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巨人春季キャンプレポート2022.2.6

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巨人春季キャンプレポート2022.2.6

今日から数回に分けて助っ人外国人選手達(デラロサ、ビエイラ、メルセデス、ウィーラー)の特集を行う。
今回はメルセデスの特集で、彼のここまでの巨人での歩みを振り返りつつ、そこから見えてきた課題を浮かび上がらせ、今後の期待を語っていこうと思う。
尚、新外国人選手ついては既に特集記事として公開しているアンドリース以外のポランコ、ウォーカー、シューメーカー(契約濃厚)についての来日前評価は今後のキャンプ休日に随時公開していく予定。
ということで、まずはいつのもようにキャンプトピックスから。。。

☆巨人春季キャンプトピックス
※一部のS班野手陣が一軍本体のメニューに参加する
今日から投内連携などの実戦を想定したメニューが始まり、S班のベテラン野手(中田翔、ウィーラー、中島宏之)が若手投手陣をともに汗を流す。
又、ウィーラー、丸佳浩、中田翔が今キャンプでは初めてサンマリンスタジアムでランチ特打を行った。
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※中田翔のランチ特打を見た感想
今日の映像を見る限り、まだ去年の悪癖が完全に修正されていなかった。
元々調子が落ちてくると、状態が突っ込み気味になって、左足に早く体重移動する悪癖があったし、去年は力みもあって更に如実に出てしまっていた。
この特打ではまだまだトップから長くボールを見る形が作れておらず、右の軸足から左足に体重移動するのが早いため、投球に対してバットを衝突させてるスイングに見えてしまっている。
ボールを呼び込めていないこの形ではどうしてもストレート系に差し込まれやすくなるし、ミスショットの割合も多くなる。
まあ、まだまだ完全に調整の初歩段階なので、これをもって彼の今季の成績を予想することは無謀だが、今後の彼のバッティングについては注視していきたい。



☆メルセデス
2012~2015年はレイズ傘下のマイナーでプレーする。
2016年にドミニカのカープアカデミーの門を叩き、カープのユニフォームを着ておよそ1年間プレーする。
そして同年に行われた巨人の海外トライアウトに合格する。
2017年に育成選手として入団し、この年の二軍での成績は18試合登板2勝3敗(防御率3.29)
2018年は春先から二軍で好成績を積む重ね、その活躍が評価されて7月に支配下選手契約を結び、その年は5勝(防御率2.05)をマークして当時24歳という若さもあって翌年以降の飛躍を大いに予感させた。
2019年は復帰した原監督に先発ローテの軸として期待されたが、球数が80球を超えると急激に球威が落ちるスタミナ不足が露呈し、この年は結局8勝8敗(防御率3.52)で規定投球回数にも届かなかった。
2020年は開幕からローテの軸としてまずまず結果を残していたが、8月の試合中に発生した肘の故障が完治せず、結局4勝でシーズンを終え、オフに肘のクリーニング手術を行った。
2121年は肘の不安が無くなって開幕から好調を維持して飛躍を予感させる。
しかし、交流戦で痛めた太ももの影響もあって調子を徐々に落としてしまう。
それでもオリンピックではドミニカ代表として参加し、銅メダル獲得に大きく貢献して復活した姿を見せるが、チームに戻ってからは今一つ精彩を欠いて7勝(防御率3.77)止まりでシーズンを終える。



2018年の一軍デビュー当時は8分の力での投球(制球重視)だったので、ストレートは140キロ前後だったと記憶しているが、右打者の手元でカット気味に小さく変化する球質は非常に魅力的だった。
これに加えて鋭く変化する大小のスライダー系も抜群で、更に外に微妙に変化するツーシームを絡めて右打者を抑え込んでいた。
しかしながら一方で、左打者に対しては内角にツーシームを突っ込んで行く制球力は乏しく、ほぼ外角へのストレートとスライダー系の出し入れのみで勝負せざるをえなかったので、対左打者の被安打率が高くなり、そこが彼の大きな課題となった。
2019年もその課題を克服できず、基本的には球種が少ないので攻めが単調になりがちになること、そして対戦を重ねるうちに打者の慣れも生じて厳しいコースに投げてもファールで逃げられるケースが増えたので、前年のように少ない球数の投球が困難になり、この年以降は完投がゼロになった(2018年は2完投1完封)
2020年は投球スタイルをややマイナーチェンジして、抑え気味で制球重視だったストレートを平均で3~5キロ程度スピードアップさせ、打者に力勝負を挑むケースが増え、又、課題だった対左打者に対しても少しづつ磨いていたツーシームの精度が上がった事により、弱点を克服しつつあった。
しかし、それが原因かは分らないが、この年は肘の故障に苦しんでオフに手術をすることになってしまう。
そんな故障明けで迎えた去年は肘の不安が無くなって腕の振りが格段に上がり、春先から明らかに球威が増した印象だった。
しかし、もう一つの課題であるスタミナ不足はまだまだ解消出来ず、早い時は打順二廻り目、遅くとも三廻り目で球威がガクッと落ちてしまっていた。
ここまでざっと去年までのメルセデスの歩みや投球内容を振り返ってきたが、ここからは今季に向けての修正点を挙げていく。



