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【選手雑感】3タテしなければマイコラスの10勝目は活きてこない【セ公式戦 GvsT 18回戦 8月18日】

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この3連戦前の時点で、首位阪神タイガースとの負け数の差が5まで広がったてしまったので、優勝争いに踏み留まるには2勝1敗では甘く、3タテしかないと思っている。

確かにTもG戦対策として先発ローテを入れ換えているように「余裕の無さ」「不可思議さ」を感じるが、Gが自力で優勝を勝ち取る為には、ここで3連勝して負け数の差を一気に2まで縮める事が必須になる。
だが、これを成功したとしても、まだ相手にプレッシャーを与えだけにすぎず、試合数の消化が多いGにとって不利な状況に変わりはない。

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阪 神0000010001
巨 人10310300X8


初戦はマイコラスが完投勝利で10勝目を完投で飾り、これで投手3冠(勝ち数・防御率・勝率)となった。
打線も村田がチャンスの場面で結果を残し、5打点をあげる大活躍で攻撃陣を牽引した。

【選手雑感】

☆マイルズ・マイコラス
相変わらずの素晴らしい投球で、Gの窮地を再び救ってくれた。

彼のストロングポイントは「ストライクゾーンで勝負出来る球威」だが、メジャーでは通用しなかった球威が、日本では通用する事に気付いた事が何よりも大きい。
以前はカウント球で変化球を多投していたが、直球を低めに集めれば打者が力負けするので、安心して初球からストライクを取りにいっている。

よって、投球に無駄な力みが消えてリラックスして投げているので、打者にとっては間合いが合わない事に繋がっている。

★立岡宗一郎
バッティングに関しては、技術的観点から見ても益々の成長を感じる。
7月のバッティングと今を比べると「かなり振れるようになっている」
そして、カウント的に追い込まれる前まではフルスイング出来ているし、追い込まれた後でバッティングをミート中心に変えている。

以前は明らかな弱点が有ったが、その印象が徐々に薄れてきている。

★片岡治大
試合毎に極端な結果になる事が続いているが、バッティングの状態は引き続き良いと思う。
確かに打ち損じも多いが、内容的にはしっかり呼び込んでスイングしているので、凡打の内容も紙一重になっている。

★坂本勇人
1安打1打点3四球なので、結果を見れば3番打者として合格点だが、バッティングの状態はあまり良くない。
ボールの見送り方を見ていると、タイミングが合っているケースが少ないので、3四球の内容は相手の自滅という側面が強い。

★阿部慎之助
内角攻めが続いている状況の中で、彼が考えた方策は「ややオープンスタンス気味」で構えて、内角へのボールを見やすくしている。
だが、最近のバッティングを見ていると「爪先に体重が掛かってしまっている」ので、懐のボールを捌ききれていない。

一方で、投手側に突っ込んでしまう状態でもあったが、それを何とか我慢しようと構えから意識的に左足に重心を置く姿勢が伺われる。
よって、ギリギリで低めの変化球を見極めて何とか四球を選んでいる。

状態は相変わらず良くない。

★長野久義
3回裏の大量得点に繋がった四球については評価するが、バッティングの内容は良くなかった。
左足の踏み込みが甘く、ややバットスイングが外回りになっているので、捉えたように見える打球でも力強さが無い。

★亀井善行
昨日は何と言っても3回裏の好機で三振したのが痛かった。
やや打ち気にはやっていた印象は否めず、制球を乱していたメッセンジャーを助けてしまった。

★村田修一
2安打・5打点の大活躍で、間違いなくこの試合の殊勲者だった。
村田のバッティングの特徴を見てると、メッセンジャーに対して分が悪そうな印象を持つが、実際は何故か良い結果を生むケースが多い。
制球力が高い投手なので、村田にとっては狙い球が絞りやすいのかもしれない。

技術的には左肩が開かないように意識している様子が伺われる。
左足が若干クロスステップ気味で、直球に対してやや差し込まれやすい状態だが、昨日はその直球を叩いて殊勲打を放った。

尚、マイコラスが失点するキッカケとなったエラーについては、個人的には「致し方ない」と思っている。
完全試合を継続していた状況で、バウンドが中途半端なゴロに対して、待って処理していたら内野安打になっていたかもしれない。
あそこは積極的に前に出て処理しようとしたのは正解だと思う。

★小林誠司
マイコラスとの相性もバッチリで、バッテリー間で意思の疎通が出来ている事をテレビ画面から強く現れている。

バッティングも地味ながらそれなりに結果を残しているので不満はない。
確かに先日のD戦のように好機で凡退するケースもあるが、個人的には「捕手としての仕事」を最優先で頑張って貰いたい。

【総評】

この試合のメッセンジャーについては、テレビ解説の江川氏は最初の3球で「調子が良い」と判断していたが、筆者は真逆の印象を持っていた。

彼の状態が良いときは球威云々ではなく、直球の制球が抜群に良い時だと思っている。
非常に高いリリースポイントからキャッチャーのミットまで、線が引かれていると錯覚するような、素晴らしい球道で直球を投げ込んでいる状態が調子の良い時と見ている。
しかし、それを昨日の試合では全く感じなかった。

仮に立ち直るとしたら、3回裏の失点を防ぎきった後だったと思う。
そういう意味で村田の3打点は試合を分ける重要なポイントだったし、序盤のマイコラスの投球がメッセンジャーに「これ以上失点出来ない」というプレッシャーを与えていたと思う。

以上 敬称略