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四番ギャレットの逆転ホームランで開幕三連勝! 巨人vsヤクルト (3月27日)

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ここまで開幕二連勝の読売ジャイアンツだが、去年の覇者・東京ヤクルトスワローズに対して、ここは一気に三タテしてチームに勢いをつけたい。

 

【先発オーダー】
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【試合結果】

 123456789
ヤクルト0000010102
巨 人00100002X3

原樹理→ルーキ→秋吉→杉浦
田口→山口→マシソン→澤村

勝ち  マシソン
セーブ 澤村
負け  秋吉

 

【G野手雑感】

★長野久義
全く良いところが無かった。
タイミングも合っていなかったので、カウント球の甘いボールも見逃していた。
そして最後はボールを追っかけてしまっていた。

 

★立岡宗一郎
初回のヒットは素晴らしいバッティングだったが、その後の打席は結果が出なかった。
バッティングの状態は決して悪くない。

 

★坂本勇人
バットが内側から出ていたので、甘いボールをミスショットしないし、詰まった打球も外野手の前に落ちる。
第二戦にヒットが二本出たことで、この試合では打席で余裕を感じた。

 

★ギャレット
二つの四球と決勝HRという結果は、まさに「This is 四番」だった。

第三打席のチャンスの場面では、引っ張る意識よりも左中間方向への意識が高かった結果、甘い真ん中寄りの直球に対して差し込まれてしまった。
しかし、決勝HRの打席では、その打席の反省を活かして、ファーストストライクからフルスイングしていた。
そして最後は甘いボールをキッチリ捉えた。

一方で、相変わらずファーストの守備に関しては不安が大きい。
彼には、この試合のように「バットで結果を出して貰わねば困る」

 

★クルーズ
ボールを呼び込める状態なので、バッティングの調子は間違いなく良い。
先制打の場面も、やや甘いショートを体の近くまで呼び込んで、バットを内側から最短距離で出してタイムリーヒットを放った。

 

★中井大介
亀井の欠場で急遽チャンスが巡ってきたが、攻守で結果を残せなかった。
バッティングに関しては、相手バッテリーの注文通りにゴロを打たされ、六回裏には送りバントも決められず、最後も甘いボールを簡単に見逃してしまった。

技術的にはバッティングに全く「間」がないので、ボールに対して「突っかかってる」状態に見えた。

 

★村田修一
最後の打席では、しっかりタイミングを合わせて、久しぶりに右手で押し込むスイングが見られた。
このバッティングを次回のDeNA三連戦で期待したい。

 

★小林誠司
第二打席以降の結果は最悪だったが、バッティングの内容は悪くなかった。
あとボール半分甘くなれば。。というスイングだった。

尚、この試合でも第一打席でヒットを放ち、この三連戦は全ての試合で結果を出した。

 

【G投手雑感】

☆田口麗斗
直球系(ツーシーム含む)に関してはオープン戦から制球重視で、140キロ程度に達したボールは数球しかなかったが、低めにしっかり集まっていたので、大ケガしなかった。
又、数種類のスライダーやカーブに関しては、低めのボールゾーンに集まっていたので、見送られるとボール判定になるケースが多かったが、同じ高さに直球やチェンジアップを集めていたので相手は振らされていた。

全体的な評価は上々だと思う。
但し、鬼門の六回の壁を越えられなかった事は、本人もさぞかし悔しい思いをしてるだろう。
次回の登板では打線の援護を願いつつ期待したい。

 

☆山口鉄也
直球系・変化球ともに上々の切れだった。
特にスライダーが良かったので、逆に直球に対して差し込まれていた。

 

☆マシソン
先頭打者への四球は最悪のパターン。
相手が強打の山田であっても、ここでの四球による出塁は許されない。

しかし、畠山に勝ち越し打を許した後、追加点を許さず踏ん張った点は率直に評価したい。

 

☆澤村拓一
決して完璧なボールを投げていた訳ではないが、この試合でも直球の球威で圧倒していた。
試合が激しく動いていた状況だっただけに、ここを三人で仕留めた投球は素晴らしかった。

 

【試合のポイント】
①三回裏2アウト1・2塁、バッターがクルーズの場面
「クルーズが先制タイムリーを放った打席の、Sバッテリーの配球に疑問が残った」

この三連戦に関しては、S中村のクールズへの配球に疑問を感じた。
前日のHRも同じだが、クルーズは体に近づいてくる半速球や変化球には滅法強い。

この打席では、まず外角に直球とスライダーをボール気味に要求し、いずれも外れて2ボールになった。
クルーズに初球を投げる前の段階では「当然、クルーズと勝負だった」と思うが、2ボールになって中村の心の隅に「歩かせて満塁にしても中井で討ち取れば良い」という考えがあったのかもしれない。
しかし、その真意はルーキーの原樹理には伝わっていなかった。

