今日から2018年のプロ野球がセ・パ同時に開幕した。ペナント奪還に燃える高橋由伸監督が率いる読売ジャイアンツは、永遠の宿敵である阪神タイガースと開幕戦を戦った。
【両軍スタメン】
【G野手雑感】
1中 陽岱鋼 4打数2安打1打点
・1番打者として2本のヒットと1打点は十分に合格点を与えられるが、勝負の分かれ目となった第三打席のバッティングは結果も内容も残念だった。
2二 吉川尚輝 4打数0安打
・無安打で終わり残念な結果だったが、バッティングの内容は結果ほど悪くはない。第二戦の藤浪相手なら十分にチャンスはある。
3遊 坂本勇人 3打数0安打1四球
・バッティング内容を見ると、オープン戦終盤の悪い状態(タイミング的に差し込まれてる)から良くなっていない。
4左 ゲレーロ 4打数1安打
・初回のチャンスで2度ミスショットして、最後はメッセンジャーに絶妙なカーブを決められた。
5三 マギー 4打数0安打
・彼の打席では相手投手が完璧な投球を続けていたが、彼自身のバットスイングも鈍さを感じた。
6一 岡本和真 4打数0安打
・第1、第2打席は狙い球がハッキリしないまま、若いカウントで難しいボールを打たされてしまった。第3、第4打席は逆に甘いボールに手を出さずにカウントを稼がれ、最後はボール球を振らされていた。
7右 長野久義 4打数1安打
・第1打席の大ファールとなったバッティングや、ヒットの内容を見るとバッティングの状態は良い。バットが体の内側から出てるので、土曜日以降も彼のバッティングには期待出来る。
8捕 小林誠司 2打数2安打
・いきなり2打数2安打でバッティングでは結果を残した。しかし、バッティングの内容を見ると、悪かったオープン戦の状態から大きな変化は感じない。
☆打 田中俊太 1打数1安打
・2アウトから代打で出場し、得点の口火を切るしぶといヒットを放った。
☆打 辻東倫 1打数0安打
・この試合のバッティング内容を見て、去年の同じ時期と比べて大きく進歩している事を改めて感じた。
☆打補 大城卓三 2打数1安打
・積極的にバットを振る姿は好感が待てる。オープン戦中盤から若干スイングが遠回りになっていたが、その点はかなり改善されていた。
【G投手雑感】
☆菅野智之 7回12安打6三振 失点5(HR2)
・直球系の走りはまずまずだったが、ワンシームが全く決まらずに苦しんでいた。
・変化球はスライダーが勝負処で抜けるケースが目立ち、シンカーとフォークも明らかなボール球になっってしまい全く機能していなかった。一方で、カーブは序盤では殆ど使わなかった(使えなかった?)
☆高木京介 1回1安打 失点0
・先頭打者にいきなりヒットを許したが、ボールを低めに集めて後続をしっかり断ち切った。
☆谷岡竜平 1回0安打1三振 失点0
・ややボールが高めに集まっていたが、140キロ後半の直球とフォークボールのコンビネーションで、キッチリと上位打線を封じた。
【試合結果】
T 022 000 100 5
G 000 000 100 1
試合は5対1で阪神が開幕戦を飾った
【勝敗の分岐点】
☆5回裏 1アウト ランナー2・3塁 バッター陽岱鋼が三振の場面
・中盤で4点差を追う展開では、下位打線からチャンスを広げて上位打線に繋げる事が最も望ましい展開で、まさにそのチャンスがやって来た場面だった。
・しかし、陽は初球の球ワンバンドのカーブを振ってしまった事で、精神的に後手を踏んでしまった。そして二球目の落ちなかったフォークを見送ってカウントが追い込まれ、直球を見せ球に使われた後に注文通りに三振してしまった。
・この場面で阪神ベンチは内野を前進守備にせずに、1点OKのシフトを組んでいたが、全く意図の感じない陽の初球のスイングを見て、個人的にはこの試合の敗戦を覚悟した瞬間になった。
・逆に阪神サイドは、2回裏の2死満塁の場面で、ここで何とか踏み止まりたかった菅野から高山が粘りを見せて、最後はセカンドへ高いバウンドのタイムリー内野安打を放ち貴重な追加点を上げた。こうして両軍の1番がチャンスの場面で見せたバッティングの違いがチームの明暗を分けた。
【試合雑感】
☆ピッチングが窮屈になっていた巨人バッテリー
・菅野が痛打された理由については、解説者が指摘していた通り、阪神の各打者が巧く対応していた点について異論は無いが、個人的にはその事よりも、菅野・小林のバッテリーがカーブをカウント球で使わずに、しかも他の変化球の精度も悪かったので、ピッチングが窮屈になってしまった事が大きい。
