中日ドラゴンズvs読売ジャイアンツ 4回戦レポート 2022.4.22
【スコア】
中日 100 104 100 7
巨人 010 000 010 2
勝利投手 菅野 (3勝2敗0S)
敗戦投手 柳 (2勝1敗0S)
本塁打 岡本和 6号(7回表ソロ)、石川昂 3号(2回裏ソロ)
【ジャイアンツ出場野手評価/状態チェック】5点満点
☆吉川尚輝 5打数1安打
・評価0点
5度の打席て得点に絡んだ出塁はゼロ。
一度だけ内野安打による出塁はあったが、1番打者としての役割をこなせていると言えなかった(彼に対してはあえて厳しめの評価)
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
柳に対してはタイミングが合わず苦労している様子が伺えたが、二番手以降の投手に対してはキッチリと自分のバッティングが出来ていたので問題ない。
☆坂本勇人 5打数1安打(得点1)
・評価1点
五度の打席で出塁は一度のみ。
しかし、それが柳攻略の口火になったのでそこは評価したい。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
彼に対してはもう安易に内角を攻めてこないだろう。
内角へ投じる時はあくまでも見せ球の域を超えず、最後は外角の出し入れの勝負をしてくる。
彼もそれは十分に分かっている筈で、あとはそこに当時らえたボールの精度の問題になる。
甘ければ確実に彼は仕留めるし、キッチリとコースに決められたらそう簡単には打てない。
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☆ポランコ 4打数2安打1打点(得点1)
・評価4点
2本の二塁打はいずれも得点に繋がり、特に6回表のタイムリーは難敵・柳を大いに落胆させる一打だった。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
第一打席の二塁打は内角低めのストレートをキッチリと捉えた一撃。
ここは彼の得意ゾーンなので驚きはないが、バッティング内容が非常に良かったのは第三打席の二塁打の方で、今までならあのボール(外角低めの外スラ)は引っ掛け気味のバッティングでセカンドやファーストへのゴロになるケースが多かったが、ようやくこれを左中間方向に飛ばしてくれた。
筆者が彼に対して求め続けていたのは、まさにこのバッティング(外角球に対して左中間方向にライナー性の打球で弾き返すバッティング)
彼のバッティングの最大の長所は力んでスイングしないこと。
非常に腕の使い方が柔らかいので、落ちるボール(相手の誘い球)に手を出さない。
つまり、日本野球で最も必要であるボールを長く見る「間」を作ることが得意なタイプであるということ。
筆者は常々彼が日本でブレイクするときは、左中間方向に打球が飛ぶケースが多くなったときであることを指摘し続けていたが、ようやく彼にその意識が芽生えつつあるので、今後は更に注目度が増すことになる。
☆岡本和真 5打数3安打2打点(得点2、本塁打1)
・評価5点
文句ない結果を残して満点評価。
チームの総得点(7点)のうち、4点で絡む大活躍だった。
又、ゲーム序盤で彼と吉川が柳のスローカーブを狙っていたかのようにキッチリと捉えた事で、中日バッテリーは疑心暗鬼になってこのボールを中盤からは使えなくなっていた。
・バッティングの状態
前試合終了時は(↗)
今試合終了時は(↗)
緩い変化球に対しての反応、ストレート系に対する反応、どちらを見ても全く隙を感じないので、相手バッテリーはまさに攻め処が無い状態。
しかも、低めのボールをしゃくり上げて右中間スタンドに持っていくバッティングは相手にとっては脅威そのものだろう。
今の彼に対してはミスショットをひたすら願うしか無いだろう。
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☆丸佳浩 4打数1安打(得点2、盗塁1)
・評価2点
決勝点となった重盗を三塁走者として見事に決めた。
・バッティングの状態
前試合終了時は(↗)
今試合終了時は(↗)
引き続きバッティングの形を見ると好調を維持している。
☆ウォーカー 4打数2安打2打点(得点1,盗塁1)
・評価4点
総得点のうち3点に絡む大活躍。
特に丸との重盗は、一塁走者としてそこまでスタートが悪くなく、脚力も素晴らしかった。
キ相手ャッチャー木下を見事に欺いた。
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(↗)
バッティングに「間」を感じるようになってきた。
それによって今までの衝突スイングから、バットが体に巻き付くような「バットのしなり」を感じるスイングに変わりつつある。
前日までは内角ストレートに対しては詰まって凡打の山を築いていたが、その「間」が生まれたことによってインパクトでボールを押し込めるようになっているので、仮に詰まったバッティングでも「もうひと伸び」が生まれて外野奥まで飛んでいく。
まだ断言は出来ないが、彼もバッティングのコツを掴んだかもしれない。
次戦のバッティングは要注目である。
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☆香月一也 4打数2安打
・評価2点
8番打者として非常に良い仕事をしていたが、ファーストの守備では打球判断のミスで二安を許してしまった(菅野が遅れてベースカバーに入ったが送球が間に合わなかった)
・バッティングの状態
前試合終了時は(➡)
今試合終了時は(➡)
インサイドアウトのスイングが徹底されているので打球の質が良い。
引っかけるようなバッティングが少ないので。非常に期待感がある。
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☆大城卓三 3打数0安打
・評価1点
打者としては全く良いところがなかった。
一方でキャッチャーとしては決して好調とは思えなかった菅野を好リードで導いていた。