ここで打者心理で考える事は二通りある。
ツーアウトでランナーが貯まってる状況なので、直球では簡単にストライクは取ってこない。
よって絞り球は①外寄りの甘いスライダー系、②内寄りの甘いシュート、このどちらかになる。
仮に、ここでカーブを選択されたら「肩口から入ってこない限り」見送るし、外角低めに直球を決められたら見送ると思う。
しかし、どちらもこの試合の原の制球力を考えると中村は選択できなかったと思う。

しかも、前述通り、初球と二球目はいずれも外角への明らかなボールだったので、クルーズの心理状態は何の迷いもなく「自分の得意な内角を狙っている状態」と言える。
それ以外のボールは見逃せば良い(仮に見送ってもカウントは2ボール1ストライク)

つまり、外への明らかなボールが続いた時点で、クルーズは狙い球が絞れる状況になったのでタイムリーを打つ確率は十分に高かった。

そう考えていくと、この場面では、初球か二球目のどちらかでショートのボール球を投げる選択肢が欲しかった。
そうすれば、仮に同じく2ボールになっても、クルーズには多少なりとも迷い(狙い球が絞りきれない状態)が生まれていた筈である。

 

②八回表ワンアウト3塁、バッターが坂口の場面
「勝ち越し点を奪い、ここでもう一点追加されていれば、この試合の大勢は決したかもしれない」

結局、坂口以下の後続打者にあと一本が出ず、球場全体に「まだまだ勝敗は分からない」という空気が生まれてしまった。

 

【試合総評】
初回は両軍ともに先取点のチャンスが巡ってきたがモノに出来ず、そして同じような形で三回表裏にもチャンスが生まれたが、今度は巨人側がキッチリ得点し、試合の主導権を奪った。

しかし、G側はそこから追加点を奪えず、山田のHRで同点に追い付かれ、そこから試合の流れは徐々にヤクルト側に傾いていった。
そして、六回裏・七回裏のG側の拙攻が試合を大きく動かし、8回表にヤクルトが勝ち越しに成功したが、そこから追加点を奪えなかった事が勝負の分岐点になった。

仮に、ここで追加点を奪われていたら、守護神・オンドルセク抜きでも逃げ切っていた可能性が高い(彼は試合前に体の張りを訴えて欠場)

そして、最終的には第一戦で打たれた秋吉が、ギャレットの決勝HRを打たれたが、仮にオープン戦から久古の状態が良ければ、この場面では間違いなく使っていたと思う。
去年の終盤の直接対決で、G左打者が完膚なきまでに返り討ちにされていたので、この違いは大きかった。
ブルペンには同じ左腕のペレスも残っていたが、現状では去年の久古並みの信頼感は無かったという事になる。

最後にもう一つS側で気になったのが、この三連戦を通じてGギャレットを攻めきれていなかった事。
オープン戦で彼の弱点を見つけられなかったというか、彼に対する攻め方(方針)に迷いを感じる場面が多々あった。

ギャレットに対しては、この三連戦で許したヒットは二本(内HR一本)で打率こそ低いが、四つの四死球を与えてしまい、ポイントゲッターのクルーズや亀井の前に塁上を賑わせてしまった。
勿論、まだまだシーズンは始まったばかりで、手探りである事は十分に理解しているが、個人的にはもう少し攻める姿勢も必要だったと思う。
結果的には、相手の四番に攻めきれない場面が続いてしまうと、どうしてもチーム全体の空気が受け身になってしまい、重苦しい展開になりやすい。
そして最終的に、この試合のように決勝HRを打たれてしまうと、S投手陣(又はキャッチャー中村)は、今後益々ギャレットには攻めにくくなると思う。

一方で、逆の見方をすれば、G側にとっては「頼もしい四番打者の誕生」かもしれない。
ここ最近のG新外国人野手に関しては、初対戦でのインサイド攻めに全く対応(ボールの見極め)出来ずに、最初から弱点が露呈してしまっていたが、ギャレットに関しては前述通りで、全く真逆の現象(相手が攻めあぐねている)が起きた。

勿論、技術的な観点で予想すれば、これからも内角攻めで苦しめられる場面が多くなると思うが、HRを放った打席のように「少しでも甘くなれば長打がある」という恐怖心を相手バッテリーに与えた事は非常に大きい。
又、来日当初と比べれば、選球眼が格段に良くなっているので、打席でも余裕を感じる。

今後は、この三連戦のように四球で出塁するケースが多くなればなるほど、塁上に走者が貯まるのでビッグイニングも生まれやすくなる。
そうなった場合は、彼の後を打つクルーズや亀井、そしてこれから戦列復帰する阿部のバッティングが鍵を握ってくる。

四番が機能すれば、他の野手への波及効果は絶大であるし、ビッグイニングが期待できる打線が構築できれば、投手陣にも余裕が生まれ、チームの勝ち星も間違いなく増えてくる。

以上 敬称略