沖縄(那覇)で行われている巨人春季(二次)キャンプも、いよいよ佳境を迎えている。
明日の最終日を前に、今日は中日を迎えて今キャンプ最後の練習試合が行われた。
練習試合 読売ジャイアンツvs中日ドラゴンズ
【G野手雑感】
①立岡宗一郎
1、中直球を叩いてサードゴロ
2、中ナックルカーブを空振り三振
3、内直球を詰まってショートゴロ
今日は結果が出なかったが内容は悪くない。
②重信慎之介
1、外ツーシームを合わせてピッチャーゴロ
2、外直球を見逃し三振
3、相手が制球を乱して四球
4、中直球を叩いてレフト前ヒット→セカンド盗塁成功
5、外直球を合わせてレフトフライ
この試合でも打撃と走塁でキッチリ結果を残した。
彼が出塁した2度のケースはいずれも得点に繋がり、重苦しい空気を変えたのは彼と言っても過言ではない。
一方で、外野守備については課題が残った。
この試合ではセンターを守ったが、センター後方への強い打球を背走しながら追いかけたが、最後はグラブに当てながらも捕球出来なかった。
現時点ではプロの打球に慣れてないので、スタートの判断がまだまだ遅い。
しかしながらセンスはあるので、これから経験を積んで良くなるだろう。
③坂本勇人
1、相手が制球乱して四球
2、外直球を差し込まれてライトフライ
3、内直球を詰まってレフトフライ
相変わらず直球に差し込まれていた。
④ギャレット
1、中ツーシームを強振してファーストゴロ
2、内直球を差し込まれてセカンドフライ
ネイラーと「乱調前」のジョーダンの、質が高い直球に差し込まれていたが、バッティングの形は徐々に良くなっている印象が強い。
⑤クルーズ
1、外直球を空振り三振
2、中直球を叩いて三遊間ヒット
3、内スライダーを叩いてセンター前ヒット 打点1
左投手に強い所を見せた。
内寄りの甘いボールに対してはミスショットが少ない。
又、セカンドの守備については、その守備範囲は明らかにライバル片岡の方が広いが、捕球してから投げるスピードと安定感は、彼の方が間違いなく上であり、坂本とのコンビによるダブルプレーの完成度も非常に高い。
この試合でも打者走者が左の俊足にも関わらず余裕で完成させていた。
⑥阿部慎之助
1、中直球を空振り三振
⑦長野久義
1、中直球を叩いてショートゴロ
2、相手が制球を乱して四球
⑧岡本和真
1、外直球を見送り三振
2、外直球を空振り三振
3、内チェンジアップを空振り三振
4、じっくりボールを見て四球
本人にとっては3三振という悔しい結果だが、内容は悪くない。
ボールを迎えに行って三振しているのではなく、自分の形を崩さずにスイングしている。
⑨小林誠司
1、外直球を見送り三振
2、内カーブを詰まってレフト前ヒット 打点2
3、中チェンジアップを泳いでキャッチャーフライ
ノーアウト満塁の場面で岡本が三振した後に、それをカバーするタイムリーをしぶとく放った。
又、今日も盗塁を阻止する強肩を魅せた。
★村田修一
1、相手が制球を乱して四球
2、外チェンジアップを泳いでライトフライ
3、内スライダーを見送り三振
バッティングの状態は最悪。
今の段階で既に袋小路に陥っている。
★中井大介
1、中直球を強振して左中間二塁打 打点1
2、内スライダーを空振り三振
3、中フォークを空振り三振
甘いボールとはいえ、彼らしい鋭いスイングで二塁打を放った。
その後の三振も内容は悪くない。
★亀井善行
1、中スライダーを泳いでセンターフライ
2、外直球を引っ張り一二塁間ヒット
着実に状態は上向いている。
2打席目のヒットは彼らしいバッティングだった。
1、中チェンジアップを強振して左中間本塁打 打点1
2、ボールを見極めて四球
高めに抜けたボール球のチェンジアップを強振してHRを放った。
内容は兎も角、今の彼に求められるのは結果だけ。
他のライバルが結果を残し続けてるので、彼も負けるわけにはいかない。
個人的には久しぶりに「スカッと」した瞬間だった。
★吉川大幾
1、中直球を叩いてライトオーバー三塁打(前進守備) 打点1
2、外直球を叩いてショートライナー
両打席ともに内容が濃いバッティングで、昨日の失敗を取り戻した。
彼も一軍生き残りをかけて、好守で必死にアピールしている。
★和田恋
1、外スライダーを合わせてライト前ヒット
彼も連日に渡り結果を残している。
一歳年下の岡本へのライバル心を強く感じる。
★河野元貴
1、内直球を見送り三振
【G投手雑感】
①高木勇人 3回3安打1四球1失点 奪三振2
直球とスライダーを軸にカーブ・フォーク・ショートを投げていた。
直球のスピードは137~143キロで切れも上々。
変化球の中で印象的だったのがスライダーで、去年後半は曲がりが早く、変化も大きかったが、今日のスライダーは打者の近くで曲がり、変化も小さく鋭く曲がっていた。
この点については去年前半の良かった状態に戻っている。
一方で相変わらず変わっていないのが、殆どの投球が打者のベルト付近に集まる事。
この試合ではコースの間違いが比較的少なかったので大ケガしなかったが、3回に失点を許したのはコースがやや甘くなった所を叩かれた。
去年のデータを見ると、セリーグ先発投手の中でフライ率が1位、被本塁打もワースト2位で典型的なフライ投手と言える。
