読売ジャイアンツvs広島東洋カープ オープン戦レポート 2022.2.26
【ジャイアンツオーダー/攻撃経過/野手短評】
1番(右⇒中)岡田悠希
➀初球の内角高めのカットボールに詰まりながらも中安、無死一塁。
➂カウント1-2から外角カーブを見三振、二死。
➅フルカウントから内角高めのストレートが大きく外れて四球、無死一塁。
➇初球の外角低めのストレートを引っかけて二ゴロ、一死。
<短評>
第一打席のヒットよりも第三打席の四球を高く評価したい。
誘い球の変化球をキッチリと見送った内容は良かった。
一方で気になるのは、バットを内側から出す意識が強すぎて、やや左肩が落ちるのが早くなっていること。
そうなると芯で捉える確率は下がり、どうしても差し込まれる打球が多くなる。
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2番(遊)坂本勇人
➀カウント1-0から真ん中カットボールを打ち損じて三ゴロ、5-4-3の併殺、二死。
➂カウント1-2から真ん中低めのフォークを空三振、チェンジ。
➅カウント2-0から真ん中ストレートを捉えて中安(センターが処理にもたつく)、無死一三塁。
<短評>
全く問題なし。
各打席毎に色んな課題を持ちながらスイングしている。
⇒⇒代走(右) 松原聖弥
➇カウント1-2から内角ストレートを見三振、二死。
<短評>
相変わらず同じパターンの繰り返し。
確かに相手のベストピッチではあったが、森下は初めて対戦する投手ではないので、もう少し粘りを見せて欲しかった。
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3番(中)丸佳浩
➀フルカウントから内角カットボールを捉えて一失、二死一塁。
➃フルカウントから真ん中高めストレートを空三振、一死。
➅カウント1-1から真ん中低めのストレートにやや押されて左邪犠飛(得点1)、一死一塁。
<短評>
胸元のボールを見せられたりするなど、かなり厳しい攻めをされていた。
⇒⇒(一)北村拓己
➇カウント1-2から真ん中ストレートに差し込まれて二ゴロ。
<短評>
彼も同じアウトの内容を繰り返してしまっている。
インサイドアウトのバット軌道を意識するのは決して間違いではないが、その副作用の方が今は大きくなっている。
4番(三)岡本和真
➀カウント0-2から外角ストレートを捉えるが中飛、チェンジ。
➃カウント3-1から内角ストレートに差し込まれて遊ゴロ、二死。
➅カウント1-2から内角高めのカットボールを捉えるが三ゴロ(サードの好守)、二死二塁。
<短評>
実戦を重ねる毎にボールを見送り方が良くなっている(左肩の壁を壊さず打ちに行き、ボール球を寸前で見送る)
それと並行してボールを芯近くで捉える打球が増えている。
⇒⇒(遊)中山礼都
➈カウント1-1から真ん中低めカーブを引っかけて一ゴロ、一死。
<短評>
ここ最近はなかなか結果が出ずに、打席での焦りを感じる。
彼の長所である「ゆったりとボールを待てる懐の深さ」が失われている。
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5番(左)ウィーラー
➁カウント1-2から真ん中ストレートに差し込まれて右飛、一死。
➃初球の内角ストレートに詰まって右安、二死一塁。
➅カウント2-1から真ん中ストレートを捉えるが中飛、チェンジ。
<短評>
彼もインサイドアウトのスイングを徹底しているが、全くインパクトで右肩が落ちていない。
打球の質が北村とは全く違っている。
⇒⇒(三)増田陸
➈カウント1-0から内角ストレートを捉えて左安、一死一塁。
<短評>
今は来たボールをとにかく積極的にスイングしていることが功を奏している。
甘いストレートをキッチリと捉えている。
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6番(指)中田翔
➁カウント2-2から真ん中低めのフォークにタイミングが合わずに左飛、二死。
➃カウント1-0から内角ストレートに差し込まれて二ゴロ、チェンジ。
➆カウント1-0から内角ストレートを捉えて左安、無死一塁。
<短評>
順調に調整している主力組のなかでも特に彼の状態は良い。
去年よりも間違ないくバッティングに「間」を感じるので、バットのしなりを感じるスイングになっている。
⇒⇒代打 中島宏之
➈初球の真ん中ストレートを打ち損じて遊ゴロ、6-4-3の併殺打、試合終了。
<短評>
甘いボールを完全に打ち損じてしまった。
7番(二)吉川尚輝
➁カウント1-0から真ん中カットボールを捉えて右安、二死一塁。
