読売ジャイアンツvs横浜DeNAベイスターズ 9回戦 観戦レポート 2021.6.22
【試合結果】
DeNA 010 000 000 1
巨 人 003 300 00X 6
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巨人Ⓟサンチェス、畠、田中豊=大城、炭谷
DeⓅ中川、櫻井、シャッケルフォード、伊勢=伊藤光、山本
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{勝}サンチェス 5勝4敗
{敗}中川 0勝1敗
{S}
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{本}丸6号、北村1号(以上巨人)
【試合経過/巨人サイドからの考察】
☆1回表☆
{経過}
Ⓟサンチェス、桑原を投ゴロ⇒伊藤を空三振⇒佐野は右安⇒オースティンは中飛。
{考察}
二死から佐野にはストライクを取りにいったボールを打たれ、オースティンには一瞬ヒヤリとさせられたが、立ち上がりのサンチェスは変化球を低めに集める意識は高かった。
★1回裏★
{経過}
Ⓟ中川虎、松原は左飛⇒ウィーラーは右安⇒丸は見三振⇒岡本は右飛。
{考察}
松原と岡本はキッチリと捉えたものの、野手の守備範囲に飛ぶハードラック。
結局この回は、ウィーラーのヒットのみでチャンスを拡げられず無得点。
☆2回表☆
{経過}
Ⓟサンチェス、宮﨑は中安⇒ソトを空三振⇒柴田を中飛⇒大和は中安⇒中川は左適安(1点、一塁走者が三塁を狙うが挟殺される)、G0-B1。
{考察}
二死一二塁で投手の中川に簡単にタイムリーを許すようでは話にならない。
あれだけ意識していた低めへの投球もこの回は影を潜め、全体的にベルト付近にボールが集まっていた。
初回は良かったスライダー・カット系も甘かった。
★2回裏★
{経過}
Ⓟ中川、坂本は遊ゴロ⇒梶谷は中飛⇒大城は一ゴロ。
{考察}
何とか早めに追いつきたい巨人打線だが、三者凡退で攻撃を終えてしまう。
中川は立ち上がりよりも腕が振れていた。
☆3回表☆
{経過}
Ⓟサンチェス、桑原は遊ゴロ⇒伊藤は二邪飛⇒佐野は左邪飛(松原の俊足を活かしたナイスプレー)
{考察}
この回は結果的には打者三人で片づけたが、内容的には相手の打ち損じ、紙一重のバッティングをされていた。
相変わらず全体的にボールが甘い。
★3回裏★
{経過}
Ⓟ中川、北村は左安⇒サンチェスは捕犠打⇒松原は空三振⇒バッテリーエラーで三進⇒ウィーラーは四球⇒丸は左本(得点3)、G3-B1⇒岡本は空三振。
{考察}
二死一二塁のチャンスで丸が値千金の逆転3ランを放つ。
やや風に助けられた打球ではあったが、左手でしっかり押し込むスイングが出来たので「もうひと伸び」があった。
☆4回表☆
{経過}
Ⓟサンチェス、オースティンは左飛(松原のナイスプレー)⇒宮﨑を空三振⇒ソトを空三振。
{考察}
丸の逆転弾で投球に攻めの姿勢が出てきたサンチェスは、主軸相手を三人で片づける。
特に宮﨑から三振を奪った内角ツーシームは素晴らしかった。
★4回裏★
{経過}
Ⓟ中川、坂本は右飛⇒梶谷は左安⇒大城は四球⇒北村は左本(得点3)、G6-B1⇒サンチェスは見三振⇒松原は左飛。
{考察}
一死一二塁のチャンスで、今度は北村が3ランを放つ。
第一打席のヒットと合わせて見事、故郷に錦を飾った。
☆5回表☆
{経過}
Ⓟサンチェス、柴田は右線二⇒大和を見三振⇒代打細川は死球⇒桑原を右飛⇒伊藤を一ゴロ。
{考察}
先頭の柴田に二塁打を打たれるが、後続を討ち取って無得点。
