読売ジャイアンツvs広島東洋カープ 4回戦レポート 2022.4.20
【スコア】
広島 000 021 000 3
巨人 000 002 03X 5
勝利投手 髙橋 (1勝0敗0S)
敗戦投手 島内 (0勝1敗0S)
セーブ 大勢 (1勝0敗11S)
本塁打 西川 1号(5回表2ラン)
【ジャイアンツ出場野手評価/状態チェック】5点満点
☆吉川尚輝 4打数2安打(得点2)
・評価4点
二度のヒットがいずれも得点に絡む。
特に8回裏の二塁打は球場の空気を一変させた。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
絶好時のバッティングと比べると、若干バットコントロールに頼りがちのスイングになっている。
今は結果が出ているのでこれはこれで良いのだが、急激に調子を落とす危険性も隣り合わせであることも指摘しておきたい。
☆坂本勇人 2打数2安打2四球(得点1)
・評価5点
誰もが嫌がっていた床田から、ただひとり気を吐く4度の出塁。
最終的に床田をマウンドから引きずり降ろして逆転劇を呼び込んだのも彼の存在があればこそ。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
やはり、前日の第一打席の四球をきっかけに急速に状態を上げてきた。
阪神戦までは内角を意識させられて外角の変化球で泳がされるパターンが続いていたが、ようやく外角の変化球に対して何とかついていく形は出来てきた。
しかし、まだまだ絶好調という感じではない。
まだ、若干下半身と上半身が連動しきれておらず、本来のスイングではない。
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☆ポランコ 4打数1安打2打点
・評価4点
逆転タイムリーだけではなく、地味ではあるが二つの進塁打も評価に値する。
その8回裏の逆転打は「三つの伏線」があった。
➀その前の坂本の打席で相手のバッテリーミス(チェンジアップがワンバンド)で二塁走者の吉川が三進したこと。
➁一三塁の状況から1塁走者の坂本に代走増田大を送り、そして二盗を決めた事。。
➂この場面のポランコに対するカープバッテリーの配球が非常にオーソドックスで読みやすかったこと。
一つずつ解説すると、まず➀については「これで島内は低めのチェンジアップを投げにくくなった」ということ。
受けるキャッチャーは「そんなこと関係ないから同じようにワンバンドのチェンジアップを投げて欲しい」と思うだろうし、投手も表面上の心理では同じように思うだろうが、やはり深層心理は違ってくる。
➁については、巨人ベンチの勝負手(増田大)によって、カープバッテリーはポランコとの勝負だけに集中することが出来ずに、足を絡めた攻撃に対しての警戒心を持たざるをえなくなった。
それは微妙にポランコに対する配球面にも影響した。
更に二盗を決めた事でダブルプレーが無くなり、カープバッテリーは三振を狙う意識が更に強くなった。
そうなると、ストレートは高めでないと空振りを奪えないし、高めに投げるということは前進守備の頭を越される危険も高くなるので、バッテリーの共通認識としては最後の勝負球は低めのチェンジアップという選択をしたと思う。
➂についてはカウント1-2からの4球目が見せ球として内角ストレートを投じたが、このボールは余計だったと思う(もしくはこのストレートを勝負球にすべきだった)
これでポランコは最終的には低めのチェンジアップで攻めてくるということが読めたと思う。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
まだまだ彼のポテンシャルからすれば好調と言える段階には達していない。
速いストレートをコースに逆らわずに綺麗に弾き返せるようになれば。。。。
☆岡本和真 4打数1安打2打点
・評価3点
6回裏の2点タイムリーは勝敗のポイントを語る上では非常に大きな分岐点となる一打ではあった。
しかし、他(二度)のチャンスでの凡打は、仮に負けていたら「ここで打っていれば」と言われる場面での凡打だったので、やはりマイナス評価せざるをえない。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
正直あまり良い状態とは言えず、不調への入り口の前に立っている状態。
気になるポイントは二つある。
➀やや体が早く開いてしまってストレートには差し込まれ、変化球には泳がされやすい。
➁トップの形からボールを捉えに行く過程で右肩が下がる度合が大きい。
どちらも力みからくる悪癖だが、これはスラッガータイプの打者が陥りやすい不調時の初期症状で、ここは早く修正したい。
これを修正出来ずにダラダラと打席を重ねて打率を大きく落としてしまうと、今度は目先のヒットが欲しくなって当てに行くバッティングが顔を覗かせてくる。
こうなるとスラッガータイプは調子を戻すには相当な時間を要することになる。
スラッガーはフライアウトが多いときはまだ大丈夫だが、ゴロアウトの割合が増えるとかなり拙い状況と言える。
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☆ウォーカー 3打数0安打
・評価0点
打線のブレーキ役になってしまった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
まだまだ始動が遅れがちで、ストレートでカウントを稼がれ、ボール球の変化球を振らされるパターンが多い。
☆丸佳浩 4打数1安打
・評価1点
7回の先頭打者ヒットは得点には繋がらなかったが良い仕事だった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(↘)
今試合終了時は(➡)
