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杉内俊哉の巻き返しはあるのか?

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昨シーズンを振り返り杉内は、「1試合も納得できるピッチングが出来なかった」と語っていた。
特に日本シリーズでは2敗という屈辱的な結果で終わり、日本一を信じていたGファンの失望もピークに達した。
私はソフトバンク時代の全盛期の杉内(以降SB)、一昨年のノーヒットノーランの杉内(以降NN)、去年の日本シリーズの杉内(以降NS)の映像を確認し、この3つのピッチングフォームを見比べて違いを私なりに分析してみた。
①まず投球時の重心が一番低いのはSBで
 明らかに他と違っていた
 NNとNSの差は感じなかった
②腕の振りの速さはSB>NN>NS
 去年は特にフォームに無駄な「力み」を感じた
③投げ終えた後のフィニッシュの体勢が
 SB、NNはホーム方向へ向いていたが
 NSはサード方向へ流れる場面が
 多く見られた
以上3つのポイントが見た目で解った
ではポイント別に考えてみる
①について
私はソフトバンク時代の杉内を熟知している訳では無いが、①についての変化はある意味当然だとは思う。
その理由は加齢と共に特に股関節、膝、足首等の可動域が狭くなって来るのは当然であり、科学的なトレーニングを行ってその変化を多少抑える事は出来ても、若い時のままではいられないからだ。
その中でも特に股関節が重要で、中日の山本昌があの年齢で現役を続けていられるのは、股関節の柔らかさが大きな要因という話を本人が語っていたのを聞いたことがある。
多くの投手が加齢と共に重心が高くなり、「立ち投げ」のように見えてくるのはそこが大きな要因。
当然、下半身の関節の可動域が狭まればバネが縮まってる状態と同じなので、そこからの反発力が小さくなる。
よって直球のスピードや手元での伸びが悪くなり、変化球も打者の手元で曲がらず前で曲がってしまうので見極めが易しくなる。
②について
やはり去年の杉内は左肩の状態が良くなかったと個人的には思っている。
それと①も影響しているので、SBのようなキャッチボールと見間違えるリラックスしたフォームから、リリースポイントだけ「パチッ」と切る感じでは投げていなかった。
つまり去年の杉内は打者の立場から言えば、以前と比べてタイミングを合わせやすかったと言える。
③について
杉内のようなスリークウォーターで投げるフォームの投手は、右打者の内角により速い球や曲がりの大きいスライダーを投げたくなるとこうなりやすい。
つまり以前のようなボールが行かなくなったので、苦肉の策としてこれをカバーしようとしている訳だ。
このフォームは確かに右打者の懐には投げやすくなるが、腕の力がホーム方向ではなく三塁方向へも分散しているので、ボールが抜けやすくなるし引っ掛けてしまうこともある。
つまり指にかかったボールはビシッと決まるかもしれないが、抜けて真ん中付近に集まったり逆に引っ掛けてワンバンドになりやすくなる。
杉内が昨シーズン突然コントロールを乱してファーボールを連発するケースがあったがこれも一つの要因になる。
結果的に①、②によって差が生じた投球を③で修正しようとしたが裏目に出てしまったと私は推理する。
では今シーズンの杉内は巻き返すことができるだろうか?
私は①、②が主要因で③に繋がってると思うので、左肩や肘の状態が良ければG移籍初年度程度の活躍はまだまだ可能だと思う。
だが現実的に劇的に良くなるとは考えづらいのが私の本音
騙し騙し故障箇所と向き合いながら今シーズンも登板すると思う。
なので私が彼に期待するのは、シーズン前半は無理せずに「勝負処ろの後半戦にピークを持ってきてほしい」と考えている。
最後に。。
今朝の新聞で杉内が状態の良さをアピールしていたようで、まずは安心といえそうだ。
私の懸念が杞憂で終わる事を切に願っているし大活躍を期待したい。
敬称略
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