巨人の宮崎春季キャンプは昨日の休みを経て今日から第二クールに入った。
このキャンプの特徴は実戦練習を行う時期が例年よりも早い段階で行われること。
毎年、第二クールでようやくシートバッティングが行われ、若い投手がマウンドに立ってボールを打つようになるが、今キャンプではそれをすっとばしてより実戦的なゲームバッティングを行っている。
この辺りの良し悪しは別にして、このあたりから原監督が早くチームの戦力を見極めたいという意図を感じる。
【宮崎の天候】10:50現在
天気 晴れ 、 気温 19.0℃
風速 3.6m(バックスクリーン方向への緩やかな風)
お昼に21℃を越えて非常にポカポカした陽気となったが、その後は小雨模様となった。
【キャンプトピックス】
➀中島宏之が全体練習に合流
腰の張りを訴えて別メニュー調整をしていた中島が、今日の練習から本隊の練習メニューに加わった(ゲームバッティングは出場せず)
フリーバッティングを見る限りフルスイングとまではいかないが、しっかり右方向へ強いスイングが出来ている。
➁別メニュー調整していいる吉川尚輝はどうやら腰に張りを訴えてる様子
【練習メニュー】
【ゲームバッティング】
尚、守備位置は流動的で、特に捕手は1イニング毎に交代でマスクを被る。
又、各打席1ストライクという投手有利の状況でスタートする(前回は1ボールの状況からスタート)
そして再び投手主導で配球を行っていた。
★A組打者
1二一 田中俊太 4打数1安打
➀カウント0-2から真ん中低めのツーシームを三遊間を破るヒット(対ヤングマン)
➁カウント2-1から真ん中低めの直球を引っ掛けてセカンドゴロ(対田口)//
➂カウント1-2から内角低めのスライダーに詰まってセカンドゴロ(対田口)
➃カウント1-2から真ん中低めのチェンジアップを空振り三振(対桜井)
・やはり左投手に対してはどうしても体が若干浮き上がってしまってボールの見極めが良くない。
・バットスイングを見ると今は疲れのピークなのかもしれない。
2中 丸佳浩 3打数0安打1四球
➀フルカウントから真ん中高めのカーブを空振り三振(対ヤングマン)
➁カウント0-1から真ん中低めのツーシームに差し込まれてサードゴロ(対ヤングマン)
➂フルカウントから粘って四球(対田口)//
➃フルカウントから内角直球に詰まってセカンドゴロ(対桜井)
・第三打席の田口との対決は非常に見所の多かったが、この打席の内容こそが彼の「恐ろしさ」だと思う。
3遊 坂本勇人 4打数1安打
➀カウント1-1から真ん中低めのツーシームを引っ掛けてショートゴロ(対ヤングマン)
➁カウント2-2から内角低めのカーブを空振り三振(対ヤングマン)
➂カウント0-1から真ん中直球を捉えるがセンターフライ(対桜井)
➃フルカウントから真ん中カットボールを捉えてレフトオーバーの二塁打(対桜井)//
・バッティングフォーム、スイングの軌道、ボールの捉え方のどれを見ても全く問題なく、順調な仕上がりと感じる。
4一三 岡本和真 4打数3安打
➀カウント0-1から内角への抜けたカーブを上手く捉えてセンター前にヒット(対ヤングマン)
➁カウント1-1から外角カーブを捉えてセンター前にヒット(対ヤングマン)
➂フルカウントから外角直球を引っ掛けてサードゴロ(対桜井)
➃カウント1-2から内角高めの直球に差し込まれながらもライト前ヒット(対大江)
・バットを内側から出す意識が強かったようで、センター方向への打球が自然と多くなっていた。
5左 ゲレーロ 4打数2安打
➀カウント3-1から真ん中直球を捉えてレフト前ヒット(対ヤングマン)//
➁カウント2-2から真ん中高めの直球を捉えてセンター前ヒット(対ヤングマン)
➂フルカウントから外角低めの直球を見逃し三振(対桜井)
➃カウント0-2から外角直球を引っ掛けてサードゴロ(対大江)
・彼らしいと言ってしまえばそれで終わりだが、ややバットが外回りで現状のバットスイングでは本番では厳しいだろう。
6右 陽岱鋼 4打数1安打
➀カウント1-2から外角から曲がってくるスライダーを見逃し三振(対田口)
➁カウント1-2から外角カーブをバットの先でレフト前のポテンヒット(対ヤングマン)//
➂カウント0-1から外角カーブを捉えるがサードゴロ(対桜井)//
➃カウント0-2から真ん中低めのカーブを空振り三振(対大江)
・バッティング内容を見てると、去年と比べて今年の成績が劇的に向上するとは現時点では思えない。
7捕 阿部慎之助 3打数0安打1四球
