読売ジャイアンツvs横浜DeNAベイスターズ 練習試合レポート 2022.2.20
【ジャイアンツオーダー/攻撃内容/野手短評】
1番(右)松原聖弥
➀フルカウントから真ん中スライダーを引っかけて一安、無死一塁。
➂カウント2-2から真ん中スライダーをバットの先で投ゴロ、二死。
➄カウント1-1から内角ストレートに詰まって二ゴロ、チェンジ。
➇フルカウントから真ん中ストレートに合わせただけの左飛、一死。
<短評>
前回よりもバッティングアプローチは悪くなかったが、凡打の内容は変わっていない。
基本的にはインパクトで手首をこねるようなスイングが多く、引っかけてしまう打球が多い。
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2番(遊)坂本勇人
➀カウント2-1から真ん中ストレートを捉えるが右飛、一死一塁。
➂初球の真ん中低めのスライダーを打たされて右飛、チェンジ。
<短評>
前日よりもバッティングの中身は良化している。
⇒⇒代打 八百板卓丸
➅カウント1-1から真ん中カットボールを打ち損じて一ゴロ。
➇カウント1-1から真ん中ストレートに差し込まれて左飛。。
<短評>
甘いボールを打ち損じてファールにしてしまう事が増え、最後は相手バッテリーの術中通りに抑えられるケースが多くなってきた。
松原の立ち位置を脅かしたい彼にとってはここが正念場だ
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3番(中)丸佳浩
➀カウント1-1から内角ストレートに完全に詰まって三直(エンドランで一塁走者は帰塁出来ず)、チェンジ。
➃初球の真ん中ストレートに詰まって左飛、一死。
<短評>
いずれの打席もストレート系に差し込まれていたが、インサイドアウトのスイング軌道が徹底されており全く問題ない。
順調な仕上がりという見方が妥当。
⇒⇒(二)吉川尚輝
➅カウント2-2から真ん中低めのストレートに差し込まれて三ゴロ、二死。
➇カウント1-0から真ん中ストレートを打ち損じて二ゴロ、チェンジ。
<短評>
好守で沸かせる場面が有ったが、相変わらずバットの方は湿りがち。
若いカウントでのストレート系のミスショットが相変わらず多い。
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4番(三)岡本和真
➁カウント1-0から真ん中低めのストレートを綺麗に捉えて中安。
➃フルカウントから内角ストレートが外れて四球、一死一塁。
<短評>
貫禄満点の二打席だった。
第一打席は前日よりも下半身と上半身の連動性を感じるバットスイング。
第二打席は相手投手が隙を感じない彼の構え(迫力)に飲み込まれていた。
⇒⇒代走(中) 秋広優人
➅カウント3-1から真ん中高めのストレートにやや差し込まれて二ゴロ、チェンジ。
➈カウント1-2から外角カーブを見三振、一死、
<短評>
緩急を使われると早く上体が突っ込んでしまうので、まだまだ脆さを感じる。
走塁では判断ミスがあるなど課題が残った。
5番(左)ウィーラー
➁フルカウントから外角低めのチェンジアップに上手く合わせて左中二、無死二三塁。
➃カウント3-1から内角ストレートにやや差し込まれて二直(一塁走者が飛び出して併殺)、チェンジ。
<短評>
ここまでは年齢的な衰えは感じない。
相変わらずコンパクトながらもインパクトが強いスイングで、当てただけのように見える打球でも伸びていく。
⇒⇒(三)増田陸
➆フルカウントから外角チェンジアップをややバットの先で左安、無死一塁。
➈カウント1-0から内角スライダーに詰まりながらも中安、一死一塁。
<短評>
彼にとっては非常に大きな二安打となった。
特に二打席目のヒットは技術的にも評価できる一打で、しっかりと変化球を呼び込んでセンターに弾き返すバッティングだった。
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6番(一)中田翔
