前回の試合総評に引き続いて、今回は選手個々に触れていきたい。
ポレダについては、前回の記事で大まかに書いたので今回は割愛する。
★澤村拓一
内容的には最悪だった。
リリースポイントがバラバラで、ボールの軌道も本来のモノではなかった。
恐らく、彼の性格を考えると、苦手意識というよりも、必要以上に気持ちが先行してしまった結果だと思う。
S戦で痛打されるケースが多いので、コースを狙い過ぎてしまった印象がある。
かなり大胆さを欠いてしまっていた。
★大田泰示
状態は最高潮に達している。
打席で「余裕」を感じるし、見送り方も非常に良くなっている。
コンパクト且つ力強いスイングは、相手バッテリーに恐怖感を与えている。
勿論、技術的に気になるポイントは有るが、現状での能力を最大限に発揮出来る状態だと思う。
筆者は彼のバッティングを見るのが楽しみでならない。
★堂上剛裕
大田と共に「ロマン」を感じるスイングは見ていて楽しい。
インパクトの瞬間「しばきあげる」スイングは、他のG打者では見ることが出来ない大きな魅力。
彼を7番に置くことは、相手バッテリーにとっては驚異である。
★坂本勇人
試合前の監督との特訓で、フォームを大幅に変えた。
シーズン中で、しかも試合前の僅かな時間の中で変えた事は、彼にとっては大きな決断だった。
では何処が変わったのか?
一昨日と昨日のバッティングフォームを比較してみる。
下記写真①②は一昨日のフォーム、③④は昨日HRを放った打席でのフォーム
写真①③は「構え」、②④は「トップを作った時」
写真①と③を比べると、①はバットを立てているが、③はやや寝かせている。
一方で、この時点で腰の位置は殆ど変わっていない。
それと、この写真では解りづらいが、タイミングの取り方が微妙に変わっている。
①では左足の踵を僅かにタップさせる事だけで、始動のタイミングを計っているが、②ではバットを動かしてタイミングを計り、尚且つ左足の踵のタップも行いリンクさせている。
始動のタイミングの合わせ方としては長野とやや似ている。
つまり、彼が悩んでいたポイントの一つだった「始動が遅れがちになる事」を、バットを寝かせて軽く動かし「遊び」を持たせる事で始動しやすくしている。
始動がスムースに行けば、トップを作る時間が十分に取れる。
次にトップの写真②と④を比べてみる。
見てお分かりだろうか?
④の方が明らかに重心が下がっている(腰の低い)
この要因を筆者はこう考える。
前述の理由でトップを早めに作る事が出来たので、下半身のリードでバットスイングする形が取れるようになった。
その結果、重心が自然と低くなって、「間」を作る余裕が生まれている。
勿論、昨日の結果だけでは判断できないが、個人的には「理にかなったバッティングフォーム」と考えている。
これからも彼のバッティングを大いに注目したい。
以上 敬称略