2020.9.20 横浜DeNAベイスターズvs読売ジャイアンツ 15回戦 ゲームレポート詳細版
【イニング経過、雑感】※イニング経過は巨人公式HPより抜粋
☆1回表
先発は大貫。
吉川尚は左前打。無死一塁。松原は中飛。坂本の打席で吉川尚が二盗。戸柱の送球エラー間に吉川尚が三進。一死三塁。坂本は中前適時打。巨人先制。1対0。一死一塁。岡本の打席で坂本が二盗失敗。岡本は四球。二死一塁。丸は四球。二死一、二塁。大城は空振り三振。1対0。
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ここ数試合、なかなか得点が奪えていない巨人打線だったが、この試合では序盤から巨人ベンチは積極的に仕掛けた。
結果的に一点は奪ったものの、やや空回りしていた印象は否めなかったが、それでもベイスターズ側に「今日の巨人は本気で仕掛けてくる」と思わせた筈で、その意識が後々生まれるバベイスターズ側の守備の乱れに繋がっていた。
★1回裏
先発は畠。
梶谷は右飛。ソトは空振り三振。オースティンは三ゴロ。三者凡退。1対0。
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先頭の梶谷の打球をパーラがダイビングキャッチしたプレーは、外野手としては「普通」のプレーだが、急遽の先発で、ある意味「精神的な開き直り」が必要だった畠には最高のプレゼントとなった。
それが一発のある両外国人への真っ向勝負に繋がり、ソトにはど真ん中直球で空振り三振を奪い、オースティンには内角直球をキッチリ決めてサードゴロに討ち取る。
☆2回表
マウンドは大貫。
ウィーラーは右飛。パーラ、畠は空振り三振。1対0。
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大貫もオースティンのダイビングキャッチ(先頭ウィーラーの右飛)をキッカケに落ち着きを取り戻して巨人の下位打線を三者凡退に封じる、
★2回裏
マウンドは畠。
佐野は中前打。無死一塁。宮崎は遊飛。戸柱は中前打。一死一、二塁。倉本は左飛。柴田は見逃し三振。1対0。
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先頭の佐野に初球のストレートを打たれた事で、畠の精神状態をやや危惧したが、続く宮﨑にもストレートで押す強気の姿勢が崩れていいなかったので、下位打線に入っていくこの回を何とか無失点で凌ぎ切れれば乗ってい行く予感はあった。
そんな中で、宮﨑のテキサス性のショート後方の打球を坂本が背面キャッチの好プレーで援護し、これで再び勇気を貰った畠は、戸柱には甘いカットボールを捉えられたが、倉本と柴田を球威で押し込んで難を逃れた。
☆3回表
マウンドは大貫。
吉川尚は遊ゴロ。松原は空振り三振。坂本は遊ゴロ。1対0。
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徐々に腕が振れ、ボールが走り始めていた大貫に対して、巨人の上位打線は三者凡退で封じられる。
★3回裏
マウンドは畠。
大貫は投ゴロ。梶谷は三ゴロ。ソトは遊ゴロ。三者凡退。1対0。
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大貫に立ち直りの雰囲気が出てきたので、試合の流れはどっちに転んでもおかしくない状況だったが、畠はキッチリと三者凡退に討ち取って隙を与えなかった。
☆4回表
マウンドは大貫。
岡本は遊撃内野安打。無死一塁。丸は右中間に2点本塁打。3対0。大城は二ゴロ。ウィーラーは三ゴロ。パーラは一ゴロ。3対0。
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先頭の岡本は積極的に初球の甘いストレートを叩きに行き内野安打、続く丸もその岡本の姿勢に触発されたかのように彼も甘い変化球を逃さず右中間スタンドへ2ランを叩きこむ。
★4回裏
マウンドは畠。
オースティンは二直。佐野は四球。一死一塁。宮崎は左飛。戸柱は二ゴロ。3対0。
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味方が先に次の得点を奪ってくれたので、畠にとってはこの回を無失点で終える事が非常に大事だった。
又、打線が二回り目に入り、それまでの直球で押すスタイルから、やや変化球の割合が多くなっていたので、その部分もやや気がかりな状況ではあった。
そんな中で、先頭打者のオースティンのショートライナーを吉川尚が好捕したプレーは大きかった。
