2016年セリーグ新戦力分析は昨日までに下記の2チームは終えている。
今回は中日ドラゴンズの新戦力をチェックしていく
中日ドラゴンズ
☆小笠原慎之介
3月13日対楽天戦をテレビ観戦して分析(上記映像は別モノ)
筆者の地元である神奈川から全国デビューしたので、高校生の時から注目していた。
3年春の選抜までは直球とスライダーを軸にした投球と、クレバーな投球スタイルは圧巻の一言だったが、夏の予選から以前の勢いを失っていた。
個人的には、この当時から「肘に故障を抱えているかも?」と疑っていた。
この試合で投じた直球の球速は135~138キロ(144,145という表示も有ったが打者がバットに当てたので誤表示の可能性が大きい)
変化球はチェンジアップを軸に緩いカーブも投げていたが、スライダーは投げていなかったと思う。
まず驚いたのは体がかなり大きくなっていた事。
特に太ももの辺りは高卒とは思えない。
夏の甲子園の後に相当量の走り込みをした様子が目に浮かぶ。
一方でピッチングの方は悪かった夏の甲子園とあまり変わらない印象だった。
全体的にボールが高いし、直球も打者の手元で切れを感じないし、スピード感も物足りない。
以前のような三振をガンガン狙うという感じはなく、変化球(スクリュー気味のチェンジアップ)を上手く使って打者を討ち取るという「クレバーな投球」が先行している。
恐らく、肘はまだまだ本調子ではないと思う。
一部報道では、どうやら肘にネズミがあるようで、これを抱えたまま投球を続けているようだが。。。
個人的にはネズミを取って(手術で除去)今年一年はリハビリと体力作りに費やした方が良いと思っているが、果たして球団と本人はどのように決断するのか?
黄金時代の落合ドラゴンズなら、間違いなく今年は体を万全に仕上げる事を優先し、来年(又は夏場以降)に本格デビューさせる構想を持つと思うが、今の中日にはその余裕がないのかもしれない。
2月24日対巨人戦、3月13日対楽天戦をテレビ観戦して分析
直球を中心にスライダー・カーブ・チェンジアップ・カットボールを投げていた。
直球のスピードは139~145キロ、しっかり足を上げて十分な間合いを取った時の切れは素晴らしかった。
一方でセットポジションになるとスピードが3~4キロ落ち、変化球の切れも悪くなり、全体的な制球も乱れてしまっていた。
対左打者の場面では肘を下げてサイドスロー気味に投げたりしていたが。。。
又、クイックモーションも上手いとは言えない。
本人は足を高く上げないでコンパクトなモーションを行ってるつもりでも、動作が遅いので今のままでは一塁走者は二塁へフリーパスになる。
一言で纏めると、彼の課題は「セットポジションでの投球」である。
前段で書いたように、足をしっかり上げる事が出来る場面(走者無し・満塁)でのボールは素晴らしいので「今後、どの程度まで上記の課題を修正できるか?」に懸かってくる。
★ビシエド (2月24日の記事を一部修正し抜粋)
2月24日対巨人戦、3月8日対DeNA戦をテレビ観戦して分析(上記映像は別モノ)
全てのボールに対して強振しようとするハードヒッターである。
リストの強さを感じるスイングだが、決して上体の強さだけで遠くに飛ばすタイプでもない。
広いスタンスをとり、ノーステップに近い形でスイングする事により、体の突っ込みを防ぐ意図を感じる。
身体的に劣る日本人打者には彼と同じバッティングフォームは向かないが、彼の場合は相当スイングスピードに自信を持ってるし実際に速い。
但し、現在は強く振りたい意識が先行しているので、やや上体が前に突っ込んでしまっているので、ボールを捉えるまでには至っていない。
今は日本の投手に戸惑っている印象が強いが、慣れてくるとHRを量産してくるかもしれない。
攻め方としては、シーズン中に入っても今の状態が続いてくれれば、基本は緩急で勝負する事になるが、もう少し「バッティングの間」が出てくると攻め方が難しくなる。
こういうタイプには基本的には内に強いボール、そして最後は低めのフォーク系を振らせる形がセオリーだが、これだけ凄まじいスイングを見せられると、実際の勝負ではカウントを追い込むまでの過程が非常に難しい。
つまり、内角を攻めきれないケースが増えてくるかもしれない。
そして、ここでビシエドが強引に何でもスイングしようとせずに、ボールをセレクトするようになる(バッティングに間が生まれる)と、初年度から凄い数字を残すかもしれない。
最後に守備力に関しては、ファーストゴロを処理する場面が殆ど無かったので、現時点では判断できない。
報道では「不安有り」という事だが。。。
★木下拓哉
2月24日対巨人戦、3月12・13日対楽天戦をテレビ観戦して分析(上記映像は別モノ)
がっしりとした体格でキャッチャーとしてはバランスの取れた体型をしている。
それはバッティングにも通じており、それなりのパンチ力を備えている。
しかし、技術的にはまだまだ課題がある。
あえて一つ挙げるとすれば「左肩の開きが早い」ので、ボールを捉える確率は低い。
現時点でバッティングに関してはライバル杉山に劣っている印象がある。
一方で捕手としての守備力は、まず真っ先に目につくのが肩の強さ。
捕球してから送球するまでの動作が素早く、地肩も強い。
この部分に関しては、ライバルの桂・杉山以上の能力を感じる。
現時点で、捕手としての完成度(守備力)は木下、バッティングで魅力を感じるのは杉山、バランスの良さで桂、筆者の中ではこのように評価している。
以上 敬称略