンビネーションで狙い球が絞りにくくなるが、右打者には生命線となるフォークを見切られると一気に組み立てが苦しくなる。
この試合でも対左打者には簡単に三振を奪っていたが、対右打者にはいずれも勝負球で苦労して粘られてしまっていた。
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☆堀岡隼人
ストレート系の平均球速は140キロ台中盤、最速で147キロ
変化球はフォーク、カットボール
<雑感>
八回、福田光を左飛⇒加藤を空三振⇒茶谷を空三振。
久しぶりに堀岡の内容が良い投球を見た。
ストレートでファールを打たせてカウントを稼ぎ、最後は低めの落ちるボールで簡単に空振りを奪った。
相手打者の力量の問題もあるが、この内容を継続して欲しい。
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☆谷岡竜平
ストレート系の平均球速は140キロ超、最速で144キロ
変化球はフォーク
<雑感>
九回、池田を二飛⇒和田を中飛⇒吉田を中飛。
低めに質の高いフォークと140キロ超のストレートを集めて打者三人を完璧に封じた。
非常に纏まった投手ではあるが、一軍のセットアッパーとして台頭する為にはもう少しストレートに球威が欲しい。
そうなれば制度の高いフォークがもっと活きてくる。
【千葉ロッテマリーンズ先発オーダー】
1番(二)池田
2番(右)和田
3番(中)岡
4番(左)山口
5番(一)安田
6番(指)西川
7番(三)福田光
8番(捕)松川
9番(遊)小川
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【スコア】
ロッテ 100 001 000 2
巨 人 000 001 010 2
<P>本前(1~2回)中森(3回)廣畑(4回)成田(5回)八木(6回)山本大貴(7回)小沼(8~9回)
<P>髙橋(1~2回)山崎(3~4回)堀田(5回)大江(6回)今村(7回)堀岡(8回)谷岡(9回)
【総評】
<野手>
初回~2回の攻撃は相手先発の本前のストレートに差し込まれる打者が多かった。
前回も同様の傾向があったが、このヤングジャイアンツ打線は左投手の内角ストレートに差し込まれる打者が多い。
そこを意識させられて上手く緩急を使われて討ち取られてしまっている。
3回はチャンスを作るがあと一本が出ずに無得点。
特に北村のバッティングアプローチは非常に残念だった。
4回は二死から秋広がヒットで出塁するも、石川の捉えた打球はまたも相手の好守に阻まれる。
5回は先頭の中山が技ありのヒットで出塁するが、直後の二盗失敗でチャンスの芽を潰す。
6回は相手のミス絡みでチャンスを拡げ、秋広のタイムリーで1点を返すが、相変わらず北村、大城、岸田、松原の中堅選手のミスショットが多い。
7回は先頭の中山がヒットを放つが後続が凡退、相手左投手の左右に散らしたストレートに苦労していた。
8回は北村のヒットと相手のミスでチャンスを作り、ここで山瀬が執念の同点打を放つ。
更に秋広も続くが、ここで松原があえなく三振に終わる。
9回は小沼のストレートに各打者が力負け。
野手陣で目立ったのは秋広、中山、山瀬の高卒トリオ。
三者三様ではあるが、それぞれが打席の中でしっかり考えて打席に立っていた。
一方で、25歳以上の中堅野手は同じ失敗を何度も繰り返すケースが多く、残念ながら打席の中で工夫を全く感じない。
去年、公式戦で嫌というほど見てきた「凡打のパターン」を今回も繰り返してしまっていた。
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<投手>
髙橋に関しては課題を持って取り組んでいたので今回は何も言わないでおく。
これが3月に入っても同じような内容なら厳しいことを言わせてもらう。
他の投手に関しては各自の色は出せていた。
勿論、まだまだ一軍公式戦で通用するとは思えない内容の投手もいたが、まずは今回の結果を本人たちがどのように考え、どのように修正し、次回の登板に活かすことが出来るのか?
そんな中で、今後の飛躍を予感させたのはやはり堀田賢慎だった。
先発として即通用する内容とは言えないが、今日のマウンド捌きを見て「彼の人間力の強さ」を首脳陣も高く評価したと思う。
体力や技術という観点だけではなく、精神的な部分でも器の大きさを感じた。
以上 敬称略
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