横浜DeNAベイスターズvs読売ジャイアンツ 4回戦 観戦レポート 2021.4.16
【試合結果】
巨 人 002 013 010 7
DeNA 000 000 000 0
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DeNAⓅ坂本⇒三上⇒伊勢⇒石田、櫻井、砂田=戸柱、山本
巨人Ⓟ菅野=大城、炭谷
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{勝}菅野1勝1敗
{敗}DeNA 坂本0勝1敗
{S}
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{本}坂本2号(以上巨人)
【試合経過/巨人サイドからの考察】
☆1回表☆
{経過}
Ⓟ坂本、松原は左安⇒坂本は右飛⇒梶谷は遊ゴロ(エンドラン)⇒岡本は遊飛。
{考察}
先頭の松原がヒットで出塁するが後続がチャンスを拡げられず無得点。
ここまでは坂本のストレートに対して各打者がタイミング的に差し込まれている印象。
★1回裏★
{経過}
Ⓟ菅野、桑原は右安⇒牧を遊併打⇒オースティンを空三振。
{考察}
先頭の桑原にヒットを許すが、続く牧を外角低めのスライダー系で引っかけさせて併殺打で仕留め、オースティンに対しては同じくスライダーで三振を奪う。
菅野はややストレート系が抜け気味だったが、まずまずの内容で立ち上がった。
☆2回表☆
{経過}
Ⓟ坂本、亀井は左中二⇒廣岡は投犠打失敗⇒大城は中安(エンドラン成功)⇒増田は一邪飛⇒菅野は二ゴロ。
{考察}
この回の巨人は非常にチグハグな攻撃をしてしまう。
廣岡のバント失敗は論外として、増田がミエミエの内角ストレートを強引に逆方向に打とうとしたことについては、正直言って野球脳をあまり感じないバッティングだった。
★2回裏★
{経過}
Ⓟ菅野、佐野を二ゴロ⇒ソトは右飛⇒宮﨑は中安⇒大和は二直。
{考察}
この回も菅野はストレート(フォーシーム)が抜けていたが、スライダー系の精度が良かったので大事には至らなかった。
立ち上がりの菅野の投球内容を論評すると、ストレートは球威を感じるがややシュート回転気味で甘くなる傾向がある。
一方でスライダー、カットボールの精度は上々。
☆3回表☆
{経過}
Ⓟ坂本、松原は中安⇒坂本も中安⇒梶谷は中飛(一二塁の走者がそれぞれ進塁)⇒岡本は右中適二(得点2)、G2-B0⇒亀井は三邪飛⇒廣岡は死球⇒大城は左安(一塁走者の廣岡がオーバーランをして二塁走者の岡本が憤死)
{考察}
この回の攻撃で非常に大きかったプレーは、梶谷の中飛で二塁走者の松原だけではなく一塁走者の坂本も二塁に進塁した事。
これで続いて打席に立った岡本はダブルプレーが消えたので、精神的に楽になった。
逆にDeNAサイドから見れば、センターの桑原の判断が拙かった。
あの打球、捕球体勢で二塁走者の松原を刺すのは無理筋なので、一塁走者の進塁を阻止する為の送球をしなければならなかった。
★3回裏★
{経過}
Ⓟ菅野、戸柱を一ゴロ⇒坂本を二ゴロ⇒桑原は中安
{考察}
この回の菅野はフォーシームのシュート回転がほぼ無くなっていた。
相変わらず抜群のスライダー系とのコンビネーションで危なげなく三者凡退で終える。
又、ここまでスプリット系を殆ど投げていない。
☆4回表☆
{経過}
Ⓟ坂本、増田は中飛⇒菅野は右飛⇒松原は中飛。
{考察}
この回の巨人打線は三人で攻撃を終える。
★4回裏★
{経過}
Ⓟ菅野、牧を空三振⇒オースティンは右越二⇒佐野を二ゴロ⇒ソトを中飛。
{考察}
一死後にオースティンに二塁打を浴びるが、佐野とソトをストレートで押し込んで討ち取った。
この回は牧に対して勝負球でスプリット系を使っていた
☆5回表☆
{経過}
Ⓟ坂本、坂本は中本(得点1)、G3-B0、梶谷は二ゴロ⇒岡本は四球⇒亀井が右安(一塁走者の岡本がオーバーランで憤死)⇒廣岡が中越安⇒大城は二ゴロ。
{考察}
この回の巨人は坂本の一発が生まれ、更に一死後に畳みかけるチャンスを作るが、またも走塁ミスが生まれ、チグハグな攻撃で1点止まり。
★5回裏★
{経過}
Ⓟ菅野、宮﨑を投ゴロ⇒大和を二ゴロ⇒戸柱を二ゴロ。
{考察}
菅野は危なげなく下位打線を三者凡退で抑える。
又、この回からスプリット系を多めに使い始める。
☆6回表☆
{経過}
Ⓟ三上、代打吉川は一直⇒菅野は投襲安、投手交代、Ⓟ伊勢、松原は左中二⇒坂本は四球⇒梶谷は左適二(打点2)、G5-B0⇒岡本は左適安(得点1)、G6-B0⇒亀井は二併打。
{考察}
この回は菅野の強襲ヒットを皮切りに見事に打線が繋がった。
特に投手が伊勢に変わった直後の松原の二塁打が非常に大きかった。
これで伊勢は冷静さを失って制球を乱し、ストレートで勝負せざるをえない状況を自分で作ってしまった。
★6回裏★
{経過}
Ⓟ菅野、神里を左飛⇒桑原を遊ゴロ⇒牧は右安⇒オースティンを空三振。
{考察}
この回は二死から牧に甘いストレートを捉えられたが、オースティンをスプリットで三振を奪う。
☆7回表☆
{経過}
Ⓟ石田、廣岡は空三振⇒大城は空三振⇒吉川は右越二⇒菅野は右飛。
{考察}
二死から吉川がフェンス直撃の二塁打を放つが菅野が倒れて無得点。
★7回裏★
{経過}
Ⓟ菅野、佐野は中安⇒ソトを中飛⇒宮﨑は左安⇒代打倉本を投併打。
