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オープン戦 ソフトバンクvs巨人 雑感 (2016年3月9日)

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昨日のジャイアンツは福岡ドームに場所を移して、福岡ソフトバンクホークスとオープン戦を行った。

 

【先発オーダー】
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【G野手雑感】

①立岡宗一郎
1、中低めフォークを当てただけショートゴロ →盗塁失敗
2、中直球を捉えてセンター前ヒット
3、外直球を引っ掻けてセカンドゴロ
4、中カーブを合わせただけのショートゴロ

二打席目は粘った末に最後はセンター前に弾き返す見事な内容だったが、他の打席はアッサリ終わるケースが多かった。


②重信慎之介
1、中直球をやや詰まってセンター前ヒット
2、中フォークを空振り三振
3、中スライダーをバットの先でセカンドハーフライナー
4、内フォークを叩いて一二塁間ヒット

2番打者として大いにアピールしていた。
特に四打席目(1アウト1塁)の場面では、カウントが追い込まれた状況で、4球目の低めチェンジアップを見切って、最期は高めに浮いたカットボールを上から叩いた。
非常に中身が濃く、称賛に値する内容だった。

 

③坂本勇人 好走塁 送球エラー

1、中直球をやや詰まってライト前ヒット
2、中スライダーを合わせただけセカンドゴロ
3、中フォークを引っ掻けてサードゴロ
4、内直球を見送り三振

今年も彼にとっては厳しい一年を予感させる内容だった。
去年までは足を高く上げてタイミングを計るのが彼のスタイルだが、今年はやや摺り足気味にするスタイルをキャンプでは取り組んでいたが、結局途中で諦めて、再び試行錯誤を繰り返している。
特に四打席目のように、相手が高速クイックで投げるケースでは全く対応できていない。
今年も各チームの坂本攻略法は、タイミングを外すことを真っ先に考えるだろう。
彼はこの部分に関して、あまりにも脆い。

これまで筆者は今年のオーダーを考える上で、打球判断が良く、ベースランニングが上手い坂本を3番を推していたが、この考えは間違っていたかもしれない。
一塁に足の速い走者が居る場面では、相手投手はクイックモーションで投げてくるが、坂本の場合はそれに全く対応出来ない。
体が前に突っ込んでしまうので、変化球はボール球を振って、直球には差し込まれてしまい、最後は三振で終わるケースが多い。

やはり3番は長野にするべきなのか・・・。

 

④ギャレット エラー
1、外直球を打ち上げてショートフライ
2、中直球を詰まってセンターフライ
3、外高めフォークを捉えて左中間スタンドへHR 打点1

140キロ中盤の直球に対しては相変わらず差し込まれ気味だが、甘い半速球に対しては強く、ヤフオクドームの左中間にスタンドインさせる破壊力は、他のG打者にはない魅力である。
それでも、ややタイミング的に遅れるケースが多いので、本番で結果を残していくにはもう少し早めに始動してほしい。

又、ファーストの守備では打球判断のミスと、牽制球を後ろに逸らすミスを犯してしまった。


→吉川大幾 (守備機会のみ)


→亀井善行
1、中スライダーを引っ掻けてファーストゴロ

 

→藤村大介 (守備機会のみ)

 

⑤クルーズ
1、中スライダーを打ち上げてショートフライ
2、中直球を詰まってライトフライ
3、内シュートを捉えてレフトスタンドへHR 打点1

彼も体に向かってくる半速球系のボールには強い。
しかも、しっかりスイング出来る選手なので、長打になる可能性が高い。
その反面、やはり体から逃げていくボールには脆い。

一方で守備ではイージーミスを犯してしまった。

 

→中井大介
1、中高め直球を空振り三振

 

⑥長野久義
1、外フォークを空振り三振
2、中直球を捉えて大きなセンターフライ

 

→大田泰示
1、中直球を空振り三振
2、中直球を詰まってレフトフライ

 

⑦村田修一
1、外直球をセカンドゴロ
2、内直球を空振り三振
3、相手が制球を乱して四球
4、外スライダーを泳がされてショートゴロ

完全に悪い状態に戻ってしまった。
以前指摘したように、構えが固く、バックスイングが殆ど無いので、バッティングに「間」が全く無い。
下半身を全く使えずにスイングしているので、直球には差し込まれて手が出ず、変化球には上半身でボールを追っかけてしまう。

 

⑧岡本和真
1、内フォークを空振り三振
2、中低めフォークを空振り三振
3、外直球を見送り三振

完全にバッティングが崩れてしまっている。
ボールを追っかけるようなスイングになってるし、見送り方も良くない(ボールの見切りが早い)
かなり重症である。

 

⑨小林誠司
1、外スライダーを引っ掻けてピッチャーゴロ
2、中直球をやや詰まってレフトフライ
3、中低めカーブを合わせてセンター前ヒット

今年のオープン戦は毎試合ヒットを1本打ってる印象がある。
バッティングに関しては去年よりも下半身を使えているので、粘り強さとパンチ力が増している。

一方、守備面では捕球ミスが出てしまったが、盗塁を阻止してポレダを助けた場面もあった。


【G投手雑感】

☆ポレダ 5回2安打5四球1失点(自責点0) 奪三振5
直球系(カット・ツーシーム)とスライダーを軸に、カーブとチェンジアップを投げていた。
直球系のスピードは144~150キロ。