➀カウント1-2から内角直球に手が出ず見逃し三振(対田口)
➁フルカウントからしっかりとボールを見極めて四球(対田口)
➂カウント1-2から外角直球を当てただけのショートゴロ(対大江)
・初球の変化球に対して形を崩さずフルスイング出来る姿を見ると、バッティングに関しては全く問題ない。
➃カウント0-1から真ん中カーブを打ち上げてセンターフライ(対大江)
8捕 小林誠司 4打数0安打
➀カウント0-1から内角カーブに詰まってショートゴロ(対田口)
➁カウント1-1から真ん中低めのカーブを引っ掛けてサードゴロ(対田口)
➂カウント2-2から真ん中低めのスライダーを空振り三振(対大江)
➃フルカウントから外角高めのスライダーを空振り三振(対大江)
・彼もややお疲れモードという印象で、スイングが波打っていた。
9三二 若林晃弘 4打数2安打
➀カウント1-2から外角低めのチェンジアップにバットの先でサード前への内野安打(対田口)
➁カウント0-1から外角チェンジアップをバットの先でセンター前ヒット(対田口)
➂カウント2-2から外角直球を見逃し三振(対大江)//
➃カウント1-1から真ん中高めの直球に詰まってセンターフライ(対大江)//
・ヒットは二本出たが、いずれもラッキーヒットで内容的には特筆すべきモノはない。
☆B組打者
1中 重信慎之介 4打数1安打
➀カウント1-1から真ん中直球を捉えてピッチャーへの強襲ヒット(対メルセデス)//
➁カウント0-2から外角直球を引っ掛けてセカンドゴロ(対メルセデス)
➂カウント1-1から真ん中スライダーを引っ掛けてファーストゴロ(対メルセデス)
➃カウント0-1から内角直球に詰まってショートフライ(対坂本)//
・前回よりもバットが体の内側から出てバッティングの内容は良かった。
2左 亀井善行 4打数1安打
➀カウント0-1から真ん中直球を捉えてセンターフェンス直撃の二塁打(対高田)
➁カウント1-2から外角スライダーを見逃し三振(対メルセデス)
➂カウント0-2から外角直球を当てただけのレフトフライ(対メルセデス)//
➃カウント0-2から真ん中直球を捉えるがセンターフライ(対中川)
・高田の初球を完ぺきに捉える辺りは流石の一言。
・対左ではやや体の開きが早かったが、調整はこれからだろう。
3三一 ビヤヌエバ 4打数1安打
➀カウント1-1から真ん中スライダーに詰まってセンター前へのポテンヒット(対高田)
➁カウント0-2から真ん中低めの直球を空振り三振(対メルセデス)//
➂カウント0-2から内角スライダーに詰まってサードゴロ(対中川)
➃カウント0-2から真ん中低めのスライダーを空振り三振(対中川)
・全体的にお疲れモードで、スイングに鋭さがなくなってる。
・守備は全く問題なさそうだが、バッティングは少し時間がかかりそうな状態。
4一三 和田恋 4打数0安打
➀フルカウントから内角の抜けたスライダーを見逃し三振(対高田)
➁フルカウントから真ん中直球にやや押されてライトフライ(対高田)
➂カウント2-2から真ん中高めの直球に詰まってセンターフライ(対中川)
➃フルカウントから外角スライダーを合わせただけのライトフライ(対中川)
・直球に遅れてしまうので、ボール球の変化球を投げられるとバットが止まらない。
・正直言って一軍レベルでは厳しいという感想。
5遊 山本泰寛 4打数1安打
➀カウント1-1から真ん中低めのスライダーを上手く拾ってレフト前ヒット(対高田)
➁カウント2-2から真ん中低めのスライダーを引っ掛けてショートゴロ(対高田)
➂カウント1-2から真ん中低めのスライダーをややバットの先でライトフライ(対中川)
➃カウント0-2から外角ボール球の直球を空振り三振(対中川)
・なかなかしぶといバッティングを見せてアピールしている。
6捕 炭谷銀仁朗 2打数0安打2四球
➀カウント1-1から外角直球に合わせただけのファーストゴロ(対高田)//
➁フルカウントから粘って四球(対高田)//
➂カウント2-2から外角スライダーを見逃し三振(対中川)//
➃フルカウントから相手が制球を乱して四球(対坂本)
・打席で粘りがあり、淡白な打席はここまでほとんどない。
7右 松原聖弥 4打数0安打
➀カウント0-2から外角高めのボール球を空振り三振(対メルセデス)
➁カウント0-1から外角スライダーを引っ掛けてファーストゴロ(対メルセデス)
➂カウント1-2から外角低めの直球を見逃し三振(対坂本)
➃外角直球を引っ掛けてセカンドゴロ(対坂本)
