広告

2021開幕直前 読売ジャイアンツ 戦力分析

広告

新型コロナウイルスによって平穏な日常を取り戻すこと出来ない日々が続いているが、それでも私のような「野球人」にとっては「唯一のオアシス」であるプロ野球は開幕を迎えることが出来た。
観客制限、声援の自粛など、まだまだ通常のプロ野球の興行には程遠い状況ではあるが、個人的には開催してくれるだけでもホントありがたい。
さて、毎年この時期、巷では多くの評論家やプロ野球ファンが今年の順位予想を語っているが、幣ブログでも全く当たらない”それ”を今回もウダウダと懲りずに書き綴っていく。
まずは「反省」として、去年の順位予想の答え合わせを行う。



【2020 セリーグ順位予想】
1位 読売ジャイアンツ
2位 横浜DeNAベイスターズ
3位 広島東洋カープ
4位 中日ドラゴンズ
5位 阪神タイガース
6位 東京ヤクルトスワローズ

【実際の順位 セリーグ】
1位 読売ジャイアンツ
2位 阪神タイガース
3位 中日ドラゴンズ
4位 横浜DeNAベイスターズ
5位 広島東洋カープ
6位 東京ヤクルトスワローズ

1位と6位が当たっただけで予想としては情けない結果となった。
その要因としては、阪神と中日の力を過小評価していたというよりも、広島とDeNAの予想以上の弱体化を見抜けなかったこと。
——————————–



【2020 パリーグ順位予想】
1位 埼玉西武ライオンズ
2位 福岡ソフトバンクホークス
3位 東北楽天ゴールデンイーグルス
4位 北海道日本ハムファイターズ
5位 オリックスバファローズ
6位 千葉ロッテマリーンズ

【実際の順位 パリーグ】
1位 福岡ソフトバンクホークス
2位 千葉ロッテマリーンズ
3位 埼玉西武ライオンズ
4位 東北楽天ゴールデンイーグルス
5位 北海道日本ハムファイターズ
6位 オリックスバファローズ

パリーグについては細かい戦力分析を行っていないので元々明確な根拠があった訳ではないが、こちらは全ての順位で的中無し、なんともお恥ずかしい限りである。
——————————–

このように全く当たらない順位予想だが、ご覧いただく読者がいる限りは今年も精一杯行っていく。
まずはじめに超激辛NPBコラムの順位予想の「根拠」について説明する。
最初に各球団の去年のデータを客観的に分析する為にセイバーメトリクスを用いていく。
但し、セイバーメトリクスは採用するデータによっては見えてくる景色が変わってくる場合があるし、指数自体も記録作成者の主観が少なからず含まれているモノもいくつかあるので、そこは注意した方が良いと思う。
そして、その採用したセイバーメトリクスをベースに、筆者の主観で今季の新戦力の活躍を予想し、既存選手の成長や衰えなどを考慮して、本年度の各チームの戦力分析を行っていく。
そして最終的にこれらの分析を元に順位を決めていく流れとなる。



<今回採用したセイバー指標の説明>
~打撃~
※BB% 四球獲得能力を表した指数
※IsoP 長打力にフォーカスして表した指数
※wRAA ざっくりと言えば、打者の得点貢献度を数値で表したもので、リーグ平均の打者が同じ打席数立った場合と比べて、何点多く貢献したかを評価する指標
※wRC+ ざっくりと言えば、球場の違いによって及ぼされる打撃成績への影響を排除した上で、打者がどのくらい得点を生み出せる能力があるのかを100を基準にして計った指標

~走塁~
※wSB 盗塁をする事によって、どのくらいチームに貢献したか、あるいはチームに損失を与えたかを推定する指標
※UBR 盗塁以外の走塁でどのくらい得点に貢献したかを表す指標

~守備~
※UZR 各ポジションの平均値と比べて、どれだけ失点を防いだかを表す指標
※ARM 送球による守備貢献度、捕殺数だけではなく走者の進塁をどれだけ抑止したかを表す指標
※RngR 守備範囲の広さを表す指標
※DPR 併殺が期待される状況で、どれだけ併殺を完成させたかを表す指標

~投手~
※FIP 守備から独立した防御率。本塁打以外の打球の部分は無視し、被本塁打・奪三振・与四死球から算出。運の要素を取り払い、より実力に近い数値が出る
※K-BB 奪三振と四球の比率で、投手としての純粋な能力を計る指標の一つ
——————————–



