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【選手雑感】次戦で内海の真価が問われる【セ公式戦 GvsB 15回戦 7月29日】

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最後は亀井の劇的なサヨナラHRで幕を閉じたが、この試合で稼いだ打点は全てクリーンアップから生まれている。

G打線については、欲を言えば序盤でB三浦を攻略できれば最高だった。
特に初回の三浦はボールのキレ・制球ともに悪かったので、G各打者が打ち損じて助けていた側面が強い。
まあ、それでも先制された直後に同点に追い付いた点は、素直に評価したい。 
この点はオールスター前のG打線には感じられなかったので、少しづつチームに血液が循環してきたように思える。

【選手雑感】

★内海哲也 

前回の復帰登板と同じく、今回も足をつって降板してしまった。
内容的には、まずまず及第点という評価が妥当だと思う。

立ち上がりはツーシームが逆球になるケースが多く、捉えられる場面が多かったが、徐々に修正されて大きく割れるスライダーを上手く織り混ぜて打者を討ち取っていた。

しかし、良い時と比べると右打者の懐への直球の威力が今一つ。
そもそも直球系を選択する際はフォーシームではなくツーシームが多かったが、この場合、対左打者には有利に働くが、右打者には分が悪くなるだろう。

彼がローテに入ってチームの輪に加わる事は、彼を慕っている多くの選手には精神的に大きな支柱となる。
その為には、次回の登板で好結果を残して、ローテ入りを確実なものにしたい。

★スコット・マシソン
変化球が決まらずに直球を狙い打たれてしまった。
これは典型的な彼の悪いパターンではあるが、直球自体の威力はまずまず良かったと思う。
シュート回転したボールは、梶谷に打たれたタイムリーだけだった。

★山口鉄也
制球を乱すケースが目立っていたが、先日の記事で触れた通り、スライダーのキレは確実に良くなっている。
このキレを失わなければ、少々調子が悪くても何とか無失点で切り抜ける事が出来る。

★澤村拓一
まだまだ絶対的な信頼は置けない。
やはり気になるのは、直球が殆どシュート回転してしまう事。
シュート回転自体を全面否定するつもりはないが、ストッパーは一発を警戒して外角中心で組み立てる事が多いので、そこを狙ったケースでシュート回転すると真ん中に集まることになる。
昨日のエレラが打たれたケースと同じことが、澤村にも十分ありえた投球だった。

一方で、フォークボールは低めに決まっていた。

☆坂本勇人
先日のC前田との対戦で見せた執念の打席を、この試合の10回裏でも再現した。
外に流れるボールを徹底的に見極め、四球で塁に出る事に成功した。
そして「走るぞ!」と見せかけてバッテリーを揺さぶり、亀井をアシストしてサヨナラHRを生む大きな要因を作った。

バッティングの状態については平行線という印象。
「三浦の投球術」でバッティングを崩す事はなかった。

☆亀井善行
打席での「雰囲気」が出てきた。
恐らく本人も手応えを感じていると思うが、バットのヘッドの走りが格段に良くなっている。
あのライトスタンドへの弾丸ライナーこそが、筆者が待っていた「亀井のバッティング」である。

☆長野久義
完全なる三浦の失投だったとはいえ、あの場面で完璧に捉える事は決して簡単な事ではない。
前の回の守りのミスを帳消しにするどころか、倍返しにする一打だった。

果たして今度こそ「意外性の男」から脱皮して「頼れる男」に復活するのか?
今日の彼の打席は要注目である。

【B打線の印象】

ここまでの2連戦は「B打線の元気の無さ」が目立つ。
特に主砲・筒香と「Gキラー」宮崎の後を任せられてるバルディリスの状態が良くないので、ここで打線の勢いが失われている。
しかも、昨日の試合では宮崎を途中から下げてるので、試合終盤の得点力は更に失われていた。

バルディリスのバッティングについては、スイングの形がどうこうではなく、かなり体の疲れを感じるのでスイングが鈍い印象が強い。
技術的には特に明確な弱点があるタイプではないので、相手投手からすれば勝負処では避けたい打者ではある。

逆に、現在不振でスタメン落ちしているロペスは「チャンスではバッティングスタイルを変える打者」なので、勝負処ではバルディリスよりも攻めやすい打者である。

元々、筆者はロペスについて「クリーンアップを任せるタイプの打者ではない」と言ってきた。
それはロペスという打者は、チャンスの場面では打つ方向を決める打者なので、相手バッテリーから見ると攻め処が分かりやすいタイプだからである。
逆に、走者が居ないケースでは、打つ方向を絞らずに、狙ったボールを強く叩く意識が強いので、ソロHRが結構多い。
つまり、意外性の強い打者であり、コンスタントに結果を期待する打者ではない。

今季の序盤戦は確かにクリーンアップの一員として機能していたが、Gに在籍時からシーズン序盤は活躍していた事なので、世間で言われるほどの「驚き」は無かった。
それは彼の前後を打つ筒香とバルディリスの状態が良かった事が大きく、ロペスは「彼らに乗せられていた」印象が強い。
来日初年度から彼を見てきた筆者にとっては、今の状況は予想できる事だった。

そのロペスを中畑監督はスタメンから外したが、前回の記事に対してコメンター「BHさん」が指摘された通り、代打での彼は良さを発揮しない事が多い。
ロペスはスタメンで4打席使って良い味が出る選手であって、去年、彼が不振に陥った要因は、アンダーソンとの併用による弊害が大きかった。

今後も大事な戦力として考えているのなら、下位打線に置いて調子が上がってくるのを我慢する他ない。
逆に、宮崎の台頭でロペスの存在感が薄れているのなら、去年G在籍時と同じ道を辿ってしまう事になるだろう。

ロペスの状態が上がってこなければ、優勝はもちろんAクラス入りもあり得ないし、それでは5位に沈んだ去年と何も変わらない。

以上 敬称略