まず5月16日の試合の簡単な雑感から・・。
この試合は先発内海のピッチングに尽きると思う。
彼のピッチングを一言で言うと、「寂しい内容」だった。
まず簡単に先取点を取られてる事、相変わらずボールが高い。
コースはそんなに間違っていなかったと思うが、ボールが高いので簡単にヒットゾーンに運ばれる。
菅野のような球威が有るわけではないので、彼の場合は低めへの制球をキッチリしないと相手の打ち損じに頼る他無い。
更に相手打者の懐に厳しいボールを決めなければ、彼は押さえ込む術が無くなる。
この試合では、この点も少なかったように思えた。
相手が攻めてこないと見れば、今のカープはイケイケ状態なので打ち損じてくれない。
結果を恐れず、積極的に踏み込んでガンガン振るので、長打を浴びる危険も高い。
チームが連敗中の時は、早い回に先取点を相手に取られると非常に厳しい。
味方打線に焦りが生まれるし、相手は更に勢いを増す。
「エース」と自覚しているなら、どんな事をしても味方の援護があるまで抑える気迫を見たかったが・・・。
今日の菅野の投球を見て内海はどう感じたのだろうか?
確かに菅野の時は味方打線の援護点が多いし、内海の時は信じられないくらい少ない。
同情の余地は大いにあると思う。
しかし「エース」なら同情されるようでは寂しい。
更に言えば、点の与え方も良くない。
兎に角、簡単に与えてる印象が強い・・。
そして、投球内容が徐々に悪くなってるように私には感じられる。
次の登板は彼が得意としてる交流戦になるが、何とか粘り強く、先に絶対点を与えないという攻めの投球を見たい。
ファンはそんな姿を見れば、たとえ負けても「美しい敗者」として賛辞を送るはずだ。
そんなエースの姿勢がチームには好影響を与え、必ず勢いが出てくる。
「エース」には負け方も要求されると思う。
そしてバッテリーを組む阿部にも、内海のそんな気迫を引く出すような配球を期待したい。
【5月17日・超激辛GvsC雑感】
★勝敗を分けたポイント
「ツーアウト・ランナー1塁・カウントスリーボールの状況で甘い高めの直球を一発で仕留めたセペタのバッティング」
初回を1失点で何とか凌ぎ、立ち直りつつあった前田を消沈させた意味で大きな一発だった。
これで菅野は大胆に投球できる状況となる。
★選手個別雑感
・菅野
直球は変わらず走っていたが、若干コントロールにバラツキが有った。
しかし勝負処では相変わらず素晴らしいボールを決めていた。
変化球はスライダーは切れていたが他の変化球も含めてコントロールが今ひとつだった。
フォークは彼の持ち球の中では、諸刃の剣になってる。
低めに決まればかなりの確率で振ってくれるが、少しでも浮くと非常に長打になりやすい半速球になっている。
但し、各打者に対してしっかり内角を攻めているので、少々甘いコースに変化球が集まっても打者は打ち損じていた。
ここは筆者としては高く評価したい。
今シーズン、彼が大活躍しているのは確かに直球の質が上がった事も大きいが、打者の内角をしっかり攻めている事が最大の要因になっていると思う。
打者はここを攻められると打ち損じをする確率が格段に上がる。
そして相変わらず、勝負処で1段ギアを上げる事が出来るタフな精神力と肉体には脱帽である。
・山口
調子に大きな変化は見られなかった。
直球のコントロールは良かったが、外のカット気味の直球のキレはもう少し上げて欲しい。
スライダーは曲がりが大きいが、決めに行く時は若干抜け気味なので甘いコースに集まる傾向がある。
キラに対して討ち取ったスライダーは甘かった。
・マシソン
直球は完全復活といって良いと思う。
スライダーが高めに抜けているが、筆者はこれで良いと考えている。
彼の変化球はあくまでも見せ球なので、下手に低めのボールゾーンに集まると見切られてしまう
逆に高めに威力のある直球が集まっていれば、その高めからストライクゾーンに落ちてくる縦のスライダーは、打者からすれば手が出ないし、タイミングを合わせることは至難の業である。
但し、スプリットの場合は、高めに浮くと変化しないので単純な半速球になってしまうので、低めに集めないと怖い。
・坂本
状態は悪くない。
