今日のジャイアンツは韓国の起亜タイガースを相手に練習試合を行った。
ここまで紅白戦を含めて三試合の実戦練習を重ねてきたが、どちらかというと若手野手陣の活躍が目立っているので、そろそろ若手投手陣の活躍にも期待したい。
対戦相手の起亜タイガース、は去年の韓国リーグを優勝した強豪で、この試合では主力メンバーで打線を組んでいるので、絶好の練習相手と言える。
そんな相手に対して新戦力のヤングマンと野上、今季は先発の柱になって貰わねば困る山口俊が、どのような投球内容を見せるのか?注目していきたい。
【STARTING LINEUP】
【G野手レポート】
☆1④吉川尚輝 4打数1安打1四球
①内角直球に詰まってライトフライ
③真ん中直球に詰まってセカンドゴロ
④ボールを見極めて四球
⑥真ん中高めのスライダーを捉えてレフト前ヒット
⑧外角シンカーを引っ掻けてセカンドゴロ⇒二塁走者はサードに進塁
・バッティングでは内容的に合格点を与える事が出来るが、問題は守備の方で、ここまでややイージーなミスが多い。この試合でも正面の打球をトンネルする場面があった。
☆2⑤田中俊太 4打数1安打1四球 盗塁1
①12球粘って四球⇒盗塁成功
③真ん中低めの直球に差し込まれてショートゴロ
④外角低めの直球に食らいついてセカンドへのタイムリー内野安打 打点1
⑥外角高め直球を叩いてサードライナー(ボールを落とすがアウト)
⑧外角直球を引っ掻けてピッチャーゴロ
・バッティングの内容は相変わらず良く、ボールの見極めや粘りもあるので、2番打者としてはパーフェクトに近い。
☆3D陽岱鋼 1打数1安打2四球 打点2
①ボールを見極めて四球
③ボールを見極めて四球
④真ん中カットボールを叩いてレフト線タイムリーツーベース 打点2
・まだまだミスショットが目立つが、しっかりボールを見極める事が出来ているので、今の時期なら上々の仕上がりと見ている。
⇒3D岸田行倫 2打数0安打
⑥真ん中カーブを見送り三振 チェンジ
⑧外角スライダーを引っ掻けてキャッチャーゴロ チェンジ
・バッティングはやや力不足感は否めない。
☆4①岡本和真
①真ん中スライダーを捉えたがセンターフライ
③内角高めの直球に詰まるがライト前ヒット(ライトが処理を誤り二塁に到達)
④外角ツーシームを引っ掻けてセカンドゴロ チェンジ
⑦内角高めフォークをハーフスイング空振り三振
⑨ 未確認
・スイングの内容は明らかに去年の同時期よりも進歩している。去年まではここまで強く振る事が出来なかったが、今はしっかり振りきってる。
・又、追い込まれても簡単に終わらなくなっており、打席での粘りとボールの見極めも良くなってる。
・一方で、毎打席カウント球で必ず1~2球甘いボールが来てるが、殆どミスショットしてファールになっている。以前指摘したように、技術的には見るとまだまだ改善するポイントが多いが、それと同時に打席での集中力を身につけていかねばならない。
その為の第一歩として、カウントが追い込まれるまでに、どのボール(又はどのコース)に絞って打席に立つか?これを打席に立つ前の段階で、しっかり決断していかねばならない。
☆5⑨長野久義 2打数0安打
①外角低め見送り三振 チェンジ
③内角高めの直球を空振り三振 チェンジ
・両打席ともにチャンスの場面だったが、どちらも三振で終わった。
・去年は得点圏での打率が悪かったが、今年も同じではチームにとって致命傷になる。
⇒5⑨松原聖弥
⑤内角直球に詰まってセカンドゴロ
⑦外角直球に合わせてサード内野安打
⑨ 未確認
☆6②小林誠司 3打数1安打
②真ん中直球を叩いてレフト線ツーベース
④内角直球に詰まってショートフライ
⑤真ん中低めの直球に差し込まれてファーストゴロ
・三打席目の内容は良くなかったが、ここまではしっかりボールを叩く意識を持って打席に立っている。
⇒6②田中貴也
⑦ボールを見極めて四球
⑨ 未確認
☆7⑥山本泰寛
②真ん中高めの直球を打ち損なってピッチャーゴロ⇒セカンドランナー三塁進塁
④真ん中直球を捉えてライトオーバーツーベース
⑤真ん中カットボールを叩いてピッチャー強襲ヒット
⑦真ん中直球を叩いてセンターへの犠牲フライ 打点1
⑨ 未確認
・バッティングではパンチ力のあるところを見せた。
・一方で問題なのが守備の方で、4⇒6⇒3のダブルプレーを完成させる場面で捕球ミスを犯し、失点に繋がってしまった。
☆8⑦和田恋
②外角スライダーを引っ掻けてサードゴロ⇒サードランナー本塁封殺
④外角高めのチェンジアップを引っ掻けてショートゴロエラー
⑤外角直球をバットの先でショートゴロ チェンジ
⑦真ん中直球を打ち上げてセンターフライ チェンジ
⑨ 未確認
・打ちたいという意識が強すぎて体の開きが早くなり、バットが外回りになっている。
☆9⑧重信慎之介 4打数1安打 1盗塁
②真ん中直球にやや詰まってセンターフライ チェンジ
④外角スライダーを打ち上げてセンターフライ
⑥ピッチャー前のセーフティーバンド失敗
