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2016 巨人キャンプレポート 2月25日(最終日) & 春季キャンプ総括

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読売ジャイアンツの沖縄二次キャンプは今日が最終日で、2月1日から始まった春季キャンプの全日程が終了した。

巨人沖縄キャンプ最終日

午前中、野手はバッティング練習を中心に軽めのメニュー
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フリーバッティングの打球を利用して捕球練習をする重信慎之介
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軽いノックを受ける野手陣
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投手陣はブルペンで投げ込みを行う
今キャンプではスロー調整を続けていた澤村も精力的に投げ込んでいた
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そして午前中で練習を終了し、長野選手会長の音頭で一本締め
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~2016春季キャンプ総括~

【野手短評】

★阿部慎之助
宮崎キャンプではスローペースでの調整が許され、ジックリ焦らずに調整を続けていた。
沖縄入りしてもマイペースは変わらなかったが、体つきを見ても順調に仕上がってる。
又、例年以上にじっくり打ち込みを行っていた印象が強かった。

★小林誠司
体が一回り大きくなって今キャンプを迎えていた。
去年よりもバットを強く振れるようにはなったが、実戦ではなかなか結果が出なかった。
一方で、球界屈指の強肩は今年も健在。

★鬼屋敷正人
一歩一歩着実に成長しているかもしれないが、その歩みはお世辞にも順調とは言えない。
ドラフト2位で期待が大きかっただけに周囲の目も厳しい。
攻守で課題が多いが、特にバッティングは更なるレベルアップが必要である。

★河野元貴
育成出身の苦労人だが、プロに入ってからの成長度では同期入団の鬼屋敷を上回っている。
バッティングに関してはパンチ力とセンスを感じるので、1軍で使い続ければそれなりの数字を残す下地は持っている。
一方で捕手としての総合力は、今キャンプを見る限り鬼屋敷よりもやや劣っている印象がある。

★ギャレット
期待しているバッティングに関しては、日本の野球に適応する為のモデルチェンジを行っていた。
その効果は少しずつではあるが見え始めている。
守備に関してはファーストなら及第点、外野手としては少し厳しい評価をせざるを得ない。

★クルーズ
評価の高い守備については前評判通りだった。
守備範囲はお世辞にも広いとは言えないが「グラブ捌き」と「素早く安定感のある送球」は、元内野手の筆者にとっては羨望の眼差しで見ていた。
バッティングに関しては左投手に滅法強い所を見せていた。

★村田修一
ベテランの中ではただ一人フルメニューをこなした点については率直に評価したい。
一方で実戦練習に入ると、攻守で精彩を欠く場面が目立ち、特にバッティングは技術的に迷ってしまっている印象が強い。
キャンプ前は何だかんだ言っても開幕サードは彼が最有力だと思っていたが、現状では岡本が一歩リードしている状態かもしれない。

★坂本勇人
このキャンプはバッティングの左足の上げ方などをマイナーチェンジしていたが、実戦ではまだまだタイミング的に差し込まれているケースが多かった。
キャンプ終盤では腰の張りを訴える事もあったが、これからの本格的な実戦練習(オープン戦)で調子を上げたい。

★片岡治大
キャンプ序盤の松井臨時コーチのアドバイスで、以前よりも軸足に重きを置いてバッティングするようにしていた。
これを実戦練習に入ってからも続けていたが、まだ現状では形となって実ってはいない。
今シーズンはクルーズとセカンドのポジションを争い事になるが、彼の広い守備範囲は捨てがたいものの、バッティングの数字を上げなければレギュラーは難しいかもしれない。

★岡本和真
入団当時よりも体が一回り大きくなって、課題の守備も井端コーチの指導で着実に成長している。
バッティングに関しても去年よりも明らかに「強く」振れるようになっているので、ひ弱さも無くなってきているし、器の大きさは他のライバルよりも魅力がある。
勿論、これから一線級投手と対戦する中で課題が露呈していくとは思うが、今のように初球からフルスイングする姿勢を忘れなければ、開幕スタメンも夢ではない所まで来ている。

★中井大介
去年の秋季練習から内田コーチと二人三脚で練習している成果が、今キャンプでは目に見えて現れている。
技術的にはトップから振り始める時に右肩が下がってしまう癖を持っていたが、今はしっかり上からボールを押し込むスイングに変わりつつある。
但し、守備に関しては相変わらず不安定なので、内野のポジション争いでは厳しい状況である事には変わりない。

★和田恋
バッティングに関しては技術的な課題は多いものの、実戦に入ると結果を残してアピールに成功している。
一方で、彼も中井と同じで守備に課題が残ってるので、一軍生き残りを考えると厳しい立場である事に変わりはない。