最近は右方向にヒット性の打球が飛んでいるが、これはバットのヘッドが立っている証拠。
彼の状態が悪い時は、ヘッドが下がって右への打球はポップフライになる傾向が強い。
また、今の状態ならタイミングを外されて泳ぎながらでも、ライナー性の打球が左方向に飛ぶと思う。
個人的な注文をあえてあげれば、しっかり狙い球をしっかり絞って、一発で仕留めるような集中力を試合で持続して欲しい。
状態を悪くしかねない当てにいくようなスイングは極力避けたい。
・片岡
この試合の影のヒーローと呼びたい。
初回先頭打者のライト前の小飛球をスタート良く好捕したのも大きいし、先制点のバッティングはドン底のチームにとっては大きな得点になった。
かなりチームの雰囲気にも慣れてきたようで、落ち着いて守備、走塁、打撃を行っている。
特にチャンスでの勝負強い打撃はチーム屈指である。
・長野
見事なバッティングだった。
彼の場合は、狙い球の絞り方と相手投手に対するアプローチの仕方が、打席での鍵になっていると思うので、この試合では見事にハマっていた。
スイングの内容も悪くない。
しっかり内からバットが出ている。
一つ苦言を呈するなら、打者有利のバッティングカウントでは、しっかり狙い球を絞って自分のスイングをするように心がけて欲しい。
どんな状況でも右方向へ意識するバッティング一辺倒では、相手バッテリーからすれば全く怖くない。
彼の場合、それでも右方向へ長打はあるが、相手から見れば非常に攻め易い。
・セペタ
見事なホームランだった。
際どいコースをキッチリ見極めて、一発で仕留める鋭いスイングは十分相手バッテリーにインパクトを与えていた。
その証拠に次の打席で、カープバッテリーはセペタを攻めきれていなかった。
多くの解説者が指摘する、内角ギリギリの直球やスライダーを仕留めることは難しいかもしれないが、それは誰でも同じことが言える。
問題になってくるのは、少しでも真ん中に寄れば一発でヤラれる恐怖感を、相手に与える事ができるか?
ここがポイントになってくる。
そういう意味では十分恐怖心を与えたと思う。
注目の右打席も最後に見られたが、こちらもバットが内側から出る素晴らしいスイングだった。
十分今後期待できるだろう。
今後についての筆者の願望は、出来るだけ出塁率にこだわって欲しい。
彼が3番、4番で多く出塁すれば、かならず今のメンバーでも打線は機能していくと思うし、村田、阿部の状態も上がってくると思う。
・村田
少し「構え」を変えたようだ。
しかし、これでは根本的なところが改善されていない。
筆者が考える彼の現状の欠点は、構え遅れているので、差し込まれ易くなっている。
つまりトップの位置が浅いので「間」が全く無い状態でスイングしている。
コンパクトなスイングを意識しすぎた弊害だと思う。
・阿部
今回も苦言を呈したい。
この試合のバッテリーエラーが3回あったが、最初の2回は捕手・阿部慎之助の能力からすれば、「緩慢」と指摘されても文句は言えないと思う。
直球が逆球になって捕球できないというのは、準備、集中力のどちらかが欠けていたとしか言いようがない。
前々回のレポートで捕手としての問題点を指摘したが、危惧した事がこの試合で更に露呈してしまった。
解説の宮本、大野両氏は3回目のワイルドピッチにも苦言を呈していたが全く同意である。
残念ながら、この試合の阿部はチームの柱としての自覚が感じられなかった。
試合に出ている以上は体の不調は言い訳できない。
仮に、この試合のミスが体調不良の影響で生まれたのなら、首脳陣はスタメンから外すべきだと思う。
チームの士気に悪影響を及ぼす事に繋がってくる。
★総評
7回の松本哲の四球、横川のヒット、長野のタイムリー、そして横川の好走塁・・。
素晴らしい攻撃だった。
特に松本哲や横川のようなサブ的な選手が活躍するとチームに一体感が出てくる。
この一体感を大事にしたい。
敬称略
皆様からの御意見、御感想を心からお待ちしております。
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キャプテン阿部に猛省を求む! 【超激辛GvsC雑感 5月17日】
