前回は試合のポイントについて筆者なりの意見を述べたが、今回はG選手個々の印象を語っていきたい。
★菅野智之
初回は、自分の状態を把握する前にピンチを招いてしまったが、相手の拙攻もあって無失点で凌げた。
2回以降もボールが高めに浮くケースが目立っていたが、勝負処でフォークが決まっていたので、打者に的を絞らせていなかった。
但し、ロサリオに痛打されたフォークは落ちなかった。
個人的には「抜けるボール」が多いのが気になる。
特にスライダーとツーシームの逆球は非常に危険で、一歩間違えれば長打を打たれてしまう。
★澤村拓一
彼は走者を置く場面では、やたら高速クイックで投げるが、果たしてそれは必要なのだろうか?
勿論、1塁走者に足の速い走者がいる場合は、十分ケアしながらクイックで投げる事も必要だが、盗塁が少ない走者が2塁にいる場面では、無用に思えてならない。
決して「無警戒」にしても良いという訳ではないが、もう少し状況を考えて投げ分けた方が良い。
幾度か指摘している事だが、彼の欠点は左肩の開きが早くなること。
これは上半身が力んでくると如実に現れてくる。
この左肩の開きはクイックで投げると更に早くなる。
つまり、下半身主導の「溜め」が無くなるので、上半身の力でスピードを出そうと無理をしている。
こうなると、直球がシュート回転しやすくなるし、スピンが少ない「棒球」になりやすい。
又、フォークも高めに浮くケースが目立ち、殆ど落ちない危険なボールとなってしまう。
この試合でも、C野間を討ち取ったフォークは、高めに浮く危険なボールだった。
★寺内崇幸
久しぶりのスタメン出場は、前田との相性を考えての措置という側面もあると思う。
だが、攻守で「アピールが出来た」とは言えなかった。
寺内の守備は非常に安定感があるので、見ていて安心感がある。
但し、気になる点が1つある。
それは、年々スローイングの際に、肘の位置が下がっている事。
肘が下がった状態で強い送球をしようとすると、悪送球になりやすくなるので注意が必要になる。
★亀井善行
調子は変わらず良くない。
以前指摘した通り、バットのヘッドがなかなか出てこない状態なので、差し込まれてしまうケースが多い。
タイミングが合っていない事が原因だと思うが、下半身主導のスイングが出来ていないので、彼のテクニックだけでボールを捉えに行ってしまっている。
よって打球に力強さを全く感じない。
彼の不調時に見せる典型的なパターンと言える。
★大田泰示
C前田に完璧な投球をされたように見えるが、甘いボールも数球あった。
彼の欠点である左肩が早く開いてしまう癖が、徐々に出てきているので、肩口の甘い変化球を仕留める確率が落ちている。
これまで筆者は彼に対して「追い込まれるまでは左中間からセンター方向へ強い打球を打つ意識」を求めていた。
しかし、現状はこの意識でスイングしたら、ヒットさえも生まれないだろう。
ここは左肩の開きを矯正する為にも「一時的に逆方向を強く意識したバッティング」が初球から必要になる。
その意識が、逆に長打が生まれる結果に繋がるかもしれない。
★井端弘和
ショートとしては衰えを隠せないが、セカンドとしてならまだまだ十分いける守備力だと思う。
バッティングは前田に対してタイミングが合っている。
今後も彼との対戦は期待できるかもしれない。
★堂上剛裕
全3打席素晴らしい内容だった。
高い集中力を醸し出してる構えと、頭の動きが少なく軸がぶれずにスイングする姿は、相手投手からすれば「怖さ」を感じると思う。
「甘いコースにボールが来れば、フルスイングして一発で仕留める」という雰囲気は、今のG各打者に一番足りないモノ。
特に大田・亀井・村田等、現状ポイントゲッターの役割を担っている面々は、彼のこの姿勢を感じ入って欲しい。
もしかすると彼の登場が、G打線に化学反応を起こすキッカケとなるかもしれない。
今日から阿部・坂本が復帰するが、彼の活躍に触発されて打線全体が「活動期」になる事を期待している。
★村田修一
明らかに悪くなっている。
詳細については過去に何度も触れているので、今更記事にするつもりはない。
もっとシンプルにバッティングを考えて欲しい。。
以上 敬称略