読売ジャイアンツvs千葉ロッテマリーンズ オープン戦レポート 2022.3.19
【ジャイアンツオーダー/攻撃経過/野手短評】
1番(二⇒遊)湯浅大
➀カウント2-2から真ん中低めのチェンジアップを振らされて中飛、一死。
➂カウント1-2から内角低めのストレートに差し込まれて二ゴロ、チェンジ。
➅カウント0-1から内角高めのストレートに差し込まれて三ゴロ、一死二塁。
➇バッテリーミスで二三塁、カウント1-2から外角スライダーに上手く反応したが、バットの先で二直(セカンドの好守)、二死二三塁。
<短評>
第一打席のバッティングアプローチはそれなりに良かった。
出塁は叶わなかったが彼なりの必死さを感じた。
第二打席は初球の甘いストレートをファールにしてしまったことが痛かった。
甘いボールを確実に仕留めないと一流投手相手では良い結果を残せない。
第三打席は厳しいボールに手を出してしまった。
第四打席は右投手の外の出し入れに上手く対応していたが、最後は相手の好守に阻まれてしまった。
この試合で最もチャンスが有ったのは第二打席で、カウント球の甘いボールを仕留めきれないと一軍には生き残れない。
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2番(遊⇒左)坂本勇人
➀カウント0-1から内角低めのカットボールを捉えて左線二、一死二塁。
➃カウント0-1から真ん中ストレートを捉えるが右飛、一死。
➅カウント2-2から真ん中ストレートを捉えるが左飛(レフトの好守)、二死二塁。
<短評>
第一打席は彼らしい内角打ちだった。
変化球ではあったが、久しぶりにバットのヘッドがスパッと抜けた。
第二打席はややストレートに差し込まれるが、バッティングの内容はまずまず。
第三打席も甘いストレートを逃さず捉えるがレフトの好守に阻まれる。
ここまで非常にバッティングは良い感じ。
ボールをしっかりと手元まで引き付けつつ、インサイドアウトのスイング軌道になっている。
彼も開幕に向けてキッチリと状態を上げてきた。
⇒⇒(右)松原聖弥
➇カウント0-1から真ん中低めのフォークに何とか対応して中適安(得点2)、二死一塁。
<短評>
ぶっちゃけコースヒットではあったが、以前なら低めのフォークに対してはひっかけてセカンドゴロにしていた。
しかし、この打席ではバットのヘッドを被せずにテニスラケットのように「面」で捉えにいっていた。
それがタイムリーヒットに繋がった。
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3番(右)ポランコ
➀カウント1-2から外角スライダーを空三振、二死一塁。
➃カウント2-0から内角高めのカットボールに思わず手が出て三邪飛。
➅カウント2-2から内角ストレートに詰まって三ゴロ、チェンジ。
<短評>
第一打席は左腕小島の外角出し入れに対応出来ずにボール球を振らされた。
第二打席は外甘スライダー系を待っていたと思うが、そこに逆球がきて思わず手が出てしまった。
第三打席はここまでやられていたスライダー系に上手く対応していたが、最後は内角ストレートで詰まらされてしまった。
前日の試合の第三打席と同様に、この試合も「修正力」を見せていた。
技術的には「衝突タイプ」のバッティングではなく、バットの軌道が予想以上にインサイドアウトになっているので、バットを鞭のように扱える打者である事。
これなら意外と左投手の外スラを見極められるかもしれないし、少しでも甘くなれば左中間スタンドに放り込むテクニックとパワーを兼ね備えている。
個人的には非常に期待感がある。
⇒⇒(遊)若林晃弘
➇カウント0-1から外角ストレートを合わせただけの左飛、チェンジ。
<短評>
何とか爪痕を残したいところだったが、相手の制球力に屈する。
4番(三)岡本和真
➀カウント2-2から内角低めのストレートを見三振、チェンジ。
➃カウント2-2から真ん中ストレートを捉えるが三ゴロ(サードの好プレー)、チェンジ。
➆カウント1-2から真ん中高めのストレートを捉えて中安、無死一塁。
<短評>
第一打席は相手投手のベストピッチに成す術無し。
第二打席は最後の甘く入ったストレートをキッチリ捉えるが、サードの好守に阻まれた。
