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読売ジャイアンツvs横浜DeNAベイスターズ(2020.6.30) 巨人ゲームレポート詳細版

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【先行:横浜DeNAベイスターズスタメン】
1(中)梶谷、2(一)ソト、3(右)オースティン、4(左)佐野、5(三)宮崎、6(捕)戸柱、7(二)柴田、8(投)濱口、9(遊)大和
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【後攻:読売ジャイアンツスタメン】
1(二)増田大、2(中)丸、3(遊)坂本、4(三)岡本、5(一)中島、6(右)パーラ、7(左)ウィーラー、8(捕)炭谷、9(投)戸郷
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【ゲームスコア】
DeNA 200 000 000 2
巨  人 010 002 02X 5
濱口➀~➅、国吉➅、三嶋➆、エスコバー➇
戸郷➀~➆、高木➆、中川➇、デラロサ➈
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勝利投手
巨人 戸郷 (2勝0敗0S)
敗戦投手
DeNA 国吉 (0勝1敗0S)
セーブ
巨人 デラロサ (0勝0敗4S)
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本塁打
巨人
中島 1号(2回裏ソロ) 、 丸 1号(8回裏ソロ) 、 岡本 5号(8回裏ソロ)
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【試合経過/ポイント】
☆1回表/先発:戸郷、梶谷中安、ソト左二、オースティン空三振、佐野中犠飛➀、宮崎中安➀、戸柱三邪飛
★1回裏/先発:濱口、増田大二ゴロ、丸一ゴロ、坂本中飛
※戸郷の立ち上がりは直球はまずまず走ってはいたが、勝負球のフォークの制球が悪くボールカウントが増え、やや置きに行ってところを痛打されていた。
※濱口は立ち上がりから安定感抜群の投球内容だった。
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☆2回表/柴田二ゴロ、濱口二ゴロ、大和空三振
★2回裏/岡本遊飛、中島左本➀、パーラ左飛、ウィーラー中飛
※戸郷は先頭の柴田にフルカウントまで粘られ苦しんだが、バッテリーが冷静に対応して最後は真ん中のフォークを打たせて出塁を許さず、ここからリズムに乗ってきたように感じた。
※濱口は先頭の岡本に粘られた後、中島に対して甘くなったチェンジアップを一発で捉えられてしまった。
ただ、この回も濱口の投球内容は悪くなかったものの、岡本以下4人の打者は濱口に対して崩されるスイングはしていなかったので、この時点でもしかしたらラミレスは嫌な印象を持ってしまったのかもしれない。
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☆3回表/梶谷四球、梶谷二盗失敗、ソト二飛、オースティン空三振
★3回裏/炭谷投ゴロ、戸郷一ゴロ、増田大左二、丸四球、坂本左飛
※戸郷は先頭の梶谷に対して追い込んでから粘られ、最後は根負けして四球で出塁を許し、拙い展開になりかけたが、梶谷の二盗を炭谷が完璧な送球で防ぎ、助けられた戸郷は後続をキッチリ抑えて上位から始まった相手攻撃を無失点で切り抜ける。
※2アウトから増田大が2塁打、丸が四球でチャンスを広げるが、坂本は粘りを見せるが、濱口に対してどうしてもタイミングが合わずに凡打で終わる。
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☆4回表/佐野二ゴロ、宮崎四球、戸柱空三振、柴田三ゴロ、
★4回裏/岡本遊ゴロ、中島右飛、パーラ二ゴロ
※1アウト後、宮崎には制球を乱して四球を許し、再び嫌な予感がしたが、この辺りからDeNA打線の淡白なバッティングが目立ち始めて救われていた。