続く佐野には変化球が決まらずの四球を与えてしまうが、宮﨑は甘いカウント球のカットボールを打ち損じてくれて事なきを得た。
☆5回表
マウンドは大貫。
畠、吉川尚は遊ゴロ。松原は見逃し三振。3対0。
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この回の巨人打線は三者凡退で攻撃を終える。
★5回裏
マウンドは畠。
倉本、柴田は右飛。大貫は見逃し三振。三者凡退。3対0
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前のイニングから変化球が多くなってそれを捉えられ始めていた畠だったが、今回も先頭の倉本が放ったライトへのライナー性の打球を、パーラが再びダイビングキャッチして助けられる。
大貫には代打が用意されていたが、二死走者なしの状況だったのでそのまま打席に立った。
☆6回表
マウンドは大貫。
坂本は遊ゴロ。岡本は見逃し三振。丸は右中間にソロ本塁打。4対0。大城は右中間二塁打。二死二塁。ウィーラーは遊ゴロ。4対0。
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前の攻撃で代打を送られなかった大貫は、坂本と岡本を討ち取るが、丸に再び一発を浴びてしまう。
この辺りに「目に見えない勝負の綾」を感じる。
★6回裏
マウンドは畠。
梶谷は左飛。ソト、オースティンは中飛。三者凡退。4対0。
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畠は初回から飛ばしていたので、やや球威が落ちてきたように感じていた。
この回は上位打線に対して、内容的には紙一重で何とか凡打に討ち取った印象が強い。
☆7回表
マウンドには2番手の山崎。
パーラは三ゴロ。畠の代打・中島は右飛。吉川尚は右前打。二死一塁。松原は左前打。二死一、三塁。坂本の打席で松原が二盗。戸柱の送球エラー間に吉川尚が生還。5対0。二死二塁。坂本は見逃し三振。5対0
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狭いハマスタでのゲームなので、4点差ではまだまだ安心出来なかったが、巨人打線は二死から吉川尚と松原の俊足コンビが出塁し、そこから足でベイスターズ守備陣を揺さぶりミスを誘って5点目を奪う。
★7回裏
マウンドには2番手の高梨。
佐野は二ゴロ。宮崎は中前打。一死一塁。戸柱は投ゴロ。二死二塁。倉本は死球。二死一、二塁。柴田の代打・伊藤裕は遊飛。5対0。
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替わった高梨はヒットと死球で二死一二塁の状況を作るが、内容的には問題なく無失点で切り抜ける。
☆8回表
マウンドには3番手の伊勢。
岡本は遊ゴロ。丸は空振り三振。大城は中飛。5対0。
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替わった伊勢に対して巨人打線は力負けして三者凡退。
★8回裏
マウンドには3番手の中川。
伊勢の代打・蝦名は死球。無死一塁。梶谷は二ゴロ。一死二塁。ソト、オースティンは空振り三振。5対0。
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三番手の中川も先頭の蝦名に死球を与えるが、そこからは圧巻のピッチングで無失点で終える。
☆9回表
マウンドには4番手の三上。
ウィーラーの代打・亀井は見逃し三振。パーラは右前打。一死一塁。増田大は二塁併殺打。5対0。
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一死からパーラがヒットで出塁するが、後続でチャンスを拡げられずに攻撃を終える。
★9回裏
マウンドには4番手のデラロサ。
佐野は右飛。宮崎は二ゴロ。戸柱は空振り三振。三者凡退。試合終了。5対0。
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デラロサは先頭の佐野に対してボール先行だったが、彼を討ち取った後は本来の制球を取り戻して前回登板で生じた不安を払しょくした。
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【ゲームスコア】
巨 人 100 201 100 5
DeNA 000 000 000 0
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勝利投手 巨人 畠 (1勝3敗0S)