第三打席は長身剛球投手ゲレーロとの初対戦だったが、5球目のストレートをキッチリと捉えた。
力感の無いスイングで、バットのヘッドの抜けが良い。
現状、NPBの中では最もストレートに強い打者であると評価している。
⇒⇒代走(三) 増田大輝
➈カウント1-2から真ん中スライダーを叩きつけて二安、無死一塁。
<短評>
彼は自分のプレースタイルを熟知している。
明らかにゴロを打とうとして打席に立っている。
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5番(一)中田翔
➁カウント2-2から外角低めのカットボールを引っかけて三ゴロ、一死。
➄初球の外角スライダーを打ち損じて中飛、一死
➆カウント0-1から真ん中低めのストレートに差し込まれて遊ゴロ、6-4-3の併殺打。
<短評>
第一打席は小島の緩急を使った投球に上手く対応していたが、最後は相手のベストピッチに屈した。
第二打席は外から曲がってくるスライダーを積極的にスイングしたが打ち損じてしまった。
第三打席はゲレーロの角度のあるストレートに押されてしまった。
この試合ではノーヒットに終わったが、形を崩されたバッティングにはなっていないので全く問題ない。
⇒⇒(一)北村拓己
➈カウント0-1から真ん中低めのスライダーを引っかけて遊ゴロ、6-4-3の併殺、二死。
<短評>
やや甘めのスライダーだったが、完全に打ち損じてしまった。
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6番(指)ウィーラー
➁カウント3-1から真ん中低めのストレートにやや差し込まれて二ゴロ、二死
➄カウント1-1から外角低めのストレートを捉えて中安、一死一塁。
<短評>
第一打席はバッティングカウントを作るが、最後は小島のストレートに押されてしまった。
第二打席は低めのストレートを見事なセンター返し。
⇒⇒代打 中島宏之
➇カウント0-1から真ん中ストレートを捉えて中安、二死一塁。
<短評>
ここまで打席数が限られている中で調整がかなり難しかった筈だが、ここに来て流石というか調子をキッチリ上げてきた。
甘いコースといえ、150キロ超のストレートをヒットゾーンに弾き返した。
7番(左)ウォーカー
➁カウント0-2から外角低めのチェンジアップを引っかけて三ゴロ、チェンジ。
➄カウント3-0から内角ストレートにやや差し込まれて中飛、一塁走者のウィーラーがタッチアップで二進、二死二塁。
➇カウント2-2から真ん中低めのフォークを空三振、一死。
<短評>
第一打席は内角にストレートを2球見せられ、最後は外角低めに落とされるという基本的な配球で討ち取られてしまう。
第二打席はバッティングカウントでストレートを狙い打ったが、やや詰まってしまった。
第三打席は低めにストレートとカーブを集められて追い込まれた後、同じ高さからフォークを落とされて対応出来なかった。
現状、タイミング的に差し込まれているのでストレート系は振り遅れるケースが多い。
その為、フォーク系への対応も難しくなっている。
一方、レフトの守備に関してはお世辞でも上手いとは言えない。
特に問題なのは打球判断が遅い事、球場に慣れてくればもう少し良くなるかもしれないが、この守備力では相当バッティングで結果を残せないと「お釣り」は出ない。
⇒⇒(中)立岡宗一郎
➈カウント0-1から真ん中ストレートに差し込まれて左飛、ゲームセット。
<短評>
逆方向にライナー性の打球を飛ばす狙いだったが、差し込まれてのポップフライに終わる。
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8番(中)丸佳浩
➂カウント0-2から外角カットボールを引っかけて二ゴロ、一死。
➄カウント2-2から外角ストレートを見三振、チェンジ。
➇初球の外角低めのスライダーを捉えて中安、一死一塁。
<短評>
第一打席はカウント球の甘いストレートを捉えられず、最後は変化球を振らされてしまった。
第二打席は2ボールから投じられた2球の甘いストレートを捉えきれず、最後は外角一杯のストレートに手が出なかった。
ここまでの二打席は、ボールの見送り方が良くない。
第二打席は右肩の壁を残すことを強く意識して、外角のスライダーをセンターに弾き返した。
