オープン戦 読売ジャイアンツvs東北楽天ゴールデンイーグルス 観戦レポート 2021.3.21
【ジャイアンツオーダー/攻撃内容/野手短評】
1番(右)梶谷隆幸
➀(P早川)フルカウントから粘って最後は低めのストレートを見切って四球、無死一塁
➁カウント1-0から止めたバットに当たって投ゴロ、チェンジ
➃カウント1-1から真ん中カーブを捉えて大きな中飛、二死
➆(P内間)フルカウントから外角カットボールを空三振、一死
<短評>
第一打席は明らかに本気モードで四球を奪いに行っていた。
これまでの打席とは明らかにオーラが違っていた。
バッティングは決して調子が良いとは思えないが、技術のある選手なので開幕までの五日間でキッチリと調子を上向きにしてくれると思う。
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⇒⇒(左)石川慎吾
➇相手が制球を乱して四球、一死一塁
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⇒⇒(走)増田大輝
2番(二)若林晃弘
➀カウント2-2から外角低めのストレートを捉えて右中二、無死二三塁
➂(P早川)カウント1-2から内角低めのスライダーを空三振、一死
➃カウント0-2から内角ストレートを見三振、チェンジ
➆カウント1-1から内角低めのカットボールを捉えて右本(打点1)、G6-E4
➇カウント2-2から内角ストレートを捉えて右安(エンドラン)、一死一三塁
<短評>
最終テストだったと思うが満点回答で開幕二番スタメンをガッチリ掴んだ。
元々左打席は内角球の捌きには定評があったが、それに磨きがかかっている。
又、右打席もドアスイングが影を潜めて、インサイドアウトのスイングが身につき始めている。
これからシーズンで結果を残していくには課題として二つある。
一つ目は特に右打席の課題として膝元の変化球への対応。
二つ目は特に左打席の課題として外角ストレート系の対応。
恐らく、本番になると相手バッテリーはここを攻めてくるだろう。
3番(遊)坂本勇人
➀カウント0-1から内角ストレートに差し込まれて右犠飛(打点1)、G1-E3、一死三塁
➂カウント1-1から内角カットボールにやや差し込まれながらも左安、一死一塁
➄カウント1-0から内角高めのストレートを捉えて中本(打点1)、G5-E4
<短評>
結果・内容ともに文句なし。
非常にコンパクトながらも力強いスイング。
下半身主導なので、バットのヘッドの走りが抜群に良い。
唯一気がかりなのは、あれだけフルスイングしてるので、シーズン途中での腰や脇腹の故障がやや心配。
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⇒⇒(遊)吉川尚輝
➆相手が制球を乱して四球、一死一塁
➇カウント1-1から外角ストレートを合わせて遊ゴロ(エンドラン、打点1)、G8-E4、死二塁
<短評>
第二打席の遊ゴロは、一塁走者が走った事でショートが二塁のベースカバーに入る動きが目に入って、そこに狙い打ったのなら百点満点の状況判断。
4番(三)岡本和真
➀カウント2-1から真ん中チェンジアップを捉えて中適安(打点1)、G2-E3、一死一塁
➂カウント2-2から外から曲がるカーブを上手く合わせて右安、一死一二塁
➄カウント1-2から外角低めのスライダーを見三振、一死
<短評>
彼も開幕に向けて万全な状態で迎える事になる。
ボールの見逃し方、ドッシリ感のある雰囲気、バットスイング、これら全てが物語っている。
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⇒⇒(三)北村拓己
➆カウント3-1からカットボールが外れて四球、一死一二塁
➇初球の外角ストレートを打ち損じて右飛、チェンジ
<短評>
ライバルたちが結果を出しているだけに、第二打席の打ち損じは痛かった。
5番(中)丸佳浩
➀カウント0-2から外角ストレートを捉えて左中二、一死二三塁
➂カウント1-2から真ん中低めのスライダーを空三振、二死一二塁
➄初球の真ん中カーブを打ち損じて一ゴロ、二死
<短評>
踏み出した右足の割れをギリギリ我慢出来ているし、踵体重にもなっていないし、タイミングも合っているケースが多い。
彼もキッチリと仕上げてきた。
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⇒⇒(中)重信慎之介
➆カウント1-2から真ん中低めのカットボールを捉えて中安、二塁走者が本塁憤死、二死一二塁
<短評>
ナイスヒットだったが、驚いたのはまたまた構えが変わっていたこと(体を縮めて小さな構え⇒膝を曲げる程度で上半身を丸めない構え)
金曜日に彼の構えが変わった事を指摘したばかりだが、再び元に戻っている。
6番(一)ウィーラー
➀カウント1-0から真ん中カットボールを引っかけて三ゴロ(打点1)、G3-E3、二死三塁
