試合前にジャイアンツのスタメン表を見て1つの事に気がついた。
それは、この試合にスタメンで出場した選手は全てWBCに出場していること。
1番 坂本 2013年日本代表
2番 片岡 2009年日本代表
3番 亀井 2009年日本代表
4番 村田 2009年日本代表
5番 阿部 2009、13年日本代表
6番 アンダーソン 2006、09年キューバ代表
7番 セペダ 2006、09、13年キューバ代表
8番 長野 2013年日本代表
9番 ロペス 2009年ベネズエラ代表
先発 杉内 2006,09,13年日本代表
そして監督は2009年のWBC優勝監督である原辰徳。
彼が指揮するジャイアンツで実現した多国籍WBC打線が「次代の日本代表・オリックス西をどう攻略するか?」非常に興味があった。
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【勝敗を分けたポイント】
①「3回表チャンスの場面でヘルマンがダブルプレー」
杉内が危険球退場で笠原がマウンドに上がったが、急遽という事もあり、「腕が振れてる」状態ではなかった。
そして安達にスライダーをセンター前に運ばれ1〜2塁のピンチを作ってしまった。
続くヘルマンにも変化球でカウントを稼げず「見え見えの直球」で勝負するしかなかったが、その甘い直球を打ち損じてダブルプレーで凌いだ。
この後、笠原は別人になって素晴らしい投球を披露しただけに痛かった。
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②「4回裏2点先制した後、ツーアウト3塁でロペスがタイムリー」
ツーアウトから長野のタイムリースリーベースで2点奪った後、西は後続のロペスに対して、何とか踏ん張りを見せて討ち取ろうとしたが、追い込んでから外寄り高めの直球をセンター返しされた。
オリックスにとっては「西の心が折れる」厳しい失点だった。
その後、若干コントロールが甘くなり5回の阿部の一発に繋がった。
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【個別選手雑感】
★杉内
調子はまずまずだったが、平野への危険球で退場となってしまった。
最近のピッチング内容で気になる点が1つある。
チェンジアップが高めに浮いて打者に拾われるケースが目立つ。
ここは修正して欲しい。
★笠原
素晴らしいピッチングで流れをGに引き寄せた。
直球は球持ちが良く、投げ急いで左肩の開きが早くなる癖も問題なかった。
スピードも147キロ前後記録していたので、殆どの打者が差し込まれていた。
相変わらず変化球は決まらないが、腕は振れていたので見せ球としては有効に機能していた。
また、左右問わず、打者の懐に思い切って直球を投げ込める制球力と強いハートはG屈指の存在といえる。
これにフォークの精度とカウント球で使える変化球をマスターすれば、西村以上のリリーフに化けるかもしれない。
この大事な試合での好投は、彼にとって大きな自信になったはずだ。
重ねて言うが、直球は質、コントロールともにレベル高い。
そして昨シーズンから色々なケースでマウンドを経験し、かなり自分の能力を出し切れるようになった。
ハートも強いし、クイックも悪くない。
先輩西村がそうだったように、新守護神への最後の関門は変化球の精度のみである(決して簡単ではないが・・)
★土田
こちらも笠原に負けず劣らず素晴らしい内容だった。
直球のキレは笠原に若干劣るが、変化球はこちらの方がレベルは上である。
そして彼のほうが笠原以上に実戦向きな投手といえる。
それはフォームの特徴で、右腕がリリース前に少し体に隠れて、そこから一気に振り下ろすので、打者はタイミングが合わせづらい。
コントロールも良いので、少しづつ実績を積んで一軍での場数を踏めば、間違いなく「勝ちゲームの方程式の一角」になる。
Gの秘密兵器が、いよいよ頭角を現してきた。
★坂本
彼が出塁することでチームに勢いが出ている。
好守に渡ってチームを引っ張る姿はGファンとして非常に嬉しい。
★亀井
更に自分のプレーに自信を深めてる様子が伺われた。
3番打者としても全く違和感を感じないし、むしろ足が有る彼が3番に入ると打線は機能する。
★村田
ヒットは出てるが、個人的にはバッティングの内容はあまり評価できない。
長打が余り期待できない今のスイングでは、4番としては物足りなさが残る。
★阿部
久しぶりに彼らしい一発が出た。
まだ本調子とは言えないが、これをキッカケにしてもらいたい。
★アンダーソン
第一打席で西のカーブを捉えてヒットを放ち、「カーブの呪縛」から解き放たれたか?
まだ強引なスイングが目立つが、力みは少し減っていた。
★長野
コントロールが良い西が相手ということで、決め打ちするタイプの彼にとっては合うピッチャーだったのかもしれない。
2本の長短打は素晴らしいバッティングだった。
彼が本調子に近づいたかどうかは、今日の金子を相手にヒットは出なくても「自分のスイングを見せることが出来るか?」
ここを見たいと思う。
★ロペス
状態は確実に上がっている。
個人的には9番という打順は非常にもったいない。
6番に「ある程度走力のある打者」を置いて、7番を彼に任せれば良い仕事をすると思う。
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【総評】
投打に渡ってジャイアンツが完璧な試合運びだった。
ジャイアンツはチーム一丸で西を攻略する姿勢を初回から見せていた。
坂本、片岡がセーフティーバントを試みたり、3点リードで4番村田に送りバントを命じたりと「絶対勝つという執念」を感じた。
そして、結果的にオリックス守備陣のミスをキッカケに西を攻略した。
次は前回無安打に終わった金子が相手だが「調子が上がってきたWBC打線がどう対峙していくか?」非常に楽しみである。
オリックスは致命的なミスを幾つか犯してしまった。
ノーアウト2塁で送れなかったり、センターとショートがお見合いし先制点のキッカケを作ってしまったし、村田の送りバントでも中途半端な守備体形でバントヒットにしてしまった。
攻撃陣では糸井がGバッテリーの内角攻めで封じられ、打線全体の勢いが無くなってしまった。
しかし、その糸井も守備ではレーザービームで村田を刺すビッグプレーで観衆を魅了した。
西については則本、金子と比べると「緩急」が少ないので、そんなにGは苦手とするタイプではないと感じた。
この試合のデキが本調子からどの程度か解らないが、外を狙った直球が若干シュート回転して中に入るのも気になる。
個人的にはチェンジアップ、フォークを多めに使われ、更に低めに制球されたら厳しかったと思うが、この試合では精度が低かった。
この試合のG右打者は、内のボールを捨てて外角に絞っていたように感じた。
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最後に頭部死球で退いたオリックス平野選手の早期復帰を心から願います。
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敬称略
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皆様からの御意見、御感想を心からお待ちしております。
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