☆左打者を並べて菅野攻略に成功した阪神首脳陣
・この試合で阪神打線は1番バッターから左を多く並べてきたが、阪神首脳陣の菅野攻略法は、恐らくコースに的を絞って積極的に打っていく事だったと推察する。つまり、左打者には内角に来たボールは直球(フォーシーム)かスライダー系(カットボール含む)の入ってくるボールをイメージし、一塁線にファールを打つイメージで素直に引っ張り、逆に外角に来たボールはツーシームかシンカーで逃げていくボールをイメージして、その軌道に逆らわずにレフト方向に打ち返すという具合に策を授けたと推察する。
☆左打者の目先を変える有効球は外から曲がるカーブなのだが。。。
・上記の攻略法で最も邪魔になるボールがカーブで、直球系と比較するとスピードが30キロ近く遅く、しかもボールの軌道が大きく違う(一度浮き上がって曲がってくる軌道)ので、このボールを左打者の外寄りに決められると、なかなか手を出せない。だが残念ながら、巨人バッテリーはこのボールを殆ど使わなかった。仮にカウント球として各左打者に一球でも使っていれば展開は大きく変わっていただろう。
☆左打者の長打を警戒するあまりピッチングが単調に。。。
・左打者にカーブを使わなかった理由を推察すれば、左打者へのカーブは、コースと高さを間違えて、真ん中から内寄りの高めに来ると長打を打たれるリスクの高いボールだからと推察するが、もしかしたら試合前の投球練習からカーブが良くなかったので、その選択肢から外したのかもしれない。しかし、それでも勇気を持って使って欲しかった。。
・そして、巨人バッテリーが選択した攻め方は、左打者に対してスライダーやワンシームを中心に時おりツーシームを織り混ぜて打者を討ち取りに行く選択をしたと推察するが、その肝心の変化球の精度が良くなかったので、結果的に高めに浮いた半速球を狙い打たれてしまった。
☆対照的に右打線の巨人に対してカーブを有効的に使ったメッセンジャー
・一方でメッセンジャーの状態はそんなに良いとは思わなかったが、菅野との大きな違いは、右打者に対して縦に割れる緩いカーブを多く使って、狙い球を絞らせなかった事。このボールを有効に使って、良い時と比べて8~9割程度のスピードの直球をより速く見せることに成功していた。こうして打者を追い込んでいく形を多く作って、最後はストライクゾーンからボールゾーンに変化するフォークやスライダーを振らせていた。
【試合総評と次戦のポイント】
・巨人にとってエース菅野で負けたのは痛い。しかし、開幕戦の負けは単なる一敗に過ぎない事は、近年の例を見れば明らかである。振り返れば去年は中日相手に三タテでスタートしたが、交流戦前の5月で失速した。
・大事な事は「交流戦までにチーム状態を何処まで上昇させる事が出来るか?」であって、ぶっちゃけて言えばそこまでの勝率は5割で良い。
・次戦の相手は藤浪だが、田口が中盤の5回までを2点以内で凌げば、十分にチャンスはあるので、全員安打で勢いが生まれた阪神打線を相手に何とか踏ん張って欲しい。
・打線に関しては、藤浪は一塁にランナーを置くと崩れやすくなるので、吉川尚と陽が出塁して足で藤浪を揺さぶって欲しい。それが出来れば序盤で大量得点も狙えると思う。
以上 敬称略
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コメント
更新お疲れ様です。
菅野は1回をすんなり終えただけに、まさかの乱調でしたね。
阪神打線の工夫というのは分かるんですが、ストレートの逆球ばかりを打たれた印象だったので、そりゃあ打たれるよなという感じでした。
書かれているカーブでの緩急もですが、左打者の外のボールゾーンからのスライダーとかも、もっと使って欲しかったなと思ってました。
野手陣は立ち上がりのメッセンジャーは丁寧に投げている感じでしたが、去年までのようなスピードや球威は感じなかったので、初回にゲレーロかマギーに1本出ていれば、まったく逆の展開になったんではないかと思いました。
明日からも中軸の坂本とマギーの状態が悪いままに見えるので、なるべくはやく普通の状態に戻してもらわないと、なかなか得点できない展開が続いてしまいそうですね。
開幕戦を落としたというより菅野で落としたというのは痛いですが、無理矢理にでもポジティブに考えると、前回開幕戦を落とした年は日本一になっているので、今年も期待したいですね。
明日は、まさかの形でバトンを渡される事になった田口にプレッシャーがかかりそうですが、自分のピッチングをしてもらって、打線も、なるべく早く援護して欲しいですね。
