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巨人新外国人投手マット・アンドリースの来日前評価

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巨人新外国人投手マット・アンドリースの来日前評価

☆略歴、投手としての特徴
1989年、アメリカ・カリフォルニア州出身の32歳(今年で33歳)
188㎝、97㎏、右投右打、投手
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2008年 MLBドラフト37巡目(全体1113位)でレンジャーズから指名されるが契約に至らず進学
2011年 MLBドラフト3巡目(全体112位)でパドレスから指名され契約
2014年 トレードでレイズに移籍
2015年 開幕から25人枠に入り、4月にメジャーデビューを果たす
2016年 主に先発として登板して8勝をマーク
2017年 主に先発として5勝をマーク
2018年 7月にダイヤモンドバックスにトレード、オフに日米野球のMLB選抜に選出されて来日
2020年 1月にエンゼルスにトレード、オフにノーテンダーFAとなり、レッドソックスと単年契約
2021年 8月にDFAとなり、その後に自由契約となるが直ぐにマリナーズと契約するも、9月に再びDFAとなり、その後にFA、そして12月に読売ジャイアンツと年棒200万ドルの単年契約を結ぶ
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2021年シーズンの投球データ
・フォーシームの平均球速148キロ、最速152キロ
・持ち球はチェンジアップ、カーブ、カットボール、ツーシーム(シンカー)
・球種の割合はフォーシームが約44%、チェンジアップが33%、カーブが13%、カットボールが5%、ツーシームが4%
・チェンジアップは140キロ弱、カーブは130キロ弱、カットボールは140キロ弱、ツーシームは140キロ中盤
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・2017年までは先発での登板が多かったが、2018年以降は徐々にリリーフの割合が多くなる
・スポーツ報知に掲載されたデータによると、フォーシームはMLB平均よりもホップ量が多く、チェンジアップの落ち幅が大きい。



☆MLB成績、指標から見える長所と短所
※長所
・ストライクゾーンで勝負する能力を表す指標としてMLBで重要視されているBB/9が通算で2.6、去年も2.4なので優秀と言える(目安として2.0が非常に優秀、2.5が優秀、3.0が普通、4.0が悪い、4.5が非常に悪い)
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・制球力の良さを計る指標として重視されているK/BBも通算で3.22、去年も3.84でこちらも優秀(一般的に優秀な投手は3.5を超える、ちなみに去年の菅野4.08、メルセデス3.88、山口2.24、戸郷2.33、髙橋1.25)
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・奪三振率も通算で8.4、特にリリーフ登板が多くなった2019年以降は9.3~10.1と高いレベルの奪三振率を維持している(菅野が通算で8.03、山口俊が8.82、デラロサが8.72、戸郷が8.56、メルセデスが6.59)
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※短所
「被打率が高く、防御率も悪い(シーズン4点台が多い)要因は?」
➀ゴロで討ち取った打球の割合を示すGB%はMLB平均を超えているので、どちらかというとゴロで討ち取るタイプの投手だが、芯で捉えられた打球が多く、野手の間を抜けていく打球が多い
➁去年のストレートの平均スピード(約148キロ)はMLBの平均をやや下回るので、メジャーでは球威不足だった。
➂ストレートの通算被打率(.272)でまずまず、チェンジアップ(.248)とカットボール(.260)は優秀だが、カーブ・ツーシームの通算被打率が3割を越えている



☆YouTube動画で投球内容を見た感想
➀非常に質の高いフォーシームを投げる
前段でも触れたが、素晴らしいフォーシームを投げる。
殆どショート回転しないスピンがかかった日本の投手のようなフォーシームを投げる。
MLBでは球速が平均よりやや下回っていたので、逆に捉えやすいボールになっていたのかもしれないが、日本なら十分に通用するレベルのストレートだ。
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➁低めに集める制球力が高い
ストレート系、スライダー・カーブ系、チェンジアップ系、いずれのボールも低めに集める意識が強く、精度も悪くない。
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➂ホップするストレートと、落差の大きいチェンジアップで多くの三振を奪える
低めにズバッとくるストレートと、途中まで同じ軌道で打者の手元でスッと落ちるチェンジアップは打者にとっては慣れるまでは相当厄介だと思う。
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➃不安はセットポジションでの投球
日本では「なんちゃってクイックモーション」は通用しないし、MLBのような忖度しないでガンガン二盗や三盗を狙うリードオフマンが多いので、MLB在籍時のままでは非常に拙い。
彼の場合、セットポジションでも左手で大きくリードしたいタイプなので、クックモーションは苦手だと思う。
去年の映像を見ても、一塁に走者を背負う場面でのモーションは、クイックとは呼べるレベルではなかった。
この辺りを直すことが出来るか?
まあ、クイックはやる気になれば出来るようになるかもしれないが、それよりもクイックにする事で投球レベルが大きく悪化して、そこから自分を見失ってしまう事の方が怖い。



☆巨人で期待される役割と期待度は?
前段で指摘した「クイックモーションの問題」をクリアし、MLBとのボールの違いに適応して、更に怪我無く加齢的な劣化も無いことを前提で予想すれば、先発として二桁は十分勝てるレベルにある投手だと思う。
筆者の見立てでは、日本で成功する典型的なタイプと見ている。
非常に纏まった投手で、MLBでは並のレベルでも、NPBでは上位スペックと言える投手で、特にMLBではフォーシームの球威が足りなくなった事が致命的となって先発を外された可能性が高いが、日本球界なら先発としてなら平均以上の球威で、四球で崩れる心配も殆どない。
変化球もチェンジアップはNPBでも十分に三振を奪える変化量やキレで、カットボールも悪くない。
これにカーブとツーシームを見せ球で使えれば投球の組み立てで苦労する事は無い。
但し、それもこれも冒頭の三つの課題をクリア出来れば。。。ということ。
特にクイックモーションと加齢による衰えは彼にとっては高いハードルと言える。
前者はともかく、後者はコロナの影響でキャンプも満足にせずに新天地でプレーするのは非常にハイリスクと言える。
勿論、アメリカでの合同トレーニングなど、球団もそこはちゃんとケアしているようだが、どこまでコンディションを維持できるか。。。
これがリカバリーがまだまだ効く27~28歳程度の伸び盛りの投手なら良いが、年齢的に円熟期に入った彼にとっては非常に調整が難しくなると思う。
平時に来日するならかなり期待感のある投手という見立てだが、残念ながら来日して実際に投球内容を見ないと計算は難しいだろう。

以上 敬称略
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