⇒⇒(捕)山瀬慎之助
打席機会無し
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9番(捕)小林誠司
➂カウント0-2から外角チェンジアップを空三振、二死。
➅カウント1-0から真ん中ストレートを捉えて左線二、無死二塁。
<短評>
第一打席はほぼ無抵抗の三振に終わった。
1球目と2球目はいずれも内角への厳しいコースのストレートではあったが、どちらかのボールに対してスイングしていかないと勝負にならない。
第二打席はストライクを取りに来た甘いストレートを見逃さずにキッチリ捉えた。
⇒⇒代打(二) 吉川尚輝
➇カウント2-2から内角低めのストレートを上手く捉えて右安。一死一二塁
<短評>
内角低めの難しいボールだったがキッチリと捉えた。
【ジャイアンツ登板投手/雑感】
☆山崎伊織
ストレート系の平均球速は140キロ台中盤
変化球はスライダー、カットボール、フォーク、シュート
<雑感>
初回、先頭の高部を二直⇒マーティンを捕邪飛⇒中村は中安⇒レアードは左飛。
全体的にボールが抜け気味で、ボールがベルトから上に集まっていたが、相手のミスショットに助けられていた。
二回、先頭の福田を右飛⇒岡を中飛⇒平沢は四球⇒柿沼を三ゴロ。
この回は初回以上にボールが高めに集まっていたが、この回もロッテ各打者のミスショットに助けられた。
三回、先頭の藤岡は右本(失点1)⇒高部を右飛⇒マーティンは四球⇒中村を三邪飛⇒レアードは左中本(失点2)⇒福田は遊安⇒岡を見三振。
藤岡に対しては珍しく低めにボールが集まっていたが、芸術的なバッティングで一発を打たれてしまう。
勿論、この一発によって生じた動揺も大きかったが、それ以上にメンタル的にも肉体的にもダメージに繋がったのはマーティンへの四球だった。
小林の要求通りに四隅へキッチリ投げていたが、マーティンに見切られてしまっていた。
プロの厳しさ、主力打者を討ち取る事の難しさを痛感したと思う。
四回、先頭の平沢は左越二⇒柿沼は一犠打⇒藤岡は中適安(失点1)⇒高部は左中二、ここで投手交代。
この回は明らかに球威が落ちてしまっていた。
これは肉体的な疲労感もあるとは思うが、それ以上にメンタル的な落ち込みが大きいと見ている。
打者にとって「気落ちした投手」は「おいしい存在」である。
ここまで来たらそう簡単には打者を討ち取ることは出来ない。
全体的な印象としては、勿論、高めにボールが集まっていたことが直接的な原因ではあるが、やはり一軍のローテーション投手としては「球威不足」であることは否めない。
彼は非常にテクニックに長けている投手ではあるが、それが通用するのは最初だけで直ぐに化けの皮が剥がれてしまう。
どうやら今朝の報道では桑田コーチは彼を開幕ローテの一員として考えているようだが、このままの投球スタイルでは早い段階で壁に当たることになるだろう。
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☆高木京介
ストレート系の平均球速は140キロ超
変化球はスローカーブ、チェンジアップ、カットボール
<雑感>
四回一死から登場、マーティンは右適二(失点2)⇒中村を二ゴロ⇒レアードを投ゴロ。
準備はしていたと思うが、やや急場しのぎの登板であった事は否めない。
マーティンに対して投じたカーブは個人的には不用意なボールだと思う。
打者心理で考えると、走者が得点圏に居ない場面では、あの初球のスローカーブを積極的には手を出さないが、走者を置いた場面では高めに浮けば十分にスイングする価値のあるボールになる。
しかも、高木のカーブは腕の振りがヌルく、特に左打者には肩口から曲がってくるので反応しやすい(イメージが湧きやすい)
五回、先頭の福田は左安⇒岡は遊ゴロ⇒二盗、平沢を空三振⇒柿沼を左飛。
まだまだ制球がバラついていて、高めにボールが浮くケースが目立っている。
そんな中でベストピッチを見せたのは、平沢を三振に討ち取った外角ストレート。
球速は144キロだったが、しっかりと指にかかった質の高いストレートで、こういうボールをコンスタントに投げられれば十分に戦力になる。
☆直江大輔
ストレート系の平均球速は140キロ台中盤
変化球はフォーク、スライダー、カーブ
<雑感>