暴投や五つの四球を与えていたので、去年と変わらず「今年も制球力に課題を残す」と評価するのが普通かもしれない。
又、安易に四球を与えてしまう場面も有ったので、そこは大きな反省材料ではある。

但し、ボール一つ一つを見ると明らかに去年よりも精度は上がっている。
直球系に関しては、右打者の外(左打者の内)にはシュート気味のツーシーム、右打者の内(左打者の外)にはカット気味の直球を投げ分けていた。
又、スライダーの出し入れも完璧とは言わないが、去年よりもストライクゾーンからボールゾーンに流れていくので、打者からすれば見極めが難しくなっている。
しかも、カーブでカウントを稼ぐ場面もあったし、チェンジアップで三振を奪う場面もあった。

あれだけ走者を出して1失点という結果で纏めたのは、幸運とH打線の拙攻に助けられた事は否定しないが、勝負処でコースを丁寧に突くピッチングは去年のポレダには見られない投球だった。
去年の彼の投球スタイルは、ピンチになると制球をアバウトにして力でねじ伏せようとしていたが、今回はボールになる変化球や、勝負球を投じる前に打者の胸元に布石の一球を投げるなど、思慮深い投球スタイルになっていた。
また、投球モーションを見ると、全く力んでいる印象もなかったので、去年よりも多くの球数(イニング)を期待できるかもしれない。

今年は投げる毎に内容的に感心させられる部分が多く、もしかしたら本当に期待できるかもしれない。

 

→マシソン 1回1安打0失点
直球系を軸にスプリットを投げていた。
直球のスピードは146~151キロ。

先発として調整を続けてきた成果かもしれないが、カウントを稼ぐ直球と決めに行く直球のメリハリが有った。
投球モーションもインパクトの瞬間だけ力を集中させているように感じるし、全く力みを感じない。
同じ150キロでも、ボールが上ずっていないので球威を感じる。

ヒットを打たれたのは甘く入ったフォークだったが、このボールに対しても打者は上手く合わせただけで、対戦した全打者に共通して言える事は。自分のスイングが殆ど出来ていなかった。

 

→澤村 1回1安打1四球0失点
直球系(ツーシーム含む)を軸にスプリットを投げていた。
直球系のスピードは146~149キロ。

今年の実戦登板では初めて強く腕を振っていた。
これは肩の状態が上向いて来た事を意味していると思う。
投じていたボールの質はあまり良くなかったが、彼にとっては強く腕が振れた事が大きな収穫だと思う。

状態は確実に上向いている。

 

→山口 1回0安打0失点
直球系(ツーシーム含む)を軸にスライダーとチェンジアップを投げていた。
直球系のスピードは136~137キロ。

直球のスピード感は無いが、変化球の切れと制球は完璧だった。
ツーシームとスライダーをコースにキッチリ決めていたし、チェンジアップも打者のタイミングを外していた。
変化球を投げる際も腕がしっかり振れていたので、体調面でも全く心配ないだろう。

 

→公文 1回1安打1失点
直球系(カット・ツーシーム含む)を軸にスライダーを投げていた。
直球系のスピードは132~138キロ。

全体的にボールの切れと制球はまずまず良かったが、同点HRを打たれたスライダーは不用意な一球だった。
このボールを要求した小林には別の意図(内角への見せ球)が有ったかもしれないが、公文はそれを理解していなかった(又はそこへ投げきる制球力が無かった)
仮に本番で同じ状況になった場合は、1点差で内角へ緩いボールを要求する配球は理解しがたい。

 

【試合結果】

 123456789
巨 人0000002002
ソフトバンク0100000012

ポレダ、マシソン、澤村、山口、公文
千賀、嘉弥真、二保、五十嵐、スアレス

 

【試合総評】
一昨日と同じで試合内容は「しょっぱい」の一言。
巨人は内野陣がミスを連発し、自ら相手にチャンスを与えていたが、ソフトバンク打線の拙攻によって助けられての2失点。
又、打線も両外国人の一発で何とか2点奪ったが、打線の繋がりを感じることは皆無に等しかった。

一方でソフトバンクも打線がやや心配ではある。
特に柳田については、先日の記事でも書いたが、やはり右肩で壁を作れていないので、ボールの見切りが早くなってしまう。
イ・デホが抜けてカニザレスが一軍で使われる事になると思うが、彼も魅力的な選手ではあるが、バッティングの懐の深さはイ・デホとは比べ物にならないので、打点を多く稼ぐタイプにも見えない。
仮に柳田が本調子にならないまま故障が再発する事態になると、一気に得点力は半減するかもしれない。

だが、投手陣に関しては驚異的な駒の多さで、しかも各投手のレベルが非常に高い。
最終回に登板したスアレスが外国人枠の関係で二軍濃厚のようだが、抑えに困ってるチームからすれば「喉から手が出るほど欲しい投手」である。

敬称略