➁カウント0-1から真ん中高めのストレートに差し込まれて右飛、一死二三塁。
➄カウント1-2から真ん中ストレートを綺麗に捉えて中安、無死一塁。
<短評>
キャンプ序盤はまだまだ体重移動が早く、右の軸足に重心を置く時間が少ない印象だったが、ここ最近のスイングを見ると、非常にそのバランスが良くなっている。
よって力んで右肩が早く落ちる癖や、上半身が突っ込む癖もここまでは見られない。
⇒⇒代走(一)北村拓己
➆カウント0-1から外角カットボールを打たされて右飛、一死一塁。
➈カウント0-1から外角ストレートにバットの先で二ゴロ、4-6-3の併殺打。
<短評>
なんでも逆方向へ打つ意識が強すぎる。
もっと相手の出方(配球、狙い)を打席に立つ前に考えておく必要がある。
深く考えずに安易に「右方向に打つ意識」だけで打席に立ち続けるなら、同じ凡打を何度も繰り返すことになる。
例えば、ここはショート系で攻めてくる確率が高いと思えば、時には思い切ってフルスイングすることも必要で、そうすることで打者とバッテリーの間で駆け引きが生まれてくる。
仮にその打席は凡打で終わっても、次の対戦がもっと大事な局面での対戦になれば、必ず前の対戦経過をバッテリーは思い返すことになる。
そこで駆け引きがあったのなら、少なくとも相手バッテリーはそこで考える必要性が出てくる。
それがプレッシャーに繋がり、失投の確率を上げることにも繋がる。
毎回、同じパターンでの凡打を繰り返している打者に相手投手は失投してくれない。
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7番(捕)大城卓三
➁フルカウントから内角ストレートにバットが折れて一ゴロ(得点1)、二死三塁。
➄カウント1-2から外角カーブを引っかけて投ゴロ(併殺崩れ)一死一塁。
➆カウント3-1から真ん中ストレートを捉えて右越二、一死二三塁。
<短評>
ようやく第三打席で結果を残した。
これをキッカケにガンガンと若手中堅打線を引っ張って欲しい。
⇒⇒(捕)山瀬慎之助
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8番(二⇒左)廣岡大志
➁カウント2-2から真ん中低めのチェンジアップを空三振、チェンジ。
➄カウント1-2から内角ツーシームに詰まりながらも左安、一死一二塁。
➆初球の外角カットボールに手を出して一邪飛、二死二三塁。
<短評>
バッティングに関してはまずまずの内容。
一方で気になったにはレフトの守備。
勿論、本職ではないのでそこは差し引いて評価しべきではあるが、あまりのも不安定。
特に問題なのは足の運びで、捕球体勢に入る時に体が正面に向くのが早く、しかも足が揃ってしまっている。
基本的に外野手は「半身」で打球を追う方が体を機能的に動かせるので、今日のように風が強いひやグランドコンディションが悪い時でも対応出来る範囲が広くなりミスも減る。
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9番(遊)中山礼都
➂カウント1-2から内角低めのストレートを見三振、一死。
➄初球の真ん中カットボールを捉えるが一ゴロ(得点1、併殺崩れとショートの送球ミスが絡む)二死二塁。
➆初球の内角カットボールに詰まって二ゴロ。
<短評>
打撃は厳しく懐を攻められて、DeNAバッテリーに色々試されていた印象。
守備では今日も送球ミスが何度か見られた。
これについてはどこかのタイミングで解説したいと思う。
【ジャイアンツ登板投手/雑感】
☆直江大輔
ストレート系の平均球速は140キロ台中盤、最速147キロ
変化球はチェンジアップ、カーブ、フォーク、スライダー、ツーシーム
<雑感>
初回、先頭の森を投ゴロ⇒楠本を中飛⇒神里は見三振。
ストレートの抜け球(シュート回転)がなく、低めに威力のあるボールをビシッと決まっていた。
