先日放送の『徳光和夫の週刊ジャイアンツ』で
川相、村田、斎藤コーチに話を聞くコーナーがあり色々興味深い話があった
私が特に印象的だったのが
『今年期待する選手』を各コーチが挙げていく会話の中で
川相がイチ押し選手として寺内を挙げていた事だった
川相曰く『去年の後半戦に関しては寺内は自分のプレーに自信をもっていた』
『私は攻守にわたって寺内はワンランクレベルアップしたと思う』
という主旨の内容を語り
彼の寺内に対する評価の高さを窺わせていた
~川相の寺内に対する話はここまで~
以下については私の妄想も含まれている
今シーズン新たに井端と片岡が加わり
役割がもろに被る寺内には気の毒な状況だ
だが今のGには絶対に寺内は必要な戦力でありレギュラーを取って欲しい
私には寺内へのメッセージにも思えた川相の発言だった
『我々首脳陣はお前の事を高く評価している』と。。。
さて川相の言う通り去年の後半戦は印象的な活躍が多かった
特にポストシーズンは球界のエース前田、田中からHRを放つなど
ド派手な活躍が目立った
入団当初の寺内から考えたら想像しにくい出来事である
派手な活躍を好むマスコミからすれば注目はそこかもしれないが
川相が言いたかったのは派手な活躍の事ではなくチームプレー、守備、走塁等
新聞の見出しにならないような地味な仕事をキッチリこなしてきた事だと思う
特に淡々と何事もなくゴロを捌き、送りバントを確実に決め
難しい打球判断を瞬時に行いホームに生還し
ホーム上のクロスプレーもブロックを避けてサラっとベースにタッチする
その姿はまさに川相が言うように自信満々に見えた
初年度の2008年から2011年までの寺内は守備、走塁は光るモノあるが
打撃は非力さが目立ち伸び悩んでいた印象があった
又、セールスポイントである守備で時折痛いミスをしたり
送りバントの成功率も決して誉められたモノではなかった
分岐点となる出来事といえば
2011年のクライマックスシリーズのヤクルト戦で
全く自分の仕事が出来なかった事の悔しさだと思う
その年のオフから2年続けて宮本慎也の自主トレに同行し
ノートにビッシリ学んだことを書き込んだらしい
そして注目した2012年シーズンだったが明らかに変わった部分があった
特にバッティングのタイミングの取り方と
送りバントに対するアプローチが変わっていた
まずバッティングでは
それまでオーソドックスに左足を少し上げて下ろしていた形を
現役時代の宮本慎也のタイミングの取り方を参考にし
左足を上げて曲げた膝を一塁側に伸ばしてタイミングをとる形に変えていた
その姿は宮本のフォームを真似ているように見えた
効果は確かに数字として現れ打率が前年.178から.241にアップした
だが私が評価したいのは数字だけではなく打球の質の部分
それまでの寺内は殆どの打席で右方向に打とうと意識していたので
バッティングが明らかに小さくなっていた(力を溜めて爆発させる動作がない)
相手バッテリーから見れば攻め方が楽になる
少々甘いコースに行ってもほぼ短打で済むからだ
そこで寺内は同じようなスタイルの宮本のタイミングの取り方や
バッティングに対するアプローチを真似たと思う
宮本はケース別にバッティングを変えてくる
粘ってセンター前やライト前へヒットを打つことを狙っている打席もあれば
相手の配球が読みやすい状況では思いっきり引っ張って
ホームランを打つ事もしばしば見られる
その兆候が一昨年の寺内に見えたのが私には嬉しかった
それが今年エース二人からポストシーズンでHRを放った事に
繋がっていると思う
又、宮本からは送りバントの考え方も教わったと思う
以前の寺内は送りバントのケースでは
バントの打球方向と打球の勢いを殺す事の両方を意識していたように思えたが
まず打球の勢いを殺す事を考えるべきだとの教えがあったのではなかろうか?
寺内本人も一塁走者が特別足が遅くなければ打球の勢いさえ殺せば
高い確率で成功すると実戦を重ねる事で気がついたのだと思う
今まで考えていた事が必要なくなったのであれば心理的な負担が減る
これも今年彼の送りバントが殆どノーミスだった事に繋がったと思う
宮本慎也は坂本の守備についても多大な影響を与えた事は周知の事実
これから彼がどのような指導者となって
ジャイアンツに立ちはだかるのだろうか。。
恐ろしさを感じるが。。。。
しかし、またそれも面白い
最後に寺内の守備について称賛しておきたい
彼のプレーは決して派手さはないが
確実性と難しい打球を簡単に処理するグラブ捌き
そして何より肩が強いので彼がセカンドを守ると坂本とのコンビで
ダブルプレーの完成率が格段に上がる
これは投手にとって心理的にかなり助かっている事を付け加えておく
敬称略
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『G攻守のツギハギに欠かせない大切な接着剤 』寺内崇幸と彼に多大な影響を与えた宮本慎也