・非常に攻撃的なバッティングだが、返上は空回りしてる印象。
8捕 田中貴也 4打数1安打
➀カウント0-2から真ん中直球に差し込まれてショートゴロ(対メルセデス)
➁カウント1-2から外角低めのスライダーを見逃し三振(対メルセデス)
➂フルカウントから外角低めの直球を空振り三振(対坂本)
➃カウント0-2から真ん中直球にやや差し込まれるがレフト前ヒット(対坂本)
・バッティングは良いところがなかったが、最後の打席で意地を見せた。
9二 増田大輝 4打数1安打
➀カウント0-1から真ん中低めのチェンジアップを泳いでセンターフライ(対メルセデス)
➁カウント0-2から外角高め直球を見逃し三振(対メルセデス)
➂カウント1-2から外角低めのスライダーをハーフスイング空振り三振(対坂本)
➃カウント2-2から真ん中高めのスライダーを捉えてレフト前ヒット(対坂本)//
・彼も厳しい結果が続いていたが、何とか最後の打席で爪痕を残した。
★A組投手
1 メルセデス 1安打4奪三振 打者12人
・最初の打者で打球が膝下に直撃して一度マウンドを降りたが、大事には至らずに少し間をおいて再び登板した。
・相変わらず切れの良いカット気味の直球とスライダーを中心に、カーブ・チェンジアップで目先を変えながら打者を手玉に取っていた。
・制球も見事で逆球は殆どない。
・同じ左腕の田口とは違って、こちらはストライクゾーンで勝負出来るボールの強さがある。
・課題としてはやはり対左打者という事になると思うので、これからの対外試合でどこまで左打者の懐に突っ込んでいけるのか?注目していきたい。
2 高田萌生 3安打1四球1奪三振 打者8人
・アクシデントで予定よりも早くマウンドに上がる形になった。
・紅白戦の登板時よりも「ボールの抜け、逆球」はかなり修正されていた。
・これからもっとスピードは出てくるとは思うが、現状の球威ではストライクゾーンで勝負出来るほど一軍レベルは甘くないのは、本人も解ってると思う。
3 中川皓太 0安打3奪三振 打者8人
・140キロ弱の直球とスライダー軸に投球していた。
・右打者に対しても押し込んでいたし、ボールも切れて制球も纏まっていた。
・全体的に良かったが、あえて課題を指摘するなら勝負球が甘くなる傾向があること。
4 坂本工宜 2安打1四球3奪三振 打者8人
・140キロ前後の直球と縦変化のスライダー、チェンジアップで投球を組み立てていた。
・非常に投げっぷりが良くメンタルも強そうで、ベース上でのボールの強さを感じる投球で打者を押し込んでいた。
・制球力もなかなかで、今日登板した投手の中では上位に入る。
・一方で二度目のマウンド(打者5人目から)では、ボールの勢い・制球ともに落ちてしまって安定感という面では課題を残した。
☆B組投手
1 ヤングマン 6安打2三振 打者10人
・140キロ前後の直球とツーシーム、カーブを軸に、スライダーを織り交ぜていた。
・まだまだ制球にバラツキがあり、全体的に高めに浮く苦しい投球が続いてしまった。
・決め球のカーブに関しては丸から三振を奪っていたが、こちらもまだまだ抜けていたので調整が必要だろう。
・評価としては時期を考えれば上々と見ている。
2 田口麗斗 2安打2四球2奪三振 打者9人
・130キロ中盤の直球とスライダーを軸にカーブも織り交ぜていた。
・ここまで登板した誰よりも制球が安定していて、内と外の投げ分けが抜群だった。
・直球も球速こそ出ていないが、ベース上での切れを感じるボールだった。
3 桜井俊貴 1安打2奪三振 打者7人
・140キロ弱の直球を軸に緩いカーブとスライダー、チェンジアップで組み立てていた。
・最初の打者4人に対しては、前回と同じでまだまだ直球の質が良くなく、抜け気味で右打者の外を狙ったボールが真ん中に集まる傾向が多かったが、5人目の対左が続いた辺りから球質が安定して内容は良くなった。
・左打者の方がチェンジアップを有効に使えてるので、投球の幅は広い。
・以前よりも緩いカーブが使えるボールなので、持ち球を考えると直球が良くなれば成績が一変する可能性を秘めているだけに実にもったいない。
4 大江竜聖 1安打4奪三振 打者9人
・130キロ中盤の直球を軸にスライダーとカーブ、チェンジアップを投げていた。
・前回はオール直球だったが、今回は変化球を交えて投球を組み立てていた
・直球はカット気味の回転でベース上での切れを感じて質が高い。
・変化球もスライダーの切れはなかなかのもの
・あとは実戦で実際に走者を背負ったときにクイックで同じようなボールを投げられるか?