ストレートと比べてやや変化球の精度は落ちるが、まずまず大城の要求通りのコースに来ていたので、投球の良いアクセントにはなっていた。
二回、先頭の大田を中飛⇒細川を空三振⇒柴田を三飛。
この回はカーブ以外の変化球でカウントを稼ぎ、相手に最後まで狙い球を絞らせずに凡打の山を築いた。
これで持ち球で最も遅い球種のカーブで簡単にカウントを稼げるようになると、投球の幅はさらに広がり、ローテ入りをモノにする可能性が強まる。
三回、先頭の山本を三ゴロ⇒知野は中安⇒倉本を右飛⇒森を見三振。
この回はストレート系が抜けて甘くなるケースが見られ、相手に捉えられる打球が散見された。
但し、最後の森から奪った見三振は見事なストレートだった。
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☆今村信貴
ストレート系の平均球速は140キロ超
変化球はショート、スライダー、チェンジアップ、カーブ、フォーク
<雑感>
四回、先頭の楠本を見三振⇒神里を見三振⇒大田は空三振。
各打者をストレート系で押し込んでいた。
更に左打者にはショートが非常に効果的で、その対応に苦慮している様子が伺われ、右打者にはストレートで押し込めているので緩急が効いていた。
今までの彼のスタイルには無かった非常にアグレッシブな投球が印象的だった。
五回、先頭の細川は右二⇒田部を一ゴロ⇒山本を遊ゴロ(本塁憤死、一塁)⇒二盗(中山が捕球ミス)知野は右安(一三塁)⇒倉本
この回は一転してカーブなど軸にカウント球で変化球を多投して投球を組み立てていた。
先頭打者に不運な二塁打を打たれてピンチを招くが、何とかギリギリのところで踏ん張り切った。
完璧に打たれたヒットは無かったが、やりようによってはもっと簡単にアウトカウントを奪えていたようにも感じた。
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☆赤星優志
ストレート系の平均球速は140キロ台後半 最速で150キロ
変化球はツーシーム、カットボール、カーブ、スライダー
<雑感>
六回、先頭の森を左飛⇒梶原は左安⇒神里は中越適二(失点1)⇒桑原は左適安(失点1)⇒二盗、伊藤光を二ゴロ(三進)⇒田部を二ゴロ。
三連打で一気に同点に追いつかれるが、ややストレート系を安易に集めてしまった印象が強く、それが甘くなって捉えられてしまった。
最後の二つのアウトは変化球を交えてキッチリとコーナーに投げ分けていた。
七回、先頭の戸柱を空三振⇒知野は右安⇒倉本を右飛⇒牽制死。
戸柱に対してカーブでカウントを稼ぎ、最後は膝元のカットボールで三振を奪うなど、緩急を使った投球で打者を討ち取っていた。
この回のように110キロ台のカーブをカウント球で使えれば、もっと投球の幅が拡がり、簡単に連打を許す投手だとは思えない。
六回のように一本調子な投球(安易にストライクゾーンにボールを集める)になると、フォーム的にもタイミングが合いやすくなるタイプなので注意が必要で、もっと緩急や打者の懐を厳しく攻めるなどの「見せ球」が必要になる。
そこら辺りは今後バッテリー間でキッチリと話し合って欲しい。
☆堀岡隼人
ストレート系の平均球速は140キロ台後半
変化球はフォーク、カーブ、スライダー
<雑感>
八回、先頭の森を空三振⇒梶原は左三(廣岡の足がもつれて捕球出来ず)⇒神里は左犠飛(失点1)⇒桑原は左安⇒伊藤光は二直(吉川の好プレー)
以前よりも無駄な力みが消えて制球が良くなっている。
力感の無いフォームからストレートとフォークで打者を押し込んでいたが、今日のように勝負球が甘くなると一軍ではヒットを打たれてしまう。
去年の同時期よりも間違いなく進歩を感じるが、リリーフタイプの投手なので、一軍に生き残るためには勝負球が甘いままでは難しい。
再び支配下入りするにはここを修正する必要がある。
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☆谷岡竜平