前段でも触れたが、ツーシームが操れるようになったので、左打者の懐へ出し入れが出来るようになり、以前のように打者に安易に踏み込ませてスイングさせることが少なくなった。
これによって左打者の被打率も3割を切るようになり、この部分に関しては確実に進歩している。
一方で、以前はあまり見られなかった制球ミスが多くなり、特に右打者の懐の出し入れの精度が落ち、甘くなったボールを痛打されるケースも少なくなかった。
これは力を入れた球威重視による副作用とも言えるが、ここは要改善だと見ている。
もう一つ制球面で気になるのは、簡単に追い込んだ後の外し球(もしくはキャッチャーがボール気味のコースを要求したケース)が甘くなるケースが少なくなかった事。
捕手は見せ球のつもりでも、メルセデスはその捕手の意図をしっかり理解しないまま、何となくボールを投げているように感じた。
勿論、彼のハイテンポでの投球は持ち味だが、こういう圧倒的に投手有利な状況から簡単にヒットを浴びると試合の流れが大きく変わる危険がある(彼自身のメンタルにも影響を及ぼす)ので、もっとそこは意識した方が良い。
勿論、バッテリーを組む捕手もメルセデスのそんな「癖」を頭に入れながら、リードしなくてはいけない。
又、それにも関連してくるが、もう少し投球にメリハリが欲しい。
基本的にはハイテンポでガンガンとストライクを奪う彼の投球スタイルを変える必要はないが、勝負処では一呼吸置いたり、キャッチャーが意識的に少しの「間」でも良いので時間を作って、息を整えさせつつ集中力を高める工夫をバッテリーでしてもらいたい。



さて、メルセデスはまだ規定投球回数に一度も達していない。
その原因は故障による離脱が大きいが、個人的には彼の体力不足も関係していると見ている。
ビックリするようなボールを投げるようになったと思ったら、一週間後は別人のような普通のボールを投げたりする。
好調期間が短く、調子のアップダウンが非常に大きい印象で、去年も開幕当初は凄いボールを投じていたが、5月になると別人のような投球になってしまっていた。
又、その日の登板の中でも体力のある時とスタミナが切れたときのボールの落差があまりにも激しい。
よって彼の交代時期には首脳陣も毎度悩まされている。
彼も今年で28歳という投手で言えば円熟期に入る年齢になるので、そろそろスタミナ不足は卒業してもらいたい。
先日の特集で戸郷に対しても同じような課題を指摘したが、菅野と山口俊以外の巨人の先発陣は他球団の先発投手と比べて体力不足が顕著に表れてしまっている。
まあ、これについては原監督が比較的早めに継投したがるので、その副作用と言っても過言ではない。
今季も去年のように早めの継投を続けるなら、この問題点は改善出来ない可能性が強いので、やはりどこかで腹を括って続投させることも必要になるだろう。
勿論、それは5回終わって球数が100球超えるような投球では話しにならないし、桑田コーチが言うように120球程度をキッチリ投げ切れる体力を身に着ける事が大前提ではある。
去年までのメルセデスのように、80球を超えた辺りから怪しくなり、100球を超えたら一気にガス欠してしまう体力では首脳陣も早めの継投をせざるをえない。
彼にはその辺りも十分に自覚して、今キャンプに臨んでもらいたい。
そこを克服できればアッサリと規定投球回数をクリア出来るだろうし、初の二桁勝利も視野に入ってくる。
個人的には、現状の巨人の左腕先発陣の中では最もポテンシャルのある投手だと評価しているので、ここまで挙げてきた課題を是非とも克服して「二けた勝利を目指す」などという小さな目標ではなく、大きく15勝を目指して欲しい。
その可能性は十分にある筈だ。

以上 敬称略
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