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坂本勇人 プロ入り最大の壁を乗り越えられるのか?

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坂本勇人 ドラフト1位(高卒)でジャイアンツに入団
1年目のキャンプからその才能が認められ2軍の実戦で英才教育を受け
2年目は怪我の二岡に変わり不動のレギュラーとして1軍ショートを守る
そして3年目以降は主に1番、3番を任せられG打線の枢軸となり
途中スランプや小さな怪我はあったが持ち前の野球センスでカバーし
一昨年は念願の初タイトル(最多安打)を獲得、WBCメンバーにも選出
誰もが認めるG生え抜きのスターとなった。。かに思われた。。だが。。
去年は打率265 HR12 打点54 得点圏打率237
プロ入り最低のシーズンとなった
特にシーズン後半は酷く、見た目でもわかる程バッティングを崩していた
ここからはあくまで私の仮説なのでそこは是非御理解頂きたい
私は彼がバッティングの不振から脱出できなかった理由として2つ考えた
A 一昨年の自主トレから
  日本シリーズ、アジアシリーズ、WBC、去年のシーズンと
  全く心身休める事無く体を酷使していた事による疲労から
  フォームを崩した
B 他球団の坂本に対する攻め方の工夫と徹底
ーーAについてーー
特にシーズン後半でガス欠となり
腰から下半身にかけての疲労がピーク(又は故障)になり
崩れたバッティングフォームを修正出来なかった
彼のバッティングの特徴は主に4つある
①グリップを高い位置(ヘルメット付近)に置き
 そこから最短距離でミートポイントへ振り下ろす
②右足に重心を置いて溜めを作り左足を高く上げて膝を曲げる事で
 タイミングの微調整をしている
③リードする左肘の使い方が柔らかく非常に器用なので
 内角球への対応が抜群に上手く
 外の変化球をバットに乗せてヒットゾーンに運ぶのが上手い
 (元々左利きで今でも細かい作業は左手を使うらしい)
④逆に右腕の押し込みが弱いので
 右方向に強く角度のある打球を放つ事が難しい
タイミングを合わせる作業はバッティングの根幹であって
バッターは体の何処かを必ず動かしてタイミングを計る
又、タイミングが合わなければ体重移動がスムースにならないので
バットに力が乗り移らなくなる
坂本の場合は②のタイプでタイミングを計っており
このタイプは特に下半身の疲れや怪我は一気にバッティングを崩してしまう
坂本が調子悪くなると右方向にポップフライを打ち上げてしまうが
それもこれが原因の一つとして考えられる
又、普通の右打者ならタイミングを崩すと泳いで
右手を被せてしまうケースでの凡打が多くなるが
しかし以前の坂本には③という特色を意識的に使っていたので
泳いでも左手(リードする手)だけで
バット操作をし上手く拾ってヒットを稼いでいたので
少々のズレには対応していた
しかし近年更なるレベルアップを目指し右手の押し込みを意識していた事が
彼の長所を失わせる事になったのかもしれない
右打者の右手の押し込みは強い打球を打つには必須だが
反面タイミングがズレると引っ掻けやすくなる
つまり右手を意識するあまり左手の良さが減るという
バットスイングの微妙なバランスが崩れていたと思う
原因Aについて結論を言えば
A(下半身の疲労)が原因で②の根幹である右足の軸の粘りが無くなり
それを辛うじてカバーしていたリードの左手の作業③が
欠点④の克服を目的として強化した右手の押し込みによって
皮肉にもその長所を失われた事で不振脱出に至らなかった
つまりリードも押し込みも中途半端になってしまった
ーーBについてーー
足を高く上げるバッティングフォームは
当然相手投手が高速クイックで投げてきたり
同じピッチャーが
投球毎にモーションの始まりからリリースポイントまでの間に
微妙な時間差をつけてくると脆い
今までも有ったのだろうが今年の坂本の状態ではこの変化に対応できなかった
本人が良くなったと思っても直ぐに他球団は坂本のタイミングを外しにかかり
又おかしくなってしまう。。そんな事を繰り返している一年だった
以上2つの要因を上げてみた
以前のエントリーでも触れたが個人的には同じWBC組の阿部、長野は
坂本とは違いバッティングフォームを崩していないので
今年の浮上は期待できると思う
だが坂本の場合明らかにフォームを崩してしまったので
彼らより厳しい状況である
だが優れたモチベーターである原監督は
井端、片岡を獲得し危機感をより持たせた
去年までは坂本の替えなど存在しなかったので
本人にはそんな意識がなくても
無意識にプレーが雑になっていたのかもしれない
今年は序盤から勝負をかけないと寺内も良くなっているので
外される可能性は十分ある
坂本にとっては野球人生の分岐点となる一年であろう
敬称略
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