➂フルカウントから低めのチェンジアップを見切って四球、二死満塁
➄(P酒居)初球の真ん中ストレートを捉えるが遊ゴロ、チェンジ
<短評>
明らかにチームバッティングを意識している打席が多い。
「巨人の野球」に染まり過ぎると、巨人に居た頃のホセ・ロペスのように逆に輝きを失いかねないので、そこは懸念材料になる。
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⇒⇒(一)香月一也
➆フルカウントから内角低めのカットボールを見切って四球、二死満塁
<短評>
強振しながらも際どいボールを見切れたことは評価できる。
7番(捕)大城卓三
➀カウント0-2真ん中スライダーに詰まってショートゴロ、チェンジ
➂カウント2-2から真ん中低めのスライダーを引っかけて一ゴロ、チェンジ
➅(P渡邉佑)フルカウントから内角高めのストレートに空三振、一死
<短評>
今村への配球で悩んでいたように見えたが、バッティングもその影響を感じさせてしまった三打席だった(集中力がやや欠けていた)
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⇒⇒(捕)小林誠司
➆カウント1-1から真ん中カットボールを捉えて強いライナーの三安(打点1)G7-E4、二死満塁
<短評>
大城のスタメン起用に異議は全くないが、是非とも彼を「抑え捕手」として起用することを進言したい(延長なしなら戦略的に十分可能だと思う)
大竹、中川あたりは明らかに投げやすそうにしていたし、投球テンポも良かった。
8番(左右)松原聖弥
➁カウント2-2から外角低めのカーブに合わせるが遊ゴロ、一死
➃(P早川)カウント1-0から外角ストレートを引っかけて二ゴロ、一死
➅カウント1-2から外角スライダーを見三振、二死
➆カウント2-1から真ん中低めのカットボールを引っかけて二ゴロ(好プレー)、チェンジ
<短評>
やや打ち気にはやってしまい、強引に引っかけるバッティングが多くなっていた。
9番(指)中島宏之
➁カウント1-2から高めに浮いたチェンジアップを合わせただけの中飛、二死
➃カウント0-2から真ん中高めに浮いたカットボールを捉えて左本(打点1)、G4-E4、一死
➅カウント1-2から外角ストレートを空三振、チェンジ
<短評>
第二打席の一発は久しぶりにバットのヘッドがスパッと抜けたスイングだった。
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⇒⇒(打指)亀井善行
➇(P菅原)カウント1-0から真ん中ストレートを捉えるが中飛、一死
<短評>
バッティング内容に気になる点は無い。
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【ジャイアンツ登板投手/雑感】
☆今村信貴
ストレート系の平均球速は140キロ前半
変化球はショート、カットボール、フォーク、カーブ、スライダー
<雑感>
初回は、先頭の辰己を内角ショートで二ゴロ、田中を四球、小郷に死球、バッテリーエラーで二三塁に進塁、島内に甘く入ったストレートを捉えられて中適安(失点1)、茂木には内角ショートで詰まらせるがボテボテの投安、鈴木に押し出し四球(失点1)、横尾に緩いカーブを捉えられ大きな中犠飛(失点1)、小深田を内角高めのフォークで投ゴロ。
二回は、先頭の太田に低めのストレートを捉えられるが遊ゴロ、辰己には真ん中カーブを捉えられて右本(失点1)、田中を外角ストレートで空三振、小郷を内角ショートで詰まらせ二ゴロ。
三回は、先頭の島内を外角ストレートで捕ゴロ、茂木にはストレートの四球、鈴木には真ん中ストレートを捉えられるが中飛、横尾にも甘く入ったストレートを捉えられて右安、小深田を真ん中ストレートで押し込んで左飛、
四回は、先頭の太田を内角ストレートで詰まらせて三ゴロ、辰己を外角低めに流れるスライダーで空三振、田中を内角高めのストレートで一ゴロ。
五回は、先頭の小郷を外角ストレートで見三振、島内を四球、茂木を外角高めのストレートを捉えられて中飛、鈴木を外角低めのスライダーで引っかけさせて二ゴロ。
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立ち上がりは制球がかなりバラついていた。
先頭の辰己を討ち取った後、田中に対して簡単に追い込んでからフォークを連投してそれが全てボールになり、これが結局四球を与えることに繋がり、投球リズムが狂ってしまった。
監督が一回表終了後に大城に強い口調で「叱責」していたが、恐らくその初回からフォークを連投させた配球に苦言を呈したと思う(筆者も全く同じことを考えた)
2イニング目は、テンポアップして打者に向かっていたが、力んで制球を乱すパターンは改善されていなかった。