正直、今期に対し絶望感を覚えた開幕戦だと思えました。
チーム一丸で菅野攻略の工夫をして実を結んだ阪神と、去年同様何の工夫もなくただバットを振ってメッセを勝たせた巨人との、絶望的な差を。
いくら若手育成とは言え、メッセに対し阿部でなく岡本を起用したと言うのも、納得できません。
2戦目は左打者を苦にする藤浪であり、不調のマギーの代わりに今日結果を残した左打者・田中俊太を、未熟な岡本の代わりに百戦錬磨の左打者・阿部を起用し、藤浪を叩き潰す様努めて貰いたいものですが・・・・・。
もし点が取れても、菅野で抑えられない阪神打線を、田口や野上で抑えられるとは思えません。
正直、開幕3連敗は不可避と思われます。
おはようございます。メッセンジャー投手相手に序盤で4点のビハインドでは負けても仕方ないかな?という試合でした。ただ序盤は高めに浮く球も結構あったので崩せるチャンスは充分あった気がしますが、阪神のように左の中軸打者がいれば確率的に可能性がより高くなっていたと思われます。坂本・マギー選手が打てるポイントでまだ捉え切れる状態ではなさそうなので、調子の良かった岡本選手に期待していたのですが、開幕スタメンという事で結果を出そうとし過ぎていた感じがしなくもなかったです。その岡本選手、やはり守備範囲が狭過ぎると言うか、前後はともかく左右の瞬時の動きが相変わらず鈍く、先制点のあとのファースト右へのヒット、打球が早かったとはいえ止める事はくらいはとつい思ってしまいましたが、阿部選手でも同じだったでしょうし、昨季の最終戦の守備からしてもやむを得ないという処でしょうか。菅野投手は調子自体悪くなかったと思いますが、対左と走者を抱えた時、球が狙った所へより中ないし高く行っていた感じでしたが、試合を重ねれば解消されるものと思われます。最後に投げた谷岡投手、あれだけの速球を投げられるのに何故今迄フォークを多投する必要があったのかとつい思ってしまう程、良かったです。今季、中盤で僅差の試合でも1イニング程度なら疲れる迄は充分任せられるものと思われます。
昨日の敗戦はまさに仰る通り5回の陽でしょう。
そして菅野自身が2回の高山と7回のロサリオの所で踏ん張れなかったことでしょうね。
個人的に菅野に関しては変化球が多すぎることが不満ですね。
高山の場面も外の変化球…
もっと早いカウントでまっすぐで勝負して欲しいんですけどね。
どう思いますか?
それから初回の攻撃ですが自軍がエース菅野で相手がエースメッセンジャーということから
吉川にはバントをさせてまず1点をという野球を個人的には好むのですが…
まあ、吉川なら併殺はないだろうし立ち上がりのメッセンジャーの調子からすれば強攻策で一気にという気持ちもわからなくもないですし例え送ったとしても坂本ゲレーロマギーの結果からすれば結局は無得点だったとは思いますが。
勿論自軍投手や相手投手によっては強攻策もあってしかるべきだと思うしそういう攻撃ができることがチーム力を上げるとは思いますけどね。
それにしても田中と大城は良いアピールができましたね。
彼らが代打で結果を出すことでポジションの被る吉川や小林それから岡本にも良い刺激になります。
控えの層が厚くなると必然的にレギュラーにも緊張感が生まれチーム内競争が高いレベルになり結果的にチーム力が大きく上がる。
オープン戦から昨日の試合だけで語るのは早いでしょうがそれくらい期待の持てる二人の打席内容と結果でしたね。
彼らが大きく飛躍出来ればいよいよ次世代ジャイアンツの誕生ですね。
今年は勝敗以外にも楽しめる要素が多く近年にはない感じです。
仰る通り、打線は坂本とマギーに早めに当たりが出て、ゲレーロと岡本の爆発を誘発して欲しいと思ってます。
菅野はまあ心配してませんし、次がんばってもらいましょう
まだまだ1試合終わっただけなので、絶望するのはもう少し待っても遅くないと思ってます。
選手起用については、様々な意見が有って当然ですが、個人的には今のままで当面は行って欲しいと思ってます
岡本の守備に関しては、現状まああんな感じでしょう。
試合慣れすればもっと動きに余裕が生まれて安定感も出てくると思ってます。
谷岡は確かに良かったのですが、個人的にはまだリードの展開で使うのは怖いと思ってます。
コメント返信が遅れて申し訳ありません
今年は私も若手が本当に伸びてるので、勝敗以上にワクワクしながら見てます
岡本、吉川尚、田中俊、大城。。。期待が膨らむばかりです!