※2回裏と同様に凡打の内容がいずれも紙一重で、岡本以下の3人の打者はいずれも中身のあるバッティングをしており、ラミレス監督は濱口vs岡本・中島・パーラに関しては、更に強く危険な印象を持ったと思われる(これが6回途中で濱口を交代させた最大の理由かもしれない)
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☆5回表/濱口四球、大和中飛、梶谷遊飛、ソト三飛
★5回裏/ウィーラー左安、炭谷二併打、戸郷二ゴロ
※先頭打者への四球、しかも相手投手への四球なので、戸郷にとってはかなりメンタル的なバランスが崩れやすい状況になったが、続く大和は2球目、梶谷とソトはいずれも初球を簡単に打ち上げてくれて、ここでもDeNA打線の淡白(に見えてしまう)な攻撃に助けられた。
※巨人も先頭のウィーラーが出塁するが、炭谷が初球を叩き、センターへ抜けそうな打球をセカンド柴田の好守に阻まれて最悪のゲッツー、チャンスの芽をつぶす結果となった。
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☆6回表/オースティン中飛、佐野二ゴロ、宮崎三ゴロ
★6回裏/増田大四球、丸二ゴロ、丸二盗成功、濱口⇒国吉、坂本四球、岡本右安➀、中島二飛、パーラ左安➀、ウィーラー見三振
※この回もオースティンと佐野、いずれも初球に手を出して2球で2アウトになり、淡白な攻撃で戸郷を助ける形となっていた。
※それとは対照的にこの回の巨人は、先頭の増田大がフルカウントから四球で出塁し、丸のセカンドゴロでランナーが入れ替わったが、ここでラミレス監督はピッチャーを国吉に替える。
これについては両チームのファンも驚いたが、テレビ画面を通してだが濱口自身も想定していなかった様子で、まあ、ラミレス監督の判断としては前段で書いたように、岡本以下の各打者が濱口に対してタイミングが合っていた事が交代の理由だと筆者は推察する。
但し、筆者の個人的な意見としては、坂本までは濱口で良かったと思っている。
その理由としては、ここまで坂本は濱口の直球に差し込まれていたし、チェンジアップにも対応できていなかったからである。
つまり、坂本自身の調子がまだまだであることは濱口も肌で感じていたはずで、何とかする自信もあっただろうし、あわよくばゲッツーも狙えると思っていたと思う。
逆に交代でマウンドに上がった国吉の方は微妙な判定にも泣かされ、結局、丸に二盗を決められた後に坂本を歩かせてピンチを拡げてしまい、1アウト1.2塁という厳しい状況で、最も怖い岡本と勝負せざるをえなくなってしまった。
そして岡本の同点タイムリー後、中島を討ち取って2アウトでパーラを迎えた場面では、左投手をパーラに当てる継投を一瞬ラミレス監督は考えたかもしれないが、ベンチに石川慎吾という左殺しの存在がそうさせなかったのかもしれない。
結局、ここまで右投手には結果を残しているパーラの好打で逆転を許してしまった。
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☆7回表/楠本左飛、柴田右二、戸郷⇒高木、代打乙坂空三振、大和三ゴロ
★7日裏/国吉⇒三嶋、代打亀井二飛、代打吉川尚左飛、代打大城見三振
※1アウト2塁、原監督は戸郷の将来を考え、なるべくイニング途中で変えたくなかったとは思うが、ここは勝負に徹して高木にスイッチした。
その高木は危なげなくこのピンチを切り抜けた。
※原監督は全力で追加点を奪う姿勢を見せ、三連続で代打を送って攻勢をかけたが、結果は無得点で終わった。
しかし、この姿勢は確実に巨人ナイン全体に伝わり、9回の貴重な追加点に繋がった。
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☆8回表/高木⇒中川、梶谷中飛、ソト空三振、オースティン四球、佐野空三振
★8回裏/三嶋⇒エスコバー、丸右本➀、坂本見三振、岡本中本➀、中島見三振、代打石川空三振
※速報版でも触れたように、トップの梶谷から始まる8回表の攻防がこのゲームの最大の山場と思っていたが、その梶谷を丸のファインプレーで事なきをえて、2アウトからオースティンを一発警戒で歩かせたものの、後続をキッチリ抑えて流れを相手に渡さなかった。
※そして裏の巨人の攻撃で、丸と岡本に一発が生まれて試合を決めた。
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☆9回表/中川⇒デラロサ、宮崎遊飛、代打桑原一邪飛、柴田死球、嶺井中安、大和三ゴロ、試合終了。
