読売ジャイアンツvs阪神タイガース 2回戦レポート 2022.4.2
【スコア】
阪神 200 100 001 4
巨人 211 010 00X 5
勝利投手 戸田 (1勝0敗0S)
敗戦投手 小川 (0勝2敗0S)
セーブ 大勢 (0勝0敗6S)
本塁打 坂本 2号(1回裏2ラン) 、丸 2号(2回裏ソロ) 、ポランコ 3号(3回裏ソロ)
【ジャイアンツ出場野手評価/状態チェック】5点満点
☆吉川尚輝 3打数1安打1四球(得点2)
・評価4点
攻守で大活躍だった。
バッティングでは、初回の失点で重くなりがちだった雰囲気を切り裂く見事な二塁打で出塁して坂本の同点弾を呼び込み、5回一死の第三打席では、際どいボールを見切って四球を奪い、これをキッカケにして欲しかった次の1点が加算された。
一方で、セカンド守備では再三の好守で投手陣を盛り立て、特に2回表の好守はパーフェクトなグラブ捌きと捕球体勢、そしてパーフェクトな送球で間一髪アウトを奪い、相手に再び流れを渡しかねない失点を防いだ。
本来なら5点をあげても良い活躍だったが、7回裏の先頭打者としてどんな形でも良いから
出塁して欲しかったので、今回は厳しめの査定に至った。
・バッティングの状態
前試合終了時は(↗)
今試合終了時は(↗)
バッティングアプローチ、選球眼、バットスイング、どの点からも調子の良さが伺える。
もしかしたら今はプロ入り以来最高の状態かもしれない。
☆坂本勇人 3打数2安打2打点1死球(得点1、本塁打1)
・評価4点
初回の同点弾は非常に大きかった。
又、5回裏の第二打席の二塁打も、その後の中田翔の押し出しに繋がった見事な一打。
・バッティングの状態
前試合終了時は(↗)
今試合終了時は(↗)
天才的なインサイド打ち、タイミングを多少抜かれても対応する二枚腰のバッティングは、まさに坂本勇人らしさ前回である。
これから相手バッテリーは様々な手段で彼のバッティングを崩そうとしてくると思うが、彼の前後を打つ吉川とポランコが不振に陥らない限りマークは分散されるので、そう簡単には崩れないと思う。
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☆ポランコ 3打数1安打1打点1四球(得点1、本里打1)
・評価3点
第二打席のソロ弾と7回の四球は高く評価出来るが、5回裏の第三打席の三振は、押せ押せムードで一気に試合を決められる状況だっただけに痛かった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
個人的にはまだまだこれが彼の本調子だと思っていない。
今は引っ張り専門のようになっているが、テイクバックからインパクトまでの過程の中でボールを呼び込む「間」が生まれ、左中間方向に強い打球が出てくる時が彼の本来のバッティングであると推察する。
一方で、インサイドのストレートに対してかなり対応出来るようになってきたが、まだまだ反応で打つというよりも狙って打っているので弱点克服とは言えない。
それでも個人的にはこれで良いと思う。
誰しも弱点となるコースや球種は少なからずある訳で、それが無かったら高年棒を期待出来るMLBを去ることは無かった。
これから大事になるのは、この試合の本塁打を打った打席のように「内角を狙ったストレートが甘くなると一発がある」と相手バッテリーに意識させること。
それが無いと捕手はどんどん同じボールを要求し、投手には躊躇なく腕を振って投げ込まれてしまう。
そうなったらなかなか捉えることは出来案くなる。
☆岡本和真 3打数0安打1四球
・評価1点
彼への申告敬遠が直後の押し出し点に繋がった。
しかし、7回裏一死一二塁の第四打席は、ここで彼に一本出ればダメを押せた状況だっただけに痛かった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
トップからインパクトまでの過程で、やや右肩が早く下がって左肩が上がってしまっているので、ミスショットが増えている。
これは長距離打者の宿命で、ボールのやや下面を捉えてフライを打つので、どうしても右肩が下がり気味になってしまう。
しかし、問題はそこではなく、右肩がどのポイントで下がり始めているのか?
