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【試合総評】中途半端なスイングは必要ない【セ公式戦 BvsG 13回戦 7月15日】

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GファンのストレスがMAXに到達するような試合だった。
個人的には負けた事は勿論悔しいが、それ以上に各選手が「迷いながら打席に立っている事」が非常に歯痒いし残念でならない。
特に中井・長野・村田には、それを強く感じた。

今回は長文を書く心理状態ではないので、中井の問題に絞って記事にするが、まあ長野も村田も酷かった。
彼らの打席では「どの球種・コースに的を絞って打席に立っているのか?」全く見えてこなかった。

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この試合のB砂田なら十分攻略可能な相手だった。
直球についてはキレ・制球共に良かったが、変化球の精度が低かったので十分狙い球を絞れる状態だった。
チェンジアップは外に抜けるし、スライダー・カーブは低めに流れてボール球になるケースが目立ち、殆どのケースでBバッテリーが最終的に勝負してくるボールは内角直球だった。
こんな状態の投手に対して、序盤の4回まで3安打という内容はあまりにも寂しすぎる。
だが、5回以降は全くチャンスが全く無かった訳ではない。 

5回表は、連続四球でツーアウトからチャンスを作り、相川の同点タイムリーまでは見事だった。
前段で触れたように、最終的には直球で勝負せざるを得ない状態だった砂田に対して、ベテランらしく狙い球を絞ってタイムリーを放った。 
ツーアウトからの得点ではあったが「点の取られ方の悪さ」と 「動揺を隠せない状態の砂田」の両方を考えると、このイニングで一気に叩き潰す絶好のチャンスだった。
だが、次の打者・中井は、ど真ん中のスライダーを打ち上げてライトフライに終わった。 

筆者が、この場面で問題視するのは、凡打で終わったからではない。
スライダーをライトへ打ち上げてしまった内容が酷すぎるからである。

まず、あの場面を振り返ると、明らかに砂田は動揺していた。
ツーアウトから1発を警戒して村田を歩かせ、続く「直球1本待ち」の加藤に対して、変化球で何とかカウントを整えたかったが、決まらずに歩かせてしまった。
つまり、1点差という局面での「1発の怖さ」が、彼には大きなプレッシャーとして襲いかかっている状態だった。
そして前述通り、相川が狙い通りに直球を叩いてタイムリーを放ち、 益々精神的に追い込まれた状況だった。

まずBバッテリーの立場で、中井を打席に迎える前に考えた事を想像してみる。
①勝ち越されるのは絶対避けたいので、何とかストライク先行で有利に運びたい
②このイニングで既に2つの四球を与えいるので、初球は絶対ストライクが欲しい
③中井が得意としている直球は狙われてる可能性が強い
④変化球の中で最もストライクを取る自信がある「スライダー」を、真ん中付近を狙って投げる他無い。

野球経験者の立場でハッキリ言わせてもらえば、この程度の心理状態(相手バッテリー)を読む事が出来なければ、プロのバッターとしては絶対通用しない。

ここで中井は、下記の点を頭の中で整理して打席に立たねばならなかった。
①初球から積極的に狙う
②追い込まれるまでは中途半端なスイングをせずに、強く叩く姿勢で挑む
③外のコースは狙いから外して、体に入ってくるボール(スライダー・直球)を強く叩く意識
④その為には打つポイントを前に置く

ミートを強く意識したスイングは追い込まれた状況で行えば良いので、若いカウントでは兎に角「強く叩く意識」が必要だった。
そうしないと砂田の直球に差し込まれてしまうし、打ち損ないがフェアグランドに飛んでしまう。

しかし、彼が実際に行ったスイングは、真ん中のスライダーに対して合わせに行く中途半端なモノだった。

これは筆者の想像だが、彼は最初から右方向への打球を強く意識していたように見えた。
そこへ「スライダーが真ん中に来たので、合わせるようなスイングになってしまった」というのが真相かもしれない。
彼の頭の中では、相手が「外の直球でカウントを稼ぎにくる」と考えていたのだろうか?
それ自体は完全な間違いだとは思わないが、砂田の投球内容を考えれば高い確率で内角へ入ってくるボールが来た筈で、外を狙ったボールは外れるケースが多く、頭の中から消した方が良かった。

彼のバッティングについては、数日前の弊ブログで取り上げたが、以前の「力強いスイング」が全く失われてしまっている。
ここ数日スタメンで起用されているが、全て「擦ったようなスイングでの打球」で、内容的にも見応えが全く無い。
1番という打順で、出塁を意識し過ぎているのかもしれないが、彼の良さが全く感じないので失望感しか残らない。

「指導者の問題なのか?」「本人の問題なのか?」「もっと深い問題なのか?」
原因を考えれば考えるほど、筆者の気分は憂鬱になる。

正直言えば、昨日の直接的な敗因は別にある。
だが、昨日の試合を見て、筆者が一番「ガッカリした」場面だったので、あえて取り上げることにした。

最後に、途中出場した大田泰示には賛辞を送りたい。
まず、7回裏の代打で登場した場面では、惜しくも勝ち越しタイムリーにはならなかったが、久しぶりに彼らしい打球を放った。
状況は本題で触れた中井と似ていたが、彼はしっかり狙い球を絞り、中途半端な状態で打席に立っていなかった。
低めに流れる変化球を見切って、最後は見え見えの内角直球を見事に捉えた。
この集中力なら次の打席も期待していたが、残念ながら回ってこなかった。。。

そしてもう一つ素晴らしかったのは、9回裏のサヨナラの場面で、バルディリスの強烈なファーストゴロを体で止めてアウトにしたガッツ溢れるプレー。
強烈な雨の中で人工芝に水が溜まり、打球がスリップしていたので、決して簡単な処理ではなかった。
結局、サヨナラ負けで終わったが、仮にこのピンチを切り抜けていたら、再びGに流れが来ていた可能性が強かった。

まだまだ終わっていないぞ!大田泰示!

以上 敬称略