{考察}
菅野は佐野と宮﨑にヒットを許して得点圏に走者を背負うが、代打倉本には外角低めに落ちるスリットを打たせ、狙い通りの併殺打で切り抜ける。
☆8回表☆
{経過}
Ⓟ櫻井、松原は二安⇒バッテリーエラーで一塁走者が二進⇒坂本が右中二(二塁走者の松原は三塁止まり)⇒梶谷は空三振⇒岡本は四球⇒重信は左適安(得点1)、G7-B0⇒廣岡は一飛⇒炭谷は中飛。
{考察}
坂本の二塁打で二塁走者の松原が生還できなかった走塁はいただけなかったが、その後に重信がタイムリーを放って彼を助けた。
★8回裏★
{経過}
Ⓟ菅野、代打関根を右飛⇒代打山下を左飛⇒桑原を二ゴロ。
{考察}
この回も菅野は危なげなく三者凡退。
☆9回表☆
{経過}
Ⓟ砂田、吉川は中安⇒菅野は投犠打⇒松原は左飛⇒立岡は中飛。
{考察}
一死二塁のチャンスを作るが松原、立岡が倒れて無得点。
★9回裏★
{経過}
Ⓟ菅野、牧を三ゴロ⇒オースティンを空三振⇒佐野は四球⇒ソトを右飛でゲームセット。
{考察}
佐野に四球を許して惜しくも無四球試合を逃した菅野だったが、最後はソトをツーシームでねじ伏せて試合終了。
【勝負を分けたポイント】
巨人側が攻撃面でミスを連発していたので、決して予断を許すことは出来ない状況だったが、5回表の坂本の一発は、ハマスタの観客や横浜ベンチの落胆ぶりが画面から伝わってきたので、この一発で巨人ベンチはイケイケ状態、逆に横浜ベンチは防戦一方になった。
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【選手雑感】
☆松原聖弥☆
現在、彼のバットスイングを見てると、バットではなくテニスラケットでバッティングをしているように見える。
つまり、ボールとバットが「くっつく」感覚でスイングしているように見える。
それだけ懐深く、自分のポイントまでギリギリ引き付けて強く叩けていることになる。
この試合も彼が巨人打線に火を着けたことを誰もが認めると思う。
去年より間違いなくバッティングのレベルは進歩し、打者としても次なるステージの入り口に立ちつつある。
筆者が監督ならそう簡単にテームスを起用するという選択肢はとらないだろう。
☆岡本和真☆
相手先発の坂本との相性が良いことが幸いしたのかもしれないが、ここ数試合では見られなかった「ボールの見送り方」をしていた。
その傾向は別の投手でも同じだったので、もしかしたら何かを掴んだのかもしれない。
又、ファールのスイングも煽り気味の傾向が薄くなっていたので、調子はようやく底を抜けた(と思いたい)
☆吉川尚輝☆
途中からの出場だったが、二軍戦のHRの内容も含めて、ようやくバッティングの調子が上がってきた。
具体的には、以前は投手の投げたボールに対して自分から突っかかりにいくようなバッティングをしていたが、今は下半身主導のバッティングフォームで、腕よりも先に下半身が投手側に向かっていくのでボールを長く見れるようになり、それに伴ってスイングもシャープさが増している。
松原のバッティングを参考にしたというか、良い意味で影響を受けたのかもしれない。
☆菅野智之☆
去年とはピッチングスタイルが明らかに変わっている。
元々、筆者は彼の「横回転」の投球フォームでは、縦に落ちるフォーク系よりも、シュート回転しながら落ちるシンカー系の方が相性が良いという見方をしていた。
そして、この試合で多投したシンカー気味のスプリットは、打者目線では左右問わずに非常に厄介なボールになっていた。
落差もあったが、それよりもスピードが有って小さく鋭く落ちるので、ストレート系との見極めが非常に難しい
しかも、彼からすればプレートの位置を一塁側に替えたことによって、ショート回転のボールは角度が生まれるので「非常に投げやすく、制御しやすい」という事だと思う。
恐らく、このボールはスライダー投手だった菅野の投球スタイルを大きく変える事になるだろう。
今までは勝負球として最も使っていたボールは、右打者には外角へのストレート系とスライダー系の出し入れ、左打者には懐へのストレート系とスライダー系で攻めていたが、この試合では中盤以降は勝負球でこのシンカー気味のスプリットを多投していた。
このシンカー気味のスプリットが「一過性」のモノではなく、次戦以降も操れるようなら、今シーズンも間違いなく勝ち星を量産するだろう。
【総評】
この試合前の日中に二軍戦で新外国人のスモークとテームズが出場した。
筆者もこの試合をCSで観戦したが、論評するにはもう少し彼らのバッティングを見たいところ(バッティングの内容と結果はTwitterで発信済)
どうやら明日も出場するようなので、彼らについては近日中に触れていこうと思う。
さて、この試合でようやく巨人打線は大爆発した。
まあ、前段でも触れたように攻撃の中で大小のミスが多く、拙攻と言っても良いケースが少なくなかったが、兎にも角にも19安打という結果が良かった。
ここまで、各打者の打率が酷かっただけに、これでようやくそれなりに見られる数字になったことは今後の試合に向けて精神的に楽になれるのは何気に大きい。
但し、こういう試合の後は一転して打線が沈黙というケースも少なくないので、そこは気を引き締めて望んで欲しい。
以上 敬称略
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