☆読売ジャイアンツ☆
【2020打撃指標】評価B+
※BB% 9.4(2位)
※IsoP .155(1位)
※wRAA +33.4(1位)
※wRC+ 93(2位)
・四球獲得能力を表したBB%は前年の数値(9.8)と比べて悪化
・長打力を表したIsoPは前年の数値(.165)と比べて悪化
・得点貢献度を表したwRAAは前年の数値(+69.7)と比べて悪化
・打者の得点能力を表したWRC+は前年の数値(99)と比べて悪化
2020年の指標は軒並み悪化した。
その最大の要因は何と言っても坂本と丸の不調で、特に坂本は2019年がキャリアハイに近い成績だったので、その落差は非常に激しかった。
但し、それでもリーグトップレベルの攻撃力であることは変わらなかったので、そういう意味ではこの打撃部門に関してはセリーグでは他を圧倒しているといっても過言ではない。

【2020走塁指標】評価B
※wSB +2.2(同1位)
※UBR +2.9(3位)
・盗塁の効果を表したwSBは前年の数値(+5.5)と比べて悪化
・走塁(盗塁は除く)の貢献度を表したUSBは前年の数値(-10.3)と比べて良化
wSBに関しては若干悪化したがほぼ横ばいと見て良いと思う。
wUBRが好転したのは、丸の数値が大きく改善された事が最大の要因。
他にも走力のある松原の台頭も引き上げに貢献していた。



【2020守備指標】評価C+
※UZR +55.3(1位)
※ARM -1.2(4位)
※RngR +41.8(1位)
※DPR +0.5(4位)
・守備全般の相対評価を表したUZRは前年の数値(+0.6)と比べて良化
・送球による守備貢献度を表したARMは前年の数値(+0.3)と比べて悪化
・守備範囲の広さを表したRngRは前年の数値(+4.6)と比べて良化
・併殺の完成度を表したDPRは前年の数値(+8.4)と比べて悪化
UZRとRngRが大幅良化した要因は、内野では坂本、岡本の数値が大きく改善された事。
そして、守備範囲の広さに関してはリーグ屈指の吉川の試合出場数が大幅に増えた事も大きかった。
又、外野でも丸の数値がやや改善された事と松原の台頭がここでも大きかった。
一方で、ARMやDPRの悪化については、内外野の送球の部分にまだまだ改善の余地が残っている事を示している。

【2020投手指標】評価E+
※FIP 4.35(5位)
※K/BB 2.27(4位)
・真の防御率を表したFIPは前年の数値(4.28)と比べて悪化
・投手としての完成度を表したK/BBは前年の数値(2.55)と比べて悪化
前年と比べてFIP、K/BBともに若干悪化したが、この数値の上位チームと比べると先発陣の力量が一枚落ちる。
残念ながら菅野以外の先発投手で、僅差のリードをゲーム終盤まで守り切れるような先発投手は居なかった。
主戦ローテ格の戸郷、サンチェスともに六回辺りで限界を迎えてしまっていた。
つまり、現状の先発投手陣は菅野以外は打線の援護にかなり助けられていたということ。
リリーフも高梨の加入で層は厚くなったが、守護神デラロサの不調と絶対的セットアッパー中川もシーズン終盤に故障で離脱したので、先発陣の穴を大きくカバーするまでには居たならなった。



【2121主な新戦力】
<投手>
※井納翔一(FA)、平内龍太(ドラ1)、伊藤優輔(ドラ4)
田口の抜けた穴を井納が埋める事になるが、ルーキーの平内と伊藤に関しては計算出来るレベルのは達していない。
故障復帰組の中では野上、戸根、高木、この三人は1軍レベルで既に実績があり、オープン戦でも既に登板しているので今季は戦力になる可能性は十分感じる。
有望若手組の中では横川、直江の台頭が期待されるが、まだまだ計算出来るレベルには達していないというのが筆者の見立て。
——————————–
<野手>
※梶谷隆幸(FA)、スモーク(新外国人)、テームズ(新外国人)、廣岡大志(トレード)、秋広優人(ドラ5)
梶谷については、仮に今季も去年並みの成績を残す前提で予想するなら、去年の得点力を一段、いや二段階引き上げる能力を持っている。
廣岡についてはまだまだ課題が多いが「ショートを守れる長距離砲の控え内野手」という観点で見ると、今の巨人内野手には居ないタイプの選手なので、そこそこの戦力の底上げには繋がると見ている。
ルーキーの秋広については、今季に限って言えばまだまだ計算出来るレベルには達していない。
新外国人二人に関しては、コロナ禍で来日出来ていない状況で予想が難しい。
仮に三月、四月中に来日したとしても、コンディション的に交流戦辺りから起用される可能性が高い。
筆者の見立てでは、若い選手なら別だが、残念ながら両者ともに三十路半ばのベテランなので、このブランクはアスリートとして致命傷になる可能性が高いと見ている。
よってプラスアルファ程度で考えておいた方が良いと思う。



