広島 000 011 000 2
巨人 001 101 01✘ 4
【試合のポイント】
*8回表・ツーアウト・ランナー1塁・バッター丸
ここで原監督はバッテリーごと変えて、山口ー阿部のバッテリーに入れ替えた。
両者共に久しぶりの出場となった事もあり、球場のムードは一変した。
バッターの丸は、この日のバッティングは素晴らしかったが、前日のセドンに対して全くタイミングが合っていなかった。
恐らく頭部へのデッドボールが影響していると思う。
左投手の外のスライダーに対して踏み込めていない。
監督はそれを考慮しての山口起用で、更に最大の理解者である阿部を起用し、両者に最高の復帰舞台を用意した。
結果、丸は山口のスライダーに全く合わずに三振。
山口は次から平常心で試合に臨めるだろうし、阿部は守備についた事により、ゲームの雰囲気に慣れた状態で打席に入ることが出来た。
そして直後の攻撃で、貴重な犠牲フライが彼のバットから生まれた。
こういう勝負勘を原監督は持っている。
【ジャイアンツ注目投手レポート】
*菅野
ボールの質を比べてみると、今シーズンでは一番デキが良かった。
直球については殆ど抜けるボールが無かったし、スピード、威力ともに抜群。
スライダーは普段と変わらないデキだったが、フォークの落ち方は今シーズンでは一番。
カーブについては割合が少なかったと思う。
但し、細かいコントロールは無かった・・というより必要無かったのかもしれない。
この日のピッチングは、力攻め可能な相手には直球で押していた。
それが出来るほど、この日の直球は素晴らしく、彼の凄みを感じたピッチングだった。
ソロホームラン2本は、いずれもカウント球の変化球を捉えられたモノだった。
ここは今後注意していきたい。
*山口
直球、シュート、スライダーを投げていたが、筆者の目には非常に良い印象を持った。
角度とキレは勿論だが、ゆったりしたフォームから、リリースポイントの瞬間で、バチッと切るような腕の振りが戻っていた。
直球、シュートのスピードは不明だが、丸の見逃し方をみると、そこそこスピードも有ったと思う。
筆者の意見としては、このピッチングで山口の不安が払拭されたと考える。
【ジャイアンツ注目野手レポート】
*小林
配球について筆者が論評できるようなポイントは無かったが、キャッチャーとして、菅野をしっかりサポートしている姿は印象的だった。
そして、盗塁機会を2度刺した圧巻のスローイングは、見事としか言いようがない。
打っても3安打を放ち、初の猛打賞を記録した。
バッティングについては、オープン戦からの内容を見ると、特に左投手の内角のボールを捌くのが上手い。
*坂本
決勝ホームランを放つ。
篠田に対しては、最初の打席からタイミングが合っていた。
だが、それを差し引いても、状態は確実に上向いてる。
その証拠に、一岡に対しても見送り方が良くなっており、上半身だけでボールを追っかけるような姿はなかった。
次の阪神戦で、別のピッチャーに対して、しっかりタイミングを合わせることが出来るか?
結局、キャンプ当初に取り組んでいた打法とは違い、去年までの打ち方で勝負している。
長いシーズンの中では、再び去年と同じような袋小路に陥る事も考えられるが・・・・。
ここは賛否両論あるだろうが、筆者としては暫く様子を見たい・・。
*村田
篠田の低めのツーシーム、カットボールに全くタイミングが合っていなかった。
2度のチャンスで、どちらかに一本出ていれば試合をもっと楽に運べた。
そういう意味では、打線のブレーキ役になってしまった。
【カープ注目選手レポート】
*篠田
ボールの出処が見づらく、非常に球持ちが良かったので、打者は差し込まれるケースが多かった。
そして低めにボールを集め、丁寧なピッチングを展開していた。
カットボール・ツーシーム・チェンジアップ・スライダー・カーブを投げていたが、特にツーシームは左右問わず、打者が苦労していた。
打者の懐に突っ込む投球が出来ていたので、外のボールに踏み込んでいけなかった。
負け投手にはなったが、素晴らしい投球内容だった。
但し、ボールの威力は無いので、甘いコースは一発で仕留められるケースが多い、
彼の場合は、他の投手以上に、高い集中力と細心の注意が求められる。
*一岡
ミス絡みで失点したが、この日のピッチングは、G時代からの悪い癖である「投げ急ぎ」が出ていた。
彼の場合、ピッチングに「間」が無くなることが一番怖い。
セットで投げ急ぐと、スピードも遅くなって高めに浮き、フォークも抜けて変化が少なくなるので危ない半速球になる。
今回は、阿部が本調子ではないので犠牲フライで済んだが、かなり危ない状況だった。
この点についてはG笠原、小山、宮國にも同様の課題が有る。
【ズームアッププレー】
①3回表・ワンアウト1塁・バッター篠田
送りバントが考えられるケースだったが、Cベンチはバントの構えからのヒッティングを選択。
Gの厳しいバントシフトを考慮しての強攻策だったが、結果的に三振に終わった。
そして、次の丸の打席で、ファーストランナーの白濱が盗塁を敢行するも失敗に終わり、結局ランナーを生かせず攻撃が終わった。
筆者が問題にしたいのは、盗塁の場面でバッター丸が、ストライクを悠然と見送った事。
何故、空振りして盗塁を助けなかったのか?
足が速いとは言えない白濱の盗塁はベンチの指示だと思う。
そして丸もサインを確認している筈なので、走者を助ける空振りは出来たと思う。
空振りをしたとしても、結果は変わらなかったかも知れないが、最善を尽くさないプレーは自軍の士気を落とす。
案の定、次のイニングで相手に先取点を許した。
②6回裏・ワンアウト1塁・バッター小林
小林の左中間へのツーベースで、一塁ランナーの橋本が一気に生還しようとしたが、本塁上で際どいタイミングにはならずタッチアウト。
際どいクロスプレーなら、次の打者が菅野という事を考慮し突っ込ませていたが、完全なアウトのタイミングなら、3塁コーチの判断ミスと言われても仕方ない。
だが、これについては賛否両論あると思う。
筆者の見解としてはストップさせて欲しかった。
【総評】
この試合も両軍、記録に残らないミスが多かったが、最後は8回裏の守備で致命的なミスを犯したカープが敗れた。
この3連戦から感じたカープについての印象は、投手陣は先発・中継ぎ・抑え、かなり整備されてると思う。
但し、攻撃面については非常に粗さが目立つ。
特に打者の狙い球の絞り方が気になった。
初球の甘いボールを簡単に見逃したかと思えば、追い込まれてから明らかなボール球に手を出すケースが多々有った。
又、直球を狙っているのか?変化球を狙っているのか?狙い球がはっきりしないケースも多かった。
これらは特に、得点圏にランナーが居るケースで多く見られた。
Gは徐々に地に足をつけた戦いになっているが、まだ細かいミスが多い。
次の甲子園は、例年通りなら貧打が予想されるが、先発投手陣がゲームを作って何とか接戦に持ち込んで欲しい。
そして少ないチャンスを確実に得点に繋げるような攻撃を期待したい。
敬称略
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