読売ジャイアンツ春季キャンプレポート 2021.2.18
練習試合 読売ジャイアンツvs中日ドラゴンズ 雑感
【ジャイアンツオーダー/攻撃内容/野手短評】
1番(右)松原聖弥
➀(投:山本)カウント1-2から外角低めのストレートを見三振、一死
➂カウント0-1から外角カットボールをキッチリ捉えるが遊併打、チェンジ
➅カウント2-2から外角ストレートを当てただけの投ゴロ、チェンジ
➈カウント0-2から内角ストレートに差し込まれて二ゴロ、二塁封殺、一死一塁
<短評>
二打席目は良い当たりだっただけにハードラックではあったが、他の打席は内容が良くなかった。
彼の場合は、打席に立つ前の準備の段階で「自分に対してこの場面ではどうやって相手は攻めてくるのか?」
もう少しこういう着眼点でアプローチをした方が良い結果は出やすい。
そろそろ年齢的にも「自分のバッティングをするだけ」では評価を落とすことになる。
2番(中)八百板卓丸
➀カウント1-0から外角ボール気味のストレートに詰まって左飛、二死
➃(投:岡野)カウント1-2から内角スライダーに詰まって遊ゴロ、一死
➆(投:清水)初球の真ん中ストレートに合わせるがレフトフライ、一死
➈⇒一塁走者の松原が二盗失敗、二死
⇒カウント2-1から真ん中ストレートを捉えて右安、二死一塁
<短評>
非常に積極的な打者だが、ボール球を追っかけてしまうスイングにはほぼならない。
しっかり手元までボールを呼び込んでいるので、結果が出ていなくても「そのうちヒットが生まれるだろう」という見方が首脳陣もすると思う。
3番(左)石川慎吾
➀カウント2-2から外角直球を引っかけて左安、二死一塁
➃初球の真ん中低めのスライダーを打ち上げて中飛、二死
➆カウント2-1から内角直球に詰まって右飛、二死
➈初球の真ん中スライダーを捉えて左安、二死一二塁
<短評>
最後の打席はエンドランがかかっていたので初球の甘いスライダーを見逃すことなく捉えられた可能性もあるが、それでも貧打線の中でヒット二本はアピールになっただろう。
4番(三)岡本和真
➀カウント1-2から外角スライダーを引っかけて遊ゴロ、チェンジ
➃フルカウントから外角直球を捉えるが遊ゴロ、チェンジ
<短評>
やや強引なスイングが目立っていたが、スイング自体に問題点は感じなかった。
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⇒⇒(三)北村拓己
➆カウント3-1から真ん中直球を完璧に捉えて左中間スタンドへのソロHR、打点1、G1-D0
➈カウント0-1から内角ツーシームにバットが折れて投ゴロ、試合終了
<短評>
昨日の反省を活かして、自分の間合いでスイング出来るように、早めに始動してタイミングを取っていた。
完璧な当たりで見事なホームラン、結局この点がこの試合の唯一の得点だった。
5番(捕)大城卓三
➁(投:山本)カウント1-2から外角カットボールを当てただけの左飛、一死
➄(投:岡野)カウント1-2から内角直球に詰まりながらも右安、無死一塁
<短評>
二打席目のヒットは詰まっていたが、内容的には難しいボールを上手く対応したスイングだった。
捕手としては先発の高橋を好リードで導いていた。
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⇒⇒(捕)岸田行倫
<短評>
6回に田中のワンバンドの落ちるボールを右手に当てて負傷交代
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⇒⇒(捕)小林誠司
➆カウント1-0から外角低めのストレートに押されて二飛、チェンジ
<短評>
急遽の出場だったと思うが、流石の落ち着いたリードで投手陣を引っ張った。
6番(遊⇒二)若林晃弘
➁カウント0-1から真ん中高めの直球を打ち損じて一ゴロ、二死
➄フルカウントからエンドランをかけるが、高めのボールゾーンに浮いたスライダーに手を出して空三振、一塁走者の大城も二盗失敗
➇(投:三ツ間)カウント2-1から真ん中低めのツーシームを引っかけて投ゴロ、一死
<短評>
二打席目の内容は問題あり。
一塁走者が走力が低い大城なので、エンドランがかかった状況では少なくともバットに当てなければいけない。
まあ、ボール球だったので本音を言えば見逃して欲しかったが。。。。
7番(一)秋広優人
➁カウント0-1から真ん中低めストレートをややバットの先で二ゴロ、チェンジ
➄カウント2-2から内角直球に詰まって左飛、チェンジ
➇初球の内角ストレートにやや差し込まれ気味ながらも三強襲安、しかし二塁を狙って憤死、二死
<短評>
しっかり自分の間合いでスイング出来ているので、フルスイングしても簡単には空振りしない。
ここまで結果は出ていないが、個人的には相変わらず評価は高い。
8番(指)陽岱鋼
➂(投:山本)カウント1-2から外角ボールゾーンに流れるスライダーを空三振、一死