六回、先頭の藤岡を中飛⇒高部は四球⇒藤原は見三振⇒エチュバリアを二ゴロ。
制球がバラツキていて、結果オーライの印象が強い。
ストレートの走りはまずまずだが、変化球が高めに浮くケースが多かった。
七回、先頭の山口を空三振⇒福田を遊ゴロ⇒岡は死球⇒平沢は四球⇒柿沼は三飛。
二死からの岡への死球は仕方がないが、問題は平沢への四球で、本番ではこれが致命傷になりかねない。
最後は柿沼を狙い通りに内角ストレートで討ち取ったが、まだまだ良いボールと悪いボールの落差が激しい。
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☆戸田懐生
ストレート系の平均球速は140キロ台後半
変化球はカットボール、フォーク、スライダー
<雑感>
八回、先頭の池田を右飛⇒佐藤は四球⇒藤原を空三振⇒エチュバリアは四球⇒山口は右飛。
追い込んだ後の勝負球が大きな課題になっている。
現状、ストレートは150キロには届かず、軸になる変化球はスライダー系。
ボールが暴れるタイプではないのでカウントを作ることはそれほど苦にはならないが、最後の決め球で現状は苦しんでいる。
空振りを狙ってフォークを投げているが、落ちが早いので主力クラスの打者には見極められてしまう(藤原からはこのボールで空振りを奪った)
又、縦スラも多投しているが、エチュバリアに対応されていたことを見ても分かるように、打者目線ではそこまで厄介な球種にはなっていない。
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☆鍬原拓也
ストレート系の平均球速は150キロ弱
変化球はカットボール、シンカー、カーブ
<雑感>
九回、先頭の三木を右飛⇒岡は右本(失点1)⇒平沢を左飛⇒和田を一ゴロ。
岡の一発はカウント球のスライダーを狙われていた。
気配を察知出来ずにサインを出した山瀬を含めて反省する必要がある。
一方で、相変わらずストレートの質は良いので、今年は十分に戦力になると見ている。
現状、巨人のリリーフ陣は中川が故障で出遅れ、ビエイラも二軍落ち、鍵谷も出遅れている状況なので、彼に対する期待は非常に大きい。
個人的には今年の巨人リリーフ陣の鍵を握るのはこの投手だと思っている。
【千葉ロッテマリーンズ先発オーダー】
1番(左)高部
2番(右)マーティン
3番(二)中村
4番(指)レアード
5番(一)福田光
6番(中)岡
7番(三)平沢
8番(捕)柿沼
9番(遊)藤岡
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【スコア】
ロッテ 003 300 001 7
巨 人 000 000 020 2
<巨 人P>山崎(1~4回1/3)高木(4回2/3~5)直江(6~7)戸田(8)鍬原(9)
<ロッテP>小島(1~6)ゲレーロ(7)西野(8)小野(9)
【総評】
マリーンズ先発の小島は非常にレベルの高い左腕投手で、打ち崩すのは至難の業と言っても良いレベルにある。
巨人側としては仮想大野雄大ということで、何とか爪痕を残したいところではあったが、結局彼からは得点を奪えなかった。
やはり、こういう好投手から得点を奪うには、一番打者が出塁してチャンスで主軸にまわしていかないと厳しい。
仮にそこで得点を奪えなくても、主軸相手ではスイッチを入れざるをえなくなり、相手投手にはかなりの負担になる筈なので、そういう攻撃を複数回出来ればそれがボディブローとなってゲーム後半に効いてくる。
現状の巨人打線は1番~3番でチャンスを拡げられないので、仮にチャンスの場面を作っても打順の巡りが悪く、下位打線(主力以外)に期待せざるを得ない形になってしまっている。
原監督は1番打者を誰にするかを悩んでいるようだが、果たしてどうするのだろうか?
現状、打力(出塁率)と走力を兼ね備えた選手が皆無に等しいだけに難しい選択となっている。
短期的に見れば坂本が適任なのかもしれないが、彼にこれ以上負担をかけるのは長いペナントレースという観点では愚策に等しい。
坂本を2番に固定するなら松原か吉川、どちらかを1番に置く形が良いとは思うんだが。。。。
個人的には吉川かなぁ。。。。
以上 敬称略
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