※デラロサは2アウトからランナーを二人出すが、最後の打者をキッチリ抑えてゲームを締める。
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【巨人選手評価/短評】◎最高評価選手 〇高評価選手 ✕低評価選手
◎岡本和真
今の岡本を抑えられる投手は、NPBには居ないかもしれない。。。
流石にそれは言い過ぎかもしれないが、そういう表現を使いたくなるくらい凄まじいバッティングを見せている。
去年まではホームランを放った一見完璧に見えるバットスイングでも、まだまだ煽り気味になっているケースが少なくなかったが今は全くない。
技術的には解説の中畑氏が指摘しているように、早めに始動してトップの形がバチっと決まり、そこからの振り出しがコンパクトで鋭く、無駄な動作が一切ないので失投を捉える確率が高くなっている。
上体のブレも殆どないし、ボールを捉える瞬間からフォロースルーまで殆ど頭が動いていない。
一般的に、打者は「動から動」の形(構えから振り出すまでの形)を好むが、これは打者として最も大事である「タイミングを取りやすくする」ためで、逆に「静から動」の形は、そのタイミングを合わせるのが非常に難しく、打者としては最も難易度の高い技術だが、モノにすればこれ以上はない究極の形とも言える。
何故究極の形なのか?その理由を説明すると、打席の中で動けば動くほど、体の軸がぶれやすくなるし、視線も微妙に動いてしまうので、ミスショットがどうしても多くなってしまう。。
一方で、逆に打席の中で無駄な動きが無くなれば、体の軸が動かず目線もズレないので、ボールを芯で捉える確率がグーンと上がる。
しかしながら、前段で書いたように、「静から動」ではタイミングを合わせる事が非常に難しく、打者としてはハイレベルな技術なので、若い選手はなかなか会得する事は難しい。
あの松井秀喜でさえ、会得したのは2000年に入ってからである(26歳、プロ入り8年目)
それを昨日誕生日を迎えて24歳になったばかりの彼が会得した事に驚きを禁じ得ない。
しかも技術論で語るなら、あの打撃の達人・落合博満の領域も視界に入ってきたと言っても過言ではない。
タイプ的には松井秀喜や王貞治が「剛」なら、落合博満は「柔」、しかし岡本和真はそのどちらとも言えないし、その中間に位置しているかもしれない。
いよいよ今年は打撃三部門全てで鈴木誠也とガチンコで争う事になるだろう。。。
しかしながら、そんな頼もしい若大将の守備に関しては苦言を呈したい。
それは弱い三塁ゴロへの対応についてで「待って捕る癖」は無くした方が良い。
一歩でも前に出ながら下半身を使って送球する癖をつけないと、プレッシャーがかかった大事な守備機会では送球ミスが生じやすいので改善した方が良い。
この試合でも足が揃ってしまった形での捕球が二度あり、うち1回は中途半端なワンバウンド送球だった、
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〇丸佳浩
まだまだ本調子とは思えないが、前試合の弊ブログでも語ったように調子は確実に上向いている。
技術的にはもう少し体の開きを我慢して、壁を作る時間がもう少し長くなって欲しい。
そうすれば逆方向へもっと強い打球が打てると思う。
一方で、センターの守備では流石の安定感だった。
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〇増田大輝
先日のヤクルト戦と同様に、彼の粘りから攻撃のリズムが生まれている。
又、バッティングは粘りだけで終わらずヒットも生まれていて。。レベルがかなり上がっている。
技術的には直球に振り負けなくなった事が大きい。
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〇パーラ
苦手な左投手からはヒットこそ生まれなかったが、バッティングの内容は悪くはなかった。
そして勝ち越しタイムリーとなったヒットは、完全に打球方向を決めていたように感じた。
ぶっちゃけ現状のバッティング内容ではクリーンアップでは物足りなさを否めないが、6番7番なら相手チームは脅威だと思う。