筆者の見立てではほんの僅かだが右肩が早く下がっている。
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☆中田翔 3打数0安打1打点1四球
・評価2点
第三打席の押し出しによる得点は、彼の「打ちたい」という欲望をグッと堪えて掴み取ったモノだった。
相手バッテリーは彼にボール球の変化球を振らせようと誘っていたが、最後までその誘惑に乗らなかった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(↘)
今試合終了時は(↘)
7回裏の惜しかった中飛(近本の好守)も、彼本来のバッティングには程遠い。
現状、始動が遅れ気味になっていることが原因で、ストレート系に差し込まれるケースが増え、それを過剰に意識してしまうと力みが加わり、左肩の壁が壊れて体が早く開いてしまっている。
左肩の壁が壊れてしまうとバットが外回りになるので、内角ストレート系に差し込まれやすくなるし、外角ストレート系や変化球に対しては泳ぎ気味の「手打ち状態」になってしまう。
あの打席の中飛はまさにそれだった。
☆丸佳浩 4打数1安打1打点(得点1、本塁打1)
・評価3点
打撃では勝ち越しとなる第一打席のソロ弾、守備では3回表一死一塁の状況で、ピンチ拡大を防ぐスライディングキャッチで勝利に貢献した。
・バッティングの状態
前試合終了時は(↗)
今試合終了時は(↗)
引き続き好調を維持している。
相変わらずヒッチに無駄な動きが無く自然体のままトップの形に入り、そこからインパクトの瞬間まで頭が動かないので、甘いボールを仕留める確率が上がっている。
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☆松原聖弥 4打数0安打
・評価0点
攻守で精彩を欠いていた。
バッティングはヒットはおろか一度も出塁することがなく、レフトの守備では初回一死満塁での左安で、無理な体勢から本塁への山なり送球をして打者走者の二進を許してしまった。
ここは投げても間に合わなかったので、キッチリと中継に送球して進塁を防がねばならなかった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(↗)
今試合終了時は(➡)
良くなっていた状態から再び短期間で急速に悪くなっている。
彼の場合は外目のボールを引っかけてセカンドゴロを量産するようになると危険信号が灯る。
「打ちたい」という欲望が強くなって、それが力みに繋がって上体だけでスイングしようとしてしまう。
いつまでも本能のまま野球をやり続けるなら、彼の成長はここで止まるだろう。
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☆大城卓三 4打数0安打
・評価1点
昨日の大活躍から一転してこの試合ではノーヒットに終わる。
松原も言えることだが、二人とも結果があまりにも極端すぎる。
一方で、キャッチャーとしては2回以降のリードを守り切ったことは素直に評価したい。
・バッティングの状態
前試合終了時は(↗)
今試合終了時は(➡)
ノーヒットであったが、合わせに行くようなスイングではなかったので、そこまでネガティヴな印象ではない。
もう少し見なければ何とも言えない。
【ジャイアンツ登板投手総評】5点満点
★山崎伊織 3回2/3、被安打7奪三振1与四球2失点3(自責点3)
評価1点
立ち上がりからストレート系の球威がなく、変化球も決まらない状態で苦しんでいた。
全体的に抜け球傾向になっていたので、ボールが高めに集まって非常に危険な投球が続いてしまっていた。
それでも味方が追いつき逆転してくれた2回と3回は制球に落ち着きを取り戻したが、4回は疲れも加わって再びボールが高めに浮いてしまった。
今後の課題としてはやはりストレートの球威とスタミナ。
ストレートでファールを奪う投球が出来ないと、いくら多彩な変化球を持っていてもプロではなかなか通用しない。
ヤクルトの石川のような経験豊富で駆け引きが巧みな投手なら、ストレートは見せ球でも良いが、まだまだ若い山崎にそれを求めるのは間違っているし無理筋である。
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★戸田懐生 1回1/3、被安打1失点0
評価2点
4回裏二死一二塁、打者糸井の場面という厳しい場面での登板だったが、低めのスライダーで見事に討ち取った。
続く5回は一死から大山に二塁打を浴びたが、それに動揺することなく要所で低めにボールを集めてゴロアウト二つでピンチを切り抜けた。
★今村信貴 1回、被安打0奪三振1失点0
評価2点
相手に全く隙を見せずに完璧な内容だった。
ストレートが走っていたので勝負球のフォークが活きていたし、左打者には必殺シュートが非常に効果的だった。
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★畠世周 1回、被安打1奪三振1失点0
評価2点
二死から佐藤輝に二塁打を浴びるが、ここも動じることなく大山にはストレートとスライダーを外角に出し入れして抑えた。
この試合はスライダー系(カットボール含む)のキレが非常に説かった。
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★高梨雄平 1回、被安打0奪三振2失点0
評価2点
8回頭から登場したが、この回を一人も走者を出さずに終えた事が非常に大きかった。
9回にマウンドに上がる大勢が、前回登板で最もタイミングが合っていた大山と対戦することなくゲームを終わらせる可能性が高くなったからである。
ここで一人でも出塁を許していたら、最終回は別の結果になっていた可能性が高い。
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★大勢 1回、被安打1与四球2失点1(自責点1)
評価1点
珍しくボール先行で四球を連発してしまった。
➀これは疲れからくるものなのか?
➁前回プロ初失点を喰らった阪神打線に臆していたのか?
➂気持ちが空回りしてしまったのか?
真相は誰にも分らないが、とにかく今回はプロ初登板以降で最悪の内容だった。
それでも最後は佐藤に対して「向かっていく気持ち」を取り戻し、佐藤輝に対しては「痺れるストレート」でねじ伏せ、それが幸運にも併殺に繋がった。
【監督采配評価/試合総評】5点満点
原辰徳 評価3点
最終回の遊直併殺について、巷では侃々諤々の議論が行われているが、筆者の見解は以下の通り。
➀ギャンブルスタートとは文字通り「一か八かのギャンブル」なので、高いフライなら帰塁する時間があるが、詰まったハーフライナーなので帰塁する猶予などある筈がない。
これを判断ミスと言い切って三走の近本を責めるのは間違っている。
➁咄嗟に判断すれば帰塁出来た筈という主張をする評論家がいるが、その判断はギャンブルスタート(当たりゴー)ではなく「ゴロゴー」という作戦になるので、近本は首脳陣の指示とは違った判断をすることになる。
➂このプレーを糾弾するのは、それこそ結果論にもなっていないし明らかに筋違いで、感情が先走っていると言わざるをえない。
➃但し、この局面で「ギャンブルスタート」の指示を出した阪神ベンチの作戦が妥当であったかどうかは議論の余地を残すが、それも不毛な論戦で終わるだろう。
さて、ここまでの2試合を振り返ると、両チームの二遊間の守備力の差が、そのまま結果に表れているような気がしてならない。
巨人の二遊間コンビは、その堅い守備によってギリギリ失点を防いでいたが、逆に阪神の二遊間コンビは記録に残るミスだけではなく、残らないミスも犯して無駄な失点を与えてしまっていた。
両試合ともに最後はもつれたが、何とか巨人が逃げ切った最大の要因はここにあると思う。
以上 敬称略
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