読売ジャイアンツvs広島東洋カープ 16回戦 観戦レポート 2021.8.25
【試合結果】
広島 120 000 000 3
巨人 102 000 02X 5
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巨人Ⓟ直江⇒大江⇒高梨⇒ビエイラ、大城、小林
広島Ⓟ玉村⇒島村⇒コルニエル、坂倉
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{勝}中川 (3勝2敗1S)
{敗}コルニエル (0勝2敗0S)
{S}ビエイラ (0勝0敗14S)
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{本}岡本和 31号(8回裏2ラン)
【試合経過/巨人サイドからの考察】
☆1回表☆
{経過}
Ⓟ直江、野間は左線二⇒西川は中安⇒小園を捕邪飛⇒鈴木は三ゴロ(本塁憤死、岡本好判断)⇒坂倉は中適安(失点1)⇒松山を捕邪飛。
{考察}
いきなり無死一三塁の大ピンチを迎えたが、その後は坂倉のタイムリーにより1失点で何とか凌いだ。
立ち上がりの直江は、ここ最近の中ではストレートの走りは良かったが、相変わらずボールにバラツキがあり、勝負球のフォークの精度が良くなかった。
途中からスライダーの精度が上がったので、何とか最少失点で凌げたが、二廻り目に向けてはフォークを含めた変化球の精度を上げないと厳しい。
★1回裏★
{経過}
Ⓟ玉村、若林は中飛⇒坂本は左安⇒丸は中飛⇒岡本は左安⇒中田は四球⇒ウィーラーは押し出し四球(得点1)、G1-C1⇒大城は三ゴロ。
{考察}
二死満塁のチャンスでウィーラーの押し出し四球による得点を奪ったが、内容的には玉村にかなり押されていた。
最後のボール判定になったストレートも紙一重。
☆2回表☆
{経過}
Ⓟ直江、林は左安⇒菊池は左線二⇒玉村は中越適二(失点2)、G1-C3⇒野間は一直⇒西川は四球、投手交代Ⓟ大江、小園を三ゴロ併殺。
{考察}
初回を最少失点で切り抜け、直ぐに味方が同点に追いついてくれたことで、直江が落ち着いてマウンドに登ってくれることを期待したが、いきなりの連打で完全に動揺してしまい、攻めの姿勢が消えてしまった。
しかし、更なるピンチで二番手の大江が追加点を許さなかった。
★2回裏★
{経過}
Ⓟ玉村、廣岡は空三振⇒大江は投ゴロ⇒若林は見三振。
{考察}
下位打線からの攻撃はあえなく三者凡退。
☆3回表☆
{経過}
Ⓟ大江、鈴木を右飛⇒坂倉を左安⇒一塁牽制死⇒松山を空三振。
{考察}
大江は一死から坂倉にヒットを許すが、巧みな牽制でアウトを奪う。
★3回裏★
{経過}
Ⓟ玉村、坂本は左安⇒丸は一邪飛⇒岡本は右中適二(得点1)、G2-C3⇒中田は三直⇒ウィーラーは中越適二(センターが打球判断を誤る、得点1)、G3-C3⇒大城は空三振。
{考察}
一死一塁の状況で岡本が技ありの二塁打を放って1点を返す。
さらに中田が倒れた後、ウィーラーのセンターへの打球を野間が目測を誤って同点に追いつく。
この時点では、やや巨人側に流れが傾いている印象。
☆4回表☆
{経過}
Ⓟ大江、林を空三振⇒菊池を遊ゴロ⇒玉村を一ゴロ。
{考察}
大江はこの回も落ち着いたマウンド捌くで下位打線を三人で片づける。
★4回裏★
{経過}
Ⓟ玉村、廣岡は遊ゴロ⇒代打石川は空三振⇒若林は左飛。
{考察}
下位からチャンスメイクして上位打線に繋げたいところだったが、あえなく三者凡退に終わる。
☆5回表☆
{経過}
Ⓟ高梨、野間を遊ゴロ⇒西川は見三振⇒小園は左安⇒鈴木を見三振。
{考察}
三番手の高梨は二死から左打者の小園にテキサスヒットを許すが、右打者の鈴木を三振に討ち取る。
★5回裏★
{経過}
Ⓟ玉村、坂本は中飛⇒丸は見三振⇒岡本は左飛。
{考察}
2番からの好打順だったが、チャンスすら作れず無得点。
ここまで玉村に対して丸は全くタイミングが合っていない。
☆6回表☆
{経過}
Ⓟ高梨、坂倉を中飛(丸の好プレー)⇒松山を見三振⇒林を空三振。
{考察}
左が続いたこの回も、イニング跨ぎとなった高梨は落ち着いたマウンド捌きで三者凡退に封じる。
★6回裏★
{経過}
Ⓟ玉村、中田は四球(代走重信)⇒二塁牽制死⇒ウィーラーは二ゴロ⇒大城は左飛。
{考察}
先頭の中田が四球で塁に出るが、代走の重信が牽制で刺されてしまう。
玉村の踏ん張りで、巨人側に傾きかけていた流れが、再び五分五分に戻った印象。
☆7回表☆
{経過}
Ⓟ畠、菊池を左飛⇒代打安部を一ゴロ(ウィーラーの好プレー)⇒野間を空三振。
{考察}
カープ側に傾きかけた流れを、ウィーラーの好守で再び引き戻す。
畠は先頭の菊池を抑えたことが非常に大きかった。
★7回裏★
{経過}
Ⓟ島内、代打吉川は中飛⇒代打松原は中飛⇒若林は左飛。
{考察}
代打攻勢を仕掛けるが、あえなく三者凡退。
試合はやや膠着状態に入った。
☆8回表☆
{経過}
Ⓟ中川、西川を二ゴロ⇒小園を三ゴロ⇒鈴木を四球⇒坂倉を右飛。
{考察}
二死から鈴木を歩かせるが、坂倉を討ち取って無失点で終える。
★8回裏★
{経過}
