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4番セペタの威圧感とリリーフ陣の奮闘が逆転を呼ぶ 【5月21日・超激辛LvsG雑感】

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5月21日 L 3 対 4 G
★勝敗を分けたポイント
*9回ワンアウト・ランナー1塁・打者セペタへの四球
一発を打たれると同点になる場面だった。
抑え投手としては経験が浅い増田に対して、ピッチングコーチがマウンドに足を運び、「大丈夫だから・・・」という言葉で激励していた。
西武ベンチとしては勇気を持ってセペタを攻めて、討ち取って欲しいと考えていただろう。
だが、この試合の西武バッテリーは終始セペタを攻めきれていなかった。
菊池も彼に対しては、一発を必要以上に警戒している雰囲気を感じたし、捕手炭谷の配球にも攻め込む姿勢を感じなかった。
結果、5打席で4個の四球をセペタに与えてしまった。
抑えの増田はそれでも果敢に勝負を挑んでいたが、セペタのほうが役者が一枚上だった。
彼を追い込んでも空振りを取るボールが無かったし、変化球は見切られていた。
討ち取る可能性が最も高いボールは、内角ギリギリの直球だったと思うが、間違えたら一発長打を浴びる危険と背中合わせなので、そこに投げきれる経験値は無かったし、それまで攻め込む配球をしなかった炭谷には選択出来なかった。
結果、この四球は非常に大きかった。
これで一発で逆転という場面に変わり、その後の打者に対する攻めが更に窮屈になったからである。
それでもロペスには高めのボール球で討ち取り、何とかアウトカウントを稼いだが、セペタと同じくボールの見極めが良い阿部には四球を与えて、更に自分を追い込んでしまった。
村田に対しては、開き直って内と外に良いボールを投げていたが、タイムリーを打たれたボールは甘いコースで、不運なヒットを生んでしまった。
捕手が要求していた内角に投げていれば、セカンドやファーストへの浅いポップフライで終わっていたが、結果的に四球で出したランナー二人の生還も許してしまい決勝点となった。
これがG打線が相手に与えるプレッシャーだと思うが、セペタが加入したことにより更に強烈なそれを与えている。
この試合の得点は、いずれも彼の四球が絡んでいる。
私は前回の記事でも彼には、出塁率を意識して欲しいと書いたが、彼に対する相手バッテリーの恐怖感は我々の想像以上なのかもしれない。
この試合の西武バッテリーの配球を見て私はそれを強く感じた。
あとは前後の打者が自分の仕事をすれば、高い確率でビッグイニングが生まれると思う。
この試合のようにチャンスを潰すことで苦戦するケースもあるだろうが、投手が我慢すれば必ず報われるような試合が増えるはずだ。
*3回のチャンスで2点のみで終わってしまったLの攻撃
真ん中に集まっていた大竹のピッチングに対して、長い攻撃にも拘わらず2点だけで終わってしまった。
浅村の長打で1点しか奪えなかった事も痛い(走者が中村では仕方ない)
率直に言えば、3回途中で試合が壊れてしまうと感じたくらい大竹が悪かったので、Gは助かった。
栗山、中村、メヒア、浅村に投げていたボールはかなり甘かったので、この中の誰かに一発を浴びたらゲームは決まっていた可能性が高い。
大竹がマウンドに居る間に決めてしまいたかった。
★選手個別雑感
*大竹
全ての球種のデキが良くなかった。
特にスライダーのデキが最悪で、キレも無いし抜け気味に真ん中に集まっていた。
それでも2回まではショートを積極的に使って形を作っていたが、全体的に制球が良くなかったので、ボール先行になると阿部もスライダーを使わないわけにはいかなかった。
3回の失点は必然の結果だった。
ここ最近のピッチング内容を振り返ると、明らかにボールのキレが無くなっている。
直球とシュートは威力、スピード共に不足気味だし、スライダー、カーブは高い確率で抜けて真ん中に集まっている。
また、精密が売りだったコントロールも乱れているので、無駄な四球を与えるケースが増え、そこから失点している。
中5日が影響しているかもしれないが、やや疲れが見えるので首脳陣はケアして欲しい。
先発投手が足りないことは百も承知しているが、勝負の夏場の前に大竹がガス欠するのは避けたい。
*坂本
この試合の彼のハイライトは、初回のタイムリーでホームへ生還したベースランニングだと思う。
このブログで何度か指摘したが、彼のベースランニングは超一流だ。
ブロックを掻い潜って、ベースの一角を手で触って生還する走塁は、高度な技と判断力が必要である。
先日のカープ戦で、大田が相手捕手のブロックに当たりにしまったランニングが有ったが、彼はこれが出来なかった。
今のGメンバーでこの走塁が出来るのは坂本、寺内、片岡、鈴木尚あたりだと思う。
彼らの走塁技術は非常に魅力的だ。
*松本
初回の同点打にしてしまったセンターフライは判断が良ければアウトに出来た。
外国人打者が強振して詰まったり、バットの先に当たった打球の判断は難しい。
本人も悔しいだろうが、周りは彼ならアウトにしてくれると思っているのでショックは大きい。
*村田
決勝タイムリーは幸運だったが、バッティングの内容には進歩がなかった。
前回の記事でも指摘したが、コンパクトなスイングを意識する余り、トップの位置が浅くなっている。
試行錯誤の状態なので、本人も頭では理解していても体が忘れている状態だと思う。
彼が復調しなければセペタの四球が得点に繋がらない。
*阿部
バッティングの状態は変わらず良くない。
しかし、ここ2試合のキャッチャーとしての動きはかなり良くなっていると思う。
暖かくなってコンディションが上がってきたのかもしれない。
彼も復調しなければセペタの四球が得点に繋がらない。
*ロペス
バッティングの状態は悪くない。
但し、打順は再考すべきだと思う。
筆者の意見としては彼のバッティングの特徴を考えれば、6〜7番がベストな選択だと思う。
長打を打つツボが限定されている選手なので、クリーンアップに置くと相手は攻め手が楽になる。
(詳しくは下記の関連記事参照)
★総評
この試合で忘れてはいけないのが、追加点を与えなかったGリリーフ投手陣だと思う。
3回のピンチで登板してゲームを壊さなかった高木京、キレのあるシュートで相手をねじ伏せた香月、ストライク先行で勝負していた福田、冷静沈着なピッチングが光った久保、彼らが1点でも奪われれば9回の逆転劇は無かった。
最近、負けてる試合でリリーフ投手が打ち込まれてしまい、ワンサイドゲームになるケースが多かった。
この試合のように毎回上手く抑えるとは思わないが、ゲームを壊さず終盤を迎えることは非常に大切なことだと思う。
少しでも相手にプレッシャーを与えることが出来れば、野球という心理面が大きく作用するスポーツは信じられないドラマが生まれる事が度々ある。
L先発の菊池はそれほど良いデキには思えなかったが、ボールが荒れていたのでG打者は絞りきれていなかった。
また、ポイントで直球や変化球が良いコースに決まった事も大きい。
ピッチングの率直な感想は、去年より体の開きが早いので、打者からすればボールが見やすくなってる。
その証拠に右打者へのクロス気味に入ってくる150キロ前後の直球に対して空振りを取れていなかった。
ボールの出処が見にくかったら、直球と変化球の見極めが難しくなり、ボール球を振るケースが増えただろう。
Gのチーム状態が良ければ、早い回に捕まえていたと思う。
敬称略
皆様からの御意見、御感想を心からお待ちしております。
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