➅(投:橋本)初球の外角直球をバットの先で三ゴロ、一死
➇カウント2-2から外角直球を見三振
<短評>
タイミングが殆ど合っていない打席が続いているので、ヒットが出そうな雰囲気を全く感じない。
確かに中日投手陣のデキは良かったが、あまりにも中身の無い打席が続いてしまった。
9番(二)吉川尚輝
➂初球の真ん中ストレートを捉えて左安、一死一塁
<短評>
好守ともにまずまずの内容だった。
バッティングは一打席のみだが、他の打者が手こずっていた山本のストレートを綺麗に弾き返すナイスバッティング。
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(打⇒遊)湯浅大
➅初球の外角ストレートを打ち損じて一邪飛、二死
➈(投:鈴木)カウント0-2から外角高めのスライダーに合わせて右安、無死一塁
<短評>
二打席目は味のあるバッティングだった。
強振せずにコンパクトにライト前に落とすナイスバッティング。
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【ジャイアンツ登板投手/雑感】
☆高橋優貴
ストレートの平均球速は140キロ台前半
変化球はスライダー、チェンジアップ、カーブ
<雑感>
初回は、先頭の岡林を真ん中低めスライダーで泳がせて一ゴロ、根尾を真ん中スライダーを打たせて右飛、平田を外角低めチェンジアップで空三振。
二回は、先頭の阿部には高めの直球を叩かれて右越二、武田には真ん中直球で押し込んで中飛、二塁走者は三振、三好は外角スライダーで空三振、石垣には外角低めの直球を合わせられるが右飛。
三回は、先頭の加藤を外角に逃げていくチェンジアップで空三振、伊藤には真ん中ストレートを捉えられて強いゴロの三失、岡林を内角の抜けたスライダーで捕邪飛、根尾には外角直球を引っかけさせて二ゴロ。
四回、先頭の平田を外角ストレートで見三振、阿部を真ん中スライダーで一邪飛、武田は真ん中高めの直球で押し込んで中飛。
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全体的に低めのボールを集めて安定感はあった。
ストレートの走りも上々、スライダーとチェンジアップで上手く散らしてカウントを整え、100キロ台の緩いカーブも一球だけ確認できたがストライクを取れていた。
このように追い込むまでの形は申し分ないが、プロ入り以来、彼の最大の課題は勝負球に「ヌルさ」を感じる事。
厳しい言い方をすれば「集中力が散漫になる傾向」が彼からは感じる(そう見えてしまう)
この試合でも少なからずそう感じてしまう場面があった。
ホント勿体ないのは、ポンポンと簡単に追い込んでも、そこからボール球が続いて結局フルカウントで勝負せざるを場面が少なくない事。
そうなると最後はやや甘めに投げざるを得なくなり、それを痛打されるケースがどうしても多くなる。
やはり肝心の勝負球が甘ければ、先発の柱として定着することは難しい。
まあ勿論、今回は四回一安打無失点なので「好投」という評価に異論はない。
しかし、彼にはもっと高い意識でマウンドに立って欲しい。
近年、巨人投手陣が苦労している脂がのり切ったカープ打線やベイスターズ打線を相手でも通用する内容だったのか?
これらは伸び悩んでいる今村、桜井、田口にも言える事だが、ただ「抑えて良し」としないで、そういう観点で自分のピッチングを振り返って欲しい。
彼のポテンシャルからすれば十分に二桁勝てる可能性を秘めているだけに、あえて厳しい指摘をしたが、課題のスタミナ不足も、ここを修正出来れば一気に解決出来る可能性が高いので、是非とも今季は一皮剥けて欲しい
☆戸根千明
ストレートの平均球速は140キロ台前半
変化球はスライダー、チェンジアップ
<雑感>
五回から登板、先頭の三好を外角スライダーで引っかけさせて一ゴロ、石垣を内角ストレートで押し込んで二ゴロ、加藤には外角ストレートを合わせられるが右飛。
六回は、先頭の伊藤を外角甘めのチェンジアップで中飛、岡林には真ん中ストレートに合わせられて中安、一塁走者は牽制死、根尾には真ん中スライダーを引っかけさせるが右安、平田は真ん中低めのスライダーを引っかけさせて三ゴロ。
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二刀流挑戦以前は力任せの投球がやたら目立っていたが、この日の投球は打者のタイプやカウント、その他状況によって投球にメリハリをつけていた。
初球からガンガン投げることなく、カウント球はやや抑え気味にコースをしっかり突く意識も感じられたし、この辺りは桑田コーチのアドバイスも有るのかもしれない。
但し、まだまだボールのキレ、制球ともに一軍の戦力として計算できるレベルとは言えない。
今はモデルチェンジ中なので、早々の評価は妥当とは思えないが、これからどれだけ状態が上がってくるのか?
