昨日は、昼間は教育リーグ・ジャイアンツ対イーグルス戦を現地観戦し、夜はCSでオープン戦・北海道日本ハムファイターズ対読売ジャイアンツをテレビ観戦した。
教育リーグの観戦目的は、やはり岡本和真のプレーを直接見る事。
内容は4打数2安打(二塁打1)
ヒットの内容は綺麗に捉えたレフト前ヒット、右に巧く流したライト線2塁打。
バッティングは非常に柔らかく、自然な形でトップを作れる抜群のセンスを持ってる事を再確認。
守備はDHでの出場だったので、実戦でのプレーは見てないが、練習を見る限り報道で酷評されるレベルではないと、個人的には評価している。
現在、守備で安定感がないのは、下半身がプロ仕様になっていない事が大きな要因。
スローイングは悪くないので、プロの体をしっかり作れば技術もついてくると見ている。
他に注目したポイントは今村・高木京のピッチング。
先発の今村は立ち上がりから制球に苦しみ、四球を連発していたが、相手の拙攻に助けられ何とか0には抑えた。
だが、正直言えば「失望した内容」だった。
1軍相手なら初回でノックアウトも十分あり得たと思う。
逆に最終回に登板した高木京は良かった。
スローカーブで打者のタイミングを外し、140キロ前後の直球で相手を押すピッチングが出来ていた。
インフルエンザで出遅れていたが、ようやくこれで競争のスタートラインについたという事だろう。
試合は1対1で引き分け。
内容は両軍走塁ミス有り、拙守あり、拙攻ありと何とも言えない「しょっぱい内容」だった。
そして、改めて1軍と2軍のレベル差を痛感した。
最後に教育リーグ観戦記として、両軍の育成方針の違いを感じたので、それを記しておきたい。
まずイーグルスの方に感じたのは徹底した「長所を伸ばす」事を主眼に置く育成方針。
兎に角、打席では自分のスイングをする事を意識していたし、走力のある選手には積極的に次の塁を狙わせていた(牽制アウトを怖がらす積極的に盗塁を試みる)
対するジャイアンツは「勝つ為の方策を徹底的に叩き込む」育成方針と感じた。
特にGの場合はチャンスメイクする事を意識したバッティングや、自己犠牲の上で成り立つチームプレーを求めていた。
それをプレーの端々で感じた。
「どちらが正解か?」
これは正直分からないし、正解など無いかもしれない。
「どちらに魅力を感じるか?」
これもファンによって異なると思う。
Gファンの中には「兎に角、勝ってくれ!」と思う人もいれば「もっと魅力的な選手を育てろ!」と思う人もいる。
近年ジャイアンツが上位に君臨しているのは、勿論、他球団より積極的に投資して、選手を獲得してる事が大きいが、決してそれだけではないと思う。
それと同じくらい大きいのが、監督が簡単に変わらないこと。
その結果、球団内で意思統一が徹底されてる。
これらは他球団と大きく異なるポイントだと思う。
だが一方で、「勝利の為なら中軸にもスモールベースボール」という考え方は、選手の個性を消してしまう側面もある。
勝利と育成は両立すべき究極の目標だが、それを達成することは非常に難しい。
この試合を見て、そんな事もつい考えてしまった。
以上で教育リーグ観戦記を終えて、本題に入りたい。
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【ジャイアンツ注目選手雑感】
★大竹寛
・4回5安打3失点4四球3奪三振 披本塁打1
直球系(ツーシーム含む)のスピードは平均で137キロ、最速で141キロ。
変化球はシュート・スライダー・カーブ・チェンジアップ。
前回の反省を踏まえて今回のピッチングという訳だが、残念ながら修正されているとは言えなかった。
四球を多く出したが、制球が悪いというよりも、自分のボールに自信がないから、より厳しいところを突いて、その結果がボール判定されてると感じた。
確かにこの試合の審判は、低めのボールを厳しく判定していたが、大竹のボールがベース上で勢いがなかったのも事実だと思う。
審判はこのようにベース上で勢いを感じない投球は、ボール判定にする事が多い。
それでも何とかシュートで打者を討ち取ってゲームを壊さなかったが、シーズン中で同じ投球なら早いイニングでKOだろう。
試合中、原監督の大竹に対する表情が非常に厳しかった。
これが何を意味するのか?
故障明けからの内容が良くない大竹に対する単なる失望なのか?
それとも良くなるまで腹を括って、他のピッチャーを代役に立てる決断をしたのか?
当初、リリーフで考えていた2番手の高木勇を3イニング投げさせた理由は、大竹の代役を視野に入れての事なのか?