★吉川大幾
今キャンプの実戦では坂本のスペアとしてショートを守る事が多かったが、安定感も増してレベルアップしている印象がある。
バッティングに関しては技術的な課題も多いが、相変わらず彼独特の勝負強さを発揮している。
ユーティリティープレーヤーとしての地位を着実に築いている。

★長野久義
去年の今頃は手術明けで練習量も抑えていたが、今キャンプはフルメニューをこなして体をイジメていた。
去年大きく数字を落としたバッティングに関しては、まだまだ本調子には程遠いが、これから本格的に始まるオープン戦で調子を上げていきたい。

★亀井善行
彼もベテランの域に入り、元々は怪我の多い選手なので、今キャンプでも故障離脱の心配をしていたが、何とかフルメニューを消化した。
今キャンプのメンバーを見ても、総合力ではチーム屈指の選手なので、彼が居ると居ないとではチーム力が大きく変わってくる。
何とかオープン戦も怪我なく終えて、開幕を迎えて欲しい。

★大田泰示
期待の大きいバッティングに関しては、今キャンプでなかなか結果を残せていなかったが、最後にようやく一発を放ってアピールした。
外野のポジションを争う立岡と重信が、連日活躍しているので存在感が薄くなりつつあるが、大田には彼らにはない長打力という魅力があるので、何とかこれからのオープン戦で結果を残して開幕一軍を勝ち取って欲しい。
彼が結果を残してスタメンに入るようになれば、Gの攻撃力は劇的に向上する。

★立岡宗一郎
去年後半戦の活躍で外野ポジション争いで一歩抜きん出ていたが、同じタイプの重信の出現で再び立場が微妙になってきた。
しかし、彼も実戦でしっかり結果を残して、重信と高いレベルでポジション争いをしている。
このまま両者が結果を残し続ければ、二人同時に開幕スタメンに入る可能性も十分に考えられる。
尚、あまり目立っていないが、外野守備に関しても落下点への入り方とグラブの出し方を見ると進歩の跡を感じる。

★重信慎之介
今キャンプのG全選手の中で、首脳陣と我々ファンに最もアピールしていた選手だった。
打撃ではバッターボックスの前に立って構えるという珍しいスタイルが印象的で、体格は非力そうに見えるがバットスイングはしっかりしていて、俊足左打者の特徴である「走り打ち」でもない。
走塁に関しては非常に高い脚力も魅力的だが、個人的に新人離れしていると感じる点は「リードを大きく取れる事」と「スライディングでスピードも落ちない事である」
両方ともに盗塁する上では欠かせないファクターで、過去に快足ランナーという触れ込みで入団した選手と明らかに違うのはここだった。
外野守備については打球判断の甘さが目立っているが、落下点の入り方と打球の追い方、そしてグラブの出し方にはセンスを感じるので、これからプロの打球を数多く体感すればリーグ屈指の守備範囲を誇る外野手になる可能性が十分にあるだろう。

【投手短評】

☆澤村拓一
宮崎キャンプでは終始スローペースで調整を続けていたが、沖縄では徐々にペースを上げていた。
まだ実戦で投げていないので何とも言えないが、今年も抑えとして一年間頑張って欲しい。

☆菅野智之
去年の同時期と比べると、ボールの質は明らかに上がっている。
特に直球とスライダーが素晴らしい。
前者はベース上での切れの良さを感じるし、後者は打者の手元で鋭く変化している。
残る課題は制球力になるが、これについては3月のオープン戦で調整すれば問題ない。

☆マシソン
今キャンプでは先発としての調整を続けていた。
実際に本番でも先発ローテに入るかどうかは微妙だが、マイコラスが出遅れているので今後の結果次第では可能性が高くなった。
技術的な課題を挙げるなら、先発として活躍するには制球力と緩急がポイントになる。
前者は特にスライダーの精度向上、後者は正直かなり難しいが、120キロ台のカーブも持っているので何とかこれを実戦で使えるレベルまで上げたい。

☆宮國椋丞
キャンプのブルペン映像では躍動感ある素晴らしい投球フォームを披露していたが、実戦のマウンドに立つと別人のような投球になっていた。
仮にマシソンが先発ローテに入ると、その代役として彼と田原に大きな期待が懸かる。
今季のG投手陣の鍵を握る一人と見て間違いない。

☆マイコラス
肩の不安で出遅れてしまった。
元々入団前の映像を見ても肩に負担が掛かる投げ方だったので、去年終盤の離脱と合わせて「想定の範囲内」だが、比較的日程が過密になる交流戦には何とか戻って欲しい。

☆山口鉄也
菅野と同様に、去年と比べて状態は雲泥の差である。
直球も既に140キロ出てるので上々と言えるし、変化球もスライダー・チェンアップ・ショートを実戦で試す段階まで来ている。
これからも怪我なく少しずつ状態を上げていけば、今年は去年以上の安定感を見せてくれるだろう。