この回もサンチェスは全体的にボールが甘く、相手の打ち損じに助けられた。
★5回裏★
{経過}
Ⓟ櫻井、ウィーラーは見三振⇒丸は四球⇒岡本は見三振⇒坂本は左安⇒梶谷は二ゴロ。
{考察}
二死一二塁のチャンスを作るが梶谷が倒れて無得点。
☆6回表☆
{経過}
Ⓟサンチェス、佐野を一ゴロ⇒オースティンを空三振⇒宮﨑は左線二⇒ソトを二ゴロ。
{考察}
二死から宮﨑に二塁打を打たれるが、ソトをキッチリと抑えて無失点で終える。
★6回裏★
{経過}
Ⓟ櫻井、大城は見三振⇒北村は四球⇒代打石川は中飛⇒松原は見三振。
{考察}
一死から北村が四球で出塁するが、後続が倒れてチャンスを拡げられず無得点。
二番手桜井の大きく割れるナックルカーブにタイミングが合わない。
☆7回表☆
{経過}
Ⓟ畠、柴田を空三振⇒大和を二ゴロ⇒代打牧を一飛。
{考察}
二番手の畠は常時150キロを超えるストレートを中心に、打者三人を簡単に片づける。
★7回裏★
{経過}
Ⓟシャッケルフォード、ウィーラーは遊飛⇒丸は中安⇒岡本は空三振⇒坂本も空三振。
{考察}
三番手のシャッケルフォードに対して、一死から丸がヒットで出塁するが、岡本と坂本は全くタイミングが合わず三振してしまう。
両者ともにバッティングの内容が良くない。
☆8回表☆
{経過}
Ⓟ畠、桑原を遊ゴロ(坂本の好プレー)⇒山本は左安⇒佐野を空三振⇒オースティンは中越二⇒宮﨑を二ゴロ。
{考察}
イニング跨ぎとなった畠は二死二三塁のピンチを招くが、宮﨑を何とか二ゴロに討ち取る。
★8回裏★
{経過}
Ⓟ伊勢、梶谷は一ゴロ⇒大城は左安(代走平間)⇒北村は遊併打。
{考察}
一死から大城がヒットで出塁するが、北村が併殺打に倒れる。
☆9回表☆
{経過}
Ⓟ田中豊、ソトを遊ゴロ⇒柴田を遊飛⇒大和は右飛。
{考察}
三番手の田中は打者三人をアッサリと片づけて試合終了。
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【勝負を分けたポイント】
冷静にサンチェスの投球内容を評価すると2点リードでは心もとなかったので、4回裏の北村の3ランは非常に大きかった。
改めてこの打席を振り返ると、彼のバッティングアプローチは見応えがあった。
筆者が考えた「彼が打席に立つ前に頭に入れておかねばならない事」は以下の3点。
➀相手中川はフォークは抜けて高めに浮きやすい(右打者の内角高め、左打者の外角高めに集まる)
➁ストレートを低めに集める制球力は無い。
➂低めはボールゾーンに外れ、ストライクはほぼ高めに集中する。
これを踏まえて全球振り返る。
1球目、低めストレートを見送り(ボール、カウント1-0)
2球目、低めフォークを見送り(ストライク、カウント1-1)
3球目、ワンバンドのフォークを空振り(カウント1-2)
4球目、低めカットボールをファール(カウント1-2)
5球目、内角高めのフォークをファール(カウント1-2)
6球目、内角高めのストレートを叩いてホームラン
全6球の中で、3球目の空振りだけ北村はミスしたが、他の5球に関してはノーミスだった。
打席に立つ前に前述の➀~➂が頭に叩き込んでいれば、狙うゾーン(目付)を高めに置いておけば好結果に繋がる可能性は高い。
1球目は低めに来たので見送って正解。
2球目もやや甘かったが目付を高めに置いていたなら無理に打ちにいかなくて正解。
3球目だけ不正解(フォークのタイミングで待っていたのでつい手が出てしまった)
4球目も追い込まれた状況なので低めのボールはカットで正解
5球目は高めに抜けた甘いフォークだったが、ストレート系を狙っていればカットで正解。