⑧真ん中直球を叩いてセンター前ヒット⇒盗塁成功
・前回で指摘した事に加えて、彼のバッティングの欠点として「脇の甘さ」を感じた。ボールを打ちに行く際にグリップが体から離れてしまい、手打ちのスイングが多くなっている。
・彼のような体が小さい選手が外角寄りのボールを打つ際は、もう少しベース寄りに立って、グリップを体から離さずに脇を絞る意識でスイングし、ショートの頭に強い打球を打つ事を心がけて欲しい。
・今のスイングではボールの球威に負けてポップフライが多くなる。そういう打球では彼の良さは活きてこない。
・最終打席は綺麗にセンターへ弾き返したが、直球待ちで初球からど真ん中に来たボールを捉えたヒットなので、技術的には凡打した打席と大きな変化はない(良かった点は上半身に力みがなかった事)
【G投手レポート】
☆山口俊 2回1安打1四球1死球2三振 失点0
・ツーシームを含めた直球系の平均スピードは140キロ前半
・投じた変化球はカーブ、フォーク、スライダー
・立ち上がりから直球の制球がバラバラで、いきなりノーアウト満塁のピンチを背負ったが、そこからカーブとフォークを織り混ぜて後続を絶つと、2イニング目はまずまず落ち着いた投球を見せた。
・指にかかった直球には威力を感じるが、この試合では抜けるボールが多かったので、立ち上がりはそこを突かれていた。
・個人的には今の時期でこのくらい投げられれば上々と評価している。
☆野上亮麿 2回6安打1四球 失点6
・直球の平均スピードは130キロ中盤。
・投じた変化球はチェンジアップを中心にカーブ、スライダー。
・味方のエラーと不運な打球もあって失点を重ねたが、全体的にボールが甘かった点は否めない。
・チェンジアップで打者のタイミングを外しにかかるが、打者が芯で捉えるケースが多かった。やや腕の振りが甘い点も気になるが、直球の走りが悪く緩急差が使えていない事が大きな要因と言える。
・まだまだ調整不足に見えるが、球威があるタイプではないので、もう少し低めにボールを集めないと厳しい。
☆ヤングマン 2回1安打1四球 失点0
・左右に動く直球系の平均スピードは140キロ中盤。
・投じた変化球はカーブを中心にチェンジアップとカットボール。
・自身のベースカバーミスなどでピンチを招いたが、後続を連続三振で抑えた。
・制球はアバウトだが、かなりボールが手元で動くので、打者が芯で捉える事が少なかった。
・カーブに関しては間違いなく通用するボールだが、直球のスピードがもう少し出てくると打者は更に厳しくなる。しかし一方で「球種の少なさ」という問題も残っているので、今の投球スタイルでは対戦を重ねていくと、相手チームは攻略法を見つける可能性が高い。
・やはりクイックモーションは厳しいかもしれない。今のままではカープなど機動力で揺さぶるチームには通用しない。
☆マシソン 1回2安打1三振 失点1
・直球の平均スピードは140キロ後半。
・投じた変化球はスライダーとフォーク。
・例年と比べると仕上がりの早さが目立つが、この試合では変化球(特にフォーク)が甘くなっていた。
・今季もリリーフ陣の柱として、健在な姿を見せてくれただけで十分だった。
☆カミネロ 1回3安打1三振 失点0
・直球系の平均スピードは140キロ後半。
・投じた変化球はフォークとカットボールを少しだけ。
・やや不運な打球もあって満塁のピンチを背負ってしまったが、最後は力でねじ伏せた。
・本番では変化球を投げるケースでも直球を選択していたので、結果は度外視と言っても良い。
・以前の特集記事で指摘したように、彼の場合はカットボールを磨いて欲しい。この試合では2球投げていたが、そのうち1球は素晴らしかった。
☆西村健太朗 1回1安打 失点0
・直球の平均スピードは130キロ後半。
・投じた変化球はスライダー、フォーク、シュート
・低めに丁寧に集めていたので、ピッチングに安心感を感じた。
・これからもっとボールのスピード、切れも増してくると思う。
【試合結果】
起亜 003 300 100 7
巨人 000 300 101 5
試合は7対5で起亜タイガースが勝った。
尚、G+の中継が途中で終わったので、9回裏のG攻撃は確認していない。
よって、映像などで確認が取れ次第、記事を一部修正していく。
【総評】
相手の起亜タイガースは、特に打者の仕上がりが早く、振りも鋭かったので、G投手陣には良い練習相手だったと思う。各投手が課題を見つける事が出来たので、次回の登板でどのように修正してくるのか?ここを注目していきたい。
一方で残念だったのが、再び守備でイージーミスを連発してしまった事。特に二遊間の山本と吉川尚は、素晴らしいプレーを見せる一方で、集中力を欠く(見ている側にはそのように感じてしまう)プレーが時折ある。
ミスをした二人は、何とかバッティングで取り返そうと必死になっていたが、セカンドとショートは安定した守備が前提条件なので、打席と同じように集中してプレーして欲しい。
以上 敬称略