引き続き注視していきたい。
☆田中豊樹
ストレートの平均球速は140キロ台後半、最速は150キロ
変化球はスライダー、フォーク、カットボール、カーブ
<雑感>
七回から登場、先頭の三ツ俣をストレートの四球、武田には真ん中ストレートで詰まらせて一飛、バッテリーミスで一塁走者が二進(この処理で岸田が右手を痛めて小林と交代)、三好を外角ボール球のフォークを振らせて空三振、石垣をワンバウンドのフォークで空三振。
八回は、先頭の加藤を外角スライダーで空三振、伊藤を外角低めに流れるスライダーで空三振、岡林には内角直球を捉えられるが遊直。
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いきなり五球連続のボールで大いに失望させてくれた。
その直後のボール気味のストレートを相手打者が手を出してくれて何とかアウトカウントを稼ぎ、そこからリズムを取り戻したが、本番では恐らく「待て」のサインが出る筈なので、高い確率で自滅して試合を壊してしまっていた。
一死奪った後のピッチングはほぼ完璧な内容だっただけに、もどかしさを余計に感じてしまうのは私だけなのだろうか?・・・。
まあ。。メンタルの問題なのかもしれないが、投げているボールは素晴らしかっただけにホント。。。もったいない。。。
☆高梨雄平
ストレートの平均球速は140キロ前半
変化球はスライダー、ツーシーム、カットボール
<雑感>
九回から登場、先頭の根尾を内角ツーシームで押し込んで三ゴロ、郡司を真ん中カットボールで詰まらせて遊直、三ツ俣は内角ストレートで見三振。
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ストレートで打者を押し込んでいたし、変化球も悪くなかった。
まずまずの内容と言える。
但し、去年後半に多く見られたボール先行の悪癖は相変わらず。
ここは是非とも今季は修正してもらいたい。
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【中日ドラゴンズ先発オーダー】
1 (左) 岡林勇希
2 (遊) 根尾昂
3 (指) 平田良介
4 (二) 阿部寿樹
5 (一) 武田健吾
6 (右) 三好大倫
7 (三) 石垣雅海
8 (捕) 加藤匠馬
9 (中) 伊藤康祐
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【ドラゴンズ注目選手雑感】
★岡林勇希、根尾昂、三好大倫(2020ドラ6)
彼らはドラゴンズ期待の若手左打者で、俊足好打がセールスポイントという点でも共通している。
しかしながら、この試合のバッティングを見る限り、ブレイクするにはもう少し時間がかかりそうな印象。
三人のバッティングを見て共通するのは、インパクトで踵体重になってしまっている事。
つまり、無意識に一塁方向に体重が逃げてしまっているので、右ひざの割れが若干早くなって、右肩の壁が崩れるのも早い。
現状のバッティングでは、自分に向かってくる半速球にはスムースのバットが出てくると思うが、外角のストレート系や、外に逃げていくスライダー系の対応には苦労するだろう。
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【スコア】
中日 000 000 000 0
巨人 000 000 010 1
<巨人P>高橋優貴⇒戸根千明⇒田中豊樹⇒高梨雄平
<中日P>山本拓実⇒岡野雄一郎⇒橋本侑樹⇒清水達也⇒三ツ間卓也⇒鈴木博志
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【総評】
若手主体とは言え、相変わらずの貧打ぶりだった。
北村の一発がなければまさに昨日の試合の再現だったが、それは何とか免れた。
打線の中で心配なのは陽岱鋼。
今の内容を続けてしまうと原監督は厳しい決断を下すかもしれない。
一方で投手陣は、前段で指摘したように個々の課題はまだまだ感じるが、相手が若手主体とは言え、二試合連続無失点で終えた事は率直に評価すべきだろう。
ドラゴンズの方で目を引いたのは、決勝ホームランを打たれたが、清水の投球は今季の飛躍を十分に感じさせるものだった。
ストレートに角度を感じるし、非常に力強いボールだった。
これで変化球でカウントを簡単に稼げるようになると、昨日のカープ大道と同様にジャイアンツにとって厄介な存在になるだろう。
以上 敬称略
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