敗戦投手 DeNA 大貫 (6勝4敗0S)
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本塁打
巨人 丸 16号(4回表2ラン) 、丸 17号(6回表ソロ)
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【巨人選手評価】◎最高評価選手 ○高評価選手
◎丸佳浩
シーズン当初の絶不調状態を完全に払しょくして、八月以降はハイレベルの状態を維持している。
現状、構えの段階から全く隙を感じないし、去年終盤から今年のシーズン序盤にかけての「長い絶不調時」に見られた「ボールを手元に呼び込む前に右ひざが割れてしまった悪癖」と「インパクトの瞬間の踵体重」が完全になくなった。
これによってボールを呼び込む形(ボールを長く見れる形)が整えられたので、四球の数も急増しているし、紙一重の内容が多くなっている。
今の彼のバッティングには広島時代に感じた凄みが完全に蘇っている。
○畠世周
メルセデスのアクシデントで、急遽彼に先発のチャンスが巡ってきたが、見事にやってくれた。
精神的に開き直っていた事もあると思うが、特にストレート系は腕が振れていたし、ボールに角度を感じた。
まあ、変化球(スライダー・カット系、フォーク・チェンジアップ系)の精度はまだまだ課題を残しているが、彼のポテンシャルの高さはこの試合で改めて証明されたと思う。
次戦が試金石になるとは思うが、何とか殻をぶち破って欲しい。
○坂本勇人
先取点となった初回のタイムリーは見事だったが、バッティングの状態はやや下降気味。
技術的に気になるのは、構えの段階でスタンスをやや広く構えてしまっている事で、上半身と下半身の連動性が失われてしまっていること。
又、今年は好調が長く続かず苦しんでいるが、これはなかなかタイミングがバチっと合うケースが少ないからだと思う。
つまり、今年の彼は自然体でタイミングが合うのではなく、自分からタイミングを合わせようとしているので好調が続かないんだと思う。
○吉川尚輝
好守で存在感を発揮していた。
バッティングは一時の「バットのヘッドがなかなか出てこない状態」からは完全に脱して、今はヘッドが綺麗に抜けてセンター方向にライナー性の打球を飛ばせている。
そしてバッティングの状態が上がってきた事とリンクして守備でも動きが良くなっている。
グラブ捌きも安定してきたし、やや不安定だった前方の打球処理もスローイングとともに安定感が増している。
坂本(又は増田大)との二遊間コンビの堅くて広い守備範囲は、味方投手にとってはこれ以上ない「強い支え」になっている。
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【技術的に気になった巨人選手】
※大城卓三
捕手としては特にリード面に関しては文句なし。
ここ数試合、炭谷の配球が相手に読まれていたように感じていたので、それと比べるとこの試合の彼のリードには工夫が伺えた。
一方で、バッティングに関して技術的に気になるポイントがあった。
彼は身体の上下動(足と腕の両方)を使ってタイミングを計るタイプだが、状態が悪くなってくるとトップでのグリップの位置が下がり気味になってスイングがやや外回りになってしまう傾向がある(今はこの形になりつつある)
この形だと低めのボールは何とか対応出来るかもしれないが、ベルトから上のストレート系には差し込まれるケースが多くなる。
今年も規定打席到達は難しいかもしれないが、自身初のシーズン三割超えが見込める状況なので、バッティングに対する自信が確信へとグレードアップさせる為にも、ここは是が非とも踏ん張って三割を達成して欲しい。
それが来年以降の更なる大躍進へと繋がってくると思う。
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【総括】
※再び野手陣にリズムが出てきたジャイアンツ
初回のパーラ、二回の坂本、四回の吉川尚、五回のパーラ、これら目立つ形で表れていた好守だけではなく、他にも岡本、坂本、吉川尚などが、派手さは無いが華麗なフットワークやグラブ捌きからの堅守も素晴らしかった。
そして、これらの堅い守備は攻撃にも良いリズムを生み、効果的に得点へと繋げていた。
直近の三連敗は巨人らしからぬミスが随所に出てしまって流れに乗っていけず、一方的な敗戦へと繋がってしまっていたが、ようやくこの試合で忘れかけていたそのリズム感を取り戻せたと思う。
以上 敬称略
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