この試合のようにコースにキッチリ集まっていればゲームを作る事が出来るが、少しでも真ん中に集まると連打の危険が大きくなるし、更に球威も落ちれば一本の長打で試合を壊しかねない。
しかも、二年目の今シーズンは、各チームの研究が更に進んでいるので、去年以上の成績を残す為には何かを変えなければならない。
その答えの一つがボールを低めに集める意識の徹底だと思う。
彼は狭い東京ドームが本拠地なので、ボールを低めに集めてゴロアウトを増やさねば、一軍ローテ投手の地位は揺らいでしまう。
②山口鉄也 1回0安打0失点
直球を中心にスライダー・ショート・チェンジアップを投げていたが、全ての球種を試している印象だった。
ややスライド回転する彼独特の直球は、スピードガンで136~140キロ、切れとスピードは絶好調と比べると7割程度の状態。
それでも今の時期に140キロのボールを投げられるのは上々と言えるし、変化球の切れもこれから上げていくだろう。
又、調整途上の中で、ボールを低めに集めて打者を討ち取ったのは流石だった。
③田原誠次 1回0安打0失点 奪三振2
ショート回転する直球を軸に、スライダー・チェンジアップ・カーブで織り交ぜていた。
直球のスピードは138~140キロ、打者を押し込む球威を感じた。
変化球の精度は高くなかったが、直球を見せられた後にスピードを殺した変化球に投じられて、打者はタイミングを合わす事が出来ていなかった。
この試合では課題になってる左打者に対しても二つの三振を奪い、首脳陣に対して大きなアピールとなった。
④今村信貴 4回6安打1四球0失点 奪三振2
直球とカーブを軸にスライダー・フォーク・スローカーブを投げていた。
直球のスピードは136~141キロで切れもまずまず。
変化球もカーブが低めに決まってカウントを稼いでいた。
彼らしく粘り強い投球で無失点に抑えたが、本番に向けては課題も見えてきた。
現状の彼にはウイニングショットが無いので、追い込んでもヒットを簡単に打たれてしまう。
良いカーブを持っているが、勝負するボールとしては不向きな球種なので、ステップアップする為には直球のスピード感とフォーク系をもっと磨いて欲しい。
最後にフォーク系を振らせる形を作れれば、高い制球力を武器に一気にブレイクする可能性もある。
【D新戦力雑感】
1、外スライダーを強振してファーストフライ
2、外チェンジアップをバットの先でセカンドゴロ
全てのボールに対して強振しようとするハードヒッターである。
リストの強さを感じるスイングだが、決して上体の強さだけで遠くに飛ばすタイプでもない。
広いスタンスをとり、ノーステップに近い形でスイングする事により、体の突っ込みを防ぐ意図を感じる。
身体的に劣る日本人打者には彼と同じバッティングフォームは向かないが、彼の場合は相当スイングスピードに自信があると思う。
但し、現在は強く振りたい意識が先行しているので、やや上体が前に突っ込んでしまっているので、ボールを捉えるまでには至っていない。
現状は日本の投手に戸惑っている印象が強いが、慣れてくるとHRを量産してくるかもしれない。
攻め方としては、シーズン中に入っても今の状態が続いてくれれば、基本は緩急で勝負する事になるが、もう少し「バッティングの間」が出てくると攻め方が難しくなる。
こういうタイプには基本的には内に強いボール、そして最後は低めのフォーク系を振らせる形がセオリーだが、落ちるボールで勝負する前の段階(追い込むまでの過程)が非常に難しい。
つまり、内角を攻めきれないケースが増えてくるかもしれない。
☆ジョーダン 2回2/3 4安打3四球4失点 奪三振1 ボーク1
直球を中心にスライダー・カーブ・チェンジアップ・カットボールを投げていた。
直球のスピードは139~145キロ、しっかり足を上げて十分な間合いを取った時の切れは素晴らしかった。
一方でセットポジションになるとスピードが3~4キロ落ち、変化球の切れも悪くなり、全体的な制球も乱れてしまっていた。
又、クイックモーションも上手いとは言えない。
本人は足を高く上げないでコンパクトなモーションを行ってるつもりでも、動作が遅いので今のままでは一塁走者は二塁へフリーパスになる。
何とかしようと、対立岡の場面では肘を下げてサイドスロー気味に投げたりしていたが。。。
前段で書いたように、足をしっかり上げる事が出来る場面(走者無し・満塁)でのボールは素晴らしいので「今後、どの程度まで上記の課題を修正できるか?」に懸かってくる。
【試合結果・投手継投】
D 001 000 000 1
G 000 022 200 6
D ネイラー、ジョーダン、小川、濱田、佐藤、金子
G 高木勇、山口、田原誠、今村
試合は巨人打線が繋がり6対1で勝利した。
尚、特別ルールで9回裏の攻撃も行われた。
【試合総評】
D先発のネイラーの状態が素晴らしかったので、序盤の貧打は致し方ない。
そして、2番手で登場したジョーダンの乱調を突いた形で5回に逆転した。
個人的に評価しているのは、6回と7回に追加点を奪った事。
それも若い選手が結果を残してアピールに成功していた。
これまでの実戦では見られなかったので、個人的には大いに喜んでいる。
以上 敬称略