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ジャイアンツ打線の問題点 part3 ☆アレックス・ゲレーロの考察

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前回の投稿では、新加入の4番候補ゲレーロが期待通りの活躍を見せた場合のジャイアンツ(以下G)打線を考察したが、個人的には確実に得点力は上がるという予想をした。

しかしこれはあくまでも成功を前提にしたモノであって、実際に今シーズンもゲレーロが去年並みの活躍をするかどうかについては何とも言えない。

ただ、そこで終わってしまうと、このブログを書いている意味がないので、昨シーズンのプレーをG戦に限ってだが、録画しておいた映像を改めて確認し分析した。

しかしながら、この録画映像を編集し公開する時間的余裕はないので、YouTubeで拾ったものを貼って置く。

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上記の映像は全てHRを放った時のシーンなので、これだけではゲレーロのバッティングの本質は見えてこないが、得意な球種とコースはこれでよく分かる。

 

★アレックス・ゲレーロのHRゾーン

①インサイド低めの懐に入ってくる変化球(左投手のスライダー・右投手のツーシーム)

②真ん中ベルト付近の半速球と変化球(抜けたスライダー・ツージーム・フォーク・チェンジアップ)

③外角寄りの甘い変化球

主に三つのツボを持っている。

彼の場合、基本的にはローボールヒッターで、低めのボールをアッパースイング気味にすくい上げるのが得意で、変化球の甘いボールは高確率で仕留める。

一方で直球と変化球のスピード差が大きい(緩急が使える)投手には脆さがある。

シーズン当初は直球には差し込まれ気味になることが多く、HR打者としては若干迫力を欠くスイングだったが、暖かくなって体が動き出してからは威圧感が出てきた。

どちらかというとミートポイントを前に置く意識が強く、レフト方向に強い打球を放つが、ライト方向に放ったHRも日本人のスラッガーに多く見られるポイントを若干遅らせて(詰まり気味)右に飛ばす打法というよりも、長い腕と遠心力を利用して前で強く叩いている。

これは同じ外国人スラッガーのバレンティンも同様で、彼もポイントを前に置いてボール強く叩きたいという意識が如実に現れる。

但し、二人を比較して大きな違いが出てくるのは、バレンティンは丸太のような太い腕を上手に操り、腰の回転を使うというよりも「腰から上半身をインパクトでぶつけていくようなスイング」であり、対してゲレーロはキューバ選手特有の「腕を体に巻き付けて腰が回転していくスイング」という違いがある。

打球を捉えるまでのプロセスには違いが出てくるが、ポイントを前にして捉えたる形は、国を問わずに生粋のHR打者に共通して言える事である。

だがゲレーロの大きな欠点としてあげられるのが、前で捉えようと意識しすぎて左肩が早く開いてしまう癖が強い事。

こちらの方は内角球によるデッドボールのリスクとバッティングの確実性という点で良くない。

まずデッドボールを多く受けるという事は怪我のリスクが高くなるので非常にまずい。

彼は体付近に来たボールに対する避け方がお世辞にも上手とは言えない。

スイングの際に体が早く開いてしまうと、来たボールを真正面から受け、右手にダイレクトに当たるので、特に手首に当たると大怪我になりやすい。

次にバッティングの確実性については、内角球をファールにしてカウントを稼がれてしまうと、外角への目つけがどうしても疎かになりボール球を振ってしまうので、相手バッテリーは攻めやすくなる。

つまり上記のHRゾーン①は状態が悪くなると全てファールにしてしまう傾向が如実になって、相手バッテリーからすればホットゾーンが1つ無くなった状態で対戦する事になり精神的負担は減ってくる上に、甘い外角の抜けたボール(HRゾーン③)をミスショットするケースが増え、更にボール球にも手を出して三振が多くなる訳である。

さて、ここまでは技術的なポイントを書いてきたが、次はメンタル面での不安を指摘していく。

まずモチベーションの不安である。

複数年契約の初年度の今年は、どうしてもモチベーションは落ちやすい状況ではある。

特に開幕からチームがつまずいて、今年のように交流戦終了後には早々と優勝争いから脱落していると、去年のマギーのように黙々と結果を残すかと問われれば、疑問を感じざるをえない。

そう考えると彼のメンタリティはチーム状況と比例するかもしれない。

チームが優勝争いに最初から最後まで絡んでいけば、彼の技術なら結果は残していくだろうし、優勝したいというモチベーションが出てくるのは自然の流れだと思う。

更に彼の場合、当然ながら日本野球2年目の今季は、相手チームもインサイド攻めで体を開かせる配球をしてくると思うが、果たして彼のメンタリティで平常心を保っていけるのだろうか?

確かに去年のバッティングを見ればHR40本を十分に狙えるだけのものを持っているが。。。。



しかしながら筆者には、どうしても下記のような光景が頭から離れない。

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この程度のボールなら、避け方を心得ている選手、又は体の開きが遅い選手なら体を捕手の方向へ逆に捻って左の肘当てに意識的に当てる。

まあ、この試合ではデッドボールが続いていたようなので、本人もキレてしまっていたが、こういうデッドボールで4番が試合を休んでしまうと、チーム状況は悪化してしまう。

それでも大きな怪我をしてしまうと、そこで終わってしまうが、去年のような我慢できる範囲の怪我なら、チームの成績次第ではモチベーションを上げると思いたいが。。。。

結論を出すのは難しいが、個人的な予想としては「デッドボール→大ケガ」又は、他の要因で大きな怪我をしない事を前提に置けば、今年も本塁打王の最有力候補だと思っているが、内角球の避け方が致命的なので、出場試合数が半分にも満たないという惨劇の方が確率としては高いと言わざるをえない。

そして、それは前段でも述べたようにGの大低迷と比例している事なので、今年もG打線は厳しいと言わざるを得ない。

ではゲレーロ抜きで戦う事になった場合、他の主力選手や期待の若手選手でカバーするにはどうすれば良いのか?

又は、どの選手が台頭しなければならないのか?

今回も長くなってしまったので、これについては次回のキャンプ雑感と共に触れていこうと思う。

以上 敬称略