ストレート系の平均球速は140キロ中盤
変化球はフォーク
<雑感>
九回、田部を左飛⇒戸柱は投襲安⇒知野は左安⇒倉本は二ゴロ(併殺崩れ、一三塁)⇒森は左線適二(失点1)⇒梶原は右適安(失点2)⇒神里を空三振。
ストレートを戸柱に捉えられてフォークでかわす投球になってしまった。
もう少しストレートで押し込む投球が出来ないと、彼の勝負球のフォークが機能しない。
前回も同じことを指摘したが、一軍のセットアッパーになるにはストレートの質をもっと上げないと厳しい。
【横浜DeNAベイスターズ先発オーダー】
1番(遊)森
2番(左)楠本
3番(中)神里
4番(右)大田
5番(指)細川
6番(二)柴田
7番(捕)山本
8番(一)知野
9番(三)倉本
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【スコア】
DeNA 000 002 013 6
巨 人 010 010 000 2
<P>直江(1~3回)今村(4~5回)赤星(6~7回)堀岡(8回)谷岡(9回)
<P>坂本(1~4回)上茶谷(5~7回)山﨑(8回)田中(9回)
【総評】
<野手>
1~2回はDeNA坂本の内と外に投げ分けるストレート系に差し込まれる打者が多かったが、僅かな失投を巨人の主軸が見逃さずにチャンスメイクして得点に繋げた。
欲を言えばあと1点欲しいケースではあったが、ここは坂本の投球が素晴らしかった。
3回は相手坂本のベストピッチに対して完全に沈黙する。
4回はやや力んで制球を乱し始めていた坂本に対してチャンスを作りかけるが、代走秋広のボーンヘッドで潰してしまう。
6回は二番手上茶谷に対して、先頭の中田のヒットをキッカケに相手のミス絡みで追加点を奪う。
但し、この回もキッチリと捉えた打球は中田だけだった。
6回は腕が振れ始めてきた上茶谷のストレート系に差し込まれて討ち取られていた。
7回は逆にカットボールで簡単に討ち取られてしまっていた。
8回は山﨑のストレートに力負けして三者凡退。
9回は一死から増田陸がヒットで出塁するが北村の併殺打で試合終了。
主力野手に関しては昨日よりも更に調子を上げている印象で、きわめて順調な仕上がりで心配していない。
一方で中堅若手野手に関しては、途中出場の増田陸以外に複数安打を放った選手が生まれず、相変わらず寂しい内容が続いていた。
技術的に見ても「称賛したい選手」は皆無だった。
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<投手>
直江、今村、赤星に関しては、今季の一軍の戦力として期待出来る投球は見せてくれた。
今村に関してはもう中堅に入るので、この程度で満足して欲しくないが、彼の今季にかける意気込みは十分に感じる投球だった。
直江はまだイニング毎に調子の上下動が激しいが、前回登板よりも明らかに良かった。
赤星も前段で指摘したように、まだ課題のある投手で「プロで通用する投球の組み立て」を実戦の中で覚える必要がある。
つまり、アマではそこまで必要性を感じなかった「緩急」をプロでは絶対に使っていかないと投球は組み立てられない。
その為にもカーブのキレと精度を上げて欲しい。
失点した堀岡と谷岡については、味方の拙守絡みという不運もあったが、やはり、二軍で通用する投球(140キロ台後半のストレートとフォーク系の組み立て)だけでは一軍では厳しいという事。
勿論、たまには無失点で抑えることはあるかもしれないが、登板を重ねていけば間違いなく苦しくなる(打者が慣れてくる)ので、もっと勝負球の精度を上げていかないと厳しい。
特に谷岡に関しては堀岡よりも更に球威が落ちるので、フォークが少しでも浮くと拾われる確率は上がる。
もう少し両者とも安易にフォーク系に頼るのではなく、外角低めのストレートを磨いて欲しい。
以上 敬称略
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