☆ポレダ
ここまでは順調な調整と言えるが、その反面、去年のシーズンで露呈した課題がしっかり修正されている訳ではない。
色々課題はあるが、ステップアップへのポイントを一つ挙げるなら、チェンジアップの精度向上と見る。

☆戸根千明
相変わらずキャンプ序盤から「持ち前のタフネスさ」と「負けん気の強さ」を見せていた。
今年は去年以上に彼に対する期待も大きく「勝ちパターンの一人」として台頭して欲しい。
技術的な課題は対左打者への投球で、彼がプロで生き残っていく為には克服せねばならない。
侍ジャパンのメンバーに選ばれたので、そこでも何かを学んで自分の糧にして貰いたい。

☆高木勇人
昨日の練習試合で触れたが、彼の課題はボールがベルト付近の高さに集まってしまうこと。
今のままではボールの切れが落ちたりコースも間違ってしまうと一気に崩れてしまう。
昨日の投球を見る限りスライダーの切れは悪くなく、本人曰くフォークも改良して精度が上がったようなので、ここを修整出来れば貯金が作れる投手になれる。

☆田口麗斗
彼も今キャンプでは成長を感じた投手の一人だった。
直球の切れもまずまず良かったし、スライダーの切れは相変わらず抜群だった。
これに加えてチェンジアップも去年よりも精度が上がっているので、実戦で使える球種になっている。
但し、開幕からローテーションに入って勝ち星を重ねていくには、まだまだ課題がある。
その最大の課題はスタミナで、これについては本人も自覚していて、去年オフから走り込みを続けてきたようだ。
更にもう一つ欲を言えば、直球のスピードがあと3~4キロ欲しい。
コンスタントに140キロ前半を記録するようになれば、一気に大ブレイクするかもしれない。

☆内海哲也
自主トレで肩を痛めて心配していたが、今キャンプでは初日から不安を一掃していた。
今年のG先発投手陣を考えると、杉内が計算に入れられない状態なので、彼に対する期待は例年以上になる。
仮に今年も去年のような状態が続けば、一気に投手陣が崩壊してしまう危険性が高い。

☆田原誠次
今キャンプでは確かな成長を感じる投手の一人である。
去年終盤に緊迫した場面で使われるケースが増えたので、マウンド捌きに落ち着きがある。
かなり自信を持って腕が振れているので、打者の手元でボールが切れている印象が強い。
それを裏付けるかのように、打者が自分のスイングが出来ずに空振りするケースが増えてきた。
又、課題になってる左打者に対しても、ここまでの実戦では結果を残している。
彼も戸根と共に「勝ちパターンの一人」として今季は台頭して欲しい。

☆今村信貴
ここまでの実戦では何とか結果を残しているが、率直に言って結果オーライの印象も強かった。
貴重な先発左腕として、何とか一軍の先発ローテに食い込んで欲しいが、その為には直球の球威アップと、決め球として使えるボールを習得して欲しい。

☆矢貫俊之
マイコラスの離脱でチャンスが回ってきた。
140キロ前半の直球と鋭く落ちるフォークを武器に実戦で結果を残した。
又、全ての球種が低めにしっかり制球されていたのも素晴らしかった。
現状では、同じタイプの土田との争いではやや一歩リードしている。

☆公文克彦
制球力を上げる為にサイドハンドに転向したが、今キャンプでは直球のスピード感も落ち、変化球の切れも感じず、個人的には期待していただけに残念な投球が続いていた。

☆土田瑞起
彼についても入団当初から期待していた投手だったが、今一つ成長を感じない。
彼には決め球(落差の大きいフォーク)があるが、それを活かす直球がもう一つスピード感がない。
勝ちパターンのリリーフとして使うには、常時145キロ前後の直球が欲しい。

☆桜井俊貴
前評判通り、完成度の高い投球を実戦でも見せていた。
直球の回転も良く、もう少しスピードが出てくれば、このボールでも三振を奪える。
又、スプリットも精度が高いボールで、これも直球のスピードが増せば三振を奪う為のウイニングショットとして十分使える。
一方で期待外れだったのが、チェンジアップと縦のカーブ。
前者は宮崎キャンプから高めにボールが集まり、一昨日の練習試合では腕の振りも緩んでいた。
後者については、打者にとっては対処しやすい変化で、実戦では勝負球としては使えない。

☆中川晧太
左投手でショートを投げられるのは大きな武器である。
一方で球威不足も否めず、現状では甘いコースに集まると厳しい。
今後はスライダーを磨いて、左打者に対して横の揺さぶりで勝負してほしい。
低めにボールを集める能力は基本的には高いので、左打者に対してはシュートで懐を攻めて、最後はスライダーをボール気味に投げて空振りさせる形を作りたい。

以上 敬称略

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