前回のコラムでも指摘したが、前日の試合から明らかにバッティングを意識的に変えている(悪癖を修正しようとしている)
前回はまだ好調になりそうな予兆を感じることは出来なかったが、今回の四打席ではそれを感じる事ができた。
特に第三打席の左安は本人もかなり手応えを掴んだと思う。
次戦の爆発に期待したい。
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☆中田翔 3打数0安打
・評価0点
地味ながらもファーストの守備では貢献していたが、攻撃面のマイナス評価を上回るほどではなかった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
前の二試合で調子を上げるキッカケを掴んだと思っていたが、やはり「スラッガーの性」と言うべきなのか、どうしても一発を狙ってしまう。
勿論、それは彼なりのプライドでもあり、気持ちの表れであって、その心意気を否定するつもりは筆者には毛頭ない。
但し、筆者が言いたいのは「今はそれをすべきではない」ということ。
今現在の彼のバッティングを平たく言えば、勝負している相手に対してやみくもに攻撃している状態。
つまり、相手の出方や作戦(投手で言えば投じるコースや球種)に関係なく、同じ攻撃(同じバッティングアプローチ)を繰り返している状態ということ。
相手の立場で考えれば、これほど組みやすい相手は居ない。
相手の出方(狙い)は分っているので、ただ単にその狙いを外せば良いだけである。
ここはグッと堪えて今は「角を隠す」べきだと思う。
つまり、無駄に力まないでオープン戦の頃のバッティング(自然体)を再現して欲しい。
じっくりとボールを呼び込む形を取り戻し、センターから右中間方向の打球を増やしていけば、キャンプから取り組んでいたステイバックの意識付けが蘇ると思う。
その状態に戻ってきた時こそ「角を前面に出して戦える」ようになるだろう。
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☆小林誠司 3打数0安打
・評価1点
しっかりと最後までマスクを被って投手陣を牽引したが、打撃の方は相変わらずサッパリだった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(ー)
今試合終了時は(↘)
自分からボールを迎えに行く悪癖が、バッティングに出てしまっている。
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☆増田大輝
・評価1点
前日に続いて代走で出場し、見事に二盗を決めて逆転劇の一端を担った。
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☆中島宏之
・評価2点
完全に討ち取られた打球ではあったが、幸運のポテンヒットが貴重な追加点に結びついた。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
相変わらずストレートに差し込まれ気味ではあるが、バットの軌道が良いことが幸運なポテンヒットに繋がったとも言える。
【ジャイアンツ登板投手総評】5点満点
★メルセデス 5回2/3、被安打6奪三振3失点3(自責点3、被本塁打1)
評価2点
調子は良かったと思う。
特にコントロールは前回登板よりも纏まっていた。
しかし、勝負処でボールがやや甘くなっていたことが失点に繋がってしまった。
西川の一発は仕方がないと割り切れるが、堂林のタイムリーは何とか防いで欲しかったし、やりようによっては防げた失点だった。
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★直江大輔 1/3回、被安打0失点0
評価0点
逆球が多かったが、何とか更なる失点は防いだ。
★髙橋優貴 2回、被安打0奪三振2失点0
評価2点
全体的にボールが高めに集まってた点が気にはなるが、ストレートがまずまず走っていたので、右打者へのスクリュー、左打者にはスライダーが有効に機能していた。
当面はリリーフを任せられるようだが、これがハマれば非常にありがたい。
勝ちパターンのリリーフでは今村、ワンポイント高梨、同点時や接戦のビハインドでは髙橋という左腕リリーフの使い分けが出来るので、投手運用に幅が生まれて各個人の負担が大幅に軽減される。
勿論、そこでキッチリと結果を残せば再び先発を任せる事も、桑田コーチは視野に入っていると思う。
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★大勢 1回、被安打0奪三振1失点0
評価2点
ストレートの走りは普通だったが、フォークがいつも以上に良かった。
前回のコラムでは「フォークの抜けが悪くなっている事」を指摘していたが、この登板ではそこがキッチリと修正されていた。
【監督采配評価/試合総評】5点満点
原辰徳 評価5点
どちらかというと、ここ最近は「静か」な原采配が続いていたが、久しぶりに持ち駒を縦横無尽に使って劣勢だったゲームをひっくり返した。
➀髙橋優貴のリリーフ起用(イニング跨ぎ)
➁もう一度打席が回ってくる可能性があったウォーカーを下げて、7回表の守備から立岡を起用した采配が功を奏した(8回表の菊池の大飛球をフェンスギリギリでキャッチ)
➁延長戦を考えたら高リスクとも言える「坂本を下げて増田大を代走に起用する采配」が、結果的に見事にハマって逆転劇を呼び込んだ(増田大が二盗を決めてチャンス拡大)
➂➁の関係で5番打者に投手を置き、そして8回裏のチャンスで代打中島を起用して見事に追加点を奪った
この試合に関しては文句のつけようがないほど原辰徳の勝負勘が冴え渡ったゲームだった。
以上 敬称略
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