【総評】
・A組の打者でバッティング内容重視で評価が高かったのは丸・坂本・岡本の三人で、特に丸はヒットこそ出なかったが、彼らしさが出ていたバッティング内容から順調に仕上がってるように感じた。
・B組の投手では田口と大江の両左腕が非常に良かった。
田口は彼らしく内と外をキッチリ投げ分けて打者に的を絞らせずに切れの良いボールで安定感抜群だった。
又、大江は田口とはまた違って、怖いモノ知らずでストライクゾーンにどんどん投げ込んで打者にファールを打たせて、追い込んでからはコースを突いて打者を討ち取っていた。
・B組の打者では重信のバッティング内容が良かったが、全体的に低調な印象だった。
勿論、A組の投手が総じて内容が良いこともいえるが、やや寂しさを感じるバッティングが目についた。
・A組の投手は皆持ち味を発揮してアピールしていたが、特にメルセデスの投球内容は抜きん出ていた。
仮に今の状態で外国人枠を決めるなら、彼は間違いなく入るだろう。
以上 敬称略
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コメント
更新お疲れ様です!
メルセデスは弱点である左打者への投球が実戦でどうなってるかが気になりますが、ヤングマンの状態も良いみたいなので、嬉しい悩みとはいえ外国人枠の使い方に困りそうな現状ですね。
大江についても早く対外試合などの実戦で見てみたいですし、高いレベルでの左投手の争いで層を厚くしてほしいですね。
初コメント失礼致します。
丸については広島時代から見ていますが、最悪の状態は脱しましたが、未だ試行錯誤の段階のように見受けられます。
丸は、右膝を上げる前に右足の踵で地面を小刻みに踏む予備動作を復活させました。
丸は、右膝を上げる高さを広島時代よりも下げて踵体重の修正を試みているように見受けられます。
また、広島時代に比べ、右足の着地位置の探りが遠回りして(これでスウェイや踵体重の抑止を試みているのかもしれませんが)左肘が出てくるのが遅れている場面がありました。
よって、ヤングマン投手と田口投手と対戦したときに、ヘッドがボールの内側に入ってスライス回転の当たり(ファア、ファウル共)を放っていました。
田口投手が右足がインステップしてから左肘が出てくるまでに間があるのと、リリースの瞬間に右膝が閉じている分、以前に比べて三塁側への体軸の倒れ方が小さくなったことで丸はアウトローのボールにヘッドが止まっていますが、未だ、完全には踵体重が治っていませんでした。
丸は、広島時代同様、ヒッチの「下げる」のときにヘッドがホームベース上に倒れて右肘が内に入り、左肘が出るのが遅れて緩い変化球をフルスイングできていないように見えました。
メルセデスのひたむきな姿勢には心を打たれます
是非とも日本で成功してほしいと願ってます!
貴重なご意見ありがとうございます!
確かに改めてチェックするとご指摘されてる点は少なからず見られますねが、個人的にはそこまで気になるポイントとは思ってません。
但し、まだまだキャンプ序盤で調整途上という事もあるので、これからじっくり見ていこうと思ってます。
様々な視点で野球を見たいと思ってるので、今後も是非ともご意見頂けたら幸いです!