【2021戦力分析】※攻撃は打撃力と走塁力、防御は守備力と投手力で評価
<攻撃>
2020評価「B」⇒2021年は最高「A」~最低「B」
大きな怪我をしない事が前提だが、梶谷の加入は掛け値なしに大きい。
他球団の1番打者と比較してもトップバッターとしての打線への貢献は抜きんでている。
例えば得点貢献度を表した「wRAA」は巨人吉川が+0.9,阪神近本が+10.4、中日大島は+10.3、ヤクルト坂口は+3.1、広島田中+2.5、そしてDeNA梶谷は+31.4。
これはリーグ全体でも5番目で、1番打者の中でも抜きんでていることが一目瞭然で分かる。
しかも、走塁面での得点貢献度を示したUBRに至っては+5.4でリーグトップの数値をマークしている。
ちなみに吉川はこのUBRが+0.8だったので、ベースランニングでも梶谷の優秀さが伺える。
又、去年はサカマルがベストパフォーマンスから程遠いことを考えると、仮に梶谷が故障がちになって出場機会が減っても去年よりも大きく数値を落とす事は考えづらい。
以上の考察から、仮に新外国人を計算に入れなくても、今季の攻撃力は最低に見積もっても去年のレベルを落とす事は無いと思う。
——————————-
<防御>
2020評価「D+」⇒2021年は最高「C」~最低「E+」
残念ながら投手陣は大きなプラス要素はない。
冷静に評価して、伸び盛りの戸郷が去年の活躍からどれだけ上積み出来るか?
又は、二年目のサンチェスが日本に慣れてどこまで上積み出来るか?
横川や直江など将来性豊かな若い投手もファームに控えているが、巨人ファンである前にプロ野球ファンとして俯瞰してみると、この二点しかプラス要素は見つからない。
むしろ、前述の戸郷やサンチェスが相手に丸裸にされて成績を落とす可能性も全く否定できない訳ではないし、新戦力と呼べる投手は井納だけなので、移籍した田口のマイナス分を考えれば大きなプラス要素とは考えづらい。
一方で、守備に関してはライトの不動のレギュラーとして期待されている梶谷の加入は「マイナスになる可能性が高い」というのが率直なところ。
去年の松原はリーグトップクラスの守備力だったので、それと比べると大きく見劣りする。
しかし、レフトを予定している新外国人のテームズを押しのけて、守備力の高い松原や若林がレフトを守るようになれば、外野守備力は去年程度を維持できる可能性は十分になる。
そして内野守備に関しては、今年も吉川が怪我無くレギュラーになれば去年並みの守備力は期待出来る(若林の試合数が増えた場合は数値が落ちる可能性がある)
一塁を予定しているスモークは若干マイナス要素だが、今キャンプの動きを見る限りショート坂本が急激に衰えるようには思えないし、サード岡本も年々向上している。
こうして投手力と守備力を合わせた防御力の最終評価は、やはり投手陣の不安からややネガティブな評価となった。

次回以降は阪神、中日、DeNA、広島、ヤクルトの戦力分析を公開していく。

以上 敬称略
超激辛NPBコラムはTwitterでも活動しています。(超激辛NPBコラムTwitterはこちらをクリック)
Twitterではblogで書ききれなかった事や、ファームの試合雑感、G以外他チームの試合雑感、注目選手の評価、ブログ更新情報など、様々な発信をしております。
又、ブログについての感想やご意見もこちらで受け付けております。
このブログを読んで気に入った方は是非ともフォローしてください。
尚、フォローバックにつきましては、基本的にコメントのやり取りをした方に対してのみ行いますのでご了承ください。(超激辛NPBコラムTwitterはこちらをクリック)
にほんブログ村 野球ブログ 読売ジャイアンツへ
いつも応援有り難うございます!
あなたからの清き一票がブログを更新する原動力となりますので、是非、上記バナーをクリックして応援をお願い致します!