内海の今季初勝利がかかった昨日の試合は、楽勝ムードが一転して、最後は1点差まで追い詰められた。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DeNA | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 3 | 0 | 7 |
巨 人 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 | 2 | 0 | X | 8 |
色々あったこの試合だが、個人的には最後に登場した澤村と小林のバッテリーを褒め称えたい。
その理由については後ほど触れていく。
では、試合経過を振り返る。
4回裏に堂上の満塁HRなどで大きくリードしたGだったが、先発・内海が味方の拙守も重なって2点差まで追い付かれてしまった。
それでも7回裏の長野のタイムリーで2点を奪い、これで試合が決まったと思われた。
しかし、高木京が筒香に一発を打たれ、次に登場したマシソンもバルディリスに2ランを浴び、今度は1点差まで追い詰められてしまった。
だが、抑えで登場した澤村がキッチリ3人で締めて、Gが辛くも逃げ切った。
【G投手雑感】
★内海哲也
前回の登板後の弊ブログで、筆者は「次の登板で真価が問われる」と書いたが、初勝利という結果が残っただけで、内容的には合格点とは言えない。
まず気になるのは、B各打者にフルスイングされてしまっている事。
コーナーにキッチリ決まってる時は、それでも抑える事は出来るが、少しでも甘くなるとフェンス際まで飛ばされてしまっている。
又、全体的には纏まってはいたが、どうしても力んでしまうので、勝負処でのボールが逆球になったり甘くなるケースが目立つ。
ロペスに打たれた先制打は、まさにそれだった。
前半戦のT能見や、近年のG杉内も同じだが、年齢を重ねて直球のスピードや変化球の切れが衰えていくと、どうしてもフォームに余計な力が入ってしまう。
つまり、投球フォームのどこかで勢いをつけて、ボールの切れを出そうとしている訳である。
こういう状態になると、打者目線では対応しやすい投手になる。
普段、ゆったりしたフォームで投げる投手が、勢いをつけて投げようとすると、ボールが見やすくなったり、タイミングが合わせやすくなったりする。
昨日の内海を見ていると、個人的には同じような印象を受けた。
完全復活への道のりは険しいが、この1勝による変わり身を期待したい。
★山口鉄也
内容的にはあまり良くなかった。
直球の走りは今一つで、スライダーも本来のモノではなかった。
更にチェンジアップの精度が良くない。
広島戦での審判とのトラブルで、精神的にナーバスになってる印象を受けた。
★高木京介
相手が筒香という事を加味しても、得点差を考えたら3ボールというカウントは情けない。
個人的には1発を打たれた事よりも、その事が気に入らなかった。
★スコット・マシソン
また彼の悪い癖が出てしまっていた。
直球があれだけ抜けてしまうという事は、打者目線では体の開きが早く、ボールが見やすい状態という事。
おまけにスライダーも良くなかったので、狙い球も絞りやすい状況で、打者はタイミングを合わせやすかった。
★澤村拓一
個人的には小林と共に、この試合の真のヒーローだと思っている。
明らかにBへ流れが傾きかけていた状況で、渾身の投球でリードを守りきった。
一見、逆球も多く、見た目は良くなかったが、最後まで集中力を感じる投球は圧巻だった。
制球は兎も角、直球・スライダー・フォーク共に良く腕が振れていたので、打者目線では相当打ちづらかったと思う。
今までの彼のピッチングを見ていると「相手と戦う事」よりも「自分が納得する事」が先に行ってるように感じていた。
悪く言えば「独りよがり」に見えてしまっていたが、昨日は初球から「どんな形でも絶対抑える」という執念を感じた。
内容云々は別にして、個人的には「抑え・澤村のベストピッチ」を見た。
【G野手雑感】
☆立岡宗一郎
ここまで結果を残せば、残り試合の1番は彼に任せるべきだと思う。
懐への厳しいボールに対して、体の内側からバットを出してヒットを打った打席は、素晴らしいという言葉以外は見つからない。
2盗塁もお見事だった。
☆坂本勇人
ヒットは1本だけだったが、タイミングの取り方は前日よりも良くなっていると思う。
ボールの見極めも良くなってるし、差し込まれるケースも減っている。
☆阿部慎之助
相変わらず本調子にはほど遠い状態だが、何とか食らいついている。
バットスイングの見た目は良くないが、高い集中力と執念を感じる打席が続いている。
彼も必死なのだ。
☆長野久義
猛打賞で3打点という結果で、クリーンアップの役割を果たした。
だが、バッティングの内容は、まだまだ本調子とは思えない。
仮に本調子で昨日の打席を迎えていたら、2本のツーベースはいずれもHRになっていたと思う。
☆加藤健
配球に冴えを感じないし、キャッチングミスも多く、バッティングも期待できる状態ではない。
配球については「無難な攻め方」が際立っており、打者目線では読みやすい配球になっている。
実際、筆者はかなりの確率で、勝負処での配球を読むことが出来ていた。
バッティングはスイングが波打っている状態なので、ノーチャンスになっている。
☆堂上剛裕
見事な満塁HRをレフトスタンドに放った。
彼はあの場面で外野フライを頭に入れていた筈で、そこに一番対処しやすい外角高めの半速球(抜けたフォーク)が来た。
個人的には、Bバッテリーの配球ミスという側面が強いと思うが、彼の積極性が良い結果に繋がったと見るべきだと思う。
一方、次の打席のチャンスで甘いスライダーを捕らえきれずに、内野フライで走者を返す事が出来なかった。
試合展開を考えると重要な局面だったので、ここは反省点として残る。
☆小林誠司
最終回の守りからマスクを被った。
アドレナリンが出まくってる澤村を、オーバーアクション気味でしっかり意識付けさせてる姿は素晴らしかった。
又、最後まで冷静に澤村をリードし、澤村の闘争心を活かした配球で打者を攻め続けていた。
勿論、それに応えた澤村も素晴らしいが、仮に小林以外の捕手が昨日の澤村をリードしていたら別の結果が出ていた
ようにも思えた。
個人的には「捕手・小林誠司」の更なる成長を感じた1イニングだった。
以上 敬称略