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ジャイアンツの守備力を分析する part2 ☆G春季キャンプレポート 2月16日

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ジャイアンツの沖縄二次キャンプ二日目は、気温25度で湿度75%という蒸し暑さを感じる中で行われた。

そして選手は宮崎との寒暖差にやや戸惑いながら、今日も大粒の汗を流して必死にボールを追っていた。

さて、前回は各チームの守備力を分析したが、今回は焦点をGに絞って進めていく。

まず、2017年シーズンのチームUZRとポジション別UZRの数値をもう一度おさらいする。



【2017年 チームUZR/ポジション別UZR】

チームUZR +5.7

①+0.2 ②+1.4 ③-9.4 ④+3.3 ⑤-9.1

⑥+9.4 ⑦+2.9 ⑧+11.1 ⑨-4.1

前回でも触れたが、数値上ではファースト、サード、ライトがGの弱点という事になる。

 

【2018年シーズンのチーム構成】

☆キャッチャー 2017UZR +1.4

小林誠司(+3.2) 宇佐見真吾

岸田行倫 大城卓三 田中貴也 河野元貴

・捕手としての総合的な守備力に関して、小林は着実に成長している。WBC正捕手としての箔がついて、投手陣の信頼感が確実に上がっている様子が伺えた。また、一昨年までは集中力を欠くプレーも多かったが、昨シーズンはそういう姿を殆ど見せなかった。そして、彼の強肩は今や抑止力化しており、相手チームの盗塁機会を確実に減らしている。

・一方で相川、実松がチームを去った控え捕手に関しては、キャリア不足という心配は否めない。仮に小林が怪我で離脱する場合は、投手陣に動揺が広がる恐れがある。

 

★ファースト 2017UZR -9.4

阿部慎之助(-5.8) 岡本和真

マギー 大城卓三

・阿部は捕手らしくグラブ捌きは抜群に上手いが、守備範囲が致命的に狭い。守備だけを考えればマギーをファーストに置いた方が良い。

・現状の岡本のファースト守備は、グラブ捌きだけ比べてもマギーには遠く及ばない。

・仮に阿部をスタメンから外す場合は、将来を見据えてマギーをファーストに置いて岡本を三塁に置いた方が良いかもしれない。

・大城もファースト守備に関しては不馴れさを感じる。これから経験を積めばもっと上手くなるとは思うが、今の段階では終盤の守備固めでは起用しづらい。

 

☆セカンド 2017UZR +3.3

吉川尚輝 田中俊太 寺内崇幸

脇谷亮太 山本泰寛 辻東倫

吉川大幾 北村拓己 若林晃弘

マギー 中井大介(+1.4)

・去シーズン前半は中井を中心に、様々な選手を起用していたが結果を残せず、シーズン後半はマギーが置かれていた。

・マギーのセカンドUZRは資料不足で細かい数字は分からないが、かなりのマイナス数値だった事は間違いない。

・その中井のUZRは、数字上ではまずまずだったが、プレーの安定感はもうひとつ。筆者の主観でも彼のセカンド守備は上達しているとは思うが、まだまだ怖さが残っている事も否定できない。

・今シーズンこそ何とかこのポジションを奪い取る若手が出てきて欲しいが、今のところ首脳陣が期待しているのは吉川尚輝と田中俊太のようで、紅白戦では二人をセカンドで起用して激しく競わせている。

・個人的な評価としては、二人とも一軍の打球と球場を包む雰囲気に慣れれば、守備に関しては心配していない。特に吉川尚はグラブ捌きの柔らかさに加えてフットワークも良いし、スローイングも安定している。

・二人以外の若手で守備力を高く評価しているのは山本泰寛。まだフットワークの軽快さは感じないが、スローイングの安定感は抜群。寺内が出遅れているので、彼には守備固めの役目も生まれた。

・若林と北村のルーキーコンビについては、前者はプロレベルで考えると現状ではまだまだ厳しく、後者は学生時代は主にサードだったので、プロの内野手としては勉強する事が残っている。

・伸び悩んでいる辻と吉川大については、前者は現状の守備力で一軍のセカンドやショートを任せるのは厳しいし、後者はもう少しプレーの安定感が欲しいので、慌てるようなプレーが無くなれば守備固めとしての出番は増えてくる。

 

★サード 2017UZR -9.1

マギー(-6.7) 岡本和真

田中俊太 若林晃弘 山本泰寛

北村拓己 寺内崇幸 吉川大幾

辻東倫 脇谷亮太 ゲレーロ

・マギーと岡本については既に触れているので割愛する。

・仮にマギーが故障し、岡本が極端な不振で一軍から外れた場合は、ゲレーロをサードに置く事も考えられるが、去年のプレーを見る限り個人的には賛成しかねる。

・その場合は。比較的守備が安定している田中俊太か山本泰寛にチャンスを与えたいが、サードとしては小粒感は否めない。

 