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〇中島宏之
今の彼にとって高めに浮いた半速球は絶好の獲物だった。
このHRでDeNAに向かいつつあった流れを五分近くまで戻した。
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〇戸郷翔征
彼の投球の中で非凡さを感じるのは、ボール先行のケースでも簡単に変化球でカウントを稼ぐことができること。
若くて経験が浅い投手は、安易に直球に頼るか、又は変化球を投げてもボールになってしまうかのどちらかだが、彼は平然と真ん中に変化球を投げてくる。
勿論、彼の剛速球は大変魅力的だが、この太々しいメンタルと器用さが彼の最大の魅力かもしれない。
その一方で、まだまだ安定感が乏しいので、先取点を簡単に許すケースが少なくない。
だが、それでもこの試合のように悪いなりの投球が出来ればローテから外す理由はなくなると思う。
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〇高木京介
やや変化球が抜けて高めに浮いてしまうケースがあったが、戸郷が作ったピンチをしっかり凌ぎ切った。
今年は直球が走っているので、少々変化球が甘くなっても相手がミスショットしてくれるケースが多い。
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〇中川皓太
こちらも絶好調だとは思わなかったが、安定感抜群の投球内容で最も大事な8回をしっかり無失点で終えた。
前段でも触れたが、去年から相手の4番佐野は明らかに彼の投球に合っていないので、オースティンと無理に必要性を感じなかったと思う。
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〇デラロサ
3点差あったのでマックスの投球はしていなかった。
特に力を入れていたのは先頭の宮崎に対してだけで、1アウト以降の打者に対しては力をセーブして投げていたように私には見えた。
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【総評】
結果的に勝敗の分岐点となった6回裏の攻防については、巨人側の立場で考えれば濱口を替えてくれて助かったと見ていたと思う。
国吉は決して組みやすい投手とまでは言わないが、右打者に対してベース盤を広く使う投球が出来る濱口に対して、彼の場合は基本的にアウトコース一辺倒の制球力しか持ち合わせていないので、打者はそこの出し入れ(直球とスライダー系)に気を使っていれば良い。
坂本との対戦では判定に泣いた部分も確かにあるが、岡本にはそこを強く意識されてしまっていたからこそ、ギリギリのコースでも上手く対応されてしまった。
まあ、彼に内角を突く制球力があれば、それを見せ球として使えるので最終的には同じように外角の出し入れで勝負するにしても全く結果は違っていたと思うが。。。。
一方で、この試合は両軍の1番打者が素晴らしかったので触れておきたい。
増田大も前段で触れたように良い仕事をしていたが、個人的には梶谷が本当に素晴らしかった。
去年までは調子の波が激しく、しかも調子が良い時でも淡白なバッティングを見せるケースも少なくなかったが、今はそれを微塵も感じさせないで、ボールの見極めが良く、投手が最後は根負けするケースが多くなっている。
去年と今年のDeNA戦力分析で、筆者はここ数年のDeNA打線の問題点をいくつか指摘していたが、その一つに出塁率の低さを挙げていた(去年はリーグ最下位)
確かにDeNA上位打線の破壊力は脅威だが、いくらクリーンアップにHRが生まれても、その多くはソロHRでなかなか得点力アップに繋がっていなかった(去年はリーグ3位)
それが今年、覚醒しつつある梶谷の出塁率がグーンとアップすれば、間違いなく得点力は上がると思う。
但し、今日のように初球からポンポンと打ち上げてしまうと、その梶谷効果は半減してしまう事も指摘しておかねばならない。
果たして今年のDeNA打線は変わるのか?それとも去年までと同じなのか?
前者だったら間違いなく優勝争いの最大のライバルとなるが。。。。

以上 敬称略
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