尚、3回裏の捕邪飛でベンチ横のカメラと激突して、肘を負傷するアクシデントがあった(病院で裂傷した箇所を縫ったとのことだが、大事には至っていない模様)
・バッティングの状態
前試合終了時は(↘)
今試合終了時は(↘)
打ちたいという気持ちがバッティングに出てしまっているので、ステイバックの意識が薄れ、インパクトに移る過程で上体が突っ込み気味になっている。
【ジャイアンツ登板投手総評】5点満点
★菅野智之 7回、被安打7奪三振3与四球1失点1(自責点1、被本塁打1)
評価5点(投手評価4点、打者評価1点)
ぶっちゃけ、この試合が東京ドームだったらこうはいかなかったと思う。
立ち上がりからストレートが抜け気味で逆球が多く、スライダーとフォークに頼らざるをえない投球が続いてしまっていた。
特に初回はその傾向が如実に出ていて、彼自身も非常に苦しかったと思う。
しかし、この最も苦しかった初回を無失点で切り抜けたことが大きかった。
2回裏にソロ弾を浴びるが直ぐに味方打線が追いついてくれた事もあり、広いバンテリンドームという「地の利」を活かして打たせて取るピッチングを意識していたように感じた。
そこからしっかりとゼロを重ねた辺りが流石の菅野智之だった。
4回表に味方が勝ち越しに成功してからは、相手打者の打ち気を上手く逸らしながら丁寧な投球を続けて相手に隙を与えず、6回表の味方打線の爆発を呼びこんだ。
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★鍬原拓也 1回、被安打3奪三振2与四球1失点1(自責点1)
評価1点
記録は三塁打のライト松原のミス(目測を誤る)が原因で今季初失点を喰らってしまったが、投球内容はそこまで悪くはなかった。
実際に三振を奪った堂上とビシエドに対する投球は抜群だった。
しかし、彼が唯一反省すべき点があるとするなら、良いボールと悪いボールの落差が大きかった事。
ストレートとカットボールが抜けて逆球になることがしばしば有り、そこを中日打線に突かれているようにも感じた。
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★今村信貴 1回、被安打0奪三振1与四球1失点0
評価1点
相変わらずストレートは走っていたが、彼も今回の登板内容はイマイチだった。
全体的に力みを感じる投球が続き、制球に苦しんでボール先行のカウントを作ってしまっていた。
まあ、それでも最終的に無失点で終えたから特段問題は無い訳だが、接戦時では同じ投球は通用しないことを肝に銘じるべきである。
【監督采配評価/試合総評】5点満点
原辰徳 評価5点
難敵の柳に対して、前回は初回こそ打線が爆発して得点を重ねたが、その後はゼロを重ねてしまったので「彼をK.Oした」とはハッキリと断言出来なかった。
しかも、結局終盤に試合をひっくり返されてしまった。
しかし、今回は間違いなく彼をK.Oした。
それも見事に打線が繋がり、しかも原野球らしい足技を絡めた上でのK.O劇だったので、長く苦杯を舐めていた巨人ナイン・首脳陣・スタッフ、そして我々巨人ファンにとっては痛快そのものだった。
さて、その決勝点になった重盗は、監督なりの成功の根拠(それなりの成功率)があってのことだと思う。
その理由は以下の4つになる。
➀「打者が左の香月で、キャッチャーの木下の視界を邪魔していた事」
➁「香月が前の打席でヒットを放っている事」
➂「一塁走者が新外国人のウォーカーだった事」
➃「三塁走者が原野球を熟知している丸佳浩だった事」
では、その一つずつを解説していくと以下の通りになる。
➀と➃についてはこのままの意味なので、これ以上の説明は要らない。
➁については香月の状態が良い(前日のカープ戦で貴重な二塁打を放った)ことを試合前にスコアラーから聞かされていた筈で、しかも前の打席(第一打席)でしぶといバッティングでヒットを打たれていたので、中日バッテリーの頭の中は「香月を抑えること」に集中していたと思う。
勿論、ベンチからの守備陣形の指示で、全く警戒していなかったということではないが、まさか初球から仕掛けてくるとは思わなかった筈。
まあ、カウントが追い込まれた状況なら警戒心はマックスになっていたが、そこは百戦錬磨の原辰徳なので最も成功率が上がる初球に仕掛けてきた。
➂については新外国人のウォーカーは入国が遅れてキャンプに参加していないので、相手ベンチはリスクを犯してまで重盗を仕掛けてくるとは思っていなかったと思う。
また言葉の壁や野球文化の違いによって細かいサインを理解していないことが多い外国人に対して、普通の指揮官ならこのような策をあまり取りたがらない。
つまり、これも相手の警戒心を薄めた要因であり、外国人に対しても普段からチームプレーを徹底させている原野球の真骨頂だった。
但し、それでもぶっちゃけ。成功する確率はそこまで高くなかったと思う。
古くから原野球を知っている巨人ファンなら理解できると思うが、この指揮官は毎年シーズン春先は、シーズン終盤の痺れる場面での成功率を上げるために予行練習(演習)を行うことが恒例になっている(公式戦で練度を上げている)
特に前段のような要素が揃うと高い確率で仕掛けてくる。
ただ、第三次原体制の初年度は、相手が原野球を知らない若い指揮官が多かったので「原辰徳の仕掛け」が成功しまくっていたが、一昨年終盤辺りから相手も警戒するようになって成功率が著しく下がっていた(むしろ阪神の矢野監督やヤクルトの高津監督には逆に仕掛けられていた)
そして今日の相手は新参者の立浪監督なので、この仕掛けが成功する条件は更に整っていたと言える。
まあ、立浪監督や他の首脳陣も評論家時代にこの仕掛けを何度も見てきたと思うが、実際にベンチで指揮を取っている時と、スタンドやテレビで見ている時では全く視野が違ってくるのでそう簡単には判断できない。
久しぶりに原野球の真髄を見た重盗だった。
以上 敬称略
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