ファイタースについて、今年のオープン戦や公式戦を見て率直に感じた印象は、若さと勢いを全面に押し出すチームに変貌してると思った。
少し前までは、必ずフルカウントまで打者が粘るようなイメージが強かったが・・・。
良い面を挙げると、投手は速いボールを投げる、打者は大きなスイングする、大きな可能性を感じる選手が多いこと。
逆に悪い面を挙げると、少し大雑把な野球を展開している印象を受けた。
そして、Gとの交流戦2試合は悪い面が出てしまったように感じた。
【勝敗を分けたポイント】
★9回表と裏の攻防・・送りバントの成否が命運を分ける
9回に入るまでに両チームともにチャンスを掴みながら、あと一押し出来ない展開が続いていた。
Fは杉内をノックアウトするまでは良かったが、流れがかなり有利に進んでいただけに勝ち越しておきたかった。
Gは再三のチャンスを潰しまくって嫌な展開で終盤を迎えていた。
そして9回の攻撃は両チームともに先頭打者が塁に出たが、その後の送りバントが明暗を分けた。
F近藤が失敗する一方で、Gは前の打席で失敗した長野に代打松本を送り、彼がキッチリ仕事をした。
この対照的な結果で、ゲームの流れがG側に傾いた事は明白だった。
【選手個別雑感】
★中井
前の打席でチャンスに凡退したが、2度目はしっかりモノにしサヨナラ打となった。
彼のスイングを見ていると、同じ空振りでも、しっかり自分の形でスイングしているので期待感が有る。
サヨナラ打の打席でも、打った同じ球種のボールを、その前にしっかりスイングして空振りしている。
タイミングとボールの変化を計る事が出来たので、良い結果に繋がっている。
今年こそチャンスを掴んで欲しい。
★坂本
この試合でも攻守に素晴らしい動きを見せていた。
盗塁失敗は残念だったが、特に最近の守備については安定感が抜群だ。
バッティングも、内角の直球系に対して素晴らしい対応でヒットゾーンに運んだいる。
★阿部
明らかに雰囲気が変わってきた。
打席で相手バッテリーにプレッシャーを与える事が出来ている。
表情も明るくなっているので、かなり体調も良くなってきていると推察する。
★村田
前回の考察と変わらず繰り返しになるが、トップの位置が浅く、構え遅れてるのでタイミングが合っていない。
これでは変化球に対してタイミングを合わせにいくようなスイングになってしまうし、直球系に対しては差し込まれやすい。
一方で守備については、しっかりピッチャーを援護している。
エキサイトシートに入るファールフライを、飛び込んで捕ったプレーは素晴らしかった。
★長野
厳しい言い方だが、7回の送りバント失敗は言い訳できないような酷いプレーだった。
バントを試みて2度空振りした姿は、ある意味衝撃的だった・・・。
9回に同じバントの場面で代打を送られたのは、個人的には当然の采配と考える。
その後の動きや表情を画面で追ったが、明らかに意気消沈している。
苦しい日々が続くかもしれないが、チームは負けていない。
反省は必要だが、負けていないので責任を背負う必要は全く無い。
この結果をもたらしてくれたチームメートに感謝して、彼には気持ちを切り替えて前を向いてプレーしてもらいたい。
去年の今頃を考えたら、今年のほうがまだ良い数字を残している。
必ずやり返す事をGファンは信じてる。
★高橋由
由伸らしいホームランだった。
あの打球を飛ばせるなら、今シーズンも期待できる筈だ。
彼の場合、ゲーム感覚を失わなければ必ず数字を残す選手なので、代打オンリーという使い方は厳しい。
また、由伸が打つとチームもファンも、ぱっと明るくなるのは気のせいか?
球場の空気を一変させる数少ない打者である。
★杉内
若干、F打線に助けられた感が有る序盤だったが、デキとしては今シーズンの中でも良い部類だと思う。
しかし相変わらず下位打線に対しても、追い込んでからフルカウントにしてしまう慎重さは疑問が残る。
一発の危険がある選手に対してなら理解できるが、そうでない選手にはもう少し大胆に投球して欲しい。
【総評】
この試合のもう一つの大きなポイントは、Gリリーフ陣のナイスピッチングだと思う。
特に杉内のアクシデントで急遽マウンドに上がった2番手福田、Fの主軸である陽と中田に対して完璧に封じた香月。
この二人の好リリーフは、流れがF側に向かいそうな展開を、もう一度土俵中央に呼び戻した。
特に香月は、長打が怖かった二人に対してシュートで捻じ伏せる圧巻のピッチングだった。
ここに来てリリーフ陣が整備されてきた事は、今後の戦いぶりに安定感をもたらす。
山口、マシソンが徐々に調子を上げて来た事も明白になっており、接戦を高確率でモノにする環境が整った。
僅差で負けてるゲームでも、終盤までチャンスを残す展開に持ちこめるリリーフ陣も整いつつ有る。
これで先発投手陣にもピッチングに余裕が生まれてくると思うし、打線も過度のプレッシャーから開放されれば、必ず良い方向に進むと思う。
そうなれば、昨シーズンのようにゲーム序盤から打線が機能し、リードを保つ展開でゲームを進める形が出来るだろう。
これからアンダーソン、澤村、亀井、橋本と徐々に復帰して、戦力が充実した状態で後半戦を迎えられると思う。
そして、ペナント制覇に必要な最後のピースある西村健太朗(肉離れ治療中)の復活を待つのみである。
敬称略
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