中盤までは両軍エースの意地を感じた見応えのある内容だったが、7回以降は「Gの一人相撲」という印象を強く持った。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | |
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中 日 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 2 | 3 | 8 |
巨 人 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | 5 |
G菅野の立ち上がりは抜け球が目立ち苦しんでいたが、徐々に修正してD打線にチャンスを与えていなかった。
特に直球のキレが良かったのでフォークも有効に機能していた。
だが、一方でスライダーとカーブの制球が今
一つだった印象は拭えず、6回は勝負処で投球が単調になった事によって失点してしまった。
対するD大野も立ち上がりは制球に苦しんでいたが、直球のキレとフォークの精度が上々でG打線を封していた、
だが、やや飛ばし気味だったので、7回はガス欠状態になってしまった。
7回裏のGの3点については「結果オーライ」でチャンスを広げて、その後は効果的な攻撃を展開した。
①相川の左中2→代走鈴木
②代打・實松の犠打を、1塁・森野が野選で1・3塁→盗塁で2・3塁
③長野の中安打で1点入り勝ち越し、走者は1・3塁
④井端の中安打で更に1点入り、走者は1・3塁
⑤亀井の右犠飛で1点を加点、このイニングで合計3点を奪う
筆者が「結果オーライ」と指摘するのは②の場面である。
この場面は明らかに實松のバントは「失敗」していた。
勿論、それを防ぐためにベンチは「代走・鈴木」というカードを切った訳だが、それでもタイミング的にはアウトとジャッジされてもおかしくない場面だった。
結果的には、この野選でチャンスが広がりビッグイニングとなったが、實松は猛省すべきである。
初回も井端バント失敗後に盗塁を絡めて得点したが、交流戦以降のGは「やるべきこと」を確実にこなしていない。
又、8回表の立岡の走塁ミスも接戦では致命的なものだった。
原監督は「接戦になればGは強い」と言ってるが、こんな失敗が続く現状では、その看板は下ろさなくてはならない。
實松については守備でも気になるプレーが目立った。
①度重なる後逸
②低めのフォークを要求する時に、ミットで地面を2度叩く癖
①については言い訳できないプレーである。
8回表と9回表の後逸は、股の下を抜けたものなので捕手としては恥ずべきミスであり、原監督が頭の中で描いている「抑え捕手」としては失格の烙印を押されてしまう。
それよりも筆者が気になったのが②である。
8回以降のDの攻撃を見ていて気付いたのが、實松は「落ちるボールを要求する時に必ず2度ミットを叩く」癖を持っている事である。
確かに山口・マシソン・澤村の状態は良くなかったが、それでも「やられ過ぎ」の印象が強い。
特に低めのフォークやチェンジアップを簡単に見極められ、直球系をフルスイングしてくる姿は、球種を読まれていなければ考えづらい。
この動きは實松だけが行っている訳ではない。
勿論、阿部も相川も他球団の捕手も良く行っているが、彼らの場合は「逆を突いてる」ケースもあるので、その行為だけでは球種を判断することは出来ない。
實松の場合は、ストライク気味のフォークを要求する時には「ミットで地面を叩かない」もしくは「一度だけ叩く」ケースが多い。
しかし、ボール球のフォーク(空振りを狙う)を要求する時は、ほぼ確実にミットを地面に2度叩く。
打者の立場で考えると「意識している事が前提」だが、意外に捕手の動きは分かるものである。
もっと突っ込んで言えば、事前に癖を知っていれば、ミットを2度叩く行為は判別出来るだろう。
中日には、この手の癖を見破る事が得意なコーチやスコアラーが多い。
例えば、バッテリーコーチの達川は、捕手の癖については目敏い。
勿論、これは筆者の推測に過ぎない。
しかし、考えてみる価値は十分にあると思うが。。。果たして。。。
以上 敬称略