一発を打たれたのはカーブだが、特にストレートがかなり甘いゾーンに集まってしまっていた。
3イニング目も、まだまだ全体的にボールが高めに浮いてしまっていた。
特に勝負球が甘くなるので打者に芯で捉えられるケースが多かった。
4イニング目は、ようやくバッテリーの意図通りの投球が出来た。
5イニング目は、一死後の四球は余計だったが、ようやく外角のストレート系、スライダー系の出し入れが良くなっていた。
☆鍵谷陽平
ストレート系の平均球速は140キロ台後半
変化球はスライダー、フォーク、カットボール
<雑感>
六回に登場、横尾を外角ストレートで押し込んで右飛、小深田を外角低めのストレートで空三振、太田を真ん中ストレートで空三振。
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今春のオープン戦では最もストレートが走っていた。
リリーフ陣の仕上がりが不安視される中で、彼に関しては開幕に向けて万全の状態に仕上げてくれた。
☆高木京介
ストレート系の平均球速は140キロ台前半
変化球はカーブ、カットボール、チェンジアップ
<雑感>
七回に登場、先頭の辰己を低めのチェンジアップで空三振、田中を真ん中低めのチェンジアップで空三振、小郷を外角低めのチェンジアップで空三振。
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完璧な内容で三者三振に仕留める。
特にチェンジアップの抜けが良く、相手打者のタイミングを完全に外していた。
☆大竹寛
ストレート系の平均球速は140キロ台前半
変化球はスライダー、ショート、チェンジアップ
<雑感>
八回に登場、先頭の島内を外角低めのショートで引っかけさせて一ゴロ、渡邉を外角高めに浮いたチェンジアップで三ゴロ、鈴木を真ん中低めのストレートで引っかけさせて一ゴロ。
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渡邉を討ち取ったチェンジアップ以外は、ほぼ低めにボールが集まっていたので危なげなかった。
彼もここにきてキッチリと仕上げてくれた。
☆中川皓太
ストレート系の平均球速は140キロ台後半
変化球はスライダー、ツーシーム
<雑感>
九回に登場、先頭の銀次を真ん中低めのストレートで差し込んで二ゴロ、小深田を内角高めのストレートで詰まらせて三邪飛、和田を内角低めのスライダーで空三振。
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前回登板時は左打者の胸元にストレートを投げなかったが、今回はキッチリとそこに投げ込んで仕留める事が出来ていたので、これで彼も全ての課題はクリアしたことになる。
彼も万全な状態でシーズンを迎える。
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【イーグルス先発オーダー】
1番(指)辰己
2番(中)田中和
3番(右)小郷
4番(左)島内
5番(遊)茂木
6番(三)鈴木
7番(一)横尾
8番(二)小深田
9番(捕)太田
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【スコア】
楽天 310 000 000 4
巨人 300 110 21X 8
<巨人P>今村⇒鍵谷⇒高木⇒大竹⇒中川
<楽天P>早川⇒酒居⇒渡邉佑⇒内間⇒菅原
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【総評】
イーグルスの黄金ルーキー早川について、この試合に関しては巨人打線の大半にフルスイングされていたので、そこまで打ちづらそうな投手だとは思わなかった可能性の方が高い。
特に緩い変化球のチェンジアップやカーブに対しても崩されるようなスイングが殆ど見られなかったので、このままの状態で本番を迎えるようならかなり危ういと思う。
一方、巨人については、前日のコラムではリリーフ陣の不安を吐露したが、今日投げた中堅・ベテランのリリーバーは、開幕に向けて万全の状態で臨めることを確認できたので安心した。
左は高木がかなり調子を上げているので、高梨とのセットで戦える体制は出来たし、右も鍵谷とベテラン大竹が元気なので最低限の布陣は整えられた。
更に盤石なモノとするには力勝負が出来るデラロサの回復待ちではあるが、当面はビエイラに頑張ってもらうしかない。
新守護神の中川は盤石。
まあ、少なくとも去年の開幕時よりも面子は揃っていると思う。
最後に、明日のコラムでは今年のセリーグの戦力分析を公開する予定です。
但し、長文になる可能性が濃厚なので、複数回に分ける可能性もあります。
そして最後に恒例のセパ順位予想を行い、開幕を迎えたいと思っています。
是非ともご覧くださいませ!
以上 敬称略
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