この5球目の抜けたフォークは、それまでに巨人の各打者がなかなか手が出なかったように、中川のような150キロ超のストレート持ちに対しては、なかなかフォークを狙い打つ事は現実的ではない(それを待っているとストレートに対応出来なくなる)
まあ、若いカウントなら、カウント球の浮いたフォークを狙う事もあり得るが、追い込まれた状況ではやめた方が良い。
つまり、この5球目のフォークをカットしてファールで逃げた事が大正解だった。
逆にこの北村の対応を見た相手捕手の伊藤が配球に悩んだと思う。
北村を舐めた訳ではないが「恐らく詰まってくれるだろう」と考えてサインを出した6球目のストレートだったと思うが、北村が非常にコンパクトながら強いスイングでスタンドに叩き込んだ。
普通なら、3球目の空振りで「勝負あり」だったかもしれないが「自身の調子の良さ」もあって4球目以降はその失敗を引きずらすに見事に立て直した。
【選手雑感】
☆サンチェス☆
6回1失点なので、結果だけを見れば十分に合格点ということになるが、内容的にはまだまだ危うさを感じる。
ぶっちゃけてしまうと、DeNA打線の淡白な攻撃と、捉えられた打球が野手の正面に行ってくれていたので助かっていた。
確かにスライダー、カットボール、フォークが低めにキッチリと制球出来ていればそう簡単には打たれないと思うが、良いボールがなかなか続かないので見ている方がハラハラする。
厳しい見方になるが、この投球では阪神、ヤクルト辺りには通用しないと思う。
☆丸佳浩☆
以前よりもスイングの軌道が良くなっている(インサイドアウト)ので、ミスショットが減っている。
右膝が早く割れる癖も、最終打席の横からの映像を見る限り我慢出来ている。
ここを我慢出来ているからこそ、インパクトで生まれるパワーが分散することなくバットに伝わっているので、やや差し込まれ気味になっても打球は飛んでいく。
逆転3ランはまさにそんな打球だった。
☆岡本和真☆
現状、構えの段階でグリップが体からかなり離れてしまっている。
もう少し上体の力を抜きつつ「グリップ1つ分」体の近くでバットを構え、そこからテイクバックする方が「スイングの出発点」が体の近くになるので、自然とインサイドアウトのスイングにりやすくなる。
現状は、それが原因で1アクション無駄な動きがあるので、その分タイミング的に遅れてしまい、ボールの見極めを難しくしてしまっている。
しかも、ドアスイング気味になる事も少なくなく、それによってミスショットも多くなっている。
【総評】
北村の一発以降のDeNA打線は下位チーム特有の「淡白な攻撃」だった。
それほど良いとは思えなかったサンチェスを捉えきれなかった事、ストレートは走っていたが、ほぼ真ん中付近に集まっていた畠を捕まえきれなかったのは、各打者に繋ぐ意識が薄れている事を意味している。
各打者の力量はかなり高いし、バッティングの調子も決して悪いとは思わないが、この試合ではそれがチームとして機能していなかった。
一方で巨人サイドはDeNA打線がそんな状態だったので久しぶりに楽な心境で試合終盤を見ることが出来た。
最終回も田中豊が登場したので「ムムッ」と一瞬思いはしたが、それが杞憂だという事はすぐに分かった。
明日も先取点を奪ってしっかりと主導権を奪えばぶっちゃけ勝てそうだが、山口俊に関してはまだまだ信用していないので何とも言えない。。。
まあ、多分、打線の援護が必要になるとは思うが、今永が良くなっていると。。。
是非とも彼には予想を裏切る快投を期待したい!
以上 敬称略
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