Ⓟコルニエル、坂本は見三振⇒丸は右安⇒岡本は左中本(得点2)、G5-C3⇒重信は二ゴロ⇒ウィーラーは四球⇒大城は捕邪飛。
{考察}
一死から丸がヒットで出塁し、岡本が初球の外角ストレートをバット一閃、左中間スタンドに放り込む勝ち越し2ラン。
☆9回表☆
{経過}
Ⓟビエイラ、松山を二ゴロ⇒林を見三振⇒菊池は四球⇒長野を右飛(松原好プレー)
{考察}
守護神ビエイラは、やや疲れを感じさせる投球だったが、簡単に二死を奪った後に菊池に四球を与え、長野には甘くなったスライダーをライト方向に狙い打たれ、大きな打球を飛ばされるが、ここで松原が素晴らしい打球判断、無駄のないプレーで好捕してゲームセット。
松原聖弥はこの守備があるので、簡単に外してはいけない選手だと思うんだが。。。
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【勝負を分けたポイント】
6回裏に痛い牽制死があったので、個人的には7回表のカープの攻撃がキーポイントになると見ていた。
それまでは変則左腕の大江と高梨に対して、完全に封じ込まれていたカープ打線だったが、この回は完全に別タイプの右腕・畠がマウンドに上がったので、失点するならこの回が非常に危ないと見ていた。
しかし、畠は落ち着いてゲームに入ってくれていた。
特に先頭の菊池の状態が上向いていただけに、かなり警戒していたと思うが、ここをしっかりと低めにストレートとスライダーを集めて左飛に討ち取った。
タイミング的には合っていただけに、少しでも甘くなったら長打も十分にありえた内容だったが、畠の精密な制球が光った場面だった。
更に、その直後に安部のヒット性の打球をウィーラーが好プレーで防ぎ、再び巨人側に流れを呼び込んだ。
【選手雑感】
☆直江大輔☆
ストレートは走っていたが、カウント球のスライダーやカーブ系の精度が前回と同じで甘く、ボールも全体的に高めに集まっていたので、ヒットゾーンに打球を飛ばされてしまっていた。
又、勝負球のフォークも全く決まらなかったので、追い込んでも打者をなかなか討ち取る事が出来ず、球数を要してしまっていた。
☆大江竜聖☆
絶好調という内容ではなかったが、総じて低めにボールが集まっていたので安定感はあった。
彼の踏ん張りが無ければ、序盤で試合は決まっていた可能性も大いにあっただけに、高い評価を与えるべきだろう。
☆高梨雄平☆
大江よりもややボールが浮き気味ではあったが、球威とキレは彼の方が良かった。
彼もカープ側に流れを渡さなかった意味では非常に大きな役割を果たした。
☆中川皓太☆
ストレートの球威は感じたが、やや抜け球が多かったことが気になる。
スライダーのキレもまずまずだったが、制球に関しては良かった状態と比べて心もとない。
但し、前回登板よりもボール自体の印象は良かったので、これからの更なる良化に期待したい。
☆岡本和真☆
これぞ4番、これぞ若大将というバッティングだった。
3回裏の1点差に追い上げるタイムリーは、追い込まれた状況で技ありのバッティング。
8回裏の2ランはコルニエルが投じた初球の157キロ外甘ストレートを一発で仕留める見事なバッティングと集中力。
技術的には、やや左肩の開きが早かったので、バットのやや先に当たってスタンド最前列へのホームランではあったが、彼の試合終盤の勝負強さには脱帽するほかない。
【総評】
噂通り、初対戦となった玉村は良い投手だった。
特に「右打者の懐にズバズバ投げ込んでくる攻撃的な投球」と「一転して外角にストレートとツーシームを投げ分ける器用さ」を併せ持っており、完成度の高さを感じた。
一方で、その玉村よりも一学年上の直江は、残念ながら序盤で捕まってしまったが、カープは左偏重の打線を組んでいたので、二番手大江と三番手の高梨の継投策がビタっとハマった。
カープとしては直江がマウンドにいる間にもっと得点を奪いたかったと思うが、もう一押しが足りなかった。
結果的にここがカープベンチの最大の誤算だったと思う(見通しの甘さとも言える)
逆に巨人側としては、早めに変則左腕の二人をつぎ込む継投策が取れたのは、中川が復帰して終盤のセットアッパーとして控えているからこそ出来た事だった。
そして、最後に試合を決めたのは岡本の一発だった。
まさに巨人ファンにとっては鳥肌モノの「劇弾」で、文句なしのMVPだと思う。
しかし個人的にもっと称賛したいのは、鉄壁だった巨人守備陣の方で、初回のサード岡本の本塁送球、2回のファースト中田の好捕、6回のセンター丸の好捕、7回のファーストウィーラーの好捕、そして9回のライト松原の好捕、いずれも球際の強さをいかんなく発揮した好プレーだった。
特に最終回の松原のプレーは、簡単なプレー(捕って当たり前のようなプレー)に見えるかもしれないが、実は非常に高いレベルの一瞬の打球判断と、落下点まで一切無駄のない動きが求められるプレーで、これをサラッとやってのける外野手はそうは見当たらない。
外野手経験のある筆者にとっては、驚嘆レベルのプレーだった。
以上 敬称略
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