☆ショート 2017UZR +9.4

坂本勇人(+10.5) 吉川尚輝

寺内崇幸 北村拓己 吉川大幾

・坂本の守備は年々安定感が増している。若い頃はダイナミックなプレーが目立っていたが、そこにクレバーな一面も加わってプレーに円熟味が出ている。

・不動のレギュラー坂本が万が一故障で離脱するような事になると一大事になる。その場合はGファン期待の吉川尚をショートに置いて、セカンドに田中俊を置くという布陣が有力視される。



★レフト 2017UZR +2.9

ゲレーロ(-6.5) 亀井善行(+8.3)

石川慎吾(+2.8) 立岡宗一郎

橋本到 中井大介 重信慎之介

青山誠 柿澤貴裕 和田恋

若林晃弘 大城卓三 松原聖弥(育成)

・ゲレーロのUZR数値は、別会社が算出した数値では-3.3で、個人的にはこちらの方が筆者の主観と合致している。

・彼が怪我で故障した場合は亀井の出番となるが、そうなれば守備面での貢献度は間違いなく大きい。

・石川も数値は悪くはないが、守備固めの役割を担うには物足りない。

・その他で個人的に守備力を評価してる選手は橋本くらいしかいない。

 

☆センター 2017UZR +11.1

陽岱鋼(+10.4) 重信慎之介

立岡宗一郎(-3.2) 長野久義

橋本到 松原聖弥(育成)

・去年の陽のUZR数値はまずまず合格点だが、足の状態が良ければもう少し良くなるかもしれない。

・立岡は脚力があるにもかかわらず数値が低すぎる。筆者も守備に関しては評価していない。打球への反応が遅い事、球際の弱さも目立つ。

・長野もセンターでは厳しい。理由は立岡と殆ど同じである。

・首脳陣は重信に期待しているが、去年のプレーを見る限り、ルーキーイヤーよりも上達しているが、まだまだ打球判断が甘い。

 

★ライト 2017UZR -4.1

長野久義(-7.7) 陽岱鋼

橋本到(-1.4) 亀井善行

中井大介 大城卓三 和田恋

立岡宗一郎 柿澤貴裕

・長野の数値は若干低すぎる気もするが、個人的には納得感の方がやや強い。勿論、膝の影響で本来の動きが出来なかったとは思うが、今年も同じようなプレーが続けた場合は、バッティングで高い数字が求められる。

・去年はセンターを守っていた陽だが、現時点で首脳陣は長野とライトを競わせる構想。但し、去年のセンターでのプレーを見ていると、ファイターズ時代に抱いていたイメージとは違って、送球がかなり弱くなっている。もしかしたら肘に不安を抱えていた状態でプレーしていたのかもしれないが、今年も同じような状態ではライトでは厳しい。

・橋本はUZRでは数値を残していないが、筆者の主観では亀井にはやや劣るがチームではトップレベルの守備力だと思う。守備に不安がある選手が多い中で、彼がキャンプ前に故障したのは何気に痛い。

・ここまでの紅白戦ではライトを守る事が多かった中井は、肩の強さは以前から定評がある。課題は正確性だが徐々に解消されている。又、かなり外野守備に慣れてきて、動きに無駄がなくなりつつある。



【総評】

ここまでUZRを参考にしてGの守備力を分析してきたが、こうして改めて考えると、ルーキー田中俊太が期待通りモノになれば、チームとしての「使えるオプション」が去年より間違いなく増える事。

それには吉川尚輝がレギュラーの座をガッチリ掴んでくれる必要もあるが、この二人が今季のG内野陣の命運を握っているといっても過言ではない。

そして外野に目を移すと、首脳陣は今のところセンターには機動力が使える重信に大きな期待を賭けているようだが、彼もオープン戦で結果を残して開幕スタメンを勝ち取れば、開幕から攻守でスピード感が期待できるので楽しみではある。

まあ。。確かに。。。まだまだ机上の空論ではあるが。。。

しかし、チームの土合を作り直す「首脳陣の覚悟」は間違いなく感じるので、何としてでも彼らにはチャンスをつかんで欲しい。

以上 敬称略

 

追伸

フリーバッティングで投げた菅野に関する記述が無い点(菅野が凄いボールを投げる事は誰もが認めている訳で。。。)など、キャンプレポートと書いていながら、別の記事を主題にして書いますが御許し下さいませ。

過去の反省から、実戦を見ないと選手の評価が難しいので、練習試合やオープン戦をじっくり分析してから内容を濃くしていきます。