➄カウント1-1から内角ストレートを捉えるが中飛、一死。
➆カウント1-2から外角ストレートを空三振、一死一塁。
<短評>
好守で合格点を与えたいが、唯一気になったのは最終打席の内容。
あのような中途半端な形での空三振は、その後のチームの士気にかかわるので上位打線では許されない。
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8番(捕)岸田行倫
➁カウント1-1から真ん中高めのストレートに差し込まれて二ゴロ、チェンジ。
➄カウント2-2から外角ストレートをバットの先で遊ゴロ、二死。
<短評>
バッティングに「間」を全く感じない。
中田翔とは対照的にバットとボールを「衝突」させているだけのスイングなので、確率はなかなか上がらない。
⇒⇒(捕)大城卓三
➆初球の外角チェンアップをバットの先で捉えて右安、一死一二塁。
<短評>
ややタイミングを抜かれたが、上手くバットの先で捉えてヒットゾーンに運んだ。
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9番(一⇒左)秋広優人
➂カウント0-2からワンバウンドのフォークを空三振、一死。
➄カウント2-2から外角ストレートをバットの先で遊ゴロ、チェンジ。
➆初球の外角ストレートを捉えるが遊ゴロ、6-4-3の併殺打、チェンジ。
<短評>
第二、第三打席のバッティングは不満が残る。
実戦で結果を残す為の手っ取り早い方法として逆方向への狙い撃ちは有効だが、それをキャリアの浅い時期から感覚で覚えてしまうと、スケールの大きい打者には育たない。
個人的には早めにファームに落としてもっと打席数を増やした方が良いと思う。
彼は強者揃いの甲子園にも出場していないし、高校時代は投手も兼ねていたので、他の高卒二年目野手と比べると経験値は圧倒的に少ない。
この状況で安易に逆方向へのヒットを感覚で覚えてしまうことは短期的には彼にとってはプラスでも、長期的に見ればマイナス面の方が大きい。
もっと強いスイングで長打を打つ感覚を実戦の中で実行して磨いてもらいたい。
首脳陣も小さな失敗を責めずに大きなビジョンで彼を育てて欲しい。
【ジャイアンツ登板投手/雑感】
☆山口俊
ストレート系の平均球速は140キロ超
変化球はスライダー、カーブ、フォーク
<雑感>
初回、先頭の菊池は左線二⇒野間を投ゴロ⇒宇草を空三振⇒末包を空三振。
いきなり菊池にストレートを捉えられるが、後続打者に対しては多彩な変化球を駆使してタイムリーを許さず。
二回、先頭の小園を二ゴロ(吉川が好プレー)⇒會澤を空三振⇒中村健を中飛。
徐々に全体的な制球・キレが良くなり、ストレートも球威が上がって打者を押し込めていた。
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☆メルセデス
ストレート系の平均球速は140キロ台中盤
変化球はスライダー、ツーシーム、カーブ
<雑感>
三回、先頭の林を二ゴロ⇒中村奨を空三振⇒菊池は遊安⇒野間は四球⇒宇草は二安⇒
まだまだ制球面はバラついているが、ストレート中心の投球で打者を押し込めていた。
不運なヒットが続いてピンチを招くが最後は末包をストレートで抑えきる。
四回、先頭の小園は中安⇒會澤は右安⇒中村を空三振⇒林は四球⇒中村奨
この回も制球のバラツキが修正されず、ストレート系は逆球が多く、スライダー系はなかなか決まらずに苦しんでいた。
しかも、球速の遅いカーブとチェンジアップに関しては投げる際に腕の振りが鈍くなるのでタイミングを外しきれていなかった。
それでも最後までボールを低めに集める意識は失っていなかったので、このピンチも併殺打で切り抜ける。
☆戸田懐生
ストレート系の平均球速は140キロ台中盤
変化球はスライダー、カットボール、カーブ、フォーク
<雑感>
五回、先頭の羽月を一ゴロ⇒野間を二ゴロ⇒宇草は左安⇒末包は左本(失点2)⇒小園は右安⇒會澤を中飛。
先頭打者にボール先行から粘られるが、最後はカットボールを使ってゴロアウトに討ち取る。
簡単に四球を出さずに変化球でキッチリ抑えた点は高く評価できる。
しかし、一発を打たれた場面は、一塁に走者を置いた事でやや単調な配球になってストレートを狙われてしまった。
各打者の対応を見る限り、タイミングがズレる球種は殆ど意識していなかったので、走者が居ない場面でもっと緩いボール(カーブ)を見せておかないと、勝負処では狙い球が絞りやすくなってしまう。
六回、先頭の中村健を空三振⇒林を空三振⇒二俣は左安⇒羽月は左安⇒堂林は中適安(失点1)⇒宇草を空三振
ストレートで相手を押し込み、追い込んだ後にスライダーやフォークで連続三振を奪うが、そこから三連打で失点を許す。
この回はカーブを二球投げたが精度は今一つなので、やはり先発投手としては単調になりがちな配球は致命傷になるので、このボールの精度アップが課題となる。
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☆今村信貴
ストレート系の平均球速は140キロ超
変化球はカーブ、チェンジアップ、スライダー、ショート
<雑感>
七回、先頭の末包を空三振⇒韮澤を遊飛⇒石原を一直。
二死から石原に捉えた打球を打たれたが、全体的には上々の内容。
前の打席で一発を放った末包に対して色んな球種で反応を見ながら、最後は狙い通りにボール球のカーブで三振を奪った。
巨人ベンチは「新戦力のデータ収集」の意味合いをバッテリーに要求したと思うが、それを最高の形で実践してくれた。
これは公式戦で大いに役立つだろう。
八回、大盛を二ゴロ⇒林は左安⇒二俣を中飛⇒一塁牽制アウト。
ヒットを一本許したが、投球内容は安定感が有った。
彼の課題であったボール先行の投球は皆無で、しっかりと低めにボールを集めて打者と勝負出来ていた。
九回、羽月を二ゴロ⇒堂林を二ゴロ⇒宇草を一ゴロ。
元々、どちらかというとイメージとは真逆の「フライアウトが多い投手」だったが、今年はここまでイメージ通りにゴロアウトが多い。
これなら同じアウトでも安心感がある。
【広島東洋カープ先発オーダー】
1番(二)菊池
2番(右)野間
3番(左)宇草
4番(一)末包
5番(遊)小園
6番(捕)會澤
7番(中)中村健
8番(三)林
9番(指)中村奨
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【スコア】
広島 000 021 000 3
巨人 000 001 000 1
<巨人P>山口(1~2)メルセデス(3~4)戸田(5~6)今村(7~9)
<広島P>大瀬良(1~3)塹江(4)松本竜(5)森下(6~8)遠藤(9)
【野手総評】
初回は、大瀬良に対して各打者はそれなりに対応出来ていたが繋がりに欠けて無得点。
二回は、ストレートが走り始めた大瀬良に対してやや差し込まれるケースが多くなっていた。
三回は、変化球を多投(フォークが軸)してきた大瀬良に対して手も足も出ず。
四回は、二番手塹江の150キロ超のストレートに各打者が差し込まれていた。
五回は、三番手の松本竜のストレートとスライダーの出し入れに屈する。
六回は、制球にバラツキがあった四番手森下に対して、相手のミスも絡んで1点を返す。
七回は、相変わらず不安定な森下に対してチャンスを作るが、秋広が併殺に倒れて無得点。
八回は、ようやく調子が上がってきた森下に対して力負け。
九回は、五番手遠藤から増田陸がクリーンヒットを放つが、中島が併殺打に終わって試合終了。
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<低評価>
この試合は少ない打席数ではあったが、相変わらず岸田・北村・松原は同じ凡打の形を繰り返している。
岸田・北村は遊ゴロ・二ゴロ、松原は簡単に追い込まれてからの「アッサリ三振」を繰り返している。
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<高評価>
主力である丸、坂本、岡本、ウィーラー、中田の順調な仕上がりだけが目についた。
彼らのような実績ある選手たち場合は「高評価」という表現が妥当ではないのでこれ以上の言及は避けるが、とにかく主力は間違いなく順調に階段を上っている。
【投手総評】
<低評価>
特にいない。
唯一失点した戸田もそれほど悲観する内容ではなく、十分追試を許されるレベルの投球だった。
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<高評価>
今村信貴は前回以上に素晴らしかった。
前回は奪三振が多く、今日よりも見た目は派手だったが、先発ローテ入りする為には、この試合の投球内容の方が間違いなく高い評価を与えるだろう。
去年までは同じアウトでも大きな外野フライや相手のミスショット(紙一重のスイング)に助けられていた印象が強かったが、前段で指摘したように今年はこれまでキッチリとゴロアウトで討ち取っているので安定感がある。
これなら甲子園や名古屋などの「広い球場限定の投手」から間違いなく脱却できる。
狭い東京ドームを本拠地にしているチームに所属しているなら、フライアウト投手からの脱却は必須である。
以上 敬称略
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