雨で1試合流れた巨人の北陸シリーズは、水曜日に行われた1試合のみとなった。
順延した試合は10月に東京ドームで行われるようだが、この試合が「伝説の10・8決戦」と同じような意味合いにするには、それまでに両チームが首位阪神を追い抜かねばならない。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤクルト | 2 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
巨 人 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 |
【試合経過】
・1回表、ヤクルトが山田・ミレッジのタイムリーで2点を奪う
立ち上がりの攻撃から、ヤクルトがポレダを細かく研究している様子が伺われた。
まず1つ目の攻略法は「出塁したら足を絡ませて揺さぶる」という作戦である。
これはどの球団も実行しているポレダ攻略法だが、恐らく広島のポレダ攻略法をヒントにしたのかもしれない。
これまで広島は「ポレダの牽制の癖を掴んでいる」と思われる盗塁を、序盤から果敢に仕掛けて揺さぶっていたが、ヤクルトもどうやらポレダの癖を見抜いたようである。
・1回裏、巨人が坂本の同点2ランに追い付く
自身のエラーも重なって失点していただけに、このHRは価値有るモノだった。
この時点では「イケる!」と思っていたが。。。
・4回表、再びヤクルトが畠山の2点タイムリーでリードを奪う
ヤクルトが考えたポレダ攻略法のもう一つは「各打者はバットを内側からコンパクトにスイングする事を徹底し、簡単に凡退せずにファールを打って出来るだけ粘る作戦」だった。
これは去年までの対澤村(先発時)の際に行っていた同じ手法で「なるべく序盤から球数を稼いで、直球の球威が落ちた時に一気に攻略する」というモノだった。
これも他球団は考えていると思うが、ヤクルト打線が素晴らしいのは、これを実践できる技術的な裏付けが有るということ。
立ち上がりから相手の策にハマって球数を要していたポレダは、100球前後で明らかに球威が落ち、制球が乱れ、このイニングで一気に崩れた。
逆に巨人側の立場で考えると、3回を終えた時点で既にフラフラの状態だったポレダを、4回からスパッと降板させる選択肢は無かったのか?
これについては賛否分かれるとは思うが、個人的にはこの試合の重要性を考えれば、早めの決断をして欲しかったという思いはどうしても残る。
結果的に、1アウトしか取れずにリリーフを投入したので「なるべく先発投手を引っ張りたい」という策も失敗に終わっている。
やはり後手に回っている印象は拭えない。
・5回表、ヤクルトが川端のタイムリーで追加点を上げる
川端が田原からタイムリーを放った場面は、残念ながら「カウント球の見送り方」を見れば十分に予見出来る事だった。
田原は全ての持ち球を使って全力で抑えに行っていたが、川端は全く崩れていなかった。
そして「自分が空振りするボールは投げられない」と確信した彼は、打球の方向を狙い定めてタイムリーを放った。
・6回裏、巨人はチャンスで村田が併殺
第1打席の初球の見逃し方を見て「今日の村田は小川にタイミングが合ってる」と感じ、そして第1・2打席共にヒットを放った。
しかし、この打席では「逆方向を意識したスイング」が裏目に出てしまった。
この日の小川は全体的に制球が良くなかった。
特にスライダーは引っ掻けたり、抜けて高めに浮くケースも目立っていたので、じっくり狙い球を絞ればチャンスは有ったが。。。
村田の狙いは右方向へ強い打球を飛ばす事だったが、高めに浮いた直球を一瞬「キタ!!」と反応するが、小川が投げたボールはシュートだったので、中途半端な形で内野ゴロを打ってしまった。
・7回裏、巨人はアンダーソンのソロHRで反撃の狼煙を上げる
結果論になるが、この試合のアンダーソンは完璧だった。
守備を考えれば亀井は外せないし、阿部を外して彼をファーストに使う選択肢も監督の頭には無いだろう。。。
この辺りは「今年のGを象徴している」とも言える。
【試合総評】
Gファンとしては残念だが、Gの顔である坂本・長野・亀井のバッティング技術は、川端・山田・畠山とは大きな差が生まれていると言わざるを得ない。
特に長野のバッティングを見ていると「常に同じタイミングでバットとボールを衝突させてるだけ」で、ヒットやHRが生まれても偶然の産物にしか思えない。
逆に川端・山田・畠山のバッティングは、相手のウイニングショットにも対応可能な「懐の深さ」を感じる。
「伸び悩むG打者」と「順調に成長するS打者」
勿論、個人のポテンシャルもあるが、これだけが理由ではあるまい。
チーム全体で原因を追求せねば、この状況は来年以降も変わらない。
最後に、複数のコメンターの方が指摘されている捕手2人制について言及したい。
筆者もこれには疑問を感じざるをえない。
阿部を万が一の保険で捕手に起用する事もあるとしているが、これはスタメンで出ている彼を最後まで使い続けなければ保険にはならないので、その事で逆に選手起用の幅が小さくなってしまう。
つまり、試合の途中で捕手に代打を送れば、自動的に阿部のところに代走を置けないことになる。
当然、首脳陣もそのことを理解しているとは思うが、今一度再考した方が良いのではないか?
【優勝への星勘定・9月3日終了時点】
✳弊ブログでは前回の記事で優勝ラインを76勝と設定した。
今後はこの数字を目安に優勝争いを考えていく。
阪神 ヤクルト 巨人 広島 勝率
79勝 17勝 6敗 17勝 5敗 17勝 3敗 23勝 3敗 .5563
78勝 16勝 7敗 16勝 6敗 16勝 4敗 22勝 4敗 .5492
77勝 15勝 8敗 15勝 7敗 15勝 5敗 21勝 5敗 .5422
76勝 14勝 9敗 14勝 8敗 14勝 6敗 20勝 6敗 .5352
75勝 13勝10敗 13勝 9敗 13勝 7敗 19勝 7敗 .5281
74勝 12勝11敗 12勝10敗 12勝 8敗 18勝 8敗 .5211
73勝 11勝12敗 11勝11敗 11勝 9敗 17勝 9敗 &nbs
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~9月1日からの変動~
阪神→●○ ヤクルト→○ 巨人→● 広島→○●
「阪神は半歩前進」「ヤクルト1歩前進」「巨人1歩後退」「広島1歩後退」という印象になる。
巨人はヤクルトとの直接対決で負けた事で、今日からの横浜DeNA戦で3タテする必要性が高まった。
勿論、2勝1敗が最低ラインではあるが、阪神・ヤクルトにプレッシャーを与えるには、是が非でも3タテしておきたい。
以上 敬称略