監督の決断が近いうちに判明するかもしれない。
個人的には本人としっかり話し合って、ファームでじっくり調整した方が良いと思う。
周りも本人も納得するボールを投げたら直ぐに上げて先発させれば良い。
ここで焦らせて、彼に致命的な傷を負わすのは得策ではない。
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★高木勇人
・3回1安打 無失点2奪三振
直球のスピードは平均で143キロ、最速で146キロ。
変化球はスライダー・チェンジアップ。
今回も素晴らしかった。
直球・変化球ともにキレと制球が抜群だった。
この試合で一番圧巻だったのは、レアードに対する最後の内角へズバッと決めた直球。
打者の懐にこれだけのボールを投げられれば、外の出し入れも完璧に近いので十分先発でもやっていける。
スライダーの他に、カーブ・チェンジアップ・フォーク・シュートも投げる多彩な投手であることも大きい。
前段で触れたように、監督はこの試合で彼を3イニング投げさせた。
この意味はどういうことなのだろうか・・・。
一方で、先発で使うには不安点が無いわけでもない。
この試合でも3イニング目は若干ボールが高めに浮いていた。
ペース配分、スタミナなど、今後の課題かもしれない。
先発として考えているのなら、早めに決断してあげた方が、彼も調整しやすいだろう。
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★山口鉄也
・1回1安打1失点1奪三振 披本塁打1
直球(ツーシーム含む)のスピードは平均で141キロ、最速で142キロ。
変化球はスライダー・チェンジアップ。
一発を打たれたが、上々の内容だと思う。
当然スピードはまだまだで、変化球の曲がりが早い。
だが、前年の同じ時期よりもボールはキレているような気がする。
特にスライダー回転の懐の直球は、去年あまり感じることが出来なかった球筋だった。
今後は当然無理してほしくないが、これだけ投げてくれれば多くのGファンはホッとしたことだろう。
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★笠原将生
・1回2四球 無失点
直球のスピードは平均で144キロ、最速で148キロ。
変化球はカーブとフォーク2種類
今日の調子は余り良くなかったと思う。
いきなり先頭打者に四球で「去年までの笠原に戻ったか?」と一瞬思わせた。
そして味方エラーと犠打でチャンスを広げられ、次の打者を敬遠気味の満塁策。
これで多くのGファンはサヨナラ負けを覚悟したと思う。
しかし、ここからのピッチングが今年大きく成長した証だった。
何と最後の打者に投げた6球は全て変化球。
フォーク5球・カーブ1球で打者をダブルプレーで仕留めた。
打者は当然直球を待っていたが、最後までフォークを低めに投げきり、バットに当てるだけのスイングをさせた。
こんなピッチングをする彼を初めて見た。
しかも、フォークはストライクゾーンへの落差の小さいフォークと、ベース付近に落とす空振りを狙うフォークを使い分けていた。
彼の成長と高木勇の先発配置構想は無関係ではない。
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★高橋由伸
・2打数2安打2打点 二塁打2
非常にコンパクトなスイングで、大谷の直球を弾き返していた。
力強さというより、技ありの2本だった。
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★松本哲也
・3四球
確かに大谷の自滅による四球といえるが、彼の選球が格段に良くなっているのも事実だろう。
以前は直球に負けまいとボール球に手を出す事が多かったが、今はしっかり選ぶことができている。
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☆ファイターズの新戦力については、今日の試合を見てから纏めて評価する。
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【総評】
G 400 001 000 5
F 100 200 010 4
試合は5対4でジャイアンツが勝利した。
序盤は両チームの先発(大竹・大谷)が制球を乱して締まらない展開だったが、両軍共に2番手以降が中身の濃いピッチングをして試合を作った。
大谷は序盤から指先を気にしていたが、完全な一人相撲でピンチを背負っていた。
ややGの拙攻に助けられた面が強いが、それでも何とか纏めるのは地力がある証拠だろう。
F側でちょっと気になったのが、復帰した田中のプレー。
以前と比べると、守備については足が動いていないので守備範囲が狭く感じた。
それとバッティングでも、振りに鋭さが欠けているで、ボールに押されている打球が目立つ。
これがキャンプの疲れからくるモノなのか?
それとも衰えなのか?
今後の動きをしっかりチェックしていきたい。
Gで気になったのは片岡の守備。
時折、集中力を欠くプレーを見せることがある。
この試合では最終回のエラーも処理できる打球だったが、それ以上に前方へダッシュしながら捕って送球するプレーは、もっと素早く処理して欲しい。
2つあったが、1つを内野安打にしてしまった。
大田や中井は結果が出ていないが、前を向いてプレーすれば必ず結果はついてくる。
気持ちで負けていたら今のチャンスは絶対逃してしまう。
技術的に指摘したい事は、大田は詰まる事を恐れないこと。
今は出来ているのでこのまま続けてほしい。
中井はセンター方向に強い打球を飛ばす意識を強く持つこと。
今の彼はこの意識が無くなりつつある。
そして二人に共通するのは、必ず最後まで振り切るスイングをすること。
「後ろを小さく前を大きく」を忘れないでほしい。
また、コンパクトなスイングを意識しても最後まで振り切る事が大切。
当てに行くようなスイングをするようでは、今後